映画『目撃者 闇の中の瞳』の概要:現役で活躍する記者は愛車がある事故車であると知り、過去に関わった衝撃的な事故の真実を追う様子を紡ぐ。ホラー映画「紅衣小女孩」で注目を集めたチェン・ウェイハオ監督がメガホンを取っている。
映画『目撃者 闇の中の瞳』の作品情報
上映時間:117分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:チェン・ウェイハオ
キャスト:カイザー・チュアン、シュー・ウェイニン、アリス・クー、クリストファー・リー etc
映画『目撃者 闇の中の瞳』の登場人物(キャスト)
- シャオチー(カイザー・チュアン)
- 元敏腕記者。中古で購入したばかりの愛車に事故歴があると知り、9年前に掴むことのできなかったある事件の真実を追い始めるようになる。
- マギー(シュー・ウェイニン)
- シャオチーの先輩。仕事に熱を上げるシャオチーを支えながら、自分に好意を寄せてくれてくれるシャオチーに甘えている。9年前の事故を追う手伝いをする。
- シュー・アイティン(アリス・クー)
- 9年前の事故の被害者。助手席に乗っていたため、命は助かったが足に後遺症を抱えている。誰にも所在を明かさず、こっそりと暮らしていたがシャオチーに見つけられてしまう。
映画『目撃者 闇の中の瞳』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『目撃者 闇の中の瞳』のあらすじ【起】
2007年、大雨の日に郊外の賛同で車両同士の事故は起こった。偶然にも目撃者となった新聞社の実習生・シャオチーは無残にも潰れた被害車両へ駆け寄る。すでに息絶えた運転手と瀕死状態の助手席の女性を目の当たりにし、とっさに現場から逃げ出そうとする加害車両を写真に収めるのだった。すぐに上司のチウ編集長へその写真を見せたシャオチー。しかし、ナンバープレートの数字が判読されず加害者の逮捕へとつなげることはできなかった。
9年の歳月を過ぎ、シャオチーは敏腕記者となり日々スクープを追っていた。その日も事故があったと聞きつけ一番に駆けつけると、被害者である国会議員の不倫が発覚し早々に上司・マギーへと報告する。浮かれたシャオチーは不運にも買ったばかりの愛車をぶつけてしまうのだった。
車の修理を依頼すると、修理工のジーはこの車は以前にも事故を起こしているはずだと指摘をする。気にかかったシャオチーは警察のコネを使い、愛車の事故歴を調べてもらった。するとそれは自身が目撃した9年前の事故の被害者車両であると発覚したのである。
さらにシャオチーの不運は続く。スクープとして取り上げた国会議員の不倫騒動は誤報であった。実は二人は極秘結婚をしていたのである。名誉棄損で新聞社を訴えると騒動になってしまい、シャオチーは仕事を失ってしまうのだった。
映画『目撃者 闇の中の瞳』のあらすじ【承】
9年前の事故の日、富豪の娘の誘拐された事件も起こっていたと知ったシャオチー。さらに自分が撮った事故の写真が一部削除されていることにも気づく。全てのデータを管理していたチウ編集長を疑い始めたシャオチーは、マギーの協力を得て独自に調査を始める。
被害者であるアイティンを訪ねるが、誰も連絡を取っていないと言う。訪ねる先で皆同じお茶を出していることから、購入者の「チャン先生」と呼ばれる女性にたどり着く。シャオチーの予想は当たりアイティンと対面することができたが、足に後遺症を抱えたアイティンは居場所や事故に関して深入りしないでほしいと申し出られてしまう。
帰宅後、アイティンから電話をもらい「事故がなければ恋人から逃げられなかった」と本音を聞いたシャオチーは何とか会う約束を取り付けようとするが、チャイムが鳴った矢先アイティンの悲鳴が聞こえるのだった。
明け方アイティンの部屋を訪ねると、すでに姿はなかった。不審な男の姿を見かけ追いかけるも危険車両に襲われてしまう。記者ではないシャオチーは警察にも冷たくあしらわれるが、新人警官・ウェイに何とかナンバープレートの照会をしてもらい情報を集めていくのだった。その頃アイティンは何者かに捕らえられ身の危険にさらされていた。
映画『目撃者 闇の中の瞳』のあらすじ【転】
ジーから9年前の事件について話したいと呼ばれ修理工場に向かったが、無残な姿で倒れ込むジーを目撃してしまう。そしてそこにはチウ編集長も佇んでいた。以前編集長が乗っていた黒いベンツに関して問いただしたシャオチーは、ジーが飲酒運転の末起こしてしまった事故について明かされた。実は9年前の事故はジーが修理依頼を受けた編集長の車で起こしてしまったものだったのだ。
行方不明のアイティンを探しにとある集合住宅にたどり着いたシャオチー。そこにはウェイが住んでいた。部屋の中でアイティンの親族も写った写真を見つけたシャオチー。実はアイティンを監禁していたのはウェイである。9年前の事故以降アイティンが逃げていたのはこの男の存在であった。
シャンチーは好意を寄せるマギーとチウの内密な関係について気付いてしまう。そして9年前の事件に関するチウの証言について嘘だと確信を得るのだった。事件の日はジーがプロポーズに成功した日でもある。事故を起こしたのは、マギーを乗せ飲酒運転をしたチウである。告発しようとするシャオチーだが、「証拠がない」とチウは一蹴するのだった。
映画『目撃者 闇の中の瞳』の結末・ラスト(ネタバレ)
権力の前にひれ伏せたシャオチーだが、ウェイの観察は続行した。不審な行動をするウェイの姿を見かけ部屋に押し入ったシャオチーだが、もみ合いになり襲われてしまう。厳重に鍵がかけられた部屋を開けようとした矢先、「200万使ったか?」とシャオチーは問いかけを受けた。実は事件の日、アイティンと死亡した被害者の男は誘拐事件の身代金を受け取りに行っていた。誘拐の被害者である少女の見張りをしていたウェイは、誤って少女を殺害してしまい2人に裏切られたのである。その矢先に事故は起こった。車から身代金を奪ったウェイは唯一生きのこったアイティンを追い求めていたのだった。
内務省の大臣となったチウとある取引をしたシャンチー。ウェイを殺めてしまったが、正当防衛にしてもらったシャンチーは、内務省広報主任のポストを得てマギーたちとの関係を続けた。それは事故車両の運転をしていたのはマギーだったと知ったからである。実は9年前の事件の時、シャンチーは身代金に少し手を付けていた。そしてマギーもまた、嘘を貫き通しシャンチーに微笑みかけるのだった。
映画『目撃者 闇の中の瞳』の感想・評価・レビュー
製作国台湾では金馬奨で主演男優賞のノミネートなど高い評価を得た今作。それぞれ欺き合う展開は迷路のようなサスペンス要素が強く、終盤に向かうにつれて見る者の集中力と体力を消耗していく。英題に引用しているマザーグースの一節、「Who Killed Cock Robin」はこの物語を象徴するにふさわしい。嘘が嘘を呼び、隠し事は隠し事を生む。自分の元へと回り巡る不遇な運命を目の当たりにしてしまった。(MIHOシネマ編集部)
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