映画『ムカデ人間』の概要:2009年のオランダのホラー映画です。本作はトム・シックス監督のムカデ人間三部作の一作目です。人間と人間をお尻と口で繋ぎ、一つの生物にする事に情熱を燃やす狂った博士の物語です。
映画『ムカデ人間』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:ホラー
監督:トム・シックス
キャスト:ディーター・ラーザー、アシュリー・C・ウィリアムズ、アシュリン・イェニー、北村昭博 etc
映画『ムカデ人間』の登場人物(キャスト)
- ヨーゼフ・ハイター(ディーター・ラーザー)
- 本作の悪役であり、主人公の様な存在です。下記の三人がハイター博士の餌食になりますが、奮闘して博士に抗います。
- リンジー(アシュリー・C・ウィリアムズ)
- ジェニーの友達の女の子です。ハイター博士の作るムカデ人間の三番目になります。気が弱く、一番初めにムカデ人間の状態に耐えられなくなります。
- ジェニー(アシュリン・イェニー)
- リンジーの友達ですがジェニーをいつも先導してる女の子です。ハイター博士の作るムカデ人間の二番目になりますが、それでも気を強く持ち続けます。
- カツロー(北村昭博)
- 日本人の男ですがハイター博士に捕まり、ムカデ人間の先頭という大役を任せられてしまいます。しかし、博士に必死に抗い抵抗します。
映画『ムカデ人間』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ムカデ人間』のあらすじ【起】
ヨーゼフ・ハイターは医者でした。しかしそれ以上に博士でした。ハイター博士はある野望を抱いていました。ハイター博士は人間のお尻と口を繋げて、一つの生物にしたいという欲求に常に囚われていました。すなわち、人間ムカデ改めムカデ人間を作りたいのです。ムカデ人間にした後にハイター博士が何をしたいのかというと、彼はムカデ人間を飼いたいのです。餌をやり可愛がり、懐かしたいのです。
今日ハイター博士はムカデ人間を作るべく、人間狩りに出かけました。人間狩りとは人間を殺す訳では無く、人間を猟銃で気絶させて持ち帰る事です。持ち帰った人間は勿論ムカデ人間に使うつもりです。まだ人間では作った事が無いハイター博士は、今日のこの日を待ちわびていました。銃を構えたハイター博士は人間を待ちわびていました。人間が通りかかる毎にドキドキしながら銃を向けていました。そしてある日本人が通りかかった時にハイター博士はその男を持ち帰ろうと決心しました。
映画『ムカデ人間』のあらすじ【承】
日本人の男に銃を向けて、ハイター博士は唾を飲み込みました。これで銃弾を外せばハイター博士の位置がバレ、走って逃げられる事は間違いなしです。博士の持つ銃の銃口はプルプルと振るえ、とてもこのまま銃弾を撃ち放ってもその日本人に当たりそうにありません。
ハイター博士は決心をした様で気合いを入れて銃を構えました。そして日本人の男に
銃口を向けると、銃弾を撃ち放ちました。撃ち放った銃弾は男に当たり、男は倒れました。倒れた男に駆け寄った博士は、男が息をしており気絶してるだけなのを確認するとガッツポーズを取りました。
気絶した男を抱えたハイター博士は息も絶え絶えに男を運びました。男を車のトランクまで運んだ博士は、トランクに男を放り込み、扉を閉めてホッとしました。ホッとしたのもつかの間で、警察が来たらまずいので博士は急いでエンジンをかけました。そしてエンジンをかけた車をすぐに走らせ、家まで車をすっ飛ばして行きました。車を走らせながら博士は、笑いを抑える事が出来ずにゲラゲラと笑っていました。
映画『ムカデ人間』のあらすじ【転】
家に着いた博士は日本人の男を居間まで運びました。運び込んだ男の顔をじっと眺めていた博士ですが、若くて健康な男を捕まえた事に喜んでいました。男はガラが悪く怖そうな外見でしたが、博士にはそんな事は関係無く男の健康状態のみを気にしていました。男の名はカツローと言い、ガラは悪いですが普通の男で旅行中の男でした。今から自分がどうなるかも知らずにカツローは眠り続けていました。そんなカツローの寝顔を見て博士は喜ぶのでした。
