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映画『ノートルダムの鐘』あらすじとネタバレ感想

映画『ノートルダムの鐘』の概要:ヴィクトル・ユーゴーの名作「ノートルダム・ド・パリ」を長編アニメ化。パリの街を舞台に鐘つき男カジモドとジプシー娘の交流を描く。監督はゲイリー・トゥルスディルとカーク・ワイズ。出演は、デミ・ムーア。

映画『ノートルダムの鐘』 作品情報

ノートルダムの鐘

  • 製作年:1964年
  • 上映時間:90分
  • ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、ミュージカル
  • 監督:ゲイリー・トルースデール、カーク・ワイズ
  • キャスト:トム・ハルス、デミ・ムーア、トニー・ジェイ、ケヴィン・クライン etc

映画『ノートルダムの鐘』 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

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映画『ノートルダムの鐘』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『ノートルダムの鐘』のあらすじを紹介します。

中世のパリ。ノートルダム聖堂の鐘つき男カジモド(トム・ハルス)は、孤独な日々を送っていた。もうすぐ街では、トープシー・タービィ祭りが開催されます。いつもノートルダム聖堂の屋上から街を眺めるだけだったカジモドは祭りに参加したいと思うが、育ての親であるフロロ判事(トニー・ジョイ)はそれを許さない。
カジモドは、唯一の友人である3体の石像たちに励まされ、ついに祭りへ向かう。しかし、祭り会場でカジモドの醜い顔が市民に知られ、逃げようとするが。1番醜い男として祭り上げられ、それを見たフロロ判事は激怒します。またジプシーの娘エスメラルダ(デミ・ムーア)の妖艶なダンスに魅了されます。
しかし、彼は昔からジプシーに対して排斥活動を行っており、民衆の心を惑わす魔女としてエスメラルダを捕えようとします。軽業師のような柔軟さで、エスメラルダは相棒の山羊と共に逃げます。そして、民衆に痛めつけられたカジモドを救うのです。

ノートルダム聖堂に”聖域”を求め、逃げてきたエスメラルダ。聖堂で、護衛隊長のフィーバス(ケビン・クライン)と出会う。フィーバスは過去に1度、エスメラルダを助けた恩人。カジモドは、エスメラルダをかくまい、友人になります。対して、フロロ判事はエスメラルダを捕まえるため”ジプシー狩り”を実行。過激なフロロ判事はジプシーをかくまう者への見せしめとして、家に火を放つのです。
カジモドは、エスメラルダを脱出させるために力を貸します。街に戻ったエスメラルダは、フロロ判事に逆らったため重傷を負ったフィーバスを助けます。そしてカジモドがフィーバスをかくまうことに。そんな中、エスメラルダとフィーバスが恋人になったのを見て、胸を痛めるカジモド。

傷が癒えたフィーバスは、エスメラルダを助けるために彼女の行方を捜します。カジモドは以前、エスメラルダから貰ったペンダントから、”正義の法廷”の場所を特定し、そのアジトへ向かいます。しかし、フロロ判事が軍隊を連れて、アジトに乗り込んできます。捕えられたエスメラルダは、死刑になることに。
カジモドも聖堂の屋上に鎖で繋がれてしまいます。エスメラルダの命を救うことができるか?そしてフロロ判事の排斥活動を阻止できるのか。

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映画『ノートルダムの鐘』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ノートルダムの鐘』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

人類の歴史からみる、差別の種

人を見かけで判断・差別してはいけないと私達は教えられているが、守られてはいない。中世のパリも現代のパリでも、根深い差別意識があります。例えば、ヨーロッパでは難民問題で受け入れに苦慮しています。幼い子供が溺死した痛ましい事故が最近報道されたばかりですね。
楽しくアニメを観ながら、差別と闘い自由を得ようとするエスメラルダの姿と現実世界が重なるのです。大人になり、本作を再見すると、子供の頃はただ怖いと思っていた鐘つき男カジモドが本当は心優しい人だったと分かり、安心した反面、フロロ判事の悪意が恐ろしい。
劇中でエスメラルダが、”なぜ異なる者を憎むの?”とフロロ判事に問う場面があり、胸が痛みます。異なる人や文化を受け入れられず、排除しようとする動きや考え方は現代も変わらないのです。なぜ、差別はなくならないのか?人類の歴史と共にみてみましょう。

