この記事では、映画『モンスター 変身する美女』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『モンスター 変身する美女』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『モンスター 変身する美女』の作品情報
上映時間:109分
ジャンル:ファンタジー、ラブストーリー、ホラー
監督:ジャスティン・ベンソン、アーロン・ムーアヘッド
キャスト:ルー・テイラー・プッチ、ナディア・ヒルカー、フランチェスコ・カルネルッティ、ニック・ネヴァーン etc
映画『モンスター 変身する美女』の登場人物(キャスト)
- エヴァン(ルー・テイラー・プッチ)
- 両親を亡くし、イタリアに旅に出る。ルイーズに恋をする。
- ルイーズ(ナディア・ヒルカー)
- 科学者。イタリアでエヴァンに出会い、彼との関係を楽しむが秘密を抱えている。
- アンジェロ(フランチェスコ・カルネルッティ)
- イタリアでオリーブ畑を営んでいる。エヴァンの雇い主。亡くなった妻を愛し続けている。
映画『モンスター 変身する美女』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『モンスター 変身する美女』のあらすじ【起】
エヴァンは病気で横たわる母と他愛のない会話をする。だが、母が苦しそうに咳き込んだかと思ったら、そのまま息を引き取ってしまう。
母が死に、バーで仲間達が励ましてくれる。しかし、エヴァンは男に絡まれ咄嗟に殴ってしまう。その為、バーでの仕事をクビになる。しかも、先程の男に後をつけられ家がばれてしまう。
エヴァンが部屋で女性とセックスをしているとゴムを探す時にパスポートが出てきた。彼女に旅に出たらと進められるが、話している最中に眠ってしまう。朝になり目が覚めると女性はおらず警官が訪ねて来た。エヴァンの目にパスポートが映る。
エヴァンは電話で飛行機の空いている席を訪ね、イタリアへ行く事を決める。イタリアに着き、バーで知り合ったトムとサムと仲良くなる。
次の日、トム達のくだらない話を聞きながら車で海へ行く。しかし、静かになった車内で運転していると、エヴァンの頬には自然と涙がこぼれていた。トムは女関係だと勘違いし、自身のフラれた体験を話しエヴァンを慰める。
イタリアの静かな街並みを眺めていると美しい女性を見かける。日が沈む頃、トム達とお酒を飲んでいると昼間の女性を見かける。エヴァンは勇気を出して声を掛けるが、逆に女性から家に来るかと言われ不審がる。女性はデートの誘いを嫌がり、明日の夜にお酒を飲みに行く事も断られる。そして、困り切った表情をして彼女は去ってしまう。
映画『モンスター 変身する美女』のあらすじ【承】
トム達は観光に出かけ、エヴァンは彼らと別れを告げる。エヴァンは町に出かけ、掲示板に求人広告が貼ってあるのを見て応募しに行く。農業の経験はないが採用してくれた。週に1度オリーブの実を取る仕事だった。
雇い主のアンジェロは武骨な男性だったが、妻を交通事故で亡くし傷を抱えて生きていた。
エヴァンは町を散策していると昨日の女性ルイーズに再会する。覚えたてのイタリア語で必死に口説き、博物館に行く彼女について入る。コーヒーを飲みながら互いの話をする。ルイーズは各国を旅して暮らしていた。ラブレターを求められエヴァンは照れながらも書く。貰ったルイーズは微笑み、二人はそのままワインを楽しむ。
エヴァン達はお酒を飲みながら夜の街を歩き、会話をしていたがゆっくりと二人の距離が近づきキスをする。そして、そのままセックスをする。夜中、エヴァンが寝ている横でルイーズは目を覚ますが、その顔には不気味な線が浮かび上がっており服を掴んで町へと飛び出す。
エヴァンは目覚めると隣に誰もいない事にがっかりする。アンジェロに仕事を教えて貰い、言われた事をきちんと覚えていく。
洗面台でコンタクトを入れていたルイーズは、日光で手が焼けてしまい慌てて薬を注射する。すると、みるみると傷が治っていく。
エヴァンはアイスクリーム屋に居るルイーズを見かけ声を掛けるが、あなたの事を思い出せないと言われ傷つく。しかし、それはルイーズのジョークだった。二人でアイスを分け合いながら楽しく町を歩く。そして、彼女の部屋に招かれる。
