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映画『寝ても覚めても』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『寝ても覚めても』の概要:昔の恋人を忘れられないまま、恋人と同じ顔をした男と恋に落ちる朝子の物語。東出昌大が破天荒でミステリアスな男と、優しく誠実な男を演じ分けるところも注目だ。

映画『寝ても覚めても』の作品情報

寝ても覚めても

製作年:2018年
上映時間:119分
ジャンル:ラブストーリー
監督:濱口竜介
キャスト:東出昌大、唐田えりか、瀬戸康史、山下リオ etc

映画『寝ても覚めても』の登場人物(キャスト)

丸子亮平(東出昌大)
酒造会社で働くサラリーマン。東京で朝子と出会い恋に落ちるが、麦と顔が似ているため朝子に裏切られる。誠実で優しい性格だが、朝子の裏切りに心から失望する。
鳥居麦(東出昌大)
朝子の昔の恋人。突然姿を消したかと思えば、芸能人になって再び朝子の前に現れる。自由奔放で朝子を振り回す。
泉谷朝子(唐田えりか)
麦と亮平を重ねながら恋愛にのめり込む。大人しいように見えて、一度思い込むと頑固な性格で、恋愛に対して本能的に行動を起こす。
鈴木マヤ(山下リオ)
東京でできた朝子の友人。朝子の良き理解者でしっかり者であるため、朝子の裏切りに激怒する。
串橋耕介(瀬戸康史)
亮平の会社の同僚。昔俳優を目指していたことがあり、初めは尖った印象だが後に朝子や亮平、マヤと仲を深めていく。

映画『寝ても覚めても』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『寝ても覚めても』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『寝ても覚めても』のあらすじ【起】

大阪に住む朝子は、趣味の写真展を観た帰りに歩道橋で麦とすれ違った。小学生がふざけて鳴らした爆竹で、振り返った朝子と麦は目が合う。麦はそのまま朝子に近づき、キスをした。それが朝子と麦の出逢いだった。そのまま朝子と麦は付き合い始めることになる。朝子の親友の春代は麦のことをあまり良く思っていなかった。しかし春代が麦のことを信用ならないと言っても、朝子は一切聞く耳を持たなかった。朝子は一度思い込むと頑固で、麦の外見やミステリアスな様子に惚れ込んでいた。

朝子や春代、麦が岡崎という共通の友人の家に集まってお酒を飲んでいた夜。麦は深夜になって突然、明日の朝に食べるパンを買いに行く、と1人で出かけたきり朝になっても帰って来なかった。朝子は心配するが、岡崎は、麦がいなくなることはよくあることだ、と気にしなかった。麦は昼近くになって何事もなかったかのように戻ってきた。笑いながら言い訳をする麦に、朝子は抱き着いて離れなかった。しかしそれから間もなくして、麦は再び出かけて、今度はそのまま帰って来ることはなかった。

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映画『寝ても覚めても』のあらすじ【承】

麦がいなくなってから2年が経った頃。朝子は東京に出て小さな喫茶店で働いていた。そこの喫茶店は、隣のビルに入っている酒造会社の会議にコーヒーのポットを貸し出していた。朝子がポットを取りに会議室に入ると、そこには麦と同じ顔をした亮平がいた。亮平は大阪出身で、酒造会社で働くサラリーマンである。朝子は亮平を見て思わず、麦と呟くが、我に返り逃げるように部屋を出た。

会社からの帰り道、亮平は写真展の前で佇む朝子を見つけて声をかけた。朝子は戸惑い、ゆっくりと亮平の頬に触れた。亮平は驚き、少しの沈黙が流れたが、そこに朝子が待ち合わせをしていたマヤが現れる。マヤは朝子のルームメイトで、女優を目指している朝子の友人である。朝子とマヤが写真展に入ろうとすると、入館時間を過ぎていたため係員に断られてしまう。そこへ亮平が機転を利かせて交渉に入ったことで、朝子とマヤは写真展に入れることになった。3人は写真展を観た後、喫茶店に寄るが、朝子は突然立ち上がり帰ってしまった。マヤは亮平に朝子の態度を謝り、お詫びにと今度マヤと朝子が住む部屋に遊びに来るように誘った。

後日、亮平は同僚の串橋を誘い、マヤと朝子の家を訪れる。皆でマヤの出ている舞台のビデオを鑑賞していると、串橋が、マヤの演技は中途半端で自己満足だ、と突然怒り始めた。その場は凍り付き、マヤは串橋に反発する。朝子が串橋の言葉を否定し、亮平が串橋に謝るように促すと、串橋は、昔役者を目指していて、今も舞台に立っているマヤに嫉妬したことを認めて謝った。それ以来4人は打ち解け、仲を深めていった。