博士はムカデ人間を作る為に更なる人間狩りを始めました。しかしなかなか一人で通りかかる人間が少なく、博士の人間狩りは至難を迎えました。博士はなんとかして人間を捕まえて、早くムカデ人間が作りたくて堪りませんでした。家で待っているカツローはとっくに目を覚まし暴れまわっていましたが、身体を縛られている為になんの意味もありませんんでした。そして博士は今日も家で夜に一人で晩酌をしながら、他の人間が捕まらない事にイライラしていました。
映画『ムカデ人間』の結末・ラスト(ネタバレ)
そんな時に、博士の家を二人の女の子が尋ねてきました。女の子達は急激な雨から逃げる為に雨宿りしに来たのでした。ハイター博士はこれ幸いと飲み物に睡眠薬を入れて二人を眠らせました。そして眠った二人を縛り、カツローと同じ部屋に連れて行きました。そして三人を繋げてムカデ人間にしました。しかし警官達が博士を不審に思い、家に突撃してきました。どさくさに紛れてカツローは博士に抗いますが、銃で撃たれてしまいます。
ムカデ人間を作ったハイター博士は警官との撃ち合いの末に、命を落としてしまいました。警官達もハイター博士の銃撃により死んでしまいました。ムカデ人間になった三人の内の先頭になったカツローもハイター博士の銃撃により、命を落としてしまいました。ムカデ人間の一番後ろのリンジーは口元の縫い傷から細菌が入り、身体が弱り死んでしまいました。一番気を強く持っていたムカデ人間の真ん中のジェニーだけは生きていましたが、自分にくっ付いている先頭と後ろが死んでしまった為に身動きが取れません。そしてそのまま泣き続けて途方にくれるのでした。
映画『ムカデ人間』の感想・評価・レビュー
ハイター博士はムカデ人間を作ることを何よりも生き甲斐としている。これは極めて異常だが、本人は本人の道を突っ走っている。ここまで熱意を注げるのであれば、他の道でも一等賞は取れたはずである。人間の熱意というのは、時に人を狂わせ、自我を失わせる。しかし、ハイター博士はむしろムカデ人間を作ったことで、自分のアイデンティティを確立させたのであった。見る人を選ぶ映画であることには変わりはない。しかし、人間が何かを熱望する時の狂気を巧みに描いた作品だといえる。(女性 20代)
子供のような思いつきをそのまま形にした異常な映画である。公開されてからのものすごい賛否両論は良くも悪くも作品の認知度を上げたように思える。当然、モラルなんてものは存在せず、「そんな事思いついてもやるわけがない」という一般常識を全力で無視している所が凄い。ある程度の割り切りをしながら閲覧しないと、実際の生活に支障が出そうな程アブノーマルな内容となっている。とにかくこのムカデ人間を作りたいという欲のみで生きてきた博士の自己満足を最初から最後まで見る事になるので要注意。(男性 30代)
その異常性が話題となって悪趣味映画の代名詞となりつつある本作。繰り返し観るような作品では無いです。人によってはトラウマになるでしょうから安易にオススメも出来ません。ただただ変態博士の所業を見守るだけの映画です。
以降もなぜかシリーズとして続くのですが、どんどんエスカレートしていくそれらと比べるとまだマシと言えるかもしれません。(女性 20代)
医者であり博士であるハイターが、夜な夜な人間をさらってきては結合するという実験を行う話。とにかく人を結合している。
そのような異常とも言える欲求を実行に移すハイター博士の行動力は、まさにサイコパスそのものである。言い換えるなら”究極の変態”である。
その発想だけでも充分なインパクトがあるが、人が繋がっていく様子は見るに堪えない衝撃だった。
何ともグロテスクな内容だが、カメラワークが美しいところが、より一層本作の狂気を際立たせている。(女性 20代)
1度見たら忘れられない衝撃的な光景。生きながら地獄を味わうとはこのことだと思いました。自分がもし目を覚ましたらこうなっていたらと嫌でも考えてしまいます。日本人のおじさんが謝りながら排泄するシーンは、演技であっても監督・脚本家の正気を疑ってしまいました。死体に繋がれたまま泣くラストは、白黒の映像になったのも相まって、絶望の2文字しか浮かんできません。観たことを後悔したい人にお勧めしたい作品です。(男性 20代)
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