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映画『失くした体』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『失くした体』の概要:切断された手が何かを求めて旅を続ける中、冴えない青年ナオフェルはピザの配達先で心惹かれる女性と出会う。彼は彼女と近づきたいがために彼女の叔父が営む木工所へ。淡い恋心と右手が冒険する様子を繊細に描いたフランスの長編アニメーション。

映画『失くした体』の作品情報

失くした体

製作年:2019年
上映時間:81分
ジャンル:ファンタジー、ヒューマンドラマ、アニメ
監督:ジェレミー・クラパン
キャスト:ハキム・ファリス、ヴィクトワール・デュボワ、パトリック・ダスンサオ etc

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映画『失くした体』の登場人物(キャスト)

ナオフェル(ハキム・ファリス)
音楽家の母と優しい父との間に育つ。比較的裕福な家庭でピアニストと宇宙飛行士になるのが夢だった。音を収集する趣味を持っている。交通事故で両親を亡くし、親戚の家に引き取られる。どん臭く辛気臭いが、一生懸命で真面目な青年。
ガブリエル(ヴィクトワール・デュボワ)
図書館司書として働いている女性。木造加工の作業場を営む高齢の叔父ジジの様子を時々見に行っている。賢くて落ち着いている。
ジジ(パトリック・ダスンサオ)
木造加工の作業場を営む老爺。職人気質ではあるが、ナオフェルを弟子として作業をしっかり叩き込む。高齢のために病を患っており、通院を余儀なくされている。

映画『失くした体』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『失くした体』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『失くした体』のあらすじ【起】

冷蔵庫に保管されていた右手が突如、意思を持って動き出す。右手は冷蔵庫から出て開いている窓から外へと脱出した。
翌朝、雨どいで休んでいた右手をハトが落とそうとする。右手はどうにかハトにしがみついたが、敢無く落下してしまう。

音楽家の母を持つナオフェルは、比較的裕福な家に育ち夢は宇宙飛行士とピアニストだった。彼は音を収集する趣味を持っていたが、突然の交通事故で両親を亡くしてしまう。親戚に引き取られた彼は大人になり、現在はピザの配達員として働いているが、遅刻ばかりしていてオーナーに叱られてばかりいた。

ゴミ箱に落ちた右手は、ゴミ収集車に回収されるも空き缶に身を潜めどうにか脱出に成功。右手は更に道を進み地下鉄へ向かったが、エスカレーターからホームの下に落ちる。ネズミに食われそうになったけれど、ライターの火で追い払い地下鉄にしがみついて逃れた。

映画『失くした体』のあらすじ【承】

ピザの配達中に危うくバイクを壊しそうになったナオフェル。時間内に配達できなければ料金を無料にしなければならないが、届け先の女性は難癖をつけて料金を払おうとしない。だが、途中でピザを落としてしまったので結局、商品は届けられないと気付く。マンションの女性は何だかんだ言って、ナオフェルのことを気遣ってくれる。ガブリエルと呼ばれた彼女は、ナオフェルを心配してインターフォン越しにずっと声をかけ続けてくれたのだった。

外は土砂降りの雨が降っていた。帰宅したナオフェルはガブリエルとまた話したいと思い、電話帳から虱潰しに電話をかけまくっていた。だが、家はさほど裕福ではなく電話を掛け続けるわけにもいかない。切れる直前、電話に出た相手が目的の人物だと知ったナオフェル。

後日、彼女の職場を捜し当て会いに行こうとしたが、なかなか勇気が出せず、彼女の後を尾行する羽目に。ガブリエルは木材加工の作業場へ。作業場は老爺が一人で経営していたが、ナオフェルは言い訳を探して見習いで入りたいと頼み込んだ。すると、老爺は渋りつつも住む場所と職場を提供してくれるのだった。

旅をする右手は氷が張った川へ落ちるが、浮いていたテニスボールを掴んだ際、犬に拾われる。犬の主人はピアノを奏でている。右手はかつてピアノを弾くナオフェルを思い出し、音色に身を委ねたが、主人に気付かれて部屋を追われてしまう。

