12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『波の数だけ抱きしめて』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『波の数だけ抱きしめて』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『波の数だけ抱きしめて』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『波の数だけ抱きしめて』の結末までのストーリー
  • 『波の数だけ抱きしめて』を見た感想・レビュー
  • 『波の数だけ抱きしめて』を見た人におすすめの映画5選

映画『波の数だけ抱きしめて』の作品情報

波の数だけ抱きしめて

製作年:1991年
上映時間:104分
ジャンル:ラブストーリー、青春
監督:馬場康夫
キャスト:中山美穂、織田裕二、別所哲也、松下由樹 etc

映画『波の数だけ抱きしめて』の登場人物(キャスト)

田中真理子(中山美穂)
大学生。サーフショップの店員。ラジオDJでもある。アメリカに滞在している両親に言われ、自分もアメリカに行くことが決まっている。小杉のことが好き。
小杉正明(織田裕二)
田中の高校時代の同級生。7年間田中に片思いしている。ペンキ屋でバイトをしながら、就職活動を行っている。
吉岡卓也(別所哲也)
広告代理店勤務。女好きで、軟派な性格。初めは田中に気軽に声を掛けていたのだが、次第に本気で思いを寄せるようになる。
高橋裕子(松下由樹)
田中の高校時代の同級生。田中の親友。小杉のことが好きだが、田中も同じように小杉に思いを寄せていることを知り、2人の恋を応援するようになる。
芹沢良明(阪田マサノブ)
田中の高校時代の同級生。小杉の親友。小杉の一番の理解者で、田中への恋も応援している。機械をいじるのが得意。

映画『波の数だけ抱きしめて』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『波の数だけ抱きしめて』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『波の数だけ抱きしめて』のあらすじ【起】

1991年11月東京。田中真理子が結婚式を行っており、友人の吉岡卓也・高橋裕子・芹沢良明らが参列していた。遅れてやって来た友人の小杉正明は、田中の姿を少し悲しそうに見ていた。

1982年5月湘南。吉岡卓也はガールフレンドに車で砂浜を走ってくれと頼まれ、抜け出せなくなってしまう。困っていると、地元の女性(田中真理子)が助けてくれた。吉岡はあまりにも美しい田中の姿に見惚れてしまう。田中は「FM chigasaki・Kiwi」というラジオのDJをしており、立ち去った後もラジオを通じて吉岡に走りやすい道を指示した。その他にも、違法駐車をしているサーファー達に、パトカーが来たことを知らせたりしていた。

田中は両親が滞在しているアメリカに行くことが決まっていた。芹沢は小杉に引き止めることを勧めた。小杉は7年間も田中に片思いをしていた。田中も小杉のことを思っているはずなのに、2人は一向に友人関係から発展しなかった。小杉は芹沢の話をはぐらかした。

芹沢・小杉・高橋はFMの電波を1km先まで伸ばすため、実験を行っていた。200mごとに中継器を置いて、合法的に電波を飛ばそうとしているのだ。吉岡と田中は建物の中で実験を見守るが、途中で雨が降ってしまい中止を余儀なくされる。しかも、吉岡がガールフレンドのことを放っておいて田中を口説いたせいで、ガールフレンドに車を奪われてしまう。吉岡は仕方なく田中を口説くのを諦め、車を追いかけた。

映画『波の数だけ抱きしめて』のあらすじ【承】

芹沢達は大学生で、今年が最後の夏休みだった。田中は小杉に送ってもらう道すがら、7月4日にアメリカに行くことが決まったことを打ち明けた。小杉は田中に告白しようとするが、結局勇気が出せず、違う話をして誤魔化してしまう。

広告代理店に勤める吉岡は、自分が担当する専売公社の夏の湘南キャンペーンのことをすっかり忘れており、何も案がないまま会議を行うことになった。だが、吉岡は田中のことに夢中で、会議のことなど気にした様子もなかった。その後、吉岡は中継器の電源を借りるために商店街の店に頭を下げている芹沢と小杉の目の前に現れると、小杉達の代わりに店主の説得を行った。そのお蔭で、「Kiwi」が聞こえる距離が延びた。