映画『モンスター 変身する美女』のあらすじ【転】
ルイーズは何ヵ国語も話し、“肉体の儀式”と言う本を持っている不思議な女性だった。エヴァンは煙草を吸いながらルイーズの料理を待って寛いでいた。ルイーズはエヴァンの煙草を分けてもらいに行くが、鏡に映った自身の右足が変形している事に気付く。エヴァンに悟られないよう、冷蔵庫にある注射器を慌てて取りに行く。
ルイーズはお風呂場でオオカミ人間のような姿に変形するが、震える手で注射を打つ。人間の姿に戻った彼女の背後には、夥しい血が飛び散っていた。
ルイーズはエヴァンに突然シャワーを浴びたくなったと嘘を付き、日光に弱く薬を飲んでいるから昼間は会えないと告げる。
エヴァンがトイレに入ると、注射器が床に落ちているのが見えた。
エヴァンはルイーズと夜に会い注射器の話をするが、ドラッグなどではなく複雑な病気なのだと告げられる。携帯で写真を撮ろうとするがルイーズは嫌がる。無理やり撮った写真の彼女は上手く映っていなかった。代わりに家族の話をしてと言われるが、エヴァンは話す事が出来ない。怒ったルイーズは店を出てしまい、慌ててエヴァンは追いかける。
浜に出てエヴァンは両親が亡くなって一人になってしまった事を告げる。エヴァンは悲しみを未だに乗り越えずにいたが、ルイーズと話し少しずつ落ち着く。エヴァンはルイーズの秘密を聞く。ルイーズの秘密は左右の目の色が違う事だった。
仕事場でエヴァンはアンジェロに、レモンとオレンジが同じ木に実っている理由を問いかける。その木は接ぎ木をしており古い木が新しい木の養分となっていた。
ルイーズは体の変形を止める為、薄暗い廃墟で兎の血を使い儀式を行う。だが、上手くいかない。咄嗟に肉を食べ、体を脱皮させる。
エヴァンは仕事が終わり暇になったので、美術館に行く。そこではルイーズのように左右の目が違う人の絵が飾られていた。
映画『モンスター 変身する美女』の結末・ラスト(ネタバレ)
ルイーズがエヴァンと夕食を楽しんでいる時、脇から土色の汁が出ているのが分かり慌てて帰る。夜道をふらつきながら歩いていると、薬をやっていると誤解した男性に声を掛けられる。そのまま男性はルイーズを犯そうとするが、振り向いたルイーズの顔は醜い顔に変形していた。その姿を、左右の目の色が異なる初老の女性が見ていた。
翌日、男性の変死体が打ち上げられる。
ルイーズはエヴァンの来訪に喜ぶ事が出来ない。そして、エヴァンに別れを告げる。エヴァンは突然の事に困惑し、もう二度と会わないと言う彼女の言葉に怒りを覚える。ルイーズは何も言葉を発さず、エヴァンを部屋から送り出す。
エヴァンはアンジェロに仕事を辞めると伝える。その時、警察が訪ねてくるのが見えた。アンジェロに彼らは移民局でエヴァンの立場はヤバいと言われ、エヴァンは慌てて逃げ出す。
エヴァンはその夜、ルイーズの家を訪ねる。物音が聞こえ玄関を覗くと血が床に飛び散っているのが見えた。ドアチェーンを破り中に入ると、タコのような足を持つ化物がうごめいていた。エヴァンは恐怖に震えながらも、咄嗟に傍に落ちていた注射器を打ちつける。すると、化物はルイーズの姿になった。
ルイーズに説明を求めるが、謝るだけで何も話してくれずエヴァンは怒り外に出る。ルイーズは慌てて後を追いかけ真実を話す。絵画展に飾られている絵は2000年前のルイーズ本人で、年もとらず怪我もすぐに治る。20年ごとに妊娠し、半分新しいDNAを持った新たなルイーズに生まれ変わる。エヴァンは怒りと困惑でルイーズの顔を見ることが出来ない。
しばらくして落ち着いたエヴァンはルイーズの元に戻り、彼女が生まれ変わるまでの時間を共に居たいと言う。ルイーズは愛していないと伝えるが、エヴァンは諦めない。警察を見かけた二人はとりあえず町を出る事にする。
セックスをし、町を歩き、恋人のように楽しむ。二人は変異の事や彼女の死の話をする。ルイーズが生まれ変わらずに永遠の命を捨て寿命を全うするには、恋に落ちオキシトシンが分泌される必要があると言う。それは、彼女の意思で決める事は出来なかった。
ルイーズは最後の注射器を使い終わり、エヴァンを伴って自身の故郷を訪れる。
