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映画『アウトレイジ 最終章』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『アウトレイジ 最終章』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『アウトレイジ 最終章』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『アウトレイジ 最終章』の結末までのストーリー
  • 『アウトレイジ 最終章』を見た感想・レビュー
  • 『アウトレイジ 最終章』を見た人におすすめの映画5選

映画『アウトレイジ 最終章』の作品情報

アウトレイジ 最終章

製作年:2017年
上映時間:104分
ジャンル:アクション、フィルムノワール
監督:北野武
キャスト:ビートたけし、西田敏行、大森南朋、ピエール瀧 etc

映画『アウトレイジ 最終章』の登場人物(キャスト)

大友(ビートたけし)
元山王会池元組傘下の大友組組長。前作『アウトレイジ ビヨンド』での抗争の後、日本を離れ、韓国・済州島に身を隠している。張会長の計らいで、済州島の歓楽街を裏で仕切っている。
西野(西田敏行)
花菱会の古参組員の一人、役職は若頭。前会長の娘婿の野村を快く思っていない。謀略に長け、多くの組員から恐れられている。
市川(大森南朋)
張会長のもと、韓国・済州島で大友の身の回りの世話をする舎弟的存在。偽造パスポートで来日し、大友と共に抗争に参加する。花菱会との抗争の終了後に、大友を一人日本に残し韓国へ戻る。
花田(ピエール瀧)
花菱会の直参幹部で、本作における一連の抗争の元凶となった男。SMプレイが趣味の性癖を持ち、済州島での女遊びからのトラブルから、今回の抗争が始まる。
野村(大杉漣)
花菱会会長。叩き上げではなく、証券マンからヤクザの世界に身を投じた異色の経歴を持つ。前会長の娘婿にあたり、西野と対立関係にある。関西出身ではなく、関西弁を嫌っている。
中田(塩見三省)
花菱会の古参組員の一人、役職は若頭補佐。西野の弟分で信頼も厚い。会長野村から、ポストを餌に西野殺しを持ちかけられるが、逆に西野に野村の策略を暴露する。野村会長亡き後、若頭に昇格。
李(白竜)
張会長の側近であり、絶大な信頼を得ている。張会長襲撃事件の際は、現場にいち早く駆けつけ、張会長の命を救う。本作ラストで、張会長の迷惑となる大友に銃を向け、殺害しようとする。
張(金田時男)
済州島出身の在日韓国人で、日韓を股にかける大物フィクサー。大友のことを気にかけており、前作『アウトレイジ ビヨンド』の終盤から、様々な計らいを施している。

映画『アウトレイジ 最終章』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『アウトレイジ 最終章』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『アウトレイジ 最終章』のあらすじ【起】

前作『アウトレイジ ビヨンド』での抗争の後、元大友組組長の大友は日本を離れ、韓国の済州島にいた。韓国で大友の身の回りの世話をする市川と釣りを楽しむ大友の姿が、そこにはあった。現在大友は、日韓のフィクサーといわれる張(チャン)会長の後ろ盾で済州島の歓楽街を任されていた。

ある日、その歓楽街でトラブルが起きる。日本のヤクザを名乗る男から、買った女が使えないというクレームが入る。大友は市川たちを引き連れ、ホテルへと向かう。ホテルの部屋に入ると、大友の店から派遣された女が2人、傷だらけになっていた。ベッドの上には、SMの装具をつけたままの刺青の男。この男は「自分は花菱会の花田だ」と名乗り、因縁をつけてくるが、大友は逆に店の女を傷物にしたことを理由に200万を要求する。大友に脅され、手を打つことにした花田は翌朝に金を取りに来るよう言い残し、後始末を手下へ指示し、逃げるように日本へ帰っていく。大友は翌朝、花田の指定通り、部下に金を取りに行かせるが、その部下たちは花田の手下に殺されてしまう。大友は激怒し、花田に復讐するため日本に帰ろうとするが、張会長に諌められ、済州島に留まる。

