12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』の概要:妻の死を受け入れられない保険会社勤務の主人公。彼は上司から押し付けられた案件を調査する内、霊となった被害者と遭遇。互いが抱える問題や思いを共有することで、心の傷を癒していく。

映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』の作品情報

ワン・デイ 悲しみが消えるまで

製作年:2017年
上映時間:113分
ジャンル:ファンタジー、ヒューマンドラマ
監督:イ・ユンギ
キャスト:キム・ナムギル、チョン・ウヒ、イム・ファヨン、ユン・ジェムン etc

映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』の登場人物(キャスト)

イ・ガンス(キム・ナムギル)
火災保険会社の有能な課長。妻の死を受け入れられず、葬儀に参列しなかった。思いやりと深い愛情を持つ人物。
タン・ミソ(チョン・ウヒ)
視覚障がい者で事故に遭い、植物状態となっている。霊となってガンスと行動を共にすることで、真実を明らかにしガンスの心をも癒す。
ソンファ(イム・ファヨン)
ガンスの妻。ある日突然、病に罹り闘病生活を送ることになる。そのせいで、夫を苦しめていることに胸を痛め、自ら道路へ飛び出し命を落としてしまう。
入院中の男(ユン・ジェムン)
保険金を使って入院している。実は重い病を抱える幼い息子のために、保険を使っている。ガンスが担当している男で長い間、忠告されている。

映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』のあらすじ【起】

最愛の妻ソンファを病で亡くし、深い悲しみを抱え葬儀にも参列しなかったイ・ガンスは、火災保険会社のやり手の課長であった。彼は悲しみを心の奥底へ隠し、何喰わない顔で会社へ出社。すると、妻の弟が会社にまで会いに来て彼を人でなしと罵るのだった。

その後、自分の課へ戻ったガンス。チーム長から厄介な案件を任されてしまう。
視覚障がい者であった被害者が交通事故によって植物状態となり、現在も入院中。依頼人は示談に持ち込みたいと希望しているが、彼女の代理人はどうあっても示談に持ち込みたくないと言っている。依頼人は会社上層部の友人であるため、社員である調査員はどうあっても示談へと成立させなければならなかった。

ガンスは早速、被害者タン・ミソが入院している国立中央病院へ。その病院とは縁が深く妻ソンファが生前、世話になっていた病院でもあった。
ミソの病室で若い女性と付き添いの女性に面会。植物状態となった彼女が回復する見込みはないらしい。
次にミソが働いていた会社を訪問。すると彼女の代理人でもある同僚は、ミソを自殺にしたがる者ばかりだと立腹中で、示談を納得させるにはとても難しそうだった。

休日、ソンファの母が特製のキムチを持ってガンスを訪ねて来る。彼女が不義理をした彼を怒ることはなく、むしろ気遣いを見せる。ガンスは土産のキムチを口にして、ソンファのことを思い出し辛くなってしまう。その夜は酒に逃げ、強かに酔っぱらってミソの病室を訪ねた。

ミソが事故に遭った当初、所持品には視覚障がい者が使う杖、通称ケーンが見つかっていなかった。なぜ、ケーンも持たず遠い場所へと向かったのか謎である。だが、ミソは植物状態で当時の心境を語ることができない。ガンスは酔った勢いで妻との思い出を語り、その場で寝入ってしまうのだった。

映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』のあらすじ【承】

翌朝、保険を使い仮病で入院中の男が外出する現場を目撃したガンスは、その証拠画像を入手し当人にいい加減にしろと諭していた。入院中の男の背後に若い女性が現れる。彼女は自分のことをタン・ミソだと言うが、ガンス以外の人間には見えておらず、更に鏡にすら映らないのであった。

見えないはずの者が見え始めた。ガンスは自分の頭がおかしくなったと思ったが、病院へ向かうとやはりミソがいる。彼女が言うには、本体が眠っている間は外に出ていて、起きると消えるらしい。事故に遭った日からこの状態だと言う。しかも、彼女の姿が見えるのはガンスだけらしく、実際はミソと会話しているが、傍目には独語を発しながら歩いているという奇妙な状況だった。

病院の外へ出たいと言うミソに同情したガンスは彼女を外へ連れ出すことにした。視覚障がい者であったミソは、見るもの全てが初めてで外の世界にはしゃぎっぱなしである。その足で代理人の同僚と友人の結婚式へ参列し、かつての相棒である盲導犬に会ってから病院へ戻った。

その後、会社のチーム長からは早く示談を成立させろと急かされ、どうしたものかと頭を抱えるガンス。部下が告げ口をしたせいで、ミソがケーンも持たずに遠出したことがチーム長に知られてしまい、それを理由に示談を迫れと言われてしまう。
示談を成立させず、尚且つ依頼人が納得する方法はないものか。悩むガンスの前にまたもミソが現れる。ガンスは気分転換に彼女を連れて水族館へ向かった。

水族館にてミソの生い立ちを聞いたガンス。彼女の境遇に心を痛める。その後は市場を巡り街道を散歩。夜は行きつけのバーへ案内した。

映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』のあらすじ【転】

後日、ミソの母親の調査を行うことにしたガンス。特捜課の先輩に調査を頼み、幼少期の頃のミソの写真が事故現場近くの写真館で撮られたものだったことが判明する。ガンスは写真館を訪れ母親の所在を見つけ出すのだった。ミソを捨てた母親は美容院を営んでいたが、事故現場も程近くにある。恐らくミソは母親に会いに来たのではないだろうか。
ガンスは決心して美容院へ。母親と対面しミソの状況を知らせたが、彼女は娘の話を拒絶するのだった。