その場所は最近、遺跡として発掘された場所だった。ルイーズの体は母から受け継いだものだった。母は父を愛し、ルイーズを産んでくれたのだ。
ルイーズはエヴァンに膝枕をして貰いながら彼に話をせがむ。エヴァンは手を握りながら恋についての話を訥々と話す。すると、日が昇り火山が煙を上げるのが見えた。ルイーズに視線を戻しても変化はなく、二人は幸せそうに見つめ合った。
映画『モンスター 変身する美女』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
『ホラー×恋愛』というジャンルの融合に驚きました。最初はイタリアを旅する青年の青春ものかと思いきや、恋した相手が“人外”という展開にはドキリ。ルイーズの抱える運命と、それを受け入れるエヴァンの姿には、深い愛の形を感じました。彼女が永遠の命を捨ててエヴァンを選ぶラストは切なくも美しい。映像も詩的で、美しいだけで終わらない力がある作品でした。(20代 男性)
幻想的な映像と奇妙なラブストーリーが絡み合い、不思議な余韻を残しました。ルイーズの秘密が明らかになるまでは、どこか神秘的でロマンティック。でもその後の展開が予想外すぎて一気に惹き込まれました。女性である私でも、彼女の決断には思わず涙。愛ゆえに変わろうとする彼女の選択がとても切ない。(30代 女性)
旅先での恋愛映画だと思って観たら、完全に裏切られました。ホラーやSFの要素を含んでいるのに、全体としては一途な恋愛の物語として成立しているのが驚き。ルイーズの存在そのものが人間離れしていても、エヴァンの愛が本物だったからこそラストが成立したんだと思います。かなり挑戦的な構成ですが成功している稀有な作品です。(40代 男性)
ルイーズがモンスターに変身するシーンはグロテスクだけど、そこに感情が乗っているから怖くは感じなかった。むしろ、自分の本性を見せることの恐怖と、それでも愛し合おうとする姿に泣けました。ありきたりな恋愛映画では満足できない人にぜひ観てほしい作品。ラストの静けさが印象的でした。(20代 女性)
この映画はジャンル分けが難しいですが、それが魅力でもあります。ルイーズの不老不死の設定と、それをやめて人間として生きるという選択に深いテーマを感じました。時間と愛、そして命について考えさせられる。ホラーというより神話的ファンタジーに近い印象で、映像美もとても良かったです。(50代 男性)
ちょっと怖いけど、すごく美しい。ルイーズの変身する姿も、彼女の語る長い人生の記憶も、すべてがどこか詩的で惹き込まれました。ホラー要素は苦手だけど、この映画は“怖い”というより“切ない”が勝っていて、最後まで引き込まれました。ルイーズの目の演技が特に印象に残っています。(30代 女性)
ルイーズの正体が明らかになる中盤以降、愛が試されるような緊張感があってとても良かった。命や人間であることの意味、恋に落ちるということの本質を問いかけてくる映画だと思います。美しくて異質、でも心に深く残る一本でした。エヴァンの優しさと決断にも共感できました。(40代 女性)
『変身する美女』という邦題で軽いB級かと思っていたら、想像以上に深く、感情に訴える物語だった。ルイーズの語る数千年の人生には圧倒されるし、永遠の命を捨ててでも愛を選ぶ展開には心を打たれました。変身シーンもリアルだけど不快感より神秘性が勝っていて見やすいです。かなり独創的な映画でした。(60代 男性)
恋愛映画が好きで観始めましたが、まさかSF的な展開になるとは。ルイーズが不死の存在であること、それを受け入れていくエヴァンの姿にじんときました。愛って理屈じゃないんだなと思わせてくれる映画。イタリアの風景も素敵で、日常と非日常が共存する世界観に夢中になりました。(20代 女性)
哲学的なテーマとエモーショナルな演出が両立していて驚きました。ルイーズの生き方を通して、「生きるとは?」「人間らしさとは?」という問いを突きつけられたように思います。映像や音楽も上品で、ホラーとしてだけでなく、上質な大人のファンタジーとしても楽しめました。もっと多くの人に知られてほしい映画です。(50代 女性)
映画『モンスター 変身する美女』を見た人におすすめの映画5選
アンダー・ザ・スキン 種の捕食
この映画を一言で表すと?
