この記事では、映画『NANA』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『NANA』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『NANA』の作品情報
上映時間:114分
ジャンル:ラブストーリー
監督:大谷健太郎
キャスト:中島美嘉、宮崎あおい、成宮寛貴、松山ケンイチ etc
映画『NANA』の登場人物(キャスト)
- 大崎ナナ(中島美嘉)
- バンド、Blackstonesのボーカル。地方で活動していたが、レンの引き抜きをきっかけに上京、新生Blackstonesを始める。
- 小松奈々(宮崎あおい)
- ナナとルームシェアしているもう1人の”なな”。先に上京した彼氏、章司の後を追い東京へ。
- 本城蓮(松田龍平)
- 元Blackstonesのメンバーでナナの恋人。現在はTRAPNESTの一員として活躍している。
映画『NANA』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『NANA』のあらすじ【起】
小松奈々は、大学時代から付き合っている彼氏、遠藤章司を追い新幹線で東京へと上京している最中でした。そんな時、全身を真っ黒のゴリ系のコスチュームで固めた女性と隣の席になります。彼女の名前は大崎ナナ。彼女は地元でBlackstonesという人気バンドのボーカルを務めている人材でした。
Blackstonesはデビュー以来、その実力で徐々にファンを獲得、揺らぎない人気を獲得しつつありましたが、ある日そのうちの1人、大崎ナナの恋人でもある本城蓮にだけ他のバンドからの引き抜きの声がかかります。そして蓮はその誘いに乗り、結果ナナと蓮は別れる事になったのでした。ナナはたまたま、東京で自分の力で成功するため小松奈々と同じ新幹線に乗り合わせていたのでした。
ゆるふわ系の小松奈々とパンク系ファッションの大崎ナナ、外見も性格も全く異なる2人でしたが、何故だか2人の息はあいました。新幹線における2人の旅は、お互いのとりとめない話を語り合いながら楽しいものとして過ぎていきます。

映画『NANA』のあらすじ【承】
無事に新幹線も降り、2人の短い出会いは終わりを迎えたかのように見えました。しかし数日後、大崎ナナと小松奈々は同じ家を借りようとしてしまい、再び顔を合わせることとなったのです。優先権としてはナナにあったのですが、新幹線で気があったということもあり、2人はこの家でルームシェアする事となります。
ナナは奈々に、東京で1人でバンドマンとして成功するという夢を語りますが、ナナを追い、元Blackstonesのギター、ノブが上京してきます。その後同じくドラム担当であったヤスも上京、更に岡崎真一という青年をレンの代わりに新しくベースとして加入します。他のメンバーの熱い思いを聞き、ナナは新生Blackstonesを立ち上げる決意をします。
一方奈々は憧れの彼氏との生活に胸を躍らせていましたが、元来の菜奈のわがままな性格もあり章司と噛み合わない日々が続きます。一方章司は、同じバイト先の幸子という見た目も可愛く話も自分と会う女の子に心惹かれ始めていました。
映画『NANA』のあらすじ【転】
幸子と奈々の間で心揺れる章司ですが、今まで付き合ってきた奈々に誠意を見せる為にも幸子との関係性を終わらせようとします。しかし、章司の事を本気で思っている幸子は、「彼女がいてもいい」と章司との関係を続ける事を望みました。章司もその幸子の強い想いに流されてしまい、とうとう2人は関係を持ってしまいます。
その事を知らない奈々は、章司にナナを紹介しようと章司と幸子の働くバイト先を訪れました。幸子は初めて章司に恋する奈々の姿を見て、自分のしている事に罪悪感を感じ、章司と別れようと決意します。しかし今度は章司がそんな幸子を「奈々と別れるから」と留めます。そのやり取りを目にしてしまった奈々は、呆然としながらも章司との関係を終わらせました。
その後、奈々をサポートしたのはナナと新生Blackstonesでした。そんな時奈々は大好きなバンド、TRAPNESTのチケットを手に入れます。しかしナナはそれに対して何とも微妙な表情を浮かべています。実はTRAPNESTはレンが移籍したバンドだったのです。
映画『NANA』の結末・ラスト(ネタバレ)
迷うナナですが、決意を固めて奈々とTRAPNESTのコンサートへと向かいます。そしてやはりステージの上では、長年見続けてきたレンの姿がありました。スポットライトを浴びながら楽器を奏でるレンの姿に、ナナは静かに涙を流します。そんなナナの手を、奈々は黙って握りました。
一方、レンもステージの上からナナの姿に気がついていました。実はナナがずっとレンに想いを寄せていたように、レンもナナに変わらぬ愛情を持ち続けていたのでした。しかし素直になれない2人はそのまま発展を見せようとしません。そこで2人の間にヤスが仲介に入り、とうとう2人は再開を果たします。そしてレンは長年の想いをナナへと伝え、2人はようやく関係性を取り戻すのでした。
