映画『モーツァルトとクジラ』の概要:2006年公開のアメリカ映画。自閉症の一種であるアスペルガー症候群を扱った作品で、同じ病を持った男女が自分たちのペースで距離を縮め、心を繋げていく温かい物語である。
映画『モーツァルトとクジラ』 作品情報
- 製作年:2004年
- 上映時間:94分
- ジャンル:ラブストーリー
- 監督:ペッター・ネス
- キャスト:ジョシュ・ハートネット、ラダ・ミッチェル、ゲイリー・コール、シーラ・ケリー etc
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映画『モーツァルトとクジラ』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
映画『モーツァルトとクジラ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『モーツァルトとクジラ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『モーツァルトとクジラ』 あらすじ【起・承】
ドナルドはアスペルガー症候群である。
タクシー会社に勤務するドナルド(ジョシュ・ハートネット)は、中々仕事が続かない。
それどころかトラブルばかり起こすのである。
しかも自分の都合や予定を優先に仕事をするため、周りからは鬱陶しがられているのだ。
ある日ドナルドはその患者の自助会に顔を出す。
そこにいたのがイザベルである。
彼女は美容師として働いており、芸術性に突出しており生まれながらのアーティスト気質である。
そして心は非常にもろく、傷つきやすい。
そんな2人が恋をする。
お互いがアスペルガー症候群であるため、思うように事が運ばず、気持ちも汲めず上手くいかないこともあるのだが幸せにやっていた。
めでたく恋人同士になった2人は、家を借りて一緒に暮らすことにしてみる。
タクシー会社をクビになっていたドナルドはイザベラから紹介してもらい、大学病院でのデータ確認の仕事に就いた。
ドナルドは数字に長けているのだ。
金銭的に不安はあるものの、新生活は始まった。
映画『モーツァルトとクジラ』 結末・ラスト(ネタバレ)
ある日、ドナルドの上司が自宅に遊びにくることになった。
そこで彼はイザベルに「感じよくちゃんとしてくれ」と頼む。
この言葉が気に触ったイザベルはわざと感じよい雰囲気を作らなかった。
帰宅したあと、ドナルドは心ない言葉をイザベルに浴びせかけ喧嘩になりヒートアップ。
結婚までしようと思っていたが、悩んだ末イザベルは別れようと言う。
恋人として一緒にいることは無理だが、友人として仲良くしようという選択をしたイザベル。
そんな彼女に「結婚するつもりだと言ってくれたのに」という思いが強いドナルドは全く納得していない。
それどころかイザベルと結婚したくて仕方なくなってしまった。
そして高級レストランに誘い、プロポーズをする。
これに激怒したイザベルは色々と悶々とし、大量の薬を摂取する。
幸いにもすぐに病院に運ばれた彼女は快復し、病院を出る。
しかしイザベルの担当医から彼女に電話しないよう忠告されてしまう。
ドナルドはこれを違うと思った。
きっと彼女は自分の電話を待っていると。
だが彼はその忠告を受け入れ、気持ちを抑えた。
しかし会いたい気持ちが止められず、ドナルドは2人の秘密の場所に行ってみる。
そこに彼女の姿があったのだ。
そして電話を待っていたのだと言う。
ドナルドの方がイザベルの気持ちを分かっていたのである。
そして彼女はこの先の自分の気持ちがわからないと訴えた。
ドナルドは言った。
「そんなのみんな同じだよ」と。
映画『モーツァルトとクジラ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『モーツァルトとクジラ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
アスペルガー症候群についての説明不足
この映画はスペルがー症候群という病気を持つ人々の人生や恋愛を描いている。
しかし本作品はあまりこの病気についての説明はしない。
つまり知識が無い人は、どんなことをしてしまうのか理解がないまま話を追うことになってしまう。
見ていると段々理解はするが、実は意外と身近な人間と変わらないのだ。
ただ身の回りや時間に執着が強かったり、感情のコントロールが出来なかったりする。
しかしこんなことは日常にしている人も多いのでは無いだろうか?
こんなに身近な障害があるのだという事実を劇中で知ることになる。
もう少し説明があっても良かったのかな?とも思うし、それがあると物語がナチュラルに進まないのかとも思うし難しいところである。
素直で不器用な人たちの恋愛と優しさ
この映画に出てくる登場人物は全員お茶目でキュートである。
特に主役の二人は感情コントロールが難しく不器用であるが、その分感情表現も言葉も直球でありほほえましい。
不器用なのに一生懸命である彼らを映画の最後には愛しく見守ってしまう。
演出のうまさが絶品なのだ。
上記でも述べたとおり、他の障害や病気をモチーフにした作品と違い大げさにその障害を扱っていない。
そのためごくありふれた日常を送る彼らの姿が素朴に描かれていて、障害のことなど特別に感じさせない。
だからこそ馴染みやすく入り込みやすい作風になっていて、純朴な印象を受ける。
演技力の賜物
本作品は目立ちすぎる俳優をキャスティングせず、だからといって下手では無い、自分の身近にいそうな近所のお兄さん、お姉さんのような俳優達を使っている。
実力は俳優達の気取らない素朴な演技がリアルであり、この映画を力強いものに仕上げている。
映画『モーツァルトとクジラ』 まとめ
題材として面白い作品である。
少し昔のレインマンとは違い、これでもかという障害者と家族の絆を描くわけでも無く、彼らの当たり前に起こる困りごとや恋愛をコメディタッチで綴っていく。
それは誰にでもありそうな日常のことから、彼ら独自の悩みまで様々であるが、ナチュラルに描かれていて面白い。
何も気取らず不器用なまま生きてもきちんと思いは伝わるのだということを再認識させてくれるし、気持ちの良い映画であった。
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