“人間”を観察する異星人の眼差しが静かに胸をえぐる、美しく不気味な体験映画。
どんな話?
スカーレット・ヨハンソン演じる謎の美女は、スコットランドで男たちを次々と誘惑し消していく。彼女の正体は地球外生命体。人間の姿を借りて地上に潜む彼女が、やがて人間の感情に触れていく様子を描くSFドラマ。
ここがおすすめ!
無機質な映像と不穏な音楽が不思議な没入感を生み出します。物語は抽象的で説明を避ける構成ですが、それが逆に観る者の感性を刺激します。『モンスター 変身する美女』同様、ジャンルを超えた感情の物語です。
ロスト・イン・トランスレーション
この映画を一言で表すと?
言葉を超えた孤独と出会いを描く、静かで優しい異文化ロマンス。
どんな話?
日本に滞在するハリウッド俳優と若い女性が、言語や文化の壁の中で心を通わせる姿を描く。明確なゴールのない関係性の中で、お互いの孤独に寄り添う様子が淡々と、しかし深く描かれていくヒューマンドラマ。
ここがおすすめ!
会話よりも空気や表情で語られる“心のやりとり”が美しい。『Spring』のように文化も立場も異なる男女の繊細な関係を味わいたい方にぴったり。スカーレット・ヨハンソンとビル・マーレイの名演も必見。
レット・ザ・ライト・ワン・イン
この映画を一言で表すと?
切なくも美しい“吸血鬼と少年”の不思議な友情と初恋。
どんな話?
いじめられっ子の少年オスカーは、隣に越してきた奇妙な少女エリと出会う。彼女は実は吸血鬼。孤独を抱えた二人は心を通わせるが、その絆の背後には血と死がまとわりついていた。北欧発のダーク・ファンタジー。
ここがおすすめ!
ホラー要素を持ちつつも、物語の芯にあるのは“純粋なつながり”。静かな描写の中に強烈な感情が潜んでいます。『Spring』と同様、人間ではない存在との切ない関係に心惹かれる方におすすめです。
ネオン・デーモン
この映画を一言で表すと?
美しさに取り憑かれた者たちの狂気と闇を描くスタイリッシュホラー。
どんな話?
ロサンゼルスでモデルとして注目される新人ジェシー。彼女の美しさが周囲の嫉妬と欲望を掻き立て、やがて不可解な出来事が起きていく。美と若さに対する狂信的な執着をサイケデリックな映像で描く作品。
ここがおすすめ!
音楽、照明、色彩、すべてが美と狂気の表現に特化していて、視覚的に圧倒されます。『Spring』のような美しさと不穏さが共存する世界観を堪能したい人におすすめの1本です。
ポゼッション
この映画を一言で表すと?
狂気と愛が交差する、破壊的で美しくグロテスクな異色ラブストーリー。
どんな話?
ベルリンを舞台に、離婚寸前の夫婦が次第に精神を崩壊させていく中で、妻が異様な存在と関係を持ち始める。現実と幻覚、愛と暴力が交錯する中で、正気を失っていくふたりの運命を描く、カルト的名作。
ここがおすすめ!
イザベル・アジャーニの圧巻の演技と、視覚的に衝撃的なシーンの数々が観る者の心をえぐります。人間と人外の恋愛、狂気と愛の境界を描く点で『Spring』と強い共通点があり、深掘りしたい人向けの作品です。
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