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映画『幼な子われらに生まれ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『幼な子われらに生まれ』の概要:再婚同士の夫婦に新しく子供ができる。それを軸に、親と子、家族の絆について考えさせられるヒューマンドラマ。ドキュメンタリーのような雰囲気で展開する作風、浅野忠信の飾らない素朴感あふれる演技が、親近感を生み出している。

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映画『幼な子われらに生まれ』の作品情報

幼な子われらに生まれ

製作年:2017年
上映時間:127分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:三島有紀子
キャスト:浅野忠信、田中麗奈、鎌田らい樹、新井美羽 etc

映画『幼な子われらに生まれ』の登場人物(キャスト)

田中信(浅野忠信)
早苗の夫。早苗とは再婚。彼女の連れ子である薫と恵理子をとても大事に思っている。恵理子はなついてくれたが、薫はなかなか心を開いてくれない。前妻である友佳との間に沙織という娘がいる。家族のことが第一で、仕事の付き合いや残業は一切しない。健康のため、禁煙を始めた。
田中早苗(田中麗奈)
信の妻。専業主婦。前の夫である沢田からは暴力を受けていた。信のことを信頼しているが、沙織と会うことに対しては、やめてほしいと思っている。
沢田(宮藤官九郎)
早苗の前の夫。料理人。離婚後は一人暮らしで気楽に生きている。子供が嫌い。ギャンブル好きだが、ギャンブルを始めたのは早苗に嫌われるためだそうだ。
友佳(寺島しのぶ)
信の前妻。大学の准教授。沙織の母親で、大学教授と再婚している。
田中薫(南沙良)
早苗と沢田の長女。今は信と暮らしているが、信をパパと思うことに抵抗がある。新たに子供ができたことで、今までよりも更に反抗的になる。4年前は大人の男に恐怖感を持っていたが、信にはなついてくれていた。
田中恵理子(新井美羽)
早苗と沢田の次女。信になついている。沢田のことは幼かったため、顔も憶えていない。
沙織(鎌田らい樹)
信と友佳の娘。年に4回、信と面談している。薫と同じく、今の父親のことを父親だと思いきれないところがあり、申し訳なく思っている。

映画『幼な子われらに生まれ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『幼な子われらに生まれ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『幼な子われらに生まれ』のあらすじ【起】

田中信には子供が3いる。4年前に再婚した早苗の連れ子、薫と恵理子。そして前妻である友佳との間にできた沙織の3人だ。沙織とは、三ヵ月に一度、会うことができた。久しぶりに会った二人は、遊園地に遊びに行く。そこで信は、もし沙織に弟か妹が出来たらどう思うかと尋ねた。沙織は複雑な表情を浮かべる。実は早苗のお腹の中には、新しい命が宿っていた。

早苗の下の娘である恵理子は、信にもよくなつき、新しい赤ちゃんの誕生を嬉しがっていた。だが、上の娘である薫の気持ちは複雑だ。以前から信との関係はぎこちないものだったが、子供ができたと知って、ますます信を拒絶するようになってしまう。信自身も、新しい子供を産む必要があるのか悩みだすが、それでも家族を第一に考え、良い父親になろうと必死だ。

仕事よりも家庭を優先する日々が影響したのか、信は会社から出向を命じられ、新木場の倉庫で働くことになった。慣れない仕事で成績も悪く、減給を匂わされる。早苗は相談もなしに、信の母に妊娠を告げてしまうし、薫は“私のパパは一人だけ。本当のお父さんに会わせてほしい”とワガママを言い出す始末。薫の本当の父・沢田に、薫を会わせるべきかどうか、信の苦悶とストレスの日々が始まろうとしていた。

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映画『幼な子われらに生まれ』のあらすじ【承】

ある日、前妻の友佳から連絡がきて、8月の沙織との面会をキャンセルできないかとお願いされた。理由は、友佳の今の夫が末期がんのため、少しでも沙織と一緒にいさせてやりたいとのことだった。

友佳と久しぶりに会った信。友佳は沙織の前に信との妊娠を経験していたが、勝手に堕胎手術を受けた過去があった。当時、信はそれを知って激怒したが、今の信にはただの思い出となっているようだった。しかし、友佳は違っていた。今の自分には満足しているが、山ほど後悔していると告白する。そして、信に“あなたは昔から理由は聞くけど、気持ちは聞かない。あなたは何も後悔していないの?”と問いかけるのだった。

薫の反抗的な態度はエスカレートし、“この家は嫌だ。本当のパパに会いたい”と喚きだした。口論のさなか、身重の早苗を突き飛ばしてしまう。信は半ば自棄になり、薫に沢田と会わせる約束をしてしまった。

信は横田基地で料理人をしている沢田に会いにいった。薫に会ってほしいと頼むと、会いたいなんて嘘だ、自分も会いたくないと返事が返ってきた。結婚していた頃、沢田は早苗や薫に暴力をふるっていた。薫の歯を折ったこともある。そんな自分に薫が会いたいはずがないと沢田は言った。

