この記事では、映画『七つの大罪クラブ 生贄になった少女たち』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『七つの大罪クラブ 生贄になった少女たち』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『七つの大罪クラブ 生贄になった少女たち』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:ホラー
監督:コートニー・ペイジ
キャスト:ケイトリン・バーナード、ブレンナ・ルウェリン、ブレンナ・コーツ、ケイラニ・エリザベス・ローズ etc
映画『七つの大罪クラブ 生贄になった少女たち』の登場人物(キャスト)
- グレース・カーバー(ケイトリン・バーナード)
- 色欲。牧師で厳しい父に辟易としている。美しい金髪と容貌を持ち、魅惑的で色気がある。シンズのリーダーで、周囲を言いなりにすることで自尊心を保っている。
- オーブリー・ミラー(ブレンナ・ルウェリン)
- 傲慢。敬虔なクリスチャンの家に育ち、勉強家で博識。誰よりも頭がいいことを誇りとしており、常に分厚い日記に何かしら記している。冷静に周囲を観察し、あらゆる情報を握っている策略家。
- トーリ・デビッドソン(ブレンナ・コーツ)
- 憤怒。情緒不安定で怒りが制御できない。気分が優れない時は人に当たり散らす。グレースと良い関係にあり、彼女に心を奪われている。
- ケイティ・ハミルトン(ケイラニ・エリザベス・ローズ)
- 強欲。裕福な家庭に育ち、我儘で欲しい物は父親に頼んで手に入れてしまう。飽きやすく気まぐれで高飛車。
- ステイシー・ロジャーズ(ジャスミン・ランダワ)
- 嫉妬。ハミルトン家に取り入って恩恵を受けているが、感謝をしたことがない。厚かましく狡い。
- モリー・マカイバー(カーリー・フォーセット)
- 暴食。自己肯定が低くストレスで暴食してしまう。比較的好かれる性格。常に何かを食べている。
- ロビン・ピアース(ナタリー・マライカ)
- 怠惰。色黒の少女で陸上選手として類稀な才能を持ち、8つの大学から誘いを受けている。恵まれ過ぎて努力をしない。
映画『七つの大罪クラブ 生贄になった少女たち』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『七つの大罪クラブ 生贄になった少女たち』のあらすじ【起】
敬虔なクリスチャンの家で育ったオーブリー・ミラーが通う高校は、格式が高いカトリックの私立高校。彼女は学校のカースト上位を占める7人の内の1人だった。聖書には人を貶める7つの大罪がある。彼女達は学校で罪人たち、シンズと呼ばれていたが、忌避すべき呼び名でさえむしろ誇りに思っているようだった。
シンズの一人、ケイティ・ハミルトンは欲しい物を全て手に入れることから強欲と呼ばれている。ステイシー・ロジャーズはケイティの家族に取り入って恩恵を受けているが、一切感謝しないので嫉妬と呼ばれる。陸上選手として8つの大学から誘われているロビン・ピアースは、怠惰で恵まれ過ぎているため、努力をしない。モリー・マカイバーは皆に好かれているが、自己肯定が低いため、暴食に走る。トーリ・デビッドソンは情緒不安定で怒りを制御できないため、憤怒と呼ばれる。オーブリー・ミラーは冷静に周囲を見渡し、自分を誇っていることから傲慢と呼ばれ、7人のリーダーであるグレース・カーバーは誰よりも美を誇り、色欲と呼ばれていた。
オーブリーは常日頃から分厚い日記を記している。彼女は知識を誇っていたが、近頃はグレースに羨望を抱いていた。学園がある小さな町では役所よりも教会の方が力を持っている。グレースはトーリと密かに関係を持っていたが、それとは別に男とも付き合う。恋人と別れた彼女はバイト先の生花店店長とも良い雰囲気を保っていた。
ところがある夜、グレースは牧師の父の元にシンズのことを告解に来た者がいると酷く叱られてしまう。ひとまずは反省の言葉を述べたが、さほど悪いこととも思っていない。グレースは深夜に家を抜け出し、密かに悪魔を崇拝する集まりに参加。面白半分で悪魔の呪文をを唱えた。