チーム報告会議にて、タン・ミソの事故は示談成立ならずと報告したガンスだったが、激怒したチーム長から担当を外されてしまう。
会議終了後に病院へ向かったガンスは、ミソに頼まれ子供のイベントへ参加。病気を患う幼い少年の父親役をやることになる。家族と一緒に凧を作って飛ばすイベントだった。

子供と一緒に凧を作り楽しみながら飛ばしていると、入院中の男が現れる。どうやら、少年の父親だったようだ。男の事情を垣間見てしまったガンスは、黙ってその場から離れた。
ミソとまた出かけようと話している最中、彼女の母親の姿を見かけたガンス。ミソを先に行かせて母親と会った。すると、母親は気になって病院へ来たものの、娘を捨てた自分に会う資格などあるはずがないと言い結局、ミソの傍に寄ることもなく帰ってしまう。

慌てて追いかけたガンスだったが、廊下の曲がり角にミソを発見。彼女から事故当日の話を聞くことになった。
母親の所在を探し出したミソはあの日、勇気を出して母親の美容院を訪れた。彼女に自分を捨てた母親を責める気持ちはなく、ただ元気でいると言いたかっただけなのに、母親は子供を捨てた罪悪感から彼女を拒絶してしまう。ミソはショックを受け、その場にケーンを忘れて店を出てしまった。
おぼつかない足取りで道を右へ向かった彼女。泣きながら真っすぐ歩き続け、車に轢かれてしまったのである。

全てを話し終えたミソにガンスは自分が担当を外れてしまったことを話した。すると、ミソの様子に変化が訪れる。彼女は胸を押さえ苦しみながら消えてしまった。
急いで病室へ向かったガンス。病室では植物状態の本体が吐血し、心肺蘇生が行われ騒然としていた。ミソの命は今や風前の灯だった。

映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』の結末・ラスト(ネタバレ)

自宅へ戻ったガンスは病気になったソンファのことを思い出し、まだ生きている間にミソと母親を会わせてやりたいと願う。
ミソの病室には代理人の同僚が新婚旅行から戻っていた。
同僚と共にミソの母親を説得に向かったが、彼女にも新しい家族がいる。これ以上の説得は難しいと思われた。

妻の死から始まりミソの件で会社から責められ、あちこちを奔走し疲れ果てたガンス。その日は休日で鳴り続けるスマホを放置しようとした。だが、その知らせは思いもよらないもので、ミソの元へ母親がやって来たというものだった。これで、ミソの保険金やそれらの権利を代理人から母親へ移行することができる。そうすれば示談の件もまた別の話になってくるので、今の状況からは新たに進展するだろう。

しかし、母親に全権を譲渡する話をすると、彼女は母親として来ただけで保険金は受け取れないと言う。母親はミソの異父姉妹から説得され全権を受け取ることにした。
このことで会社ではまたもチーム長から責められることになるガンス。彼はとうとう今までの鬱憤を吐き出し、会社から飛び出してしまう。その足で病院を訪れ幽霊のミソと会った。

彼女は彼女であれ以来、傍に付きっきりで世話をする母親の姿に胸を痛めている。母親も苦労して生きてきたことを思うと、自分の世話で今以上に苦しめたくないと言う。その話を聞いたガンスは、ソンファの看病をしてきた自分のことをミソに明かすのだった。

ある日突然、病を患ってしまったソンファは苦しみのあまり人が変わったようになってしまい、看病を続けるガンスはその姿にずっと胸を痛めてきた。夫婦仲は険悪となったが、それでも一心に寄り添い続けたガンス。しかし、そんな夫の姿に胸を痛めていたソンファはこれ以上、ガンスを苦しめたくないと考えたのだろう。自ら坂道を下って車に轢かれてしまったのだった。

その時、病院に搬送された様子を、実は幽霊になったミソも見ていたのである。彼女はガンスに対し忘れられることの方が悲しいと話す。最期の壮絶な記憶ではなく、幸せだった頃の記憶を忘れないでいてくれた方が嬉しいと。ガンスはミソの言葉に涙。

彼が目を閉じそして、再び開けるとそこにはミソではなく、ソンファがいた。彼女は夫の心労を癒し、いい頃の自分を忘れないで欲しいと話した。ガンスはそこで初めて、心の底から泣くことができたのだった。

翌朝、自宅へ戻ったガンスはソンファが仕事部屋として使っていた部屋へ。妻との幸せだった頃の思い出を思い出した。
その夜、ミソの病室を訪室。姿を消したミソは本体へ戻り意識を取り戻していたのである。ガンスが傍に寄り添い手を握り締めるとミソは手に力を籠め、涙を零すのだった。

映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』の感想・評価・レビュー

妻の死を受け入れられない主人公の前にある日突然、現れた女性の幽霊が共に過ごし真相を解明することで心を癒していくという内容。
あまりの悲しみに妻の葬儀に出席できなかったという主人公の愛情深さが窺えるが、さすがに喪主としてどうかという話。海外では許されることなのだろうなと思う。ただ、幽霊と過ごしていく中で妻の死の真相が明かされていくので、非常に深い内容となっている。深い悲しみの中で支え合える存在がいるというのは、とても大切なことで感動的なラストとなっている。涙なくしては観られない良作と思う。(女性 40代)

みんなの感想・レビュー