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映画『マイ・ブラザー(2009)』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『マイ・ブラザー(2009)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『マイ・ブラザー(2009)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『マイ・ブラザー(2009)』の結末までのストーリー
  • 『マイ・ブラザー(2009)』を見た感想・レビュー
  • 『マイ・ブラザー(2009)』を見た人におすすめの映画5選

映画『マイ・ブラザー』の作品情報

マイ・ブラザー

製作年:2009年
上映時間:105分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ジム・シェリダン
キャスト:トビー・マグワイア、ジェイク・ギレンホール、ナタリー・ポートマン、サム・シェパード etc

映画『マイ・ブラザー』の登場人物(キャスト)

サム・ケイヒル(トビー・マグワイア)
アメリカ従軍兵士。実直な性格で、家族を大切にしている。国に忠誠を誓っている。
トミー・ケイヒル(ジェイク・ギレンホール)
兄とは違い自由奔放に生き、気まぐれに起こした強盗事件で家族からの信用を失う。兄だけが唯一の理解者。
グレース・ケイヒル(ナタリー・ポートマン)
サムの妻。二人の娘を育てている。兄に付きまとうトミーを毛嫌いしている。
ハンク・ケイヒル(サム・シェパード)
サムとトミーの父。元軍人。二人を厳しく育てるが、理想通りに育ったサムとは違い、気ままに生きるトミーを嫌っている。

映画『マイ・ブラザー』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『マイ・ブラザー(2009)』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『マイ・ブラザー』のあらすじ【起】

アメリカ兵であるサムは四日後にアフガニスタンへの出征を控えている。彼は自分に万が一のことがあった場合に備え、家族に宛てて遺書を書く。

家族で過ごす最後の夜。強盗事件で投獄されていた弟トミーも無事出所し、二人の両親も交えた家族団欒の食卓となるはずだったが、出来損ないのトミーを嫌う父ハンクとトミーが口論になり、場は白けてしまう。翌日、サムは出征した。

サムの不在中も、二人の娘の面倒を見るグレース。そんな中、彼女の元に米軍の大佐と牧師が訪ねてくる。彼らの訪問によって、グレースはすべてを悟り泣き崩れる。サムの乗ったヘリが敵軍のミサイルによって撃墜され、乗員全員の死亡が確認されたとのことだった。

サムの葬儀の日、再びハンクとトミーは口論になり、ハンクは勢いに任せ「サムは多くの人に悼まれた。お前が死んだら一体どれだけの人間が悲しむ?」と暴言を吐いてしまう。互いに気まずいままその日は別れた。

一方、アフガニスタンの奥地でサムは二等兵と共に捕虜となって生き延びていた。

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映画『マイ・ブラザー』のあらすじ【承】

サムの生還を知らず、悲しみに暮れるグレース。そんな彼女を励まそうと、トミーは仲間を連れグレースの家へ向かうが、彼女に追い返されてしまう。

翌日からトミーは、彼女の家のキッチンを改修するという名目でグレースの家へ通うように。はじめのうちはトミーを煙たがっていたグレースも、娘たちの遊び相手になってくれる彼の姿や、彼自身の明るい性格によって次第に元気を取り戻していく。

ある夜、二人は部屋で唇を重ねてしまうが、互いに冷静になりその日は別れた。

捕虜となったサムは、アフガニスタンの軍に「アメリカへの批判を口にすれば解放してやる」と言われるが頑なに拒む。二等兵にも沈黙を命じていたが、度重なる拷問に耐えかね、遂に二等兵は降伏してしまう。

アフガニスタン軍は次に、二等兵を殺害すれば解放するとサムに要求する。仲間の命を奪えるはずもなく拒否するも、家族の存在を引き合いに出されたサムは、極限での葛藤の末、二等兵を殺害してしまう。それから間もなく、米軍の援軍が駆けつけ、サムは救出される。

映画『マイ・ブラザー』のあらすじ【転】

サムの奇跡の生還に喜び合うグレースと家族たち。しかし、帰ってきたサムは出征前の彼とは雰囲気が異なっていた。娘たちは、そんなサムの姿を恐れ距離を置くように。

自分の不在の間にグレースや娘たちと打ち解けているトミーの姿に嫉妬するサム。「グレースと寝たんだろ?」とトミーに問い詰めるが、トミーは兄の冗談だと思い取り合わない。トミーはキスをした夜から、グレースと距離を置いていた。