映画『七つの大罪クラブ 生贄になった少女たち』のあらすじ【承】
その日、オーブリーは体調が悪かった。彼女は授業中に席を外したが、その間に日記が盗まれてしまう。グレースの仕業である。彼女はオーブリーを外したシンズのメンバーを集め、オーブリーの日記に目を通した。そこにはシンズ全員の悪口が詳細に書かれている。教会の告解に訪れたのもオーブリーと思われ、グレースは彼女を密告者で裏切り者だと罵った。
グレースは自宅にて聖書の勉強会を開くことに。そこでオーブリーの罪を明らかにし、自尊心を破壊するつもりだった。グレースは悪魔の呪文を唱え、全員で徹底してオーブリーをいじめる。オーブリーは酷く怯え半泣きになり、二度と告解をしないよう強引に約束させられた。
だが、それでもオーブリーは告解せずにはいられなかった。まさかこのことが原因で自分の身に危険が及ぶことになるなど、想像もしていなかった。彼女は無防備なところを他の6人によって連れ去られ、酷い暴行を受ける。6人が揉めた隙に逃げ出したオーブリーは湖の畔に隠れどうにか難を逃れた。
翌日、オーブリーは学校に来なかった。そのせいで授業中に校長室へ呼ばれた6人。グレースは何も知らないことにしろと命令を下し、一人ずつ呼ばれて保安官から事情聴取を受けた。
聴取を終えて教室へ戻ると、ケイティの机に7つの大罪が記されている。半狂乱になった彼女は放課後にある場所へ向かい、何者かによって襲われ制裁されるのだった。
その日の夜は行方不明のオーブリーの無事を祈ったが、翌日になって事態は急変する。沼の畔にてバラを咥えたケイティの遺体が発見されたのだ。
映画『七つの大罪クラブ 生贄になった少女たち』のあらすじ【転】
オーブリーが行方不明という状態でのケイティの死には誰もが衝撃を受け、深い悲しみを抱く。警察はケイティ殺害の容疑者としてグレースがアルバイトをする生花店の店主を連行した。このことで更に衝撃を受けたグレース。加えて父親からも責め立てられ、強い不安が彼女を襲った。
オーブリーの日記はグレースが持っている。彼女はそれを持って家を抜け出し、トーリと落ち合った。オーブリーの日記を2人で燃やして罪の呵責を晴らそうと考えたのだ。
湖の別荘へ向かった2人はこの時、拘束されたモリーの身に何が起きているかを知らない。
一連の事件の容疑者として名前が挙がったのは、グレースだった。両親は娘を庇い警官を追い返したが、グレースは恐ろしくなって逃げ出してしまう。代わりに生花店の店主が解放されることに。グレースは犯人を突き止めるべく、彼から話を聞くことにした。
そこで、遺体には花の鮮度を保つための薬剤が使われていたことが分かる。その間にも犯人はステイシーを拘束し命を奪う。
その頃、警察署には保安官の友人である刑事が捜査のためにやって来る。警官達は揉めに揉めたが、どうにか捜査へ向かった。
映画『七つの大罪クラブ 生贄になった少女たち』の結末・ラスト(ネタバレ)
グレースとトーリは生花店から別荘へ戻ったが、閉めたはずの扉が開いている。2人は不審に思いながらも中へ入り、背後から襲われ意識を失ってしまう。
警官は集めた資料から犯人が誰かを特定し、カーバー家が所有する別荘へ向かっていた。
意識を取り戻したグレースの前には、行方不明のオーブリーが立っていた。彼女は隣家に住む検視官と共謀し、町に潜む罪を浄化するという名目で次々に人を襲っていたのだ。しかし、オーブリーは背後に迫った検視官によって呆気なく射殺されてしまう。
グレースはトーリと共にオーブリーの死体を湖へ投下。検視官はオーブリーに脅されており、罪の上乗せをさせられたと言う。故にオーブリーを殺したのはグレースということにしろと命令。しかし、そこへ保安官が突入。彼は検視官に銃を手放すよう話したが、検視官は保安官を銃撃してしまう。揉み合った際に取り落とした銃をトーリが入手。彼女は恐怖に怯えるあまり、迫り来る検視官を殺してしまった。
グレースとトーリは消沈した様子でパトカーに乗り込む。空が白みやがて朝日が昇ろうとしていた時間だった。