田中は吉岡に誘われ、食事に行くことになった。小杉は止めることができないため、田中を尾行し店まで行った。そこで、その店で働いている後輩に頼み、2人の様子を確認した。2人の間に何もないと知り、やっと安心して芹沢達の元に戻った。待っていた芹沢は、ぴたりと小杉の行動を言い当ててみせた。

小杉は田中に告白をしに行くが、そこに吉岡の姿もあり、言うことができなくなってしまう。しかも、吉岡は金に物を言わせ、電気屋で中継器を購入していた。小杉が対抗心を燃やし、吉岡よりも多くの中継器を作ろうとしていると、芹沢に頑張る方向が違うと呆れられる。

映画『波の数だけ抱きしめて』のあらすじ【転】

高橋は本当にアメリカに行ってしまうのか田中に問い掛けた。田中は大学の編入手続きを済ませていたため、今更変えられないのだと悲しそうに話した。その話を、小杉も聞いていた。

「Kiwi」は雑誌などでも紹介されるようになった。吉岡は専売公社のキャンペーンに「Kiwi」を利用することを思いつき、プレゼンを行った。その話を聞いた小杉は、利用されるのは御免だと車に乗り込んだ。しかし、吉岡は田中に夏休みの最後までいてくれと頼み、滞在している間の費用は受け持つと田中を説得していた。それを聞いた小杉の心は揺れ動き、田中を引き止めるためにラジオに協力することにした。

皆の努力の甲斐あって、「Kiwi」は湘南中で聞けるようになった。小杉は今夜、田中に告白し引き止めることを決意する。小杉は勇気を出して田中に声を掛けるが、吉岡と帰る約束しているからと断られる。車で去った吉岡は田中にキスをしようとするが、背を向けられ拒まれてしまう。田中は吉岡と仲良くしていれば小杉が嫉妬してくれるかと思っていたことを打ち明け、謝罪した。実は、高校を卒業したときに小杉に告白されたことがあったのだが、高橋が小杉を好きだったため断ってしまったのだ。だが、高橋は1週間で熱が冷めたと言っていた。吉岡は田中を励まし、告白することを勧めた。

小杉は高橋に愚痴を零していたが、急に高橋が怒り始めた。実は、高橋は小杉のことがまだ好きだったのだ。小杉は高橋の涙を見てそのことに気づく。雨が降り始めたため、小杉は高橋を宥め部屋に入った。小杉が高橋を抱き締めているところを、戻って来た田中に見られてしまう。田中はショックを受け、その場を立ち去った。高橋は田中に会いに行くことを勧め、1人その場を立ち去った。小杉は田中に電話を掛けるが、事情を説明する前に切られてしまう。

映画『波の数だけ抱きしめて』の結末・ラスト(ネタバレ)

「Kiwi」本放送の日、そこに田中の姿はなかった。田中は皆に内緒でアメリカに発つことを決め、放送用の録音テープを残していた。小杉は車に乗り急いで田中の家に向かうが、そこに本人の姿はなかった。吉岡は戻って来た小杉に怒りを覚えるが、昨日田中が好きだと言うために小杉に会いに行ったことを教えた。

中継器で問題が起こり、ラジオが届かないエリアが出てきた。今日は吉岡の会社の人が確認のために聞きに来ることになっており、失敗は許されなかった。吉岡は企画が本決まりの前に「Kiwi」のために1000万使っており、もし失敗すればクビになってしまうのだ。小杉はそのことを吉岡の先輩から電話で聞き、衝撃を受ける。