映画『寝ても覚めても』のあらすじ【転】

朝子と亮平は付き合うことになる。しかし、付き合い始めてまだ日が浅いうちに、朝子は亮平に突然電話で交際取り消しを伝え、音信不通になってしまった。なんとかして朝子と会いたい亮平は、マヤの舞台を見に行く予定を朝子の行く日に合わせるが、朝子は亮平が予定をずらしたことに勘付き、会場に現れなかった。亮平が座席に1人で座り、舞台の開演を待っていると、突然大きな地震が起こり舞台は中止になる。交通機関も全滅し、亮平が徒歩で会社に戻っていると、前から朝子が歩いてきた。朝子と亮平は無言で抱き合った。

5年後、朝子と亮平は一緒に住み、頻繁に東北被災地のボランティアに出向いていた。ある日、朝子と亮平が買い物をしていると、東京に住み始めた春代と再会する。春代は亮平を見て驚くが、朝子は、亮平が麦と似ているから付き合っているわけではない、と春代に説明した。春代は朝子に、麦がモデルデビューし、芸能人になっていることを教えた。

亮平は大阪に転勤になることが決まり、朝子に大阪で一緒に住もう、とプロポーズをする。朝子はためらい、亮平に麦の存在を告白した。亮平は、麦のことは以前から知っていたことを明かし、気にすることはない、と朝子に言った。朝子は亮平のプロポーズを受け入れ、2人は引っ越す準備を始める。

映画『寝ても覚めても』の結末・ラスト(ネタバレ)

マヤと串橋、春代が朝子と亮平の送別会をレストランで開く。皆で食事をしていたところに、突然麦が現れる。麦は朝子の前に立ちはだかり、一緒に行こう、と朝子に手を差し出した。朝子は周囲の制止を振り切り、麦の手を取って店を飛び出し、車に乗り込んだ。朝子が麦に行き先を聞くと、麦は北海道だと答えた。沈黙の車内の中、朝子の携帯にマヤから電話がかかってくる。マヤは、今戻って来ないなら二度と姿を見せるな、と朝子を叱責するが、朝子は思い止まることなく、そのまま窓の外に携帯を投げ捨てた。眠ってしまった朝子が目を覚ますと、車は仙台の手前まで来ていた。朝子はふと我に返り、やはり一緒に行くことはできない、と麦に伝えた。麦はあっさりと受け入れ、去って行った。一文無しの朝子は、以前ボランティアで訪れた際に仲良くなったおじさんの家を訪ねてお金を借り、亮平と一緒に住むはずだった大阪の家に向かった。

家の前で朝子を見た亮平は、朝子に向かって、帰れ、の一点張りで、一緒に住んでいたときに飼っていた猫も捨てたことを伝えた。朝子は引き下がらず、亮平の家の周りで猫を探し続けた。亮平は家の中から猫を朝子に差し出し、再び扉を閉めた。朝子は鍵のかかっていない扉を開け、家の中に入った。亮平は窓辺に佇み、外を眺めていた。朝子は、もう亮平の優しさに甘えないことを約束し、一緒に生きていきたい、と訴えた。亮平は朝子に、この先朝子のことを信じることできないだろう、と伝えたがその表情は心なしか穏やかであった。

映画『寝ても覚めても』の感想・評価・レビュー

恋人と同じ顔の男と出会ってしまうことや、昔の恋人が突然有名人になっていること、昔の親友が国際結婚をしたことなど、他にも朝子の周りでは笑ってしまうような突拍子もないことが沢山起きて、少し取り残されそうになる。しかし朝子が、麦がいなくなってからの出来事は全部夢の中の出来事のようだ、と呟いた場面がとても印象的で、とても腑に落ちた。最後の亮平と朝子の対話で、この先の2人の未来は穏やかに続いていくように思えて、ハッピーエンドであったかなと思う。(MIHOシネマ編集部)


一目惚れした元彼と全く同じ顔をした人に出会い、また恋におちてしまう不思議なラブストーリーです。出会い方から裏切り方まで、ありえないこと続きで突っ込んでしまいそうになるが、ちょうど良いテンポで物語が進み、ふわふわした気持ちのまま作品の世界観に迷い込んだような感覚でした。
主演の二人のゴシップがあり、偏見をもってしまうかもしれないが、朝子の心の成長が丁寧に描かれている素敵な作品だったのではないでしょうか。東出さんの感情が読めない話し方が麦の雰囲気と合っていたこと、瀬戸さんが嫉妬心をむき出しにしてしまうシーンがお二人のこれまでの印象と良い意味で変化がありました。(女性 20代)


突っ込みどころ満載のラブストーリー。ある日突然姿を消した大好きだった元彼とそっくりな男に出会い、元彼を重ね恋に落ちるという物語。設定的には比較的ありがちで、現実にもあり得る話だと思う。しかし雰囲気や性格がそっくりというレベルでよかったのではないだろうか。全く違う2人を一人で演じるのはさすがに違和感がすごいように思ってしまった。映画を観た感想としては、ただ亮平が可哀想という気持ちだけが残った。(女性 20代)

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