映画『オフィーリア 奪われた王国』の概要:ウィリアム・シェイクスピアの悲劇『ハムレット』に登場する悲劇の乙女オフィーリアを主人公に新たな視点から描いている。『ハムレット』の流れに沿いながらも、利口なオフィーリアが窮地を掻い潜っていく。
映画『オフィーリア 奪われた王国』の作品情報
上映時間:107分
ジャンル:ヒューマンドラマ、時代劇、歴史
監督:クレア・マッカーシー
キャスト:デイジー・リドリー、ナオミ・ワッツ、クライヴ・オーウェン、ジョージ・マッケイ etc
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映画『オフィーリア 奪われた王国』の登場人物(キャスト)
- オフィーリア(デイジー・リドリー)
- エルシノア城、侍従長の娘。幼い頃より兄レアティーズと共に密かに勉強を励んでいる。物怖じしない性格であることからガートルード妃に気に入られ、王妃付きの侍女になる。ハムレットと恋仲になり、秘密裏に結婚式を挙げる。
- ガートルード妃(ナオミ・ワッツ)
- デンマーク王の王妃。実は双子で姉は森の奥に住む魔女。若さに固執しており、滋養強壮の薬を姉に作ってもらっている。王を深く愛しているも、王からの愛情を感じられずクローディアスの誘惑に負けてしまう。
- クローディアス(クライヴ・オーウェン)
- 王弟。王族の血筋にないと噂がある。自分を蔑ろにする王を毒殺し、王座を簒奪する。かつてはガートルードの姉と恋仲にあったが、妊娠したことを知って密かに姉を貶めたことがある。ガートルードを誘惑し、王妃にする。
- ハムレット(ジョージ・マッケイ)
- 王子。ガートルードの息子で、オフィーリアと恋に落ちる。密かに結婚するもクローディアスによって父王が毒殺したことを知り、復讐に取りつかれてしまう。
- レアティーズ(トム・フェルトン)
- オフィーリアの兄。妹をとても可愛がり大切にしている。ハムレットに父を殺され、王子にフラれた妹の気が触れたと信じ切っており、クローディアスに唆されハムレットへと恨みを抱く。
映画『オフィーリア 奪われた王国』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『オフィーリア 奪われた王国』のあらすじ【起】
デンマーク、エルシノア城。侍従長である父により男手ひとつで育てられていたオフィーリアは、やんちゃ娘で好奇心旺盛。彼女には兄レアティーズがいたが、兄と同様に勉強を学べるわけでもなく同じ年頃の子供達と走り回る日々を送っていた。
そんなある日、15歳になった王子ハムレットがフランスのウィッテンバーグ大学へ進学することを祝う宴が開かれる。オフィーリアは宴席へと紛れ込み、堂々と発言。王妃ガートルードは幼いながらも美しい彼女に目を留め、自らの侍女になるよう命じるのだった。
それから数年が経ち、美しく成長したオフィーリア。加えて彼女が平民出身でありながらも王妃に気に入られていることから、同じ年頃の侍女たちはオフィーリアを快く思わず、いじめてばかりいた。ガートルード妃はそのことを気にして、オフィーリアを庇っては励ましている。
やがて、フランスに留学していた王子が夏休みで帰省。普段から城の裏手にある池で水浴びをしていたオフィーリアは、釣りにやって来たハムレットと遭遇してしまう。オフィーリアは言葉を尽くし王子が友人と戯れて池に落ちたところを狙い、急いでその場を去った。
以後、何かと互いに意識し合うようになるハムレットとオフィーリア。だが、オフィーリアは王子の誘いをすげなく断り続けていた。そんなある日、王妃をモデルにした絵に描かれた女神をハムレットが年老いていると発言したことにより、ガートルード妃は酷く傷ついてしまう。そこで王妃を慰めてくれた王弟クローディアスと良い関係に。王妃と王弟の関係が深まる中、城で仮面舞踏会が開かれハムレットとオフィーリアも急接近。ところが、翌日になって王子は大学へと戻ってしまうのだった。