数日後、奈々は仕事から疲れ果てて帰ってきました。そして自宅の玄関を開けると何とそこには憧れていたTRAPNESTのベース、一ノ瀬巧の姿がありました。実はナナがレンを通して、巧との出会いをセッティングしていたのでした。奈々は喜びのあまり嬉し涙を流します。そんな奈々を、ナナは優しく抱きとめるのでした。
映画『NANA』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
キャストに違和感も無く、逆に漫画では味わえなかったトラネスとブラストの曲が聞けるのが良い。
性格も考えも相反する中島美嘉扮するブラストのナナと、宮崎あおい扮する奈々の再現度が高く、漫画から見ていた側としては嬉しい限りである。
又、漫画では味わえなかったライブの臨場感も映像として楽しめるので、この作品の映画化は成功といえるだろう。
音楽ものとして楽しむというよりは、恋愛関係を含めた人間関係に重きを置いた作品である。(男性 30代)
たまたま新幹線の隣に座った人が同じナナという名前だった所から物語が始まる。矢沢あい先生の漫画をアニメ化し、そして映画化されたのだが、一ファンとしてはやっときたかという思いである。性格も見た目も交友関係も、全く正反対の二人が共同生活をし、それぞれの友人たちとの交流や恋愛、音楽の仕事などを描いている。一人一人の個性も強く、漫画やアニメを見ずに映画を見ても、分かりやすくまとまっており、また原作の漫画を読みたくなる作品でもある。(女性 20代)
原作をうまく再現している、バンド映画の代表作である。漫画という2次元ならではの表現、例えばキャラクターの言葉遣いなどはあまり再現度は高くなかったが、映像化作品としてはとても完成度の高い作品だった。
テーマがはっきりしているためわかりやすく、観ていて立ち止まってしまう場面はほとんどない。しかし2005年に公開された映画で、当時の「かっこよさ」が詰まっているため、現在見ると違和感などが生まれるかもしれない。かなり前の作品という意識を持って鑑賞した方が、純粋に楽しめるのではないだろうか。(男性 20代)
少女漫画を実写化すると叩かれることも多いが、その中でも比較的世間に受け入れられた作品だと思う。NANA役の中島美嘉は嵌まっており、彼女以外に演じられる人はいなかったと思うほどピッタリ合っていた。小松奈々役の宮崎あおいや本城蓮役の松田龍平など、他のキャストも良かった。ストーリーだけではなく、歌唱のシーンも見応えがあった。中島さんも伊藤さんもやっぱり上手い。原作の漫画のファンも満足できる映画なのではないだろうか。(女性 30代)
二人のナナの物語にいろいろな思いがよぎる。タイプも全然違う二人がそれぞれの人生で葛藤している姿や、友情を育む姿が微笑ましくもあり、なぜかとても切ない気持ちにもなる。ナナ達の周りにいる仲間達もまた、それぞれ個性的だが闇を持っていると感じるのは私だけではないだろう。独特な雰囲気に包まれた映画ではあるが、一度は見ておきたい気持ちになる。挿入されている歌はどれもとても印象的で、キャストが歌っているところがとても魅力的だ。(女性 30代)
中島美嘉と宮﨑あおいという異なる個性を持つ二人のNANAが、本当にハマり役でした。特にナナの孤独や切なさがにじみ出るシーンには胸が締め付けられました。ナナとレンの再会のシーンは感情が爆発していて泣きそうになったし、ハチがノブとタクミの間で揺れる描写もリアルで共感。友情・恋愛・夢、それぞれが複雑に絡み合う青春群像劇として、原作ファンも納得の完成度だったと思います。(30代 女性)
学生時代に夢中になって観た映画。久しぶりに見返したけど、やっぱり名作。ナナとハチの対照的な性格が物語をすごく立体的にしていて、自分の中にも両方の要素があると感じさせてくれる。ハチがタクミに惹かれていく流れには「ダメ男だなぁ」と思いながらも、その気持ちが分かってしまう自分がいた。ラストのライブシーンは圧巻で、ナナの歌声に思わず涙がこぼれました。(20代 女性)
正直、最初は少女漫画の映画化だからとナメていましたが、想像以上に心を打たれました。特にナナの苦悩や孤独、音楽にすべてを賭ける姿勢は、男としても共感できるところが多かったです。レンと再会したあとの複雑な感情表現が見事でしたし、ハチとの関係もただの友情にとどまらない深さがあって印象的でした。音楽と映像のバランスも良く、何度でも見返したくなる作品です。(30代 男性)
青春時代に観た思い出の映画。今観ると、ナナとハチの友情に対する解釈が少し変わってきた気がします。当時はハチの優柔不断さにイラついていたけど、今見ると彼女なりに必死に生きていたのが分かる。ナナの真っすぐな姿勢は相変わらずかっこよかった。ラストでそれぞれの道を歩んでいく姿が切なくて、「人は一緒にいてもすれ違う」ということを教えてくれる映画です。(40代 女性)
バンドをやっていたので、ナナが音楽に懸ける情熱にはすごく感情移入できました。ナナとレンが音楽を通じて再び惹かれ合うシーンは、音でつながるってこういうことかと胸に響いた。ハチがあっさりタクミに流れてしまうところには正直モヤモヤしたけど、それもまたリアル。理屈じゃなく気持ちで動くのが若さなんだな、と感じた作品。サウンドトラックも最高。(20代 男性)
映画『NANA』を見た人におすすめの映画5選
ヘルタースケルター
この映画を一言で表すと?
