映画『おかえり、ブルゴーニュへ』の概要:家族と疎遠になっていた長男が父親の危篤を機に帰郷し、兄弟と共に家業に係りながら関係を見つめ直すまでを描く一作。フランス・ブルゴーニュ地方の広大なブドウ畑を前に、兄弟それぞれの問題と向き合っていく。
映画『おかえり、ブルゴーニュへ』の作品情報
上映時間:113分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:セドリック・クラピッシュ
キャスト:ピオ・マルマイ、アナ・ジラルド、フランソワ・シヴィル、ジャン=マルク・ルロ etc
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映画『おかえり、ブルゴーニュへ』の登場人物(キャスト)
- ジャン(ピオ・マルマイ)
- 家業のブドウ園を捨て、オーストラリアでワイナリーを営む長男。父親が重篤な病気だと知り、疎遠だった家族の元へ10年ぶりに帰郷した。
- ジュリエット(アナ・ジラルド)
- 家業を継いだジャンの妹。責任感が強いが、偉大な父親の後を継ぐ自信がまだ持てずにいる。ブドウ園の存続について考えがまとめられずジャンとぶつかってしまう。
- ジェレミー(フランソワ・シヴィル)
- ジャンとジュリエットの弟。父親から3人でワインについて教育を受けてきたがあまり才能は開花せず苦悩している。裕福なブドウ農家に婿入りして肩身の狭い日々を送っている。
- マルセル(ジャン=マルク・ルロ)
- ジュリエットと共にブドウ園を支えるベテランのワイン職人。寡黙だが、適宜にアドバイスをくれる存在。
映画『おかえり、ブルゴーニュへ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『おかえり、ブルゴーニュへ』のあらすじ【起】
ジャンは幼い頃から青年になるまで、実家の窓から広大なブドウ園を見つめ続けた。友人たちは大学へ進学し変化していく中で、自分の生活には変化のないことに飽き飽きとする日々。父親からブドウ園を継ぐように言われるが、絶縁同然で実家を飛び出すのだった。
広い世界を見たジャンは、父親が重篤な状況だと知り久々に実家に戻った。父親の後を継いだ妹のジュリエットは兄との4年ぶりの再会をとても喜んだ。互いに近況報告をする中、次男のジェレミーも実家へ駆けつけた。親となったジェレミーは、母親の死を知らせても戻ってこなかったジャンに怒りをぶつけるのだった。
収穫時期について悩むジュリエットはジャンを農園へ連れ出し相談を持ち掛ける。幼い頃、父親からワインに関する知識をすりこまれていた3兄弟。しばらく農園を離れていたジャンだが、オーストラリアで小さなワイナリーを手掛けているため感覚は鈍っていなかった。
ジェレミーは同業のドメーヌ一家の婿養子である。後継ぎとして期待されているが、あまり才能には恵まれず肩身の狭い思いをしているのだった。
映画『おかえり、ブルゴーニュへ』のあらすじ【承】
父親が亡くなり、遺産相続について三人は弁護士の話を聞きに出向いた。そこで初めてブルゴーニュ地方の地価が上がっていることにより、莫大な相続税を支払う義務があると知る。3者一体となり何事も決めなければならないが、誰一人として目の前の問題に立ち向かおうとする者はいなかった。
まずは目先の収穫のため、たくさんの季節労働者を雇い3人は動き出した。それぞれに役割分担をしながら連日作業は進んでいく。ある日、一人の青年が仕事中にふざけ始めた。注意したジュリエットは反発されてしまい、指示する立場にいることに自信を失ってしまう。しかしジャンのフォローで何とか踏み留まるのだった。
ジェレミーはジャンが遺産の持ち分を売ろうとしているのではないかと疑っていた。一方で責任者として判断を委ねられ父親と比較されることに疲れていたジュリエットは、ジャンの存在を心強く思うのだった。
収穫祭の夜、季節労働者たちも招きワインを飲み明かした3人。ジュリエットは反抗してきた青年ともすっかり打ち解けるのだった。
映画『おかえり、ブルゴーニュへ』のあらすじ【転】
収穫したブドウを発酵させながら、大事に見守るジャン。しかし兄弟だけで広大なブドウ園の存続は難しいと踏んでいたジャンは、二人に売却を提案するが簡単に意見はかみ合わなかった。ジェレミーは義父からブドウ園の買い取りを持ち掛けられ、ジュリエットは献身的なマルセルについて心配が絶えない。
在庫のブドウを売っても相続税の支払い目途は立たず、3人はただ意見をぶつけあう日々を送った。父親の荷物を片付けるため捨てようとしていたジャンを見て、ジェレミーは怒りをぶつけ口論となってしまう。ある日、父親の遺した手紙を見つけたジャンは、病気により言葉を発することができなかった父親の最期の気持ちを知る。共に手紙を読んだジュリエットとジェレミーは、現状を打破しようと気持ちを固めるのだった。
婿養子であるジェレミーは義母の過保護すぎる監視や義父の圧力に耐えかねていた。ジャンもオーストラリアに残した家族との確執に悩みを抱えているのだった。
映画『おかえり、ブルゴーニュへ』の結末・ラスト(ネタバレ)
ジュリエットは悩むジャンの助けになろうと妻と連絡を取った。最初の1か月だけ兄弟を手伝うと妻に伝えオーストラリアを離れたジャンだが、気付けば数ヶ月近くが足ってしまっていた。離れてより妻への愛情を確信していたジャン。ジュリエットのおかげで二人は再会し、話し合う時間を設けるのだった。
ジェレミーも義父ときちんと対峙するときが来た。これまでの不満をぶつけ、ブドウ園の買い取りやジュリエットとジェレミー、マルセルを巻き込んでの新たなビジネスの話もきっちりと断るのだった。
ジャンが帰郷してから1年が過ぎた。愛する妻と息子とは離れて暮らしながら再び収穫の時期を迎える。相続税についてはブドウ園の一部を売り、残りは返済していくということで公証人との話がついた。ブドウ園の存続も決まり、その年のワインについて3人はマルセルと共に計画を練るのだった。
その年、ジュリエットは誰よりも強気に意見を述べた。何事も判断を下し、男達に指示をしていく。ジャンとジェレミーという強い味方を持ち、自信をつけたジュリエットはブドウ園の長として季節労働者たちを前に収穫の指示をしていく。その姿を見たジャンは安堵し、オーストラリアへ帰るのだった。
映画『おかえり、ブルゴーニュへ』の感想・評価・レビュー
自然を生かした定点での映像が印象的な一作であった。広大なブドウ畑は1年を通じて様々な表情を持っている。兄弟もまた性格や考えの違いにより色は違う。冒頭のジャンとマルセルの意見の違いに悩むジュリエットや、才能のなさを自覚しながら婿養子としての立ち位置に悩む末っ子などバランスがとても面白かった。セドリック・クラピッシュ監督のしなやかながら人間を真摯に描く姿勢は癖になると何度でも見たくなる。(MIHOシネマ編集部)
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