映画『アウトレイジ 最終章』のあらすじ【承】

日本では関西の花菱会が前作『アウトレイジ ビヨンド』の抗争後、関東の山王会をほぼ手中に収めていた。しかし、その花菱会でも内紛の兆しがあった。前会長の娘婿で、元証券マンからヤクザの世界の世界に入った野村と、古参幹部の西野の対立だった。野村は金が全てという思想の人間で、金のためならヤクだろうが、何でもありという男。そんな野村のやり方にあからさまに敵意を表す西野。不穏な空気が花菱会では漂っていた。

韓国でトラブルを起こし日本に戻った花田は、自分がしてしまったことの重大さに気がつき、花菱会若頭補佐の中田と内々に事を済ますため、張会長にワビを入れに行く。しかし、張会長の怒りを買い、すごすごと事務所を後にする。事を大きくしてしまった二人は、ようやく花菱会の幹部会に事態を報告するのだった。

状況を知った会長野村と西野は激怒、1億の金を持って改めて張会長の元にワビを入れに向かう。この交渉にはそれぞれの思惑があった。西野にはシノギの多い花田に恩を売り、金をむしり取るという策略があり、また野村にはこの交渉の帰りに中田に西野を襲わせ、亡き者にするという謀略があった。しかし、その謀略を見抜いていた西野は策を講じる。張会長との交渉を無事に終え、その帰り道、花田を人気のない場所に連れ出し、自分は張会長に殺されたことにしろと、脅しをかける。銃を突きつけられ従うしかない花田。一人組に戻った花田は、野村会長から対抗措置として張会長襲撃を命じられる。

映画『アウトレイジ 最終章』のあらすじ【転】

花田は配下にある山王会の木村組を使って、張会長を襲撃するが失敗。この事態が韓国にいる大友の耳にも入る。張会長の身に危険を案じた大友は恩義に報いるため、そして、かつての抗争で死んだ兄弟分の仇を取るためにも帰国を決意。大友は偽造パスポートを使い帰国するが、前作からの因縁の刑事・繁田に拘束されてしまう。しかしすぐに、張の根回しにより大友は釈放される。警察から釈放された大友は市川と共に張会長を襲った山王会木村組組長の吉岡を襲撃し殺害。その大友の帰国を知った西野は、大友と市川の二人に会う。西野は、花田の韓国での一件を詫び、花菱会幹部の出所を祝う宴会場で野村会長を殺す提案を大友にする。

出所祝賀会当日、計画通りにことが進むはずが、急遽、宴会に出席するはずだった野村会長が来ないことが判明。さらに野村殺害ため待機しているはずの大友の姿もなかった。西野は計画を変更し、パーティーの最中、壇上へあがりマイクをとり、集まっていた組員たちに、野村会長との縁を切ることを告げ、この先、自分につくか、野村につくかの選択を迫る。そんな騒然としたパーティー会場に突然、マシンガンを持った大友と市川が現れる。西野の制止も聞かず、マシンガンをぶっ放す二人。花田は何とかその場を逃げ出すが、多くの組員を失う結果となる。それでも西野は、この事態の責任を野村になすり付ける策を講じる。

大友襲撃の報告を受け怒り狂う野村だったが、花菱会には、もう野村の言うことを聞くものはいなかった。そして、その野村の前に西野は姿を現わす。西野は野村の身柄を大友に引き渡し、その大友によって野村は絶命する。

映画『アウトレイジ 最終章』の結末・ラスト(ネタバレ)

花菱会は西野が会長となり、中田が若頭、花田は若頭補佐という新体制となる。事態は終息したように思えたが、大友の復讐は終わっていなかった。まずはSMプレイを楽しんでいる花田を襲撃。女たちを逃し、プレイ中で手足を手錠でベッドに固定されたままの花田の口に爆弾を詰め殺害。これで張会長への義理は果たしたとする大友は、全ての復讐にカタをつけるため、市川を先に韓国へ帰す。