映画『七つの大罪クラブ 生贄になった少女たち』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
小さな町で7つの大罪を冠して呼ばれる少女たちが次々と不審な死を遂げていくホラー作品。
スクールカーストの上位を占める7人の少女たちは実にキャラクターが多彩。聖書による7つの大罪をなぞらえて呼ばれており、粋がっている。高校生のジャリが学校で粋がって仲間の少女を虐めたことから、まさかの殺人事件へ発展するなど思いもしないだろう。設定は面白かったが、リーダーの少女はただ怯えて逃げるばかりいて、面白みに欠ける。つまりは、リーダーとは名ばかりのただの少女だということなのだろう。問題は傲慢の少女の情報収集力とプライドの高さ。彼女のような人物が一番、危ないと思う。ただ、虐められた腹いせで殺人を犯すのはちょっと違う感じもした。(MIHOシネマ編集部)
思春期の少女たちが抱える抑圧や虚栄が、「七つの大罪」というコンセプトに乗せて描かれていたのが印象的。特にグレイスが“プライド”を象徴する存在として自滅していく姿は、美しくも痛ましい。表向きは敬虔なキリスト教コミュニティの中で、裏では嫉妬や欲望が渦巻いているというギャップがホラー的で怖かった。(20代 男性)
ティーンエイジャーの内面を寓話的に描いた異色のスリラー。表面上は宗教的で清純な少女たちが、内心では他人を蹴落とすことに必死になっている構図が不気味。最後のグループ崩壊と、それを無表情に受け止める主人公の冷たさが印象的で、人間の暗部をえぐり出すような作品だった。スタイリッシュな映像も良かった。(30代 女性)
終始、雰囲気が不穏で「何かが起きる」予感を持たせながら進む映画。特にラストにかけての展開は衝撃的だった。教会の権威や家庭内の圧力など、少女たちを追い込む構造が巧妙に描かれていて、ホラーというよりサイコスリラーに近い。誰も救われない結末は賛否あるが、自分はアリだと思った。(40代 男性)
美術や色彩がとても象徴的で、特に“赤”が使われる場面には緊張感が走る。少女たちが次第に猜疑心に飲まれていく姿には共感と恐怖が混ざり合っていた。グレイスの母親や町の大人たちの“見て見ぬふり”も、物語に陰を落としていた。女性としては、社会からの期待に押し潰される少女たちの姿に胸が痛んだ。(30代 女性)
思春期特有の集団心理と、その破壊的な側面が「七つの大罪」というモチーフを通して描かれる点が新鮮だった。罪の意識ではなく“罰”をどう受け入れるかというテーマが斬新で、宗教と性、倫理観が交錯する描写は大人でも考えさせられる内容。ラストの儀式めいた場面が妙にリアルでゾッとした。(50代 男性)
派手な演出ではなく、静かにジワジワと恐怖が迫ってくるタイプの作品。ベタなホラーではなく、心理的な不安や社会的な抑圧を描いているところに惹かれた。主人公が信じていたものが崩壊していく過程が非常に丁寧で、特に友人たちとの“断絶”が浮き彫りになる中盤以降は見応えがあった。(20代 女性)
高校生という設定ながら、物語がかなり重いテーマを扱っていて見応えがあった。信仰、虚栄、妬み、それぞれのキャラクターが象徴する“罪”が巧妙に散りばめられていて、どこか『ヘザース』や『キャリー』の系譜を感じた。最終的に全員が破滅していく展開に、「逃げ道のなさ」みたいなものを感じた。(30代 男性)
物語に派手な展開はないけど、ひたすらにじり寄ってくる不穏さが不思議な魅力だった。登場人物たちは全員どこかで“生贄”になっていて、誰も完全な加害者でも被害者でもない。見終わった後、なぜか静かに恐怖が残る映画だった。ビジュアルが美しい分、内容とのギャップにゾッとする。(40代 女性)
青春映画に見せかけた異端のホラー。友情、信仰、純潔という“建前”の裏に隠された欲望や攻撃性が、ゆっくりと露わになる構成がうまい。特に終盤の展開で、少女たちが“正義”として他者を裁き始める様子が怖かった。個人的には、もっと救いがあるとよかったけど、この結末だからこそリアルだったのかも。(30代 男性)
映画『七つの大罪クラブ 生贄になった少女たち』を見た人におすすめの映画5選
ヘザース/ベロニカの熱い日
この映画を一言で表すと?
