映画『ナビィの恋』の概要:久しぶりに故郷に降り立った東金城奈々子。しかし、とある老紳士との対面の後、彼女の祖母であるナビィの様子がおかしくなる。その理由は、60年前のナビィの大恋愛にあった。
映画『ナビィの恋』の作品情報
上映時間:92分
ジャンル:ラブストーリー
監督:中江裕司
キャスト:西田尚美、村上淳、平良とみ、登川誠仁 etc
映画『ナビィの恋』の登場人物(キャスト)
- 東金城奈々子(西田尚美)
- 東京で働いていたが、久々に故郷の粟国島へと戻ってきた女性。同じ船に乗ってきた老紳士が気にかかる。
- 東金城ナビィ(平良とみ)
- 奈々子の祖母にあたる女性。老紳士が島にやってきてからというもの、どこかおかしな様子を見せるようになる。
- 東金城恵達(登川誠仁)
- ナビィの年下の夫で、奈々子の祖父にあたる男性。普段は牛などを育てながら明るく生きている老人。
- 福之助(村上淳)
- 粟国島を訪れた旅行中の青年。恵達が、まだ恋人のいない奈々子のパートナーにしようと企んでいる。
- サンラー(平良進)
- ある日突然、粟国島を訪れたスーツ姿の老紳士。ナビィと何かしらの関係があるようだが…?
映画『ナビィの恋』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ナビィの恋』のあらすじ【起】
故郷である沖縄を離れ、東京で仕事をしていた東金城奈々子。しかし、そんな彼女もある日仕事を辞め、東京を離れることに。そして、久しぶりに沖縄の粟国島の地を踏むことになった奈々子。彼女は幼馴染であるケンジが操縦する船に乗り込むと、島への旅路を楽しんでいた。
すると、その船には奈々子以外にも人が乗っていた。スーツ姿の白髪の老紳士と、旅行中の青年だった。そんな二人を気にしつつも、奈々子は自身の祖父と祖母が住む家へと向かう。祖父の恵達、そして、祖母のナビィは久々に会う孫を歓迎する。しかし、ナビィの目に例の紳士の姿が映るのだった。そんな紳士をじっと見つめるナビィ。
それからというもの、ナビィは不審な動きを見せるようになる。どこかソワソワした様子を見せ、さらに、家を留守にする回数が多くなったのだ。一方、奈々子は船に乗り合わせていた例の青年とも知り合う。暫く島に滞在することになったその青年、福之助は恵達の家に宿泊することになるのだった。
映画『ナビィの恋』のあらすじ【承】
福之助は真面目な青年で、宿を提供してもらっている例として、恵達の家にいる牛の世話などを積極的に手伝うのだった。そして、そんな福之助を相手に、恵達はとある計画を練っていた。未だ浮いた話のない奈々子の交際相手として、福之助をけしかけようとしていたのだ。
一方、奈々子は自分の恋愛どころではなく、最近どこかおかしいナビィの様子が気にかかっていた。そして、ある日奈々子は島の子供の協力を仰ぐと、いそいそと出かけて行くナビィの後をつけさせたのだ。そして、子供達に呼ばれた奈々子は、ナビィの行き先を突き止める。
なんと、ナビィは例の老紳士に会っていたのだった。そして、とうとうその老紳士の正体が明らかになる。なんと、その男はナビィの60年前の恋人だというのだ。その男、サンラーはかつての約束を果たしにきた、とナビィに告げる。そして、なんとナビィはそんなサンラーのことを忘れられなかった、とサンラーのことを抱きしめたのだった。
映画『ナビィの恋』のあらすじ【転】
一方、そんなサンラーが戻ってきたことが恵達の耳に入る。彼の一族はユタという島の占い師を頼るのだった。そして、なんとサンラーをこの地から追放しないと、東金城一族は滅びるというのだ。そのこともあり、彼らはナビィにサンラーとは縁を切るようにと迫るのだった。そんな彼らに、ナビィも渋々とサンラーにはもう会わないことを誓う。
しかし、肝心の恵達だけは、ナビィを庇うような仕草を見せるのだった。そして、恵達は福之助と奈々子に、60年前にあったことを語り始めるのだった。ナビィは、恵達より少し年上である。当時サンラーと交際していたナビィを、まだ幼かった恵達は見ていたのであった。
幸せな二人の間には子供もできるが、周りの大人達は二人の恋を認めなかった。そして、サンラーは島から追い出されることになったのだ。サンラーが島から去る日、ナビィは家の柱にくくりつけられていた。そんな彼女を解放したのが、恵達だったのだ。大人になったら自分と結婚する、という約束のもと、恵達はナビィを助けたのである。
映画『ナビィの恋』の結末・ラスト(ネタバレ)
しかし、サンラーは既に船の上。必ずナビィを迎えに来ることを約束し、サンラーはブラジルへと向かったのだった。その後、ナビィの腹の中の子供は流れてしまい、ナビィは約束通り恵達と結婚したのだった。
恵達は変わらぬナビィの心を知っていたが、自分はとても幸せだった、と笑ってみせた。そして、ある日恵達はナビィに「体は大事にしなさい」と告げると、そのまま牛の世話に向かうのだった。ナビィは大切にしていた鉢を奈々子に託すと、そのまま姿を消した。その鉢は、かつてナビィがサンラーから貰ったもので、これまで大切に育ててきたものだったのだ。
奈々子は、サンラーと共に島を去ろうとするナビィを追おうと、ケンジの船に乗り込んだ。しかし、ナビィの本気の想いを知った奈々子は、そのままナビィを見送るのだった。その後、奈々子はユタの占いの結果に反し、福之助と結ばれることになる。そして、二人は子宝にも恵まれ、幸せな日々を送っていくのだった。
映画『ナビィの恋』の感想・評価・レビュー
沖縄のおばあさんの純愛という稀有な目線が受けスマッシュヒットした作品。西田尚美のいきいきとした好演が光り、総合的な品質は高いが純愛のどうしようもなさに共感できるか否かによって感想は大きく変わるだろう。私は積み上げてきた時間を不意にする選択は出来ない、その過程での自分の想いが全て薄っぺらなものになってしまう気がするから。そんな奴の純愛なんて勘違いでしょ。という感想。しかしそれでもなお求めるものが愛なのか、抜けるような青空の下では今が一番大切なのかもしれない。能天気さと幸福への深い考察が同居する作品。(男性 30代)
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