映画『アンリミテッド』の概要:メッセンジャーをしていた主人公はヒロインとの出会いで、パルクールというスポーツに興味を抱く。ヒロインのチームに入り、パルクールの才能を発揮し始めた主人公は、金に困った挙句、パルクールを利用した窃盗へと手を染めていく。
映画『アンリミテッド』の作品情報
上映時間:94分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:ダニエル・ベンマヨール
キャスト:テイラー・ロートナー、マリー・アヴゲロプロス、アダム・レイナー、ラフィ・ガヴロン etc
映画『アンリミテッド』の登場人物(キャスト)
- カム(テイラー・ロートナー)
- メッセンジャーとして働いている、天涯孤独の青年。金に困り、パルクールを生かした窃盗へと手を貸すようになる。ニキに恋をする。常識的な好青年で、父親の形見の車を大事にしている。
- ニキ(マリー・アヴゲロプロス)
- パルクールチームの紅一点。ミラーの恋人だが、カムに惹かれる。小柄で黒髪の美人。少々、気が強そうな面がある。
- ミラー(アダム・レイナー)
- チームのリーダーで麻薬取締の警官。警察に入る情報を活用し、裏金で儲けている。ニキがカムに惹かれていることを察して、密かに嫉妬する。
- ディラン(ラフィ・ガヴロン)
- ニキの兄。体格の良い男性で、カムにパルクールチームへの勧誘をする。妹を大事にしており、ミラーを崇拝している。
映画『アンリミテッド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『アンリミテッド』のあらすじ【起】
メッセンジャーのカムは、街中を自転車で爆走する日々を過ごしていた。
そんなある日突然、ビルから人が飛び降りて来て、車が急停車。カムもそれへ巻き込まれる。ぶつかった女性は謝罪後、すぐに走り去った。
事故のせいで商売道具である自転車を破損したカムは、修理する金も持たない貧乏人だった。貰ったばかりの給料も手持ちの金銭も全て借金取りに回収される。借金相手はチャイニーズマフィア。どんなに働いても返済は間に合わず、利子は増えるばかりだった。
おまけに自転車も壊れ、メッセンジャーとしての仕事もできないし、家賃を払うこともできない。
翌日、会社からの電話で起きたカム。自転車が無いので仕事へ行かないつもりだったが、カムの彼女が、新品の自転車を置いて行ったと聞き急いで出社。自転車には安全走行をと貼り紙がしてあった。
画して新品の自転車で仕事を再開することができたカムは、仕事の合間に事故で会った女性を探すことにした。
思い当たる場所を何ヵ所も回り、街角でようやく女性を見つける。自転車で追いかけた。
置かれた環境を利用しながら、走って跳んで、登るスポーツであるパルクールを、彼女はどこで習ったのか。カムは女性を呼び止めてやっと、礼を言うことに成功。彼女の挑発に乗って、カムもパルクールへ挑戦してみることにした。女性はニキと名乗った。
ニキの後を追いかけて、車の上を走り跳んで行く。しかし、カムは初心者。立体駐車場で彼女に追い着けなくなった。別れの挨拶をしてニキが去ろうとした時、3人の男達が現れる。会話を聞くとニキの仲間のようだ。
剣呑な空気を漂わせる男達。パルクールは危険なスポーツだと言い残して去って行く。
自転車の元へ戻ったカム。鍵をかけたはずなのに、自転車は盗難されていた。また仕事ができなくなる。彼は仕方なく自宅の工具一式を売った。これで車の修理もできない。
翌日から彼はパルクールの練習をするようになる。会社から自転車を借りて仕事をしつつ、パルクールのための肉体を作り上げていくカム。全てはニキに近付きたいがためだった。
吹き抜けの立体駐車場から飛び降りて、階を飛び越したカム。そこで前に会った3人組の男性の内の1人に声をかけられる。秘密の練習場、ブルックリンのルージェインターミナルへ誘われた。
映画『アンリミテッド』のあらすじ【承】
翌朝早朝、ゴーワヌス湾の埠頭へ向かったカム。声をかけた男性ディランはニキの兄だった。3人の男とニキの仲間に加わったカムは廃船で練習をしたが、跳び込みに失敗。ミラーという男に助けられる。彼はどうやら、このチームのリーダーのようだった。
カムはミラーから休憩中に、根ほり葉ほりと身の上を聞かれる。ミラーはその後も様々なことを教えてくれた。
その日、借金の返済日だったことを忘れていたカム。急いで向かうも、時すでに遅し。借金返済の肩代わりとして、父の形見である車を回収されしかも、住む場所まで失ってしまう。