火が消えたかのような生活を送るある夜、オフィーリアは王妃から城外の森の奥に住む治癒師に薬をもらって来るよう頼まれる。オフィーリアは治癒師に弟子入りしたいと申し出たが、森の魔女と呼ばれる治癒師は弟子にしてくれなかった。
映画『オフィーリア 奪われた王国』のあらすじ【承】
王妃の居室にて薬を用意していたオフィーリアは、王とガートルード妃の口論を壁掛けの影から目撃してしまう。王妃は夫を繋ぎ止めるための若さを望み愛を欲していたが、王は王妃へと満足するだけの愛情を示してはくれない。そのせいで言い寄って来る王弟に心を許してしまったのだが、王はそれすらも咎める。クローディアスには王族の血が流れていないという噂があり、王は弟を穢れた血だと蔑んでいるのだった。
王夫妻の関係と王妃の浮気を目の当たりにしているオフィーリアは、彼らの姿から本物の愛とはどういうものか分からなくなる。そんな中、王が毒蛇に噛まれて命を落としてしまう。王妃妃の嘆きは酷いものだったが、戦争勃発が近い中、玉座を空けておくわけにもいかず呼び出したハムレットが戻る前にクローディアスが王に就任。ガートルード妃は王弟だった彼と結婚することに。帰国したハムレットはクローディアスと母を咎めたが、権力に抗うことはできなかった。
クローディアスが王となってから城内には不穏な空気が漂い、兵達も好き放題にのさばっている。そんな中、レアティーズがフランスに修行へ。王子の友人からの言葉もあり、オフィーリアはハムレットと真夜中の城壁で会話の機会を持つことにした。
翌日は再び森の魔女の元へ薬をもらいに出かけた。魔女から過去の経験を聞かされ、3滴服用すれば仮死状態になれる毒薬があることを知ったオフィーリア。城に戻ってからは、ハムレットとの関係を深め、2人は密かに湖のそばの教会で結婚の誓いをし、オフィーリアは王子へと純潔を捧げるのだった。
映画『オフィーリア 奪われた王国』のあらすじ【転】
翌朝、王妃の部屋を訪れているクローディアスの外套から毒薬を発見したオフィーリア。クローディアスは目ざとくハムレットからもらった指輪を見つけ、オフィーリアを餌に王子を廃そうと考える。その頃、ハムレットは気が狂った様子を演出しており、城内でも噂になっていた。
そこで、クローディアスは礼拝堂にてオフィーリアとハムレットを会わせ、真意を見極めることに。オフィーリアはこの機に乗じて、クローディアスが毒薬で前王を毒殺し、玉座を得たことを明かした。すると、ハムレットは王位を簒奪されたことに憤りを顕わにする。2人は互いに口裏を合わせ、別れを演出。
2人の様子を影から密かに見守っていたクローディアスと侍従長は、王子が完全に正気を失っていると確信。そこで、クローディアスはオフィーリアの命が危ないと侍従長を諭し、すぐにでも別の男と結婚させようとする。
その後、ハムレットは王位を簒奪するという演劇を披露。演劇によってクローディアスが激怒したため、ハムレットは前王毒殺が真実であることを確信。騒動に乗じて叔父を征伐しようとしたが、それをオフィーリアが止めてしまう。そのせいで、ハムレットは反逆の汚名を着せられる羽目となり、オフィーリアも王妃の怒りを買ってしまうのだった。
このことにより、父である侍従長は危機感を抱き結婚話を早めようとする。ハムレットとの愛を貫きたいオフィーリアは父を説得。侍従長は王妃へと許しを乞いに向かったが、翌朝になって王子が王妃の部屋を訪れていた侍従長をクローディアスと間違って殺してしまったという報せが入る。
オフィーリアは自分の策が失敗したことで父を失ったことを酷く悔いた。王はハムレットをイングランドへ向かわせることに。父が亡くなったと知らせを受けたレアティーズがフランスから急いで帰国。ハムレットが殺したと王から知らされ、仇を討とうと考える。その頃、オフィーリアは別の男と結婚するための準備を行っていた。
映画『オフィーリア 奪われた王国』の結末・ラスト(ネタバレ)
ところが、オフィーリアをいじめていた侍女から王がハムレットの暗殺を兵に命じていたことを聞かされる。イングランドへは海路を進むが、船は昨夜すでに出航している。衝撃を受けたオフィーリアはハムレットが死んだと思い込み、城壁から身投げしようとしたが、王子の親友から船がまだ出航していないと知らされる。オフィーリアはわざと自ら気が狂ったような言動と行動を取っていたが、船がまだ港にいるのならハムレットを助けられる。