芹沢は中継器を確認しに行くが、風のせいで吹っ飛んでおり修理できる状況ではなかった。芹沢は小杉に電話を掛け、新しい中継器を持って来てくれと頼んだ。しかし、それを吉岡が止め、ラジオを通じて思いを伝えることを勧めた。それは、小杉ではなく田中のためだった。車が込んでいたため、吉岡は海から向かうことになるが、ブイに当たってボートが転覆してしまう。小杉が飽きれて新たなボートを用意している間に、芹沢は高橋の助けを借りて新たな中継器を繋げていた。

田中は無事にラジオが聞こえて来たのを確認し、車を走らせた。小杉は録音テープを止めると、好きだと叫んだ。だが、田中の車はエリア外に抜けており、小杉の思いを聞くことはできなかった。

田中の結婚式に参列した後、小杉・芹沢は茅ヶ崎の海に集まっていた。小杉はあの時、田中が自分の思いを聞いていたのか未だに知らずにいた。2人が話していると、高橋・吉岡も集まって来た。吉岡は披露宴で仲良くなった女性を伴っていた。皆で楽しく話しながら、浜辺を歩いた。

映画『波の数だけ抱きしめて』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

主人公の田中真理子を演じた中山美穂がとにかく可愛い。
物語は田中の結婚式から始まる。その結婚式に友人と参列した小杉正明が、悲しそうな表情をしているのがとても印象的だった。そのことからも分かるように、お互い好意を寄せ合っていた田中と小杉の恋はうまくいかない。結末が分かっているので途中で飽きてしまうのではないかと思ったが、田中達がどんな道を辿ってきたのか丁寧に描かれていたので最後まで楽しむことができた。(女性 20代)


褐色に日焼けした中山美穂がとても美しく、海が良く似合っている。
田中と小杉は両想いなのに、互いに素直になれず何年も相手に気持ちを伝えられないのが見ていて大変もどかしい。一歩踏み出す勇気がない二人ゆえに結局は結ばれなかったのだろう。

ひそかに小杉を想い続けている高橋役の松下由樹の演技が良い。大雨のシーンでは、別の女を好きな男に恋愛相談をされるという複雑な女心が表現されていて、観ていてとても切ない気持ちになった。(女性 40代)


レトロな映像と80年代の音楽がとても良くマッチしていて、ノスタルジーを感じました。明るく見える登場人物たちの心の中に、それぞれ孤独や葛藤があって、それが次第に明らかになっていく構成が秀逸。ラジオが人と人をつなぐ“声の記録”として描かれていたのも良かったです。(40代 男性)


真璃子と拓巳の関係が少しずつ壊れていく様子に心が痛みました。お互い好き同士なのに、言葉にできないもどかしさがリアルで、特に最後の再会シーンは涙が出ました。仲間との青春も描きつつ、恋愛の繊細な機微も丁寧に描いた素敵な映画です。(20代 女性)


何気ない日常と、夢中になれることに全力を注いだ青春の日々。そのコントラストが非常に印象的でした。後半、ラジオ局の解散やメンバーの別れが描かれていく中で、時間の流れや人の変化に切なさを感じました。自分の青春と重ねて観る人も多いと思います。(30代 男性)


主人公たちが立ち上げたラジオ局が、ただの趣味ではなく、彼らの心の拠り所だったことが徐々に明らかになる構成がよかったです。恋も友情も夢も、青春のすべてが詰まった作品でした。織田裕二のラストの語りが胸に残り、観終わった後も余韻が続きました。(40代 女性)


終盤、真璃子がひとりで過ごす浜辺のシーンに、すべての感情が詰まっていました。青春の残像と、もう戻らない日々への寂しさ。誰もが一度は経験する“すれ違い”の切なさが丁寧に描かれていて、静かな感動がありました。音楽の使い方も素晴らしいです。(50代 男性)


真璃子の心情がとにかく繊細で、彼女の選択には共感する部分が多かったです。拓巳が言葉にしなかった気持ち、それをわかっていても待ち続ける真璃子…。観るたびに新しい発見があるような、深みのある恋愛映画だと思います。もっと評価されるべき一本です。(20代 女性)


