映画『にがくてあまい』の概要:野菜嫌いの江田マキは、ひょんなことから絶対菜食主義のヴィーガンでゲイの片山渚に出会う。渚が作った野菜料理は、マキが食べられるほど美味しかった。マキは部屋を出て行かなければならなかったため、渚を脅して部屋を貸してもらった。
映画『にがくてあまい』の作品情報
上映時間:96分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー
監督:草野翔吾
キャスト:川口春奈、林遣都、淵上泰史、桜田ひより etc
映画『にがくてあまい』の登場人物(キャスト)
- 江田マキ(川口春奈)
- 広告代理店に勤める。外面は良く、良い女を演じている。だが、実際は部屋が汚く、料理もできない。野菜が大嫌い。父との関係が悪く、成人前に実家を飛び出した。
- 片山渚(林遣都)
- 名門校の教師。ゲイ。絶対菜食主義のヴィーガン。自分が作った料理を、マキが美味しそうに食べる顔を気に入る。
- 立花アラタ(淵上泰史)
- 渚の元同居人。渚に料理を教えた。兄を救えなかったことに囚われている渚を心配している。
- 江田豊(中野英雄)
- マキの父親。脱サラをして、有機農家を始める。無骨な性格だが、家を飛び出していった娘のことを密かに心配している。
映画『にがくてあまい』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『にがくてあまい』のあらすじ【起】
広告代理店に勤める江田マキは、部長からCMの制作をメインでやるよう頼まれる。喜んだのも束の間、そのCMはゴーヤを扱ったものだった。マキは周囲には内緒にしていたが、野菜嫌いだった。同僚達は仕事が決まったお祝いをしようとマキを食事に誘った。そこは有機野菜を提供する店だった。マキは誘いを断るため、彼氏と部屋の内見に行かないといけないと嘘を吐いた。
馴染みのバーでお酒を飲んでいるとき、イケメン(片山渚)が店に入っていた。目を奪われるが、渚は野菜が大量に入った箱を持っていた。マキは野菜に対しての怒りを爆発させ、お酒を一気飲みして気絶してしまう。
マキが目を覚ますと、汚かった部屋が綺麗に片付き、渚が台所で食事を作っていた。マキは驚愕し、部屋を勝手に触った渚に腹を立てる。しかし、渚が名門校の教師だと知り、彼氏にすれば同僚に自慢できると考えた。媚びを売ろうとするが、渚が作った料理が野菜をふんだんに使った物だと知り微妙な態度になってしまう。マキはその料理を嫌々口にした。だが、野菜嫌いのマキでも食べられるぐらい美味しかった。
マキは渚とベッドを共にしたと思っていたが、渚はマキに手を出していなかった。なぜなら、渚はゲイだった。マキはそのことを知り、高校に言われたくなければ一緒に住んで欲しいと頼んだ。部屋の更新が切れるため、マキは家を出なければならなかったのだ。
渚は古風な一軒家に暮らしていた。マキはおしゃれじゃない家に不満を抱く。渚は一緒に住む代わりに条件を出した。それは、渚が作った料理を残さないこと、肉を食べないこと。渚は絶対菜食主義のヴィーガンだった。マキの引っ越し作業には、渚の後輩で体育教師の馬場園あつしも手伝った。
映画『にがくてあまい』のあらすじ【承】
マキは渚にお弁当を渡される。野菜が入っていたためマキは食べるのを嫌がり、同僚達に食べてもらうことにした。すると、同僚達はとても美味しそうに食べていた。マキはそれを見て、自分でもお弁当を口にした。すると、とても美味しく感じた。同僚からお礼にハンバーガーを渡されそうになるが、マキは受け取るのを断って口にしなかった。
マキはCMのプレゼンを行った。旬なタレントを使い、ゴーヤの新鮮さをアピールできる企画を考えた。しかし、CM制作の依頼側から、ゴーヤを食べる企画はないのかと言われる。マキは考えていなかったため焦っていると、依頼側の社長がタレントの女の子(青井ミナミ)を気に入った。しかし、キャスティングできるかは厳しいところだった。マキは部長に目で合図を送るが、部長はキャスティングが大丈夫だと勝手に言ってしまう。
マキは渚のことが気になり付き合いたいと思うが、インターネットの掲示板で相談してもゲイと付き合うのは絶対無理だと書かれるだけだった。そんな時、マキの母から野菜が届く。マキの実家はハルバルファームという超人気有機農家だった。渚は興奮するが、マキはとても嫌そうだった。ハルバルファームはマキの父が脱サラをして始めたものだった。そのせいで引っ越しをしたり母が働きに出たりと大変な思いをしたため、マキは野菜と父が大嫌いだった。
