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映画『キャリー(1976)』あらすじとネタバレ感想

映画『キャリー(1976)』の概要:ブライアン・デ・パルマ監督、シシー・スペイセク主演の1976年の映画。原作はスティーヴン・キング。ある日突然、テレキネシスに目覚めた少女の物語。2013年にはリメイク版が発表された。

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映画『キャリー』 作品情報

キャリー

  • 製作年:1976年
  • 上映時間:98分
  • ジャンル:ホラー、SF
  • 監督:ブライアン・デ・パルマ
  • キャスト:シシー・スペイセク、パイパー・ローリー、ウィリアム・カット、ジョン・トラヴォルタ etc

映画『キャリー』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

映画『キャリー』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『キャリー(1976)』のあらすじを紹介します。

いじめられっ子のキャリー・ホワイト。
ある日、シャワー室で突然血を流しパニックに陥るが、助けを求める彼女に対してクラスメイトはあざ笑うだけ。
彼女は初潮を迎えただけだったのだが、彼女の母親マーガレット・ホワイトは狂信的なキリスト教徒で、生理の存在すら教えていなかった。

だが、その日から徐々に、自分の中にある”力”に気が付いていくキャリー。
彼女は、念じただけで物を動かす事ができる超能力”テレキネシス”の持ち主だった。

クラスメイトはいじめを咎められ、補修に出なければプロム参加取り消しという罰を受ける。
罪悪感を抱いていたスーはプロム参加を辞退し、自分の恋人トミーに、キャリーとプロムに出てくれるよう頼む。
最初は嫌がっていたキャリーも、押される形で了承。
ドレスを買う余裕のない彼女は自分でドレスを作るが、マーガレットは最後まで”笑いものになる”と反対した。

一方、プロムへの参加を取り消されたクリスは恋人ビリーと共に、キャリーへの報復を計画していた。

プロム当日、キャリーは見違えるように美しく、周囲を驚かせた。
そしてキャリーとトミーは、プロムクイーン&キングに選ばれるが、それはクリスの策略だった。

駆けつけたスーが見守る中、喜びの絶頂にいたキャリーの頭上から豚の血が降り注ぐ。
キャリーの頭の中には”笑いものになる”というマーガレットの言葉が鳴り響き、怒りに支配されたキャリーのテレキネシスが暴走を始める。
会場を焼き尽くしたキャリーは、自分を轢き殺そうとしたクリスとビリーも殺めてしまう。

自宅で血を落としたキャリーは母親に助けを乞う。
だが、マーガレットの口からは出産に関する後悔が語られ、キャリーにナイフを突き立てる。

自分を守るためとはいえ、母の命までも奪ってしまったキャリーは、家に石の雨を降らせて自分の命に終止符を打った。
そして、トラウマに悩まされるスーだけが残った。

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映画『キャリー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『キャリー(1976)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

人間離れした美しさのあるシシー・スペイセクのキャリー

2013年にキンバリー・ピアース監督、クロエ・グレース・モレッツ主演でリメイクされた「キャリー」だが、これはリメイクされる前の作品。

キャリー役のシシー・スペイセクは、細身の体型を最大限に生かして”狂信的なキリスト教徒の家庭の娘”を演じている。
美しいブロンドヘアと、整った顔つきを上手く使って、中盤のシンデレラストーリーに花を添えている。

豚の血をかぶった後のシシーの外見は、それだけで衝撃が強いのにも関わらず、彼女の細身の体が人間離れした感覚を呼び起こす。
燃え盛るプロムの会場を後しにて、凍りついたような表情と動きで家に帰る血塗れの彼女の演技には鳥肌が出る。

わかりやすく描いた狂信的キリスト教徒の家の皮肉

マーガレットの放った”笑われるだけ”という言葉がキャリーの心を壊してしまう描写は上手い。
だが、そこで画面を2つに分けて逃げ惑う生徒や教師を映しても、どちらも同じような場面なので面白味に欠ける。
効果音も単調で、場面にそぐわないものが多い。

シンデレラストーリーからの突き落とし方、そしてマーガレットが語ったキャリー出生の秘密―マーガレットは自身の罪だと思っていた―が、あまりにも身勝手なもので、ラスト30分がジェットコースターのようでハラハラする。
その身勝手さが狂信的なキリスト教徒に繋がっており、お祈りの部屋に入る―クローゼットに閉じ込めるーという行動にも出ているのだが、その中にあった不気味なキリストの磔の像と、マーガレットの最期が同じ格好で同じ部分にナイフが刺さっているのは演出の上手さを感じる。
ホワイト家の食事のシーンは、壁に有名な”最期の晩餐”に似た絵が飾ってあって、皮肉もたっぷり。

ホワイト家跡地にあるキャリーの墓の前に花を飾ったスーの悪夢で終わるが、地面から血塗れの手が出てきて腕をつかまれるのは、これぞホラーという驚かせ方だ。


ダークな作品が大好きな私のお気に入りのひとつである『キャリー』。クロエ・グレース・モレッツのリメイク版よりも断然こちらの方が胸糞悪くて好きです。
信仰心が強すぎる、言ってしまえば毒親に育てられたキャリーへのいじめは見ていて胸が苦しくなりますが、後半のキャリーの復讐には誰もが驚くでしょう。最初はいいぞいいぞと思っていても、そのやりすぎ感に若干引いてしまうかも知れません。
血の描写が多いので寒気がしますが、ダークな世界観をぜひ味わって欲しいです。(女性 30代)


ギャング映画のイメージがあったブライアン・デ・パルマがホラー映画を描くとこうなるのかという感じで、新鮮だった。とにかく斬新で、鮮烈なビジュアルが未だにこびりついている。

不気味なのに思わず見入ってしまう魅力がある。母親の常軌を逸したところや、同級生たちの陰湿ないじめにはいい気分しないが、スッキリする展開で少しは救われた。スティーヴン・キングとデ・パルマのコラボを堪能することができて良かった。(女性 20代)

映画『キャリー』 まとめ

リメイクされる作品には、賛否両論が付き物だ。
キャリーに関しては、シシー・スペイセクはこの作品で有名になったこともあり、独特の演技力を発揮している事からも、1976年の作品が素晴らしいと言える。
キャリー役のシシーと、マーガレット・ホワイト役のハイパー・ローリーは、この作品でアカデミー賞にノミネートされたので、確かなものがあるのだろう。

クロエ・グレース・モレッツは、同時期に公開されたコメディ映画”キックアス2”でのイメージが強く、内気ないじめられっ子のイメージが定着しないのだ。

なお、続編の「キャリー2」は、大人になったスーが出てくるものの、毒が抜けたような全く別の作品になっている。
同じスティーヴン・キング原作の映画「炎の少女チャーリー」も超能力を扱った映画だが、チャーリーはパイロキネシス―念じただけで火をつける能力―で、キャリーはテレキネシス―念じただけで物を動かす能力―という違いがある。

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次作 キャリー2

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みんなの感想・レビュー

  1. 影山 美穂 より:

    作品を見直したところ、キリストの像とも、聖セバスチャンの像だとも言葉で示している部分はありませんでした。
    ですが、ネットで調べたところ、ご指摘いただいたように、聖セバスチャンの像だと確認することができました。

  2. 匿名 より:

    キリスト像ではなくて、聖セバスチャンの像ですね