青春映画にありがちな“わかりやすい熱血”ではなく、静かな情熱と淡い痛みが交錯する作品。ラジオという媒体を通して描かれる仲間との絆と、恋のすれ違いがとてもリアルでした。あの時代ならではの空気感がたまらなく、懐かしさと切なさで胸がいっぱいになります。(30代 男性)


登場人物それぞれにドラマがあり、誰に感情移入するかで印象が変わる映画だと思います。私は真璃子の視点から観ていたので、拓巳との別れの描写が特につらかった。音楽がすべてを包み込むように流れる演出も秀逸で、エンドロールでは思わず涙がこぼれました。(40代 男性)

映画『波の数だけ抱きしめて』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『波の数だけ抱きしめて』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

ラ・ラ・ランド

この映画を一言で表すと?

夢を追いかけたふたりが織りなす、切なく美しい音楽ラブストーリー!

どんな話?

女優を夢見るミアとジャズピアニストのセブ。ロサンゼルスで出会い、惹かれ合う二人の夢と現実の狭間を描く。鮮やかな映像と音楽が、甘くてほろ苦い青春を彩るミュージカル映画。

ここがおすすめ!

『波の数だけ抱きしめて』のように、青春のきらめきと別れの切なさが詰まった物語。夢と恋の交差点で揺れる気持ちを、美しい音楽とともに堪能できる一作です。

スウィングガールズ

この映画を一言で表すと?

音楽がつないだ、笑いと情熱と汗と涙の青春ドラマ!

どんな話?

ひょんなことからビッグバンドジャズと出会った女子高生たちが、仲間とともに音楽にのめり込み成長していく。田舎の高校を舞台に繰り広げられる、笑えて感動できる青春物語。

ここがおすすめ!

音楽が青春を彩るという点で、『波の数だけ抱きしめて』と通じるものがある爽快な作品。エネルギッシュな演奏シーンと、仲間との掛け合いが心を明るくしてくれます。

サヨナラCOLOR

この映画を一言で表すと?

過去と向き合うことで見えてくる、心に残るラブストーリー。

どんな話?

病院で働く中年医師のもとに、かつての恋人が入院してくる。過去にすれ違ったふたりが、時間を超えて再び心を通わせていく。切なさと温かさがにじむ、大人の再会の物語。

ここがおすすめ!

『波の数だけ抱きしめて』のように、時間を経て向き合う恋と記憶がテーマ。竹中直人の優しい演出と、斉藤和義の名曲「サヨナラCOLOR」が絶妙にマッチした珠玉の映画です。

リンダ リンダ リンダ

この映画を一言で表すと?

青春のすべてをバンドにぶつけた、音楽×女子高生の物語!

どんな話?

高校の文化祭でブルーハーツの曲を演奏するために結成されたガールズバンド。言葉や性格の違いを乗り越えて、音楽でつながる友情と、淡い恋模様が描かれる青春音楽映画。

ここがおすすめ!

『波の数だけ抱きしめて』と同じく、音楽を通して芽生える絆や思い出がテーマ。懐かしさとみずみずしさが詰まった作品で、観終わったあと心がポカポカ温かくなります。

花束みたいな恋をした

この映画を一言で表すと?

時代の空気を抱きしめた、現代の等身大ラブストーリー!

どんな話?

同じ趣味と価値観を持った男女が出会い、惹かれ合い、やがてすれ違っていく。社会の現実と夢の狭間で変わっていくふたりの5年間を、繊細に描いた青春恋愛ドラマ。

ここがおすすめ!

『波の数だけ抱きしめて』のように、恋と時代と若者のリアルが詰まった作品。松本穂香&菅田将暉の自然な演技が胸に刺さり、観る人の過去と重なるような感情を呼び起こします。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

影山みほをフォローする
ラブストーリー映画青春映画

みんなの感想・レビュー