美しさの裏にある崩壊と孤独を描いた、衝撃のビジュアル映画。
どんな話?
完璧な美貌を持つトップモデル・りりこは、整形によって手に入れたその美しさに苦しみながら、芸能界の頂点で崩れていく。彼女の心の闇と葛藤を通じて、「本当の自分」とは何かを問いかける作品。
ここがおすすめ!
『NANA』のナナと同じく、強く見える女性の内面に潜む脆さや孤独が描かれており、女性の生き様に迫る重厚な作品。沢尻エリカの圧巻の演技と蜷川実花による圧倒的なビジュアルも見逃せない。
ソラニン
この映画を一言で表すと?
夢と現実のはざまで揺れる青春を切り取った、音楽青春ドラマ。
どんな話?
社会に馴染めない若者たちが、音楽を通して自分たちの居場所を探しながら、未来への一歩を踏み出していく姿を描く。恋人の死という大きな喪失を経て、主人公が再び前を向くまでの軌跡を丁寧に描いた物語。
ここがおすすめ!
『NANA』と同様に、音楽が物語の大きな要素となっており、夢と恋、喪失と再生というテーマが響き合う。宮﨑あおいの繊細な演技とASIAN KUNG-FU GENERATIONの音楽が作品に深い余韻を与える。
リリイ・シュシュのすべて
この映画を一言で表すと?
痛々しくも美しい、思春期の孤独と崩壊を描いた映像詩。
どんな話?
ネット掲示板を通じてつながる中学生たちの葛藤と暴力、孤独を描く。現実と幻想、音楽と痛みが交錯し、若者の壊れやすい感情が綴られる。架空の歌姫リリイ・シュシュの音楽が世界のすべてを包み込む。
ここがおすすめ!
『NANA』が描く表現者の苦しみに共感した人にはぴったり。岩井俊二監督の幻想的な映像美とSalyuの音楽が、心を締めつける。感情で見るというより、感覚で受け取るタイプの芸術的作品。
僕等がいた
この映画を一言で表すと?
切なさが胸を締めつける、純粋で不器用な恋愛のかたち。
どんな話?
転校してきた矢野と出会った菜穂。最初は距離のあった二人だが、過去の傷を抱えた矢野と、彼を信じようとする菜穂の間に恋が芽生えていく。高校生から大人へ成長していく二人の10年を描いた恋愛物語。
ここがおすすめ!
『NANA』で描かれる複雑な恋愛模様やすれ違いが好きな人にぴったり。生々しい感情のぶつかり合いや“待つ”ことの苦しさがリアルに描かれていて、純粋な愛とは何かを問い直される作品。
ラスト・フレンズ
この映画を一言で表すと?
現代社会が抱える痛みと再生を描く、絆の物語。
どんな話?
家庭内暴力、性のアイデンティティ、孤独など、さまざまな問題を抱えた若者たちが、ひとつ屋根の下で共同生活を始めることで、心の傷を癒し、前に進んでいく群像劇。友情と愛の狭間で揺れる心が描かれる。
ここがおすすめ!
『NANA』と同じく、登場人物の心の傷や葛藤が物語の核心。問題の多様さと、それに向き合う登場人物の強さと弱さの対比が心に響く。感情を共有し、支え合うことで癒えるものがあると実感できる作品です。
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