張会長側近の李は、市川からの報告として大友が韓国へ帰ったと張会長に告げる。李は大友がまだ日本いることを知っていた。自らが運転する車で大友を山王会の元組員が働く工場へ連れて行く。そこには前作で大友舎弟の木村を殺した二人が働いていた。大友は二人を銃で撃ち殺し、最後の復讐を果たす。これまで大友の行動を静かに見守っていた李だったが、大友に言う、「これで終わりですよね」と。そして、「会長に迷惑をかけないでください」と言い、大友に銃を向ける。しかし、大友は自らの銃を取り出し、喉元に当て、「張会長によろしく」と一言告げ、引き金を引く。

映画『アウトレイジ 最終章』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

アウトレイジは3作目だが次第に話が大きくなっていき、暴力団同士の抗争や韓国の勢力まで出てきてしまいスケールを大きくしすぎたんではないだろうかと思った。
やはり一作目の勢いや意外性を続編でもずっと感じさせるというのは難しいのだなと思った。
北野監督独自の世界観が好きだったが、ファンが惜しいと思うここで終わらせたのは正解だったと思った。

ストーリーは暴力的なシーンが大半なのだが、たまに笑えるところもあり、その場面の役者さんの演技はさすがだなと思った。(女性 20代)


最終章ならではのスケールの大きさに満足。まだ観ていない人はシリーズを一気に観た方がいい。細かい人間関係や狡猾な騙し合いなどはシリーズを経るごとにだんだんと少なくなっていった印象を受けるが、スケールは大きくなり勢いづく。最初のアウトレイジから時間を空け過ぎてしまうと、満足感は薄いと思う。勢いで観続けることをお勧めする。
アウトレイジシリーズを通して感じることは、脇役の俳優陣が本当に上手い。本当の世界はわからないが、これが極道の世界なのかもしれないと思うほどの凄みがあった。(男性 20代)


シリーズ三作目の今作は舞台が韓国まで広がり、国際的な抗争に発展します。一作目の『アウトレイジ』から7年経っていることもあり、出演者もだいぶ歳をとった印象です。しかし、その貫禄が作中での世代交代や勢力を持っていた組が衰えていく様子と妙にマッチしていて、とてもリアルに感じました。
ヤクザらしくないキャラクターが居たせいか、前の二作よりも過激なシーンは少なめですがドンパチの迫力がすごいです。とは言え、いい人が一人も居ないこのシリーズの最終章。最後まですごく楽しめました。(女性 30代)


ついに大友が帰ってきたという高揚感とともに、ラストに向けて緊張が高まる展開はさすが北野作品でした。終盤での花菱会との全面抗争と、裏切りの連鎖が続く構成はまさに「全員悪人」の集大成。大友の復讐の果てに、あの選択をしたことには衝撃と納得の両方がありました。徹底した暴力描写と冷徹な人間関係が生々しく、裏社会のリアルを感じました。(30代 男性)


北野武監督の美学が詰まった最終章でした。大友の静かなる怒り、そして最終的な選択に胸が締め付けられました。登場人物たちが一人ずつ消えていく中、誰も救われない終わり方には賛否あると思いますが、個人的には「ここで終わるしかなかった」と納得。あの静かなラストシーンが心に残っています。シリーズファンなら観て損なしです。(40代 女性)


まさにアウトレイジシリーズの集大成でした。前作までに積み上げられた因縁が、今作でついに決着。大友の最期は寂しくも、どこか清々しさすら感じました。暴力と復讐に身を捧げた男の人生が、あれで終わるのはある意味で彼らしい。北野監督ならではの無駄のないセリフと間、そして唐突な暴力の演出は健在で、全体を引き締めていました。(20代 男性)


正直、アウトレイジシリーズの中でも最も静かな怒りを感じた作品でした。大友が感情を爆発させる場面は少ないけれど、その分、内に秘めた狂気と覚悟が恐ろしく伝わってきました。特に花菱会幹部との対峙シーンでは、セリフの一つ一つが重たく、ピリついた空気が画面から伝わってきました。暴力の連鎖に終止符を打つ作品として、見応えありました。(30代 女性)


