映画『王様とボク』の概要:昏睡状態にあった幼馴染が12年振りに目覚めた。だが、幼馴染は事故にあった当時、6歳で時が止まっていた。大人の体で子供の頭脳しか持たない幼馴染と接していくにつれ、主人公は自分も大人になりたくないと懊悩する。
映画『王様とボク』の作品情報
上映時間:84分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:前田哲
キャスト:菅田将暉、松坂桃李、相葉裕樹、二階堂ふみ etc
映画『王様とボク』の登場人物(キャスト)
- モリオ(大人:菅田将暉 / 幼少期:二宮慶多)
- 6歳時、事故で意識不明となり昏睡状態だったが、12年の時を経て奇跡的に目覚める。18歳の体で6歳の頭脳を持つ純粋無垢。
- ミキヒコ(大人:松坂桃李 / 幼少期:藤田健心)
- モリオの幼馴染で18歳の大学生。優柔不断な面がある。モリオと積極的に関わろうとして、大人と子供の狭間で懊悩する。
- トモナリ(大人:相葉裕樹 / 幼少期:菅家有都)
- モリオの幼馴染で18歳の大学生。いつもゲームばかりしている。モリオとは一切関わりを持たないが、大人になる覚悟を人知れず決意し泣いている。
- キエ(二階堂ふみ)
- ミキヒコの彼女で大学生。天真爛漫。ミキヒコが気にしているモリオに興味を持つ。ミキヒコの様子をいつも気にしている。
映画『王様とボク』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『王様とボク』のあらすじ【起】
高校生のミキヒコは幼馴染のトモナリの家で、その母親と彼女のキエ、トモナリにお祝いされめでたく18歳の誕生日を迎えた。
その夜、キエと初めて体を重ねたミキヒコはふと、遠い過去を思い出す。それは同じ年のモリオのことだ。
モリオはトモナリとミキヒコの幼馴染だった。6歳の頃まで3人はいつも一緒に遊んでいたがある日、公園でブランコから転落したモリオは、頭部を強打。意識不明に陥り昏睡状態となってしまったのだった。
事故に伴い、家族間でもいざこざがあったが、モリオの長期入院が可能となる病院への転院を機に、モリオの両親はミキヒコら家族との関係を切った。それはモリオの母親が、長馴染みのミキヒコとトモナリの今後のことを考えた末のことであった。
そんなある日、ニュースを見ていると昏睡状態にあった少年が、12年振りに奇跡的に目覚めたと報道される。ミキヒコはモリオのことだと直感。ミキヒコの様子をつぶさに見ていたキエも、モリオのことに興味を持ち始める。
高校生のミキヒコは幼馴染のトモナリの家で、その母親と彼女のキエ、トモナリにお祝いされめでたく18歳の誕生日を迎えた。
その夜、キエと初めて体を重ねたミキヒコはふと、遠い過去を思い出す。それは同じ年のモリオのことだ。
モリオはトモナリとミキヒコの幼馴染だった。6歳の頃まで3人はいつも一緒に遊んでいたがある日、公園でブランコから転落したモリオは、頭部を強打。意識不明に陥り昏睡状態となってしまったのだった。
事故に伴い、家族間でもいざこざがあったが、モリオの長期入院が可能となる病院への転院を機に、モリオの両親はミキヒコら家族との関係を切った。それはモリオの母親が、長馴染みのミキヒコとトモナリの今後のことを考えた末のことであった。
そんなある日、ニュースを見ていると昏睡状態にあった少年が、12年振りに奇跡的に目覚めたと報道される。ミキヒコはモリオのことだと直感。ミキヒコの様子をつぶさに見ていたキエも、モリオのことに興味を持ち始める。
映画『王様とボク』のあらすじ【承】
キエとミキヒコは早速、病院へ向かった。しかし、病院の受付で不審がられ、モリオのことは教えてもらえなかった。モリオの母親とは連絡を取ることもできないため、途方に暮れた彼らは待合室で座り込む。
キエがミキヒコへ不安を吐露したところで、看護師たちが慌ただしく通り過ぎて行く。様子を窺い、2人はこっそりと看護師の後を追った。
病院の非常階段。踊り場の隅に泣きながら蹲る少年を発見。モリオだった。ミキヒコは彼へと駆け寄るが、モリオは恐慌状態に陥っており嘔吐。看護師に見つかったモリオは、酷く怯えて無理矢理に連れて行かれてしまった。
トモナリの母親が迎えに来てくれ、2人は帰路につく。ミキヒコは途中で降りて電車で帰った。残ったキエはトモナリの母親に、モリオの様子を語る。モリオは声を掛けられた時、ミキヒコの名前を呼んだのだった。
トモナリとミキヒコ、キエはマンションの屋上から叫ぶ。大人になんかなりたくない。
病院に行った以来、トモナリとミキヒコは、またモリオのことを話さなくなってしまった。
映画『王様とボク』のあらすじ【転】
病院を退院したモリオは、養護施設へと預けられた。彼の脳は6歳で止まっている。18歳の体で6歳の頭脳しか持たないモリオ。彼は施設を抜け出して、同じ年頃の少年3人の後を追う。少年達は気味悪がってモリオを撒いた。
