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映画『のぞきめ』あらすじネタバレ結末と感想

映画『のぞきめ』の概要:テレビ局に勤める主人公が偶然かかわった事故をきっかけに、“のぞきめ”の恐怖に巻き込まれていく様子を描いたホラー映画。原作は三津田信三のホラーミステリー小説。監督は「トリハダ」の三木康一郎。

映画『のぞきめ』 作品情報

のぞきめ

  • 製作年:2015年
  • 上映時間:99分
  • ジャンル:ホラー、ミステリー、サスペンス
  • 監督:三木康一郎
  • キャスト:板野友美、白石隼也、入来茉里、東ちづる etc

映画『のぞきめ』 評価

  • 点数:55点/100点
  • オススメ度:★★☆☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★☆☆☆☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

[miho21]

映画『のぞきめ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『のぞきめ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『のぞきめ』 あらすじ【起・承】

テレビ局の制作部に勤める三嶋彩乃が深夜まで残業していると、報道部の中岡から頼まれ、ヘルプとして転落事故現場に向かう事になる。
その後、中岡から転落事故で死んだ大学生の城戸(きど)勇太郎の遺体について聞かされた綾乃。
階段を踏み外した転落事故だったはずが、お腹の部分はねじれ、喉の奥には泥が詰まっていたというのだ。

気になった彩乃が再びアパートへ向かうと、城戸と大学のサークルが一緒だったという岩登(いわのぼり)和世に出会う。
城戸の部屋の中は普通とは思えない状態で、彼は呪い殺されたと言った和世も急に逃げ出す。
和世の自宅に行った彩乃は、城戸と同様に部屋中の隙間を塞いで、目にもガムテープを貼った和世の異様な姿を見る。

病院に運ばれ落ち着いた和世から話を聞く彩乃。
サークルの合宿先で、地元民が近寄らない六部峠の先にある奇妙な村に行き、祠から覗く目を見てから視線を感じるようになったのだという。

彩乃は、作家を目指す彼氏の津田信二と一緒に和世たちが泊まったコテージへ。
和世が祠を見て、写真まで撮っていた村はダムの底に沈んでいていた。

そして彩乃と信二は、不気味な少女を見て逃げ出す。

やがて2人は、ダムの底に沈んだのは侶磊(ともらい)村だと突き止める。
金銭目当てに巡礼者を殺すという六部殺しの伝承を記した本に、侶磊村と“のぞきめ”という化け物の名前を見つけた2人は、本の著者である四十澤(あいざわ)を訪ねる。
しかし“のぞきめ”はおとぎ話の類だと言われるだけだった。

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映画『のぞきめ』 結末・ラスト(ネタバレ)

病院から抜け出した和世は、彩乃と信二の前でトラックに轢かれ、半身がねじれた形で命を落とす。
その後、信二は六部峠で少女の目を見てしまったと告白し、視線を感じるうちに錯乱状態になって病院に入院。

綾乃は再び四十澤のもとを訪ね、彼が50年前に侶磊村で体験した出来事を聞き出す。

六部殺しによって裕福になった鞘落(さやおとし)家の勘一から“のぞきめ”について聞いても物足りず、夜中に村に戻った四十澤。
六部を泊めていたお堂の地下に、六部の少女の怨霊を鎮めるための生贄タエという少女を見つけて助け出す。
だがその際に四十澤も“のぞきめ”を見てしまい、彼は自ら両目を潰してしまった。
タエという少女も村を出た後亡くなり、鎮めるための生贄がいなくなった村は“のぞきめ”の呪いで滅んだ。

錯乱状態に陥った信二は両目を潰し、“のぞきめ”は彩乃の前にも現れる。
しかし彩乃は殺された六部の少女の声を聞き、彼女を救うことが解決策だと考える。
四十澤からタエの形見を渡され六部峠に向かった綾乃は、少女の思いをカメラに収めようとする。

気付くと過去の侶磊村に立っていた彩乃は、六部の少女と母親がお堂で殺され埋められる様子を目撃する。
2人が埋められた場所にタエの形見で亡くなった母親の持ち物だった数珠を置くと、土の中から少女が這い出してきて綾乃を引きずり込んだ。

その後、小説家として「のぞきめ」を書き上げた信二。
だが、視力を失ったはずの彼の前に、怨霊と化した綾乃が現れた。

映画『のぞきめ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『のぞきめ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

主演が失敗

板野友美主演という話題性こそあるが、その演技力の無さが足を引っ張ってしまった作品。
女の子の間で流行った板野友美の可愛らしい“アヒル口”も、作中では緊張感を失くす原因のひとつになっている。
ラブストーリーや青春映画ならともかく、ホラー映画にはアヒル口の可愛らしさも、舌足らずの話し方もマイナスポイントだ。

一方で、原作者の三津田信三のペンネームで小説家デビューしたと思わせる描写がある信二役の白石隼也、和世役の入来茉里の錯乱シーンは迫力がある。
ネタ出演のようなコテージ管理人役のつぶやきシローも、その独特のイントネーションを生かして、愛想を振りまくコテージの管理人と閉鎖的な田舎の中で触れられたくない部分を持つひとりとしての演技を見せている。

ベテラン吉田鋼太郎の四十澤役も深みがあるが、出演シーンが少なすぎて物足りない。

怖がらせ方だけが上手いちぐはぐ作品

“のぞきめ”の女の子のクオリティが高く、カッと見開く大きな目や意外な所から覗いている目に驚かされるシーンが多い。
和世がうずくまる地面に大量の目があるのにもぎょっとさせられる。

巡礼者の母は体がねじれた状態で命を落とし、娘と一緒に埋められたことから、“のぞきめ”を見ると泥を詰まらせて体がねじれた状態で死ぬというパターンが出来上がっているのも矛盾が無くて良い。
土の下から手が出てきてビックリさせる、という部分は1976年版の「キャリー」に瓜二つ。

しかし、主人公に全く感情移入できない作品であり、序盤から愚痴ばかりなのは見ていて嫌な気分になる。
カメラに思いを収めると言いつつ、肩に構えもしない展開はツッコミどころ。

ストーリーのテンポも良くなく、ずるずると長引かせているようにしか感じられない。

映画『のぞきめ』 まとめ

作家本人が登場していて現実とフィクションの中間を楽しむような原作から、フィクションとしてのホラー映画に作り直したストーリーは、好みが分かれるであろう作品。
そして主演の板野友美の演技が完全にホラー向きではなく、悲鳴にすら違和感を覚えてしまう。

彼氏の信二が三津田信三として小説を書いたという体にして、原作本と原作者の名前が出てくる設定は面白い。

怖がらせ方や設定はそこそこ上手く出来ているが、出来の悪いアイドル映画止まりになっている作品。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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