ミナミは演技をネットで叩かれ、CM出演を拒否した。マキはミナミが断ったのを知り、仕事に追われることになる。そして、時間がなくなり、お弁当を残してしまう。帰ってから渚に注意されるが、仕事が忙しかったことを理由に反論した。しかし、マキはプレゼンで失態を犯してしまい、ボロボロになってしまう。酔っ払って渚に泣きついた。渚は困りながらも、マキを慰めた。
映画『にがくてあまい』のあらすじ【転】
渚はマキのために、ゴーヤを使った冷やし茶碗蒸しを考えてくれていた。マキは苦いゴーヤを嫌厭するが、渚にCMを制作するにはゴーヤを好きになる必要があると説得される。マキが恐る恐る冷やし茶碗蒸しを口にすると、とても美味しかった。マキは渚に作り方を教わり、ミナミに持って行った。そして、ミナミに苦手なことがあっても全力でフォローすると言葉を掛けた。マキが帰った後、ミナミは冷やし茶碗蒸しを美味しそうに食べた。その後、ミナミが出演したCMが無事に放送された。
マキはバーで渚とCM制作のお祝いをしようとするが、渚に予定が入り断られてしまう。落ち込んでいると、マスターのヤッさんに渚はマキに心を開いていると慰められる。その時、渚はお兄さんのことがずっと心に引っ掛かっていると、ヤッさんはポロリと漏らしてしまう。マキが何も知らないことに気づき、それ以上は何も話さなかった。
渚が風邪を引いて寝込んでしまう。マキがおかゆを作るために家に帰ると、渚の上に男の人が乗っかっていた。マキはヤッさんが言っていた「お兄さん」だと誤解するが、その男は立花アラタで渚の元同居人だった。アラタはマキが料理に慣れていないことに気づき、代わりに食事を作った。アラタが作ったカレーはとても美味しかった。
映画『にがくてあまい』の結末・ラスト(ネタバレ)
マキの管理が甘いせいで、押し入れに入れていた布団にキノコが生えてしまう。そのことで渚と口論になり、売り言葉に買い言葉でマキは家を出て行くと言ってしまう。しかし、単身の部屋はすぐに見つからなかった。
アラタは渚の兄が眠る墓に、墓参りに行くことにした。渚の兄は持病の発作で亡くなっていたのだが、渚は救えなかったことを後悔していた。アラタは渚のせいではないと否定するが、渚は受け入れることができなかった。
マキは偶然再会した元彼のカイトを頼ろうとするが、ろくでもない男であるカイトに頼るのが嫌で家に戻った。すると、渚が食事を作っていた。マキは渚と食事をしながら、布団をダメにしたことを謝った。渚も言い過ぎたことを謝罪した。
マキは渚に付き添われ、実家に帰った。マキは母に野菜を送ってくれたことへの感謝を伝えるが、送っていたのは父(豊)だと教えられる。マキは母に頼まれ、振袖に着替えた。マキは成人式の前に家を出て行ったため、振袖を着ていなかった。しかし、豊は購入した着物を捨てることができず、保管していたのだ。豊は照れくさそうにしながらも、娘の晴れ姿を喜んだ。マキは渚に背中を押され、両親と和解した。
マキが眠ってしまったため、渚は1人で先に帰ることにした。その時、豊に娘を貰って欲しいと頼まれる。豊は娘の幸せを考えていた。渚はゲイであることを正直に打ち明けた。マキはアラタからのメールで目を覚ます。そこには、今日が渚のお兄さんの命日なので、渚に墓参りに行くよう説得して欲しいことが書かれていた。マキはバイクに乗って渚の車に追いついた。渚はマキに説得され、兄の墓に足を運んだ。
マキが会社でお弁当の蓋を開けると、トマト料理とトマトの花が入っていた。そのことに驚いていると、同僚からトマトの花言葉を教えてもらう。それは、感謝だった。マキは笑顔でお弁当を食べた。
映画『にがくてあまい』の感想・評価・レビュー
最後までちゃんとお互いの関係性に揺るぎないのがとても良かった。なんでこんなにも川口春奈と林遣都がはまり役なのだろうか、イメージ通りすぎる。何品も出てくる野菜料理の数々はレシピを教えてもらいたいくらいには食べてみたいものばかりだった。おそらく尺の関係で映画には入っていない、原作にあるキャラクターの深堀りしたような話をさらっとでも知れたらもっと面白い作品だったと思う。原作の漫画も面白そうなので読んでみたいとすら思った。(女性 20代)
とげとげした心をほっこりさせてくれる作品でした。恋愛なしの心温まるストーリーは、家族や子どもに対するものが多い中、林遣都さんと川口春奈さんという若い二人で構成されているのがおもしろかったです。
出てくる料理が全部おいしそうで、野菜だけで満足できる食事はどんなものなのか、食べてみたくなりました。
マキの性格が自分勝手でイラっとしてしまう場面もありましたが、自分も家に帰って一緒にごはんを食べて話を聞いてくれる人ができたらいいなと羨ましくなりました。(女性 20代)
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