カムはチームの元へ行き、パルクールを利用した仕事を回してもらうよう頼んだ。仕事とは主に窃盗を意味する。もちろん、法外な物を運ぶ仕事もあった。ミラーは何かあったら必ず自分に報告し、チャイナタウンには絶対に近付くなと忠告した。
仕事と称した試験に合格したカム。晴れてチームの一員と認められる。
カムはビルの屋上でテントを張って生活を始めた。早朝からニキと合流し、荷物の受け取りに向かう。彼女に近付きたいカムだったが、ニキは最初から彼に仕事をさせるのに反対していた。
ミラーから仕事の報酬を受け取ったカムは、遅れていた家賃を家主へ支払いに向かった。
その後、街頭を歩いていると、借金取りがカムの父親の車に乗って現れる。支払いをするも約束より少ない金額だったため、殴られて脅された。もっと稼がなければ。
映画『アンリミテッド』のあらすじ【転】
その日の夜、気晴らしに仲間達とクラブへ。殴られたカムの傷痕から、怪我自慢が始まる。そこで、ミラーがなぜチャイナタウンへ近付くなと言ったのか、理由が明らかになる。
ミラーはある仕事の失敗以降、チャイナタウンへ近付かないという制約をマフィアと交わしていたのだった。
カムはクラブで踊るニキと良い雰囲気になる。しかしニキは突然、カムを振り切って外へ。理由を問うも彼女は何も答えない。そこへミラーがやって来て、仕事だと言いニキを連れて行ってしまう。2人の関係を察したカムは傷心して、そのまま帰宅した。
カムはニキを諦めようとした。しかし、ニキは彼を待ち伏せして簡単に理由を話す。
兄ディランの失敗をミラーが解決してくれたのがきっかけで、ニキはミラーと共にいることを選んだ。決して恋人としてではないと。彼女は自分と同じ道をカムに歩ませたくなかった。そこで、互いに惹かれていることを知った2人は熱く体を重ねる。
借金の返済が終わったら姿を消す。カムは父親の車に乗って、どこか遠くへ行きたかった。
次の日の夜、仕事終わりにニキと過ごすカム。彼はニキに一緒に行こうと誘うも、彼女には込み入った事情があるらしく、断られてしまう。カムは父親の形見の車と同じミニカーをニキに渡した。
翌朝、ミラーがカムを訪ねる。彼はカムに事情を話すよう仕向けるも、カムは何も言わなかった。まさか、因縁のチャイニーズマフィアに借金があるなどと、口が裂けても言えない。
大金を稼げる仕事の日、合流したカムは車内で異を唱える。仲間達が銃の準備を始めたからだ。1人頭2万ドルを稼ぐ大口の仕事だった。成功すれば借金がチャラになる。カムは不満を覚えつつも参加。
ギャングが乗っ取った銀行には、20万ドルもの大金が隠されていると言う。それを横取りする仕事だった。
映画『アンリミテッド』の結末・ラスト(ネタバレ)
仲間達3人が銃を持つ。発砲はしない。脅すだけだと言うが、嫌な予感しかしない。
マスクを被り銀行へ。中にはギャングが数名おり、銃を向けて脅しを口にする。カムは業を煮やして銃を奪い、銀行内へ侵入した。しかし、金庫の中には何もなかった。
罠と察したカム達は急いで逃亡。追手のギャングは躊躇いもなく発砲してくる。ビルからビルを進み屋上を走る。しかし、仲間の1人が撃たれて死亡。茫然としているカムは逃げ遅れ、到着した警察に逮捕されてしまった。
警察で事情聴取されていると、ミラーが助けに来る。本物の警官であるミラーは、情報を上手く活用し裏で金儲けをしていたのだった。
当然、口論になるミラーとカム。ミラーはこの仕事を最後に、足を洗うつもりだった。故に、カムの存在が必要だと力説。彼はカムがニキに渡したミニカーを見せ、カムに協力させた。
警察から解放されたカムは、ニキを捕まえてきつく責め立てる。彼女は泣きながら事情を話した。フロリダにいた頃、ニキを襲って来た男をディランが半殺しにした。兄妹は逃亡しミラーと出会った。ミラーは兄妹の問題を解決した。だから、従っているのだ。彼女はミラーが怖くてカムに事情を話せずに悩んでいた。カムと離れたくなかったからだ。
チームは次の仕事へ。ロシアの大物の自宅へ侵入し、金目の物を盗む。ディランとミラーとカムが向かった。
銃で脅して金庫からダイヤの粒を入手。ミラーはロシア人を皆殺しにした。奴がボディーガードと格闘している間に、カムはダイヤ粒を持って屋上へ戻る。ディランを宥めて逃亡した。ミラーはダイヤを持ったカムを追いかける。
ビルからビルへ、室内を経由して走る。途中でパトカーに乗り込んだミラーが追いかけて来る。そこへ、ニキが車で突っ込んで来た。
カムはニキを連れて逃亡。銃を持ったミラーが再び追跡を開始する。カムはわざとチャイニーズマフィアの屋敷へと逃げ込んだ。
カムとニキへ銃を向けたミラーが、チャイニーズマフィアに囲まれる。制約を破ったミラーはマフィアの手によって、マカオへと連れて行かれた。
カムはダイヤ粒をマフィアの女ボスへ渡す。これで借金はチャラだ。