次女の誕生日パーティーの日、グレースを意識してしまわないよう、トミーは他所で適当に口説いた女性を連れてパーティーに訪れる。トミーを慕っていた長女はその姿を見て機嫌を損ねる。

食事の際、不貞腐れて妹にあたる姉をとてつもない剣幕で怒鳴るサム。長女は泣きながら「ママはトミーのことが好きなんだ」と嘘をつく。パーティーは最悪の雰囲気のまま幕を閉じた。

その夜、明らかに様子のおかしいサムを恐れ、グレースはトミーに電話を掛ける。トミーは急いでグレースの元へ向かう。

映画『マイ・ブラザー』の結末・ラスト(ネタバレ)

サムは自分の不在の間に弟と不貞の間柄にあったグレースをなじり、家中の家具を引っくり返し暴れ回る。不貞の事実など無く、誤解だとグレースは釈明するがサムは聞く耳を持たない。

そこに電話を聞きトミーが駆けつける。サムは懐から銃を抜きトミーのこめかみに突きつける。その時、ハンクが呼んだパトカーのサイレンが近づいてきた。

銃を構えたまま庭へ飛び出し警官に囲まれるサム。口元には笑みを浮かべ、完全に正気を失ってしまっている。警官の制止も聞かず、空に向け発砲するサム。このままではサムが撃たれてしまうと必死に説得するトミー。

「自分は決して英雄なんかじゃない」とサムは自らのこめかみに銃口を向ける。そんな兄に向け、トミーは懸命に語りかけ続ける。その言葉を聞き、どうにか自殺を思いとどまったサム。彼はそのまま逮捕され、精神病棟へと入れられる。

数日ぶりに外出許可が下りたサム。面会に訪れたグレースと共に病院の外のベンチに腰かける。グレースはすっかり人の変わってしまったサムに向かって、それでも支え続けるから、何がその身に起こったのか打ち明けて欲しいと告げる。そしてサムはついに、誰にも言えなかった戦地での経験、同僚を殺してしまったことを打ち明け涙する。これまでずっと一人で抱え続けていた夫の体を、グレースは強く抱きしめた。

映画『マイ・ブラザー』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

アフガニスタンでの紛争が背景にある映画だったので、この戦争の悲惨さや残酷さを感じることができる映画だった。戦争によって別の意味で心を閉ざしてしまった兄弟の話で、ストーリーが進んでいくほど胸が苦しくなるような展開だった。

無事帰還した自分は、戦争で一度死んだと表現しているところがとても印象的で、このことからもサムが戦争でいかに傷つき、他人を傷つけて苦しんできたのかを訴えているようで悲しくなった。(女性 20代)


帰還兵の心の傷をここまでリアルに描いた映画は珍しい。サムのPTSDによる精神崩壊と、愛する人たちとのすれ違いがとても切なかったです。何より、妻グレースの戸惑いや苦悩が生々しくて、ただの不倫劇ではなく、家族の再構築の物語として深い作品でした。(30代 女性)


弟と妻が“家族”として心を通わせた時間、それがサムの帰還で全て崩れていく緊張感が凄まじかった。戦場から戻ってきた男が“ヒーロー”ではなく“壊れた人間”として描かれることで、戦争のリアルさが強調されていたと思います。重たいテーマだが観る価値あり。(40代 男性)


トビー・マグワイア、ジェイク・ギレンホール、ナタリー・ポートマンの三人の演技がすばらしかった。特にマグワイアの壊れていく表情、目の奥の狂気がリアルで怖かった。愛と罪悪感、兄弟の対立と再生…静かながらも深く心に刺さる一本でした。(20代 女性)


兄がいなくなったことで家族の中で役割が変化していく様子がリアルでした。トミーが不良から“父親役”へと成長していく姿も印象的でした。ラスト、真実を告白するサムの姿には涙が出ました。戦争の悲劇が家庭にまで及ぶという現実を突きつけてくる作品です。(30代 男性)


戦争で心を壊した兵士の姿が、ヒーロー映画に慣れた私には衝撃的でした。PTSDという言葉では簡単に説明できない、苦悩やトラウマ、罪悪感の描写がとてもリアル。「僕が彼を殺した」と泣きながら叫ぶシーンは、何度観ても胸が痛いです。(40代 女性)