人類は、狩猟生活から、定住型の農耕生活へ移行した時に、貧富の差が生まれ、食料と領地を巡る争いが起きるようになったと考えられています。また宗教によって人間は平等であるとしながら、王や貴族、平民、商人と社会的階級を定めていったのです。人は皆、幸せに飢えずに生きてゆきたい。
しかし、生存競争に敗れてしまう人や土地を追われる人も生まれるのです。そのため、オーストラリアのアボリジニは狩猟生活を選び、領地争いなどのない生き方を続けています。私達はこうした生活をすることはできないけれど、困った人と共に助け合う人でありたい。

「ノートルダムの鐘」にみる、孤独な世界を生き抜くヒント!

鐘つき男カジモドは、孤独な世界をどう乗り越えたのでしょうか。そこに生き抜く大きなヒントがあります。まず1つ、”希望を失わない!”。3体の石像やエスメランダとの出会いによって、自分の意思を貫く強い気持ちを持っていたこと。次に、”友人や周りの人を巻き込んでゆく”。
勇気を持って、カジモドが外の世界に飛び出したことです。祭りで大勢の人に自分の姿をさらしもみくちゃにされてしまいますが、自分の事を誰かに分かってもらおうとすることが大切です。最後に”愛すること”。カジモドはエスメランダと出会いました。思いは届かなかったが、友情としてその愛は続いてゆきます。
個人対国家では、難しいことでも、人と人とのつながりを通して出来ることが案外あるのではないか。「ノートルダムの鐘」は、元気をなくした大人にこそ、ぜひ観てもらいたいアニメです。


ディズニー作品の中ではおそらくマイナーの方だと思うが、テーマ、音楽、映像全てのレベルが群を抜いていて大好きな作品の一つだ。キャラクターも魅力の一つであり、特に今作のヴィランであるフロロー判事は他の作品の悪役とは異なり、本人には悪のつもりがなく自分の正義を貫き実行しているところにこの作品の深さが描かれていると思う。お祭りのシーンやカジモドのミュージカルシーンは壮大だが、ディズニーらしいキラキラはかなり抑えられている重めの作品なので子供向けではないかもしれない。(女性 20代)


ディズニーの中ではあまり有名ではないかもしれないが、個人的には隠れた名作だと思っている。
魔女の呪いでも何でもなく初めから醜い姿の主人公、はっきりと描写される容姿によるいじめ、美しいヒロインと最後に結ばれるのはまさかの恋敵…とにかくディズニーとしては異例づくしの展開で、だが綺麗事で片付けないからこそよりリアルに感じられる感情はやはり他のディズニー作品とは一線を画している。ハッピーエンドなのに少し切ないこの余韻こそがノートルダムの鐘の良さだと思う。
ちなみに音楽はタイトルにもなっている『ノートルダムの鐘』をはじめ、『トプシー・ダーヴィー』、『罪の炎』など名曲揃い。(女性 30代)

映画『ノートルダムの鐘』 まとめ

顔の良し悪しは別として、引っ込み思案であまり外に出たくないという人も多いのではないでしょうか。筆者もそんな内向的な性格なので、外に出るのが怖いと考える鐘つき男カジモドの気持ちがよく分かります。「ノートルダムの鐘」は、「レ・ミゼラブル」や「オペラ座の怪人」の物語と設定の似た点があり、主人公はコンプレックスの塊なのです。
悩み抜いた末にあと少しの勇気が欲しいと思う人におすすめです。パリの街角や人々の暮らしが生き生きと描かれた作品で、ジプシーに対する偏見や差別は、現代の私達を取り巻く社会問題と少しも変わりません。本作を観て、困難で不条理な世界にあっても、強い意志で生き抜くヒントを見つけて下さい。

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