だが、女ボスはダイヤを1粒カムへ渡し、街から出ろと言った。父親の車を返してもらったカムは、ニキと2人で街を出た。
映画『アンリミテッド』の感想・評価・レビュー
借金に追われる日々を送っていたカムに、衝撃的なニキとの出会いが訪れ、パルクールに夢中になっていき、仕事も任されるようになってきた頃、危ない仕事の内容や、仲間同士の関係性が明らかになっていくシーンが見所であった。パルクール中の激しいアクションシーンも目が離せなく、夢中になっていた。父親の形見を大切にしていたカムの優しさや、様々な事で素直に話せなかったニキの気持ちが共感でき、二人が一緒になるシーンがとても嬉しい気持ちでいっぱいになった。(女性 20代)
私は元々パルクールに興味があったので、とても楽しめました。ただ、ストーリーを大事に観たい人は物足りなく感じるかもしれません。物語の設定にあまりひねりはないので、さらっと観たい人にはおすすめだと思います。
主演のテイラー・ロートナーの身体能力の高さに驚きました。パルクールを存分に使いながら逃走しているシーンは、とてもテンポよく、見ていて気持ち良かったです。あまり考えずに観ることができ、観た後にすっきりできる映画でした。(女性 20代)
アクション映画としてはとてもスカッとする。街中を駆け抜けるシーンは見応えがあった。経済的トラブルを抱える主人公が恋に落ちたことがきっかけとなり犯罪チームに加入する。ボスの女を寝取ったのがバレて追い詰められ、ドンデン返しの末、借金からも解放され没収された父の形見である車も取り返し、最後は女と一緒に当てもなく街を去るというよくある展開だった。
パルクールは注目度も高いし、観ていてスッキリする。単純なアクション映画が観たいならピッタリの作品だ。(女性 30代)
パルクールを中心にテイラー・ロートナーが演じるカムが精神的に成長し、ヒロインのニキとハッピーエンドになるという作品である。この作品の醍醐味と言えば、他の作品には見られないパルクールを主に使用しているという点である。スリル満点なアクションに肝が冷えっぱなしであったのは間違いない。
パルクールは無制限だと作品中では言っていた。だからこそ自分の作る壁を超える必要があるのだろうと思った。自分を超えるには必ず恐怖が伴うが、それをパルクールで視覚化したのだろうか。彼の中の壁を越えられたのかは正直分からないが、それは無制限だからなのかもしれない。(女性 20代)
テンポよくストーリーが進み、終始飽きることがなく観やすい作品だった。街中を爆走するパルクールは、観ていて気持ちが高揚し、体を動かしたくなった。ハッピーエンドで幕を下ろすため、後味も良い。主演は、ヴァンパイア映画のシリーズで活躍したテイラー・ロートナーである。当時よりもかなり色気が出ており、ロマンス要素を含む今作にとても合っていた。また、とても自然な演技をしており、今後の作品での活躍を大いに期待している。(男性 20代)
借金返済のため、自転車便で働く青年カムが、建造物や壁などを飛び越えるスポーツ「パルクール」と仲間達に出会い、人生が大きく変わっていく。
前半まで、「サクセスストーリー?」「スパイアクション?」「クライムアクション?」とストーリーの主軸が分からない展開を経て、後半、物語は真相に迫り、主人公とその周りの人々との関係やその見せ方が移り変わっていく。
人物描写やラストが淡白なのが残念だが、アクションと演出はパルクールのような疾走感に溢れていた。(男性 20代)
体感型映画。この作品はアクションシーンのほとんどが「パルクール」です。狭い路地や高い屋根の上、階段の手すりなどこんな所まで!?というようなパルクールアクションはとても危険でヒヤヒヤしながらも、面白く、臨場感があり前のめりになって観てしまいます。まるで自分が体験しているような映像がリアルで迫力満点。
ストーリーはあっさりしていますが、アクションだけでなく恋愛要素もありしっかり楽しめます。すっきり爽快な気分になりたい時におすすめの作品です。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
キャストのパルクールが超人並みで、大変感動しました。疾走している姿はもちろん、跳躍力が物凄いため見ているだけで爽快な気分になれます。主人公のテイラー・ロートナーがまるでチーターのようです。スタントマンを使っていないそうで更に驚きました。ストーリーは至ってシンプルですから、頭を空っぽにして楽しめます。パルクールグループ内での人間関係や、三角関係がリアルで目が離せません。一時間半、スポーティなクライムアクションをサクサク楽しめる作品です。