夏祭りの日、お腹が痛いと言いだした薫と一緒に留守番をすることにした信。その時、信は沢田の話を切り出し、“沢田さんに会いたい? パパは会ってほしくない”と思いを告げる。だが、薫はそれでも会いたいと言って譲らない。

薫の腹痛は生理だった。早苗はお祝いに何がほしいか聞いたところ、鍵がほしいと言ってきた。“信という知らない人が一緒だと怖くて眠れないから”と。早苗はこのままだとこの家はおかしくなってしまうと不安げに言うが、信は“もともとおかしかったんだ”と感情なく返すだけだった。そして、沢田に会いに行ったことを告げる。

映画『幼な子われらに生まれ』のあらすじ【転】

信の限界がとうとうやってきた。ストレスばかりの現状に耐えられなくなった信には、早苗の言葉も全く耳に入らない。赤ちゃんのことを相談しても何もわからないと答えるばかり。挙句には、“もう自分には無理だ。子供を堕ろして別れよう”と叫び、薫の部屋に鍵を取りつけだす。止める早苗を突き飛ばす姿を見て、薫が言った。“結局、その人もパパと同じだ。それならパパでも一緒でしょ”と。

再度、沢田に会いに行った信。沢田は薫に会う手間賃として10万円、薫を引き取るなら、あと40万円よこせという。信は10万円だけ用意し、会う約束を取りつけた。

信のところに沙織が訪ねてきた。沙織は、今のお父さんが死にそうでも悲しくないことを申し訳なく思っていた。そんな沙織に信は、本当の家族じゃないから、それは仕方がないことだと慰めの言葉をかける。その時、電話が鳴り、沙織の父親が危篤だと知らされた。

信は沙織を病院へ運ぶため、早苗に車を持ってきてもらう。だが、車には恵理子も乗っていた。沙織を見て複雑な表情を浮かべる早苗。信は強引に早苗を説得し、病院へと車を走らせた。何も知らない恵理子は沙織とおしゃべりを始めるが、もうすぐ赤ちゃんが生まれることを沙織に話してしまう。信から何も聞かされていなかった沙織は動揺を隠せない。

病院に到着した信と沙織は、病室へと向かう。道すがら、沙織が泣きながら信に言った。“お父さんが死んでしまうことが凄く悲しい”と。そして、お父さんと会ってほしいと言い、病室へと連れて行った。信を紹介した沙織は、信の手を離し、父親のもとへと駆け寄る。信は“今まで沙織を育ててくれて、大好きでいてくれてありがとうございました”と告げると、そっと病室を出て行った。

映画『幼な子われらに生まれ』の結末・ラスト(ネタバレ)

病院からの帰り道、恵理子に沙織のこと、自分たちの過去のこと、薫と恵理子を大切に思っていることを説明した。無邪気にそれを受け入れてくれたことに、信も早苗もホッと胸を撫でおろす。

薫が沢田と会う日がやってきた。薫が出かけた後、信たちも二人が会うデパートに行ってみることにする。待ち合わせ場所の屋上には薫の姿はなく、沢田だけが待っていた。沢田は薫に用意したプレゼントを信に渡す。

家に戻ってみると薫がいた。約束をすっぽかしたのだ。信は沢田から預かったプレゼントを渡した。中身は白いゴリラのぬいぐるみ。首にプレートが下がっており、“かおるちゃんへ”と書かれていた。薫は自分がしてしまったことを痛感し、涙を流す。信はそんな薫に優しく寄り添うのだった。

クリスマスも近づいた頃、産婦人科へと走る信の姿があった。薫は中学を卒業したら、祖母の家で暮らすことに決めたらしい。そして分娩室から、赤ちゃんの泣き声が聞こえてくる。信、薫、恵理子の三人は、新しく生まれた幼な子と対面する。幼な子にそっと触れる信。その顔は幸せで満ち溢れていた。

映画『幼な子われらに生まれ』の感想・評価・レビュー

本作は、再婚同士の夫婦との間に生まれた子供と家族の絆を描いた小説原作のヒューマンドラマ作品。
職場、夫婦間、親子といったそれぞれの視点から苦悩や葛藤する様子がリアルに描かれていて、子を持つ親は共感する部分多いのではないかと思う。
心に傷を負いつつも、幸せに向かって歩き出そうとする前向きな姿に勇気を貰えた。
何と言っても、俳優陣のリアリティー溢れる演技力には圧倒された。
そして、本当の家族とは何か考えさせられた。(女性 20代)


私は父が嫌いです。出来ることなら縁を切ってしまいたいと何度も思っています。しかし、母はなかなか離婚しません。2人の問題なので私は口出ししませんが、今作を見て離婚や、再婚、再婚相手の連れ子、新しく生まれた子、それぞれに「葛藤」や「悩み」があるのは「愛情」があるからだと感じました。
私は父に対して何も思うことが無く、無関心です。だからもし母が離婚して再婚しても、特に何も思わず再婚相手に対しても「それなり」に付き合っていくのだと思います。そこには愛情が無いからです。
愛情があるからこそ悩み、苦しむのであって、自分に愛情を向けてくれる人がいる事はとても幸せなことなのだと感じました。(女性 30代)

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