ミキヒコはモリオのために、大学を辞める決意を固める。目覚めたら12年の時が経っていて、モリオはきっと混乱しているに違いない。自分達は今まで守られて18歳になった。だから、モリオを守るためにできることを考えたミキヒコ。
キエはそんなミキヒコが大好きだった。彼女とトモナリの母親は、ミキヒコ達がいつかモリオと会いたいと言ったときのために、モリオの居場所を調べていた。
良くも悪くも、自由に生きようとするモリオ。やがて彼は少年3人と仲良くなり、一緒に遊び始める。
モリオの施設へと1人でやって来たミキヒコ。門前で中の様子を窺っていると、繁みからモリオが出て来る。ミキヒコはモリオを見守るように後を追いかけた。近くの公園で、少年達と遊ぶモリオ。将来何になりたいかを聞かれ、彼は日本の王様になりたいと笑う。
モリオは姿を現したミキヒコを覚えていた。一緒に喫茶店で食事をして、バイクに乗せる。モリオとミキヒコは12年振りに旧交を温めた。しかし、プリクラを一緒に撮った時、モリオは自分の姿を見て母親に会いたいと泣き始める。
映画『王様とボク』の結末・ラスト(ネタバレ)
ミキヒコはモリオを見守る。彼にそっと寄り添いながら、一緒に電車を眺めた。
しょんぼりとした様子で、施設へと戻って行くモリオ。彼の姿が見えなくなるまで、ミキヒコは見守り続けた。
我関せずの態度を貫くトモナリと、積極的にモリオと関わろうとするミキヒコ。
トモナリはモリオを思いながらも、密かに大人になる覚悟を決め自宅のトイレで泣いた。
そんな時、モリオが19歳の誕生日を迎えた。
施設での誕生日会へ向かう途中、バイクで転倒したミキヒコ。そのまま意識を失ってしまう。
ミキヒコは子供のままのモリオを守りたかった。同時に自分が大人になりたくないと、強く願っていることも知る。大人と子供の狭間で懊悩するミキヒコ。
目覚めると辺りは暗くなっていた。ミキヒコはモリオと会わずに帰った。
その日の夜、モリオはたった1人で姿を消した。
映画『王様とボク』の感想・評価・レビュー
仲の良かった幼馴染の三人のうち、一人のモリオが昏睡状態から目覚め、六歳の脳のままであることが分かっても、彼を守るために大学を辞めたミキヒコ、モリオとは会わず、大人になることへの恐怖を感じ出すトモナリの気持ちが混乱していて、面白かった。モリオが三人の少年と公園で遊んだり、話している姿を見ていたミキヒコの想いが伝わってきた。モリオとミキヒコがバイクで風を切っていた姿が、昔を思い出すかのようで、微笑ましかった。最後は、モリオが一人で消えていくシーンが印象的であり、大人になりたくないと知ったミキヒコを、置いて行ってしまったモリオの想いも考えさせられた。(女性 20代)
原作のストーリーや設定が漫画だから許される部分が多いので実際に実写化されるとリアリティが薄いイメージになってしまったのでそこは残念に思った。
キャストさんは若手実力派俳優の方が多く出演されていて演技は素晴らしかったので良かった。
植物状態から目を覚まして体は18歳で心は6歳という設定になっていたが、実写で観るとなんだか精神的な病気のように見えてしまったので作り手の意図とは少し離れた作品になってしまったのではないかと思った。(女性 20代)
漫画家やまだないとの同名漫画を実写映画化した作品。18歳という大人と子供の狭間に立つ3人の青年の懊悩を描いている。いずれも若手俳優がキャスティングされており、高い演技力にて作品の本質を演じ切っている。3人の幼馴染の内、事故にて昏睡状態となっていた1人が6歳の知能しかないと判明したことで、より子供時代を強調し大人になろうとしている青年たちが思い悩む原因になっている。原作が優れているからこその設定とストーリー展開だろう。原作を知らずに観たので、自分にそんな時があったと感慨深く思ったが、原作を知っている方には、少々物足りないかもしれない。(女性 40代)
大人になりたくないと思ったことがあったなぁと思いながら見ていた。ミキヒコとトモナリについては、大人と子供の狭間で揺れ動く気持ちが痛いほど伝わってきた。
原作の漫画は知らないのだが、映画のラストを見て物足りない気持ちになった。モリオは一体どこに行ってしまったのか気になるし、どんな思いを抱えていたのかミキヒコ達に比べて分かりにくかったと思う。ただ、彼らを演じた俳優達の演技が上手かったのは良かった。(女性 30代)
「大人」ってなんだろう?中身が未熟でも歳をとれば大人?「大人」について考えさせられる作品でした。
菅田将暉が演じるのは18歳のモリオ。しかし事故の後遺症で中身は6歳。とても難しい役だと思いますが、全く違和感なく演じています。見た目は大人に近づいているのに、中身は子供なモリオ。そんなモリオの存在によって「普通」の18歳である友人たちに「このまま大人になっていいのか」と疑問が生まれます。
「大人になる」という事に悩み、藻掻く姿が不思議な世界観で描かれていました。(女性 30代)
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