映画『ナンバー23』の概要:昨日まで平凡な暮らしをしていた男に、運命の数字『23』が語りかける謎。それは一冊の本から始まった。平凡な男の周囲に次々と起こる不可解な事件、その行く末にあるのは驚くべき事実だった。ジム・キャリー異色のサスペンスホラー。
映画『ナンバー23』 作品情報
- 製作年:2007年
- 上映時間:99分
- ジャンル:サスペンス、ミステリー、ホラー
- 監督:ジョエル・シューマカー
- キャスト:ジム・キャリー、ヴァージニア・マドセン、ローガン・ラーマン、ダニー・ヒューストン etc
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映画『ナンバー23』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★★
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
映画『ナンバー23』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ナンバー23』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ナンバー23』 あらすじ【起・承】
ウォルター(ジム・キャリー)は、動物管理局に勤め、妻アガサ(ヴァージニア・マドセン)、
息子ロビン(ローガン・ラーマン)と平穏な日々を暮らしていた。
ウォルターは誕生日の2月3日に、街をうろつく野良犬の捕獲作業を同僚に押し付けられる。
手っ取り早く作業を終わらせようと焦ったウォルターは、捕獲一歩手前で一匹の野良犬に腕を噛まれ逃がしてしまった。
野良犬は、ローラ(ローナ・ミトラ)の女性の墓の前までウォルターを導き、消えてしまう。
突然の出来事に首をかしげながらも、誕生日のお祝いにウォルターはアガサとの待ち合わせ場所に向かう。
アガサは古本屋で赤い本を持って、時間を潰していた。
彼女はその本『ナンバー23』をウォルターにプレゼントするが、奇怪な冒頭文から始まっていた・・・。
『この小説に登場するものは全て想像上の人物であり、万が一その生死に関わらず実在の人物に良く似た、
ものを見つけた場合、そこから先は読まないで下さい・・・』
ナンバー23は、主人公のフインガリング(ジム2役)が探偵となって活躍するダークミステリーだった。
仕事も忘れ、憑かれた様に読みふけるウォルター。
何よりも惹かれたのは、生い立ちが自分と同じだった事だった・・・。
映画『ナンバー23』 結末・ラスト(ネタバレ)
フィンガリングは、仕事で自殺欲のある女性(リン・コリンズ)の説得にあたる。
彼女が数字『23』に取り憑かれている事を知ったフィンガリングは説得を試みるが、彼女はビルから飛び降りてしまう。
それからフィンガリングもまた23という数字に取り憑かれ、この小説も22章で終わっていた。
ウォルターは、小説を読み解き、その本の中にフィンガリングの愛人ファブリッツア(マドセン2役)の
愛人となった精神科医マイルズ(ダニー・ヒューストン)を見つけ、小説の23章の事を聞きだそうとするが、マイルズは命を絶つ。
ウォルターは、小説に描かれているモーテルに行き、ある壁紙を破ると、そこから幻の23章が出てくる。
それこそが、この小説だけでなくウォルターの人生の真実だった。
ウォルターは、幼い頃に両親を後追い自殺で亡くし、人格障害となった。
気がつけばウォルターであり、フィンガリングでもある彼は、最初に好きになった女性(ローナ・ミトラ)を殺して庭に埋めてしまう。
それが犬が彼に見せた墓であり、小説の中で紹介されていた自殺願望のあるブロンド女性だった。
妻であるアガサもまたファブリッツアという人格を持つ二重人格者。
2人の出逢いは精神病院であり、2人の真実を知るのは、マイルズだけだった。
しかしマイルズを葬ってしまったウォルターは、自分の犯した罪に気づき、アガサと共に受け入れていくことにする。
映画『ナンバー23』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ナンバー23』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
『23』の逸話に取り憑かれた人たち
脚本は、この作品がデビュー作となる、ファーンリー・フィリップス。
本を読んだり映画を観た時に、自分の人生とそっくりそのままの登場人物が出てきたらゾっとする。
そこに『ダ・ヴィンチ・コード』のベースとなった『イルミナティ3部作』の23という数字のもつ神秘性を取り入れたのがこの作品になる。
皮肉にもこの映画は、監督ジョエル・シューマッカーの23作目となり、日本公開日は11月23日。
主演のジム・キャリーは、オファーを受けた時に、台本の23ページ目を捲っていたという逸話も残っている。
誰もが踏み込まない領域に踏み込む意味
主演のジムは、体当たりコメディ映画に出演する俳優としてカテゴライズされがちだが、
そのイメージを大きく打ち破る作品だ。
本人曰く、誰も押した事の無いボタンを押すのは俳優にとって面白みのある事でチャレンジでもある事だそうだ。
そうする事で、観客が映画から様々な角度から映画にインスピレーションを受けて欲しいというのが、彼の勿論らしい。
同じ題材でも、謎解きにするか、購いにするか
監督のジョエル・シューマッカーは、コリン・ファレル主演の『フォーンブース』で、ありとあらゆる有名俳優から売り込みをうけた監督でもある。
スリリングなサスペンススリラーを作る事でも知られている一方で、作品の中のドラマ作りも忘れていない。
今回の映画も題材として『ダ・ヴィンチ・コード』が、謎解きに終始しているのであれば、こちらは、
主人公の罪の購いがテーマになっていると言える。
ウォルターが『ナンバー23』という小説を残していたのは、過去に犯した『罪』への罪悪感を『本』にする事で購っていたと考えられるのではないだろうか。
狂気的なまでに数字に取り憑かれてしまった男の話。作品の出来としては少々チープで、「世にも奇妙な物語」で30分で描けてしまいそうな内容である。記憶喪失でしたというオチも物足りなさを感じた。ただ、”23″という数字は確かに身近に在りそうで、案外馴染みの無い数字かもしれないと思った。
賛否あると思うが、真面目なふりではなく、本気でシリアスなキャラを演じるジム・キャリーはかなりレアである。良さも悪さも記憶に焼付く作品。(男性 20代)
映画『ナンバー23』 まとめ
この映画が教えてくれるのは、数に翻弄されるという意味では人間ほど『数字』に翻弄されている動物はいないという事だ。
クリスマスにプレゼントを貰えば喜ぶだろうが、同じものを26日や27日に貰っても憤慨する女性もいるだろう。
健康状態にしても、肝臓の数値1つをとっても、GPTの数字1つで顔が蒼ざめる。
会社の経営も、店舗の細やかなサービスよりも、業界の売り上げや数字で株価が左右される。
これらを踏まえると劇中のウォルターが、23という数字に全てを結びつけ人生を支配されていく過程は少数派の人間という事で笑えない。
ちなみに同時多発テロのあった2001年9月11日を足すと、23になる。
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