世話になった親戚の家を出て作業場へ引っ越したナオフェル。老爺ジジから作業を少しずつ教えてもらい、時々やって来るガブリエルとも少しずつ打ち解ける。
住処は作業場の2階。彼は隣家を伝い歩き素晴らしい夕日が見える場所を見つけるのだった。

映画『失くした体』のあらすじ【転】

その頃、右手は赤ん坊のいる家へ。夜泣きする赤ん坊の手を握り密かにあやした。
ガブリエルが働く図書館を訪れたナオフェルは、図書館で本を借りる。彼女に会うために図書館へ行って本を借り、作業場で地道に木材加工を行った。

ガブリエルと着々と距離を縮めるナオフェルの生活は安定し、彼の心をも健やかにした。そんな時、作業場に従兄弟が姿を現す。女癖の悪い男なので紹介はしたくなかったが、仕方なくガブリエルを紹介した。

ナオフェルが密かに造っていた木製のイグルーが完成。彼はガブリエルにそれを披露しそして、目的のない旅を続けるという密かな夢を語った。
そうして、ピザの配達を頼み自分がかつてのピザの配達人であったことを明かす。すると、ガブリエルは気分を害してしまいナオフェルを責める。

彼が自分目当てで叔父のジジの作業場に来たのだと分かってしまったからだ。ナオフェルは自分が失敗したことを自覚し、不甲斐なさに苛立った。その頃、右手は宇宙飛行士の人形に励まされ、高架から傘で空へ。目指すは少し先にある巨大クレーンだ。

映画『失くした体』の結末・ラスト(ネタバレ)

ガブリエルに失恋したナオフェルは、従兄弟と共にクラブへ行き酒に酔っては難癖をつけ、意味のない喧嘩をして憂さを晴らした。
翌朝、顔を腫らしたまま作業場へ。置き手紙の通りに木材を加工したが、二日酔いの上、寝不足で手元が怪しい。彼は周辺を飛ぶハエが気になってしまいハエを捕まえたが、そのせいで右手が工機に巻き込まれ切断されてしまうのだった。

右手はとうとう持ち主の元へ戻った。旅を続けた右手は切り離されたナオフェルのものだった。ナオフェルは幸せだった頃、テープに録音した両親との会話を聞く。そのテープには母が弾く音楽も録音されていた。

右手を失ったナオフェルを見つめる右手。ジジは事故の証明書を提出して、彼に保証を与えようとしてくれたが、ナオフェルは何も答えないまま作業場から去った。
ガブリエルはナオフェルの部屋を眺め、彼が造ったイグルーを訪れる。そして、近くに落ちていた録音機を見つけた。

テープには彼が最後に録音したと思われる音が録音されていた。ナオフェルはイグルーがある屋上から巨大クレーンに飛び移るという度胸試しを成功させていたのだ。
右手はガブリエルの背をじっと見つめ、その場を去る。あの夜、巨大クレーンに飛び移り、雪が舞う空を見上げたナオフェルは、少しだけ前向きになり笑い声を零したのだった。

映画『失くした体』の感想・評価・レビュー

フランス製作の長編アニメーションで、セリフのない右手の冒険と青年ナオフェルの恋の行方を描いた作品。

非常にアニメーションのタッチが繊細で、セリフもないのに右手の動きで感情が分かる。右手は何かに触れる度に過去の思い出を思い返し、それでもどこかを目指して旅を続ける。一方、冴えない青年ナオフェルは精彩を欠いた生活を送っている。彼が図書館司書の女性と出会い、少しずつ明るくなっていく様子が描かれる。ストーリーが進むにつれ、右手はナオフェルへと近づき、とうとう彼に悲劇が訪れる。終盤、物言わない右手が誰のものでどこを目指していたかが分かり、非常に切なくなる。2つのストーリーを盛り上げる音楽がとてもマッチしていて、感情を更に揺さぶられた。心の奥を揺さぶる切なく物悲しい良作である。(MIHOシネマ編集部)

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