美しき学園の裏側で起こる、過激でブラックな青春破壊劇。
どんな話?
カースト上位の女子グループ“ヘザース”に属するベロニカが、転校生のJ.D.と出会い、同級生を“事故”に見せかけて次々と殺害していくダークな学園サスペンス。ポップな演出と過激な内容のギャップが魅力。
ここがおすすめ!
『七つの大罪クラブ』と同様に、若者社会の裏に潜む暴力性や偽善をブラックユーモアで描いています。80年代の空気感とウィノナ・ライダーの存在感が唯一無二。ダークな青春映画を求める方におすすめです。
ミッドサマー
この映画を一言で表すと?
陽光の下で繰り広げられる、不快で鮮烈な祝祭ホラー。
どんな話?
恋人の死をきっかけにスウェーデンの村を訪れた大学生たちが、奇妙な祝祭に巻き込まれていく。文化的儀式を通して、信仰と集団心理、個人の崩壊が描かれる恐怖と美が共存するホラー。
ここがおすすめ!
『七つの大罪クラブ』が持つ“信仰と集団の同調圧力”というテーマが強く共鳴する作品です。映像美の裏にある狂気や、女性の再生を描いた構成も共通点。アート性のあるホラー好きに必見の一作です。
ザ・クラフト
この映画を一言で表すと?
高校の魔女4人組が力に溺れて崩壊する、90年代ゴシック青春ホラー。
どんな話?
転校生のサラが、魔術を操る女子3人組と出会い、4人で“魔女の力”を得る。しかしやがてその力に翻弄され、友情は崩壊、破滅へと向かっていく。力と支配、恐れと裏切りの物語。
ここがおすすめ!
女子グループの中で起こる序列、嫉妬、裏切りといった構図は『七つの大罪クラブ』に非常に似ています。制服、宗教的要素、そして思春期の危うさをホラーで包んだ、不朽のカルト作。90年代の雰囲気も◎。
サスペリア(2018年版)
この映画を一言で表すと?
美しく不穏なバレエ学校の奥で蠢く、魔女と少女の神秘劇。
どんな話?
ベルリンの舞踏学校に入学した少女が、やがて学校が魔女の巣窟であることに気付き、自らも変貌していく。芸術性とグロテスクな儀式が融合した、極めて重厚なホラーリメイク作品。
ここがおすすめ!
女性たちの閉鎖的な空間の中で進行する儀式や信仰の暴走は、『七つの大罪クラブ』と重なる構造。美術、衣装、音楽が高水準で、重厚で暗く美しいホラーを探している方にぴったりです。
ザ・ウィッチ
この映画を一言で表すと?
信仰の名のもとに崩壊していく、静かなる魔女伝説。
どんな話?
17世紀ニューイングランド。宗教的な村を追放された家族が森のそばで暮らし始めるが、やがて異常な出来事が次々と起こり、家族は疑心と狂気に飲まれていく。魔女の伝承をベースにした心理ホラー。
ここがおすすめ!
少女に“罪”を投影し、信仰が狂気へと変化していく流れは『七つの大罪クラブ』と強くリンクします。セリフや演出も抑制が効いていて、静かながら強烈な不安をもたらす逸品。アートホラー好きに推せる作品です。
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