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映画『デトロイト』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『デトロイト』の概要:1960年代に実際に起きた、白人警官による黒人殺しを描いた実話。『ハート・ロッカー』『ゼロ・ダーク・サーティ』のキャスリン・ビグロー監督が、徹底的な調査と、圧倒的なリアリズムでアメリカに根づく差別問題を描く。

映画『デトロイト』の作品情報

デトロイト

製作年:2017年
上映時間:142分
ジャンル:歴史、ヒューマンドラマ
監督:キャスリン・ビグロー
キャスト:ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールター、アルジー・スミス、ジェイソン・ミッチェル etc

映画『デトロイト』の登場人物(キャスト)

ディスミュークス(ジョン・ボイエガ)
警備員の仕事をしている黒人。白人に敵対心を持たず、事を荒立てようとしない。白人警官と問題を起こしそうな黒人青年を助けてあげる善人。
クラウス(ウィル・ポースター)
白人でデトロイト市警の警官。差別主義者で黒人に対してひどく暴力的。
ラリー(アルジー・スミス)
ザ・ドラマティックスのメインボーカリスト。レコード会社のスカウトを期待して、初舞台を楽しみにしていたが、暴動のため中止になってしまう。
フレッド(ジェイコブ・ラティモア)
ザ・ドラマティックスのマネージャー。気の良い好青年だが、女性に対しては少し臆病。
デメンズ(ジャック・レイナー)
デトロイト市警の警官。白人。今まで人を撃ったことはなかったが、クラウスに言われ、オーブリーを撃ち殺してしまう。
カール(ジェイソン・ミッチェル)
黒人の若者。白人警官たちを驚かそうと、おもちゃの銃で威嚇した結果、とんでもない事態を引き起こしてしまう。
オーブリー(ネイサン・デイヴィス・Jr)
カールの友人。黒人。

映画『デトロイト』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『デトロイト』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『デトロイト』のあらすじ【起】

仕事と人権を求めて、南部から北部へと移住してきた黒人たち。だが、彼らを待っていたのは、変わらない人種差別の世界だった。不満を持った黒人と、制圧したい白人との暴動は、あちこちで起こっていた。デトロイトでは、狭い居住区に押し込められた黒人たちを、暴力的な白人警官が見回っていた。暴動が起きるのは、もはや時間の問題だった。

1967年7月23日、デトロイトの深夜酒場に警察が突入。その場にいた黒人たちを逮捕する。周りの黒人たちを刺激しないように裏口から護送するはずが、予定通りにいかず、表口から護送することになった。明らかに目立つ捕り物となったことで、案の定、黒人たちは警官たちに暴言を吐き、物を投げつけてきた。護送は無事に行われたが、これが火種となり、暴動に発展してしまう。

過激さを増す暴動を鎮圧するため、デトロイト市警は州兵と協力する。発生から、わずか数日しか経っていないというのに、町は戦場のような有り様だ。黒人たちの略奪は留まるところを知らなかった。

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映画『デトロイト』のあらすじ【承】

白人警官のフィリップ・クラウスは、巡回中に盗みを働いている黒人と出くわす。逮捕しようと追跡を開始したが、武器も持たずに無抵抗な黒人に対し、背後から発砲して射殺してしまう。これは大ごとだったが、上司の配慮で難を逃れた。

デトロイト出身のシンガーグループ、ザ・ドラマティックスの晴れの舞台は、暴動が起きたために中止となってしまった。メンバーのラリーは落胆する。ラリーとマネージャーのフレッドは、アルジェモーテルに部屋を取り、暴動が治まるのを待つことにした。

警備員の仕事をしているディスミュークスは、町にやってきた白人の州兵たちにコーヒーを届けにいった。ディスミュークスは黒人だったが、白人たちは警戒心を示さず、互いに打ち解けていた。そんな矢先、どこからか州兵たちに向けて銃声が鳴り響いた。狙撃されたと慌てる州兵とディスミュークスは物陰に隠れ、必死に狙撃者を捜す。

銃声の主はアルジェモーテルの二階にいた。カールという黒人の若者が発砲したのだ。しかし、それは狙撃が目的ではなかった。白人州兵を驚かせてやろうと、ふざけ半分で競技用の合図ピストルを鳴らしただけだった。

銃声がアルジェモーテルから響いていることを突き止めた州兵たちは、市警に連絡を入れた。連絡を受けたクラウスはモーテルへと向かう。モーテルが包囲されていることに気がついたカールは、恐ろしくなってその場を逃げようとする。だが、クラウスに背後から撃たれて死亡。クラウスはカールが武器を持っていないことを知ると、自分の持っていたポケットナイフを取り出し、横たわるカールのそばにそっと置き、正当防衛のように見せかけた。

映画『デトロイト』のあらすじ【転】

モーテルにいた者たちが集められ、クラウスと同僚のフリンによる尋問が始まった。集められたのは、ラリー、フレッドの他に、カールと一緒にいた友達のリー、マイケル、オーブリー、名誉除隊したグリーン、そして白人女性のジュリーとカレン。クラウスは銃の在り処を聞き出そうと暴力的な尋問をするが、皆、銃など知らないと首を横に振るばかり。

しびれを切らしたクラウスは、マイケルを別室に連れていくと、射殺するふりをする。銃声を聞いた他の者を怖がらせ、口を割らせる計画だったが、上手くはいかなかった。クラウスは同僚のデメンズに、同じようにやれと指示。脅すために“ふり”をするだけでよかったのだが、デメンズは勘違いし、連れていったオーブリーを本当に撃ち殺してしまった。

焦ったクラウスたちは、口封じをして彼らを解放しようと決める。皆、助かりたい一心で条件を飲んで逃げていったが、フレッドだけは言うことを聞かなかった。クラウスはフレッドに銃口を突きつけ、射殺してしまう。

映画『デトロイト』の結末・ラスト(ネタバレ)

アルジェモーテルの事件の後、ディスミュークスの所に警察がやってきた。取り調べを受けるディスミュークスは、いつの間にか今回の事件の容疑者になっていた。“俺はやっていない”と叫ぶが、黒人というだけで疑われ、聞く耳を持ってもらえない。

警察署で事情聴取を受けたデメンズとフリン。彼らはモーテルで起きたことを正直に告白した。窮地に陥ったクラウスだったが、弁護士の登場でその場を乗り切った。メディアはこの事件を大々的に報道。デメンズとフリンは逮捕される。

白人警官が無抵抗な黒人を殺した裁判が始まった。関係者たちの証言も空しく、警官三人は無罪となる。オーブリーの家族は、これがもし白人と黒人が逆だったら、きっと有罪になっていたと悔しそうにマスコミに語った。

ラリーは、ザ・ドラマティックスの歌で白人が楽しむことに違和感を覚え、グループから脱退してしまう。季節は巡り、冬。ラリーは聖歌隊に入りたいと教会を訪れる。白人のいない黒人だけの教会で、ラリーは歌うことを選んだ。そして今も、歌い続けている。

映画『デトロイト』の感想・評価・レビュー

目を背けてはいけないお話だと分かっていても、見ていられないほどつらくて苦しい気持ちになってしまいました。1967年に起きたアルジェ・モーテル事件を描き当時の証言など実話をベースに作られているので非常にリアルです。
人種差別が色濃く根付いている時代の出来事に、衝撃を受ける人も多いでしょう。当時を知らなくてもこの作品を見るだけでその悲惨さが痛いほど伝わってきます。
見終わった時の疲れは、当時の彼らの気持ちをほんの少しだけ知れた証拠なのかも知れません。(女性 30代)

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