彼女は裏道を使って城から抜け出そうとしたが、そこをクローディアスに見つかってしまう。王はハムレットとオフィーリアが湖の教会ですでに結婚していたことを知っていた。そこで、オフィーリアは森の魔女から教えてもらったクローディアスの話を明かす。
真実を突きつけられた王は逆上し、オフィーリアを殺そうとしたが、彼女の結婚相手が現れ奇しくも助かった。だが、クローディアスは謀反人として彼女を牢屋へ入れてしまった。オフィーリアは牢屋から脱出し花束を手に城の大広間へ。大広間では会食が開かれていたが、奇声を上げて突入し、泣きながら歌を唄いガートルード妃へと花を渡しながら花言葉を告げた。それは、幸せだった過去と蔑ろにされた姉を思い出し真実を見極めろという助言であった。更にオフィーリアは王子の親友に自分が死んで埋葬されたらすぐに墓を暴けと告げ、王に対しては毒草を渡した。その様子は明らかに常軌を逸した行動と言動であったため、王妃の懇願でオフィーリアは見逃されることに。
城から脱出したオフィーリアは、すぐさま城の裏手の沼へ。そして、毒薬を3滴服用し沼へと身を浸した。そうして、彼女は追って来たガートルード妃の目の前で息絶えてしまった。
次に目を覚ました時には棺の中で、王子の親友が蓋を開けたところだった。彼の手を借りて森を進む途中、ノルウェー軍が城へ向かっているのを目撃。オフィーリアは王子の親友に城へ戻るよう頼み、自分は森の魔女の元へ向かって解毒剤をもらった。
治癒師にクローディアスの行いを明かすと、魔女はショックを受けてノルウェー軍へ。
翌朝、目覚めると魔女の家にガートルード妃が来ていた。彼女に過去から現在に至るクローディアスの悪行を全て明かす。すると、王妃からはハムレットがレアティーズと決闘することになったと知らされた。オフィーリアは王妃に手伝ってもらい、髪を切って男装し城への潜入を果たした。
王は王子を廃するため、レアティーズが使う剣に毒を塗っている。大広間では決闘の準備が整い、ハムレットの登場を待つばかり。オフィーリアは彼へと正体を明かし、共に逃げようと言ったが、王子は復讐心を手放すことができず決闘へと向かった。
オフィーリアは王子に別れを告げ、一人城から去って行く。王子は毒に斃れ、王妃が王を刺殺。レアティーズも王子の剣に斃れる。そこへノルウェー軍を伴った魔女が城へと突入。王妃は毒薬を含み自ら命を絶った。
エルシノア城で悲劇が起こっていた頃、オフィーリアは王妃とその姉が育ったという修道院へ。彼女はそこで女の子を出産し、ハムレットの忘れ形見として大切に育てるのだった。
映画『オフィーリア 奪われた王国』の感想・評価・レビュー
悲劇『ハムレット』に登場する乙女オフィーリアを主役に新たな解釈を加え、強かな女性として描いている。これまで、オフィーリアと言えば清純で純粋な乙女というイメージが強く、今作のように強かな女性として描くとは意表を突かれた。
オフィーリアが強かな様子であることを鑑みると、城での復讐劇が酷く滑稽に見えるから不思議である。それも、ノルウェー軍が迫っていて戦争勃発も間近だと言っているにも関わらず、国のことをそっちのけで復讐を果たそうなどと王子も大概、頭が弱い。そんな彼らを賢いオフィーリアが見捨てるのも仕方ないと思わされる。こんな解釈もありだなと思わせる作品。(MIHOシネマ編集部)
シェイクスピアの悲劇『ハムレット』をオフィーリアの視点から描いたこの作品。『ハムレット』では悲しく、酷い目に遭うオフィーリアですが今作は彼女が主役なので、ラブストーリー感が増し、女性向けの作品になっていました。
大筋は原作の『ハムレット』と変わりませんが、現代風にアレンジされているのでとても分かりやすいストーリーでした。ラストの展開も「悲劇」過ぎない、納得出来る終わり方なので鑑賞後のモヤモヤが残りません。(女性 30代)
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