兄サムの変貌と、弟トミーの変化が対比的でよかった。責任感と罪悪感、そして「許す」という行為がいかに難しいかを突きつけられました。ラストの静かな語りが、兄弟にとっても家族にとっても“始まり”なんだと感じさせる余韻あるエンディングでした。(50代 男性)


マイ・ブラザーは、戦争が家族にもたらす影響を非常にリアルに描いた作品でした。トミーとグレースの関係が微妙に近づいていく描写が自然で、観ていて複雑な気持ちに。サムの帰還で均衡が崩れるのがわかっているからこそ、後半はひたすら緊張感でした。(20代 女性)


音楽も控えめで、全体的に静かなトーンだけど、心の内面をしっかり描ききっている脚本が素晴らしかった。家族という単位の中で、誰かが欠けることでどう変化するかが丁寧に描かれていた。サムの最後の告白は、戦場よりも恐ろしい“真実”だったと思います。(30代 男性)


冒頭からは想像もつかない展開で、サムが戦場で“人を殺さなければならなかった”という事実に打ちのめされました。家族に何も言えず苦しむ姿、疑心暗鬼になる心、観ているこちらまでつらかった。でも、最後に“赦されたい”と願う彼の姿に、人間らしさを感じました。(40代 男性)

映画『マイ・ブラザー』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『マイ・ブラザー』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

アメリカン・スナイパー

この映画を一言で表すと?

戦場で英雄、家庭では迷子――帰還兵のリアルを描く衝撃作!

どんな話?

アメリカ軍史上最多の狙撃数を誇るクリス・カイルの実話を基にした物語。戦場での過酷な任務と、それにより壊れていく家庭や心の葛藤が描かれる。英雄であることの代償とは――。

ここがおすすめ!

『マイ・ブラザー』と同様、戦場と日常を行き来する兵士の苦悩にフォーカス。ブラッドリー・クーパーの迫真の演技が光り、精神的な闘いを真正面から描いた傑作です。

ディア・ハンター

この映画を一言で表すと?

戦争は人生を変える――友情と喪失を描いた名作ドラマ!

どんな話?

ベトナム戦争を経験した3人の青年が、戦地と故郷でどのように変わり、何を失ったのかを追う重厚なヒューマンドラマ。過酷な運命に翻弄される人間の姿が静かに、深く描かれます。

ここがおすすめ!

『マイ・ブラザー』が描いた兄弟と家族の絆が、戦争を通じて深く試されるという点で共鳴。静かでありながら圧倒的な余韻を残す、映画史に残る名作です。

リターン・トゥ・ダスト(原題:Return to Dust)

この映画を一言で表すと?

静寂の中に宿る、心の回復と再生の物語!

どんな話?

過酷な運命を背負わされた男女が、農村で心を通わせながら静かに暮らし始める。ゆっくりとした生活の中で、壊れた心と関係が少しずつ癒されていくヒューマンドラマ。

ここがおすすめ!

『マイ・ブラザー』と同じく、繊細な感情の機微や再生の兆しを丁寧に描写。物語の派手さはないが、その分リアルで深く心に染みる静かな感動があります。

ハート・ロッカー

この映画を一言で表すと?

極限の任務が心を蝕む――“英雄”の裏側にある孤独。

どんな話?

イラク戦争の爆発物処理班を描く、緊迫感あふれる戦争スリラー。戦場に中毒のように取り憑かれていく兵士の心理がリアルに描かれ、戦争の裏側を見つめ直させる。

ここがおすすめ!

『マイ・ブラザー』同様、戦争が兵士に与える心の影に迫る作品。カメラワークや演出が非常にリアルで、ドキュメンタリーのような臨場感も魅力のひとつです。

リービング・アフガニスタン(原題:Bratstvo)

この映画を一言で表すと?

祖国、任務、友情…その全てが崩れていく戦場の真実!

どんな話?

1989年、アフガニスタンからのソ連軍撤退を背景に、若き兵士たちが経験する極限の戦場と心の葛藤を描く。軍命と人間性のはざまで揺れる心理戦が胸を打つ作品。

ここがおすすめ!

『マイ・ブラザー』が持つ“戦争によって失われるもの”というテーマが色濃く反映された秀作。冷静な視点と感情の波が共存する、骨太な戦争映画です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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