登場人物の大半が命を落とすという展開の中で、誰もが裏切りと欺瞞を繰り返す様子は、まさに人間の醜さの縮図。大友の復讐劇がひとつの終着点にたどり着いた時、彼が選んだラストには言葉を失いました。北野映画らしい、観客に感情の余白を委ねる終わり方が素晴らしかった。シリーズ通してのテーマが、静かに完結した印象です。(50代 男性)


大友の「何も語らずすべてを語る」ような姿勢が印象的でした。最終章にして、シリーズの中でもっとも“人間臭さ”が感じられる作品だったと思います。抗争の中で何を守るか、何を失うか、それを知ったうえで彼が選んだ行動がとてもリアルで心に残りました。暴力の中にある寂しさ、冷たさを見事に描いていて、余韻の残る作品でした。(40代 女性)


若い自分にはこの渋さは正直難しい部分もありましたが、それでも大友というキャラクターの凄みには圧倒されました。静かな中にある緊張感や、言葉でなく“間”で魅せる演出は他の映画ではなかなか味わえません。復讐の連鎖が何も生まないという虚しさも含めて、強烈に残る映画でした。全員悪人、というフレーズに偽りなし。(20代 男性)

映画『アウトレイジ 最終章』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『アウトレイジ 最終章』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

仁義なき戦い

この映画を一言で表すと?

リアルで泥臭い任侠の世界を描いた、日本ヤクザ映画の金字塔。

どんな話?

戦後の混乱期に広島の裏社会でのし上がっていく男たちの抗争を描く。仲間も裏切りも当たり前の世界で、生き残るために信義よりも力がものを言う、容赦ない人間ドラマ。実際の事件を基にしたリアリズムが魅力。

ここがおすすめ!

アウトレイジ同様、誰が味方で誰が敵か分からない不安定な人間関係が緊張感を生み出しています。血と裏切りにまみれたヤクザの生き様をドキュメンタリーのように描く迫力は圧巻。日本映画の原点的名作です。

龍三と七人の子分たち

この映画を一言で表すと?

伝説のヤクザがシルバー世代になっても大暴れ!笑って泣ける極道コメディ。

どんな話?

引退した元ヤクザの龍三が、再び悪を懲らしめるためにかつての仲間と再結成。振り込め詐欺グループに正義の鉄槌を下すという、北野武監督らしいユーモアと暴力の絶妙なバランスが光る異色作。

ここがおすすめ!

『アウトレイジ』の重苦しさとは真逆の軽快さですが、暴力描写や“義理人情”の感覚は共通。年老いても義を通す男たちの姿が痛快で、北野映画ファンなら絶対に楽しめます。意外と感動もある名作コメディです。

新しき世界(韓国)

この映画を一言で表すと?

潜入捜査官とマフィアの間で揺れる、哀しき男の運命を描いた韓国ノワールの傑作。

どんな話?

韓国最大の犯罪組織に潜入する刑事が、次第に情と義理に引き込まれていく。仲間、上司、組織、そして正義との間で揺れる男の葛藤と決断が胸を打つ、緊張感あふれるヒューマンドラマ。

ここがおすすめ!

裏社会での“立場と感情”のせめぎ合いが丁寧に描かれ、アウトレイジとは違う角度から暴力のリアリズムに迫っています。登場人物それぞれにドラマがあり、ラストは切なくも壮絶。韓国ノワール入門にも最適。

ゴッドファーザー PART II

この映画を一言で表すと?

家族と権力、血と裏切りを継承する者たちの壮大な叙事詩。

どんな話?

マフィアの頂点に立ったマイケル・コルレオーネの冷酷な決断と、父・ヴィトーの若き日の苦闘が交錯しながら描かれる。権力を継承する者の孤独と、家族を守るために失うものの大きさが際立つ名作。

ここがおすすめ!

『アウトレイジ』と同じく“誰も救われない”厳しい世界観と、登場人物の非情な決断が胸に刺さる。複雑な人間関係、静かに進行する狂気、そして皮肉なラスト。マフィア映画の頂点にふさわしい一作です。

極道の妻たち

この映画を一言で表すと?

男たちが戦う裏社会で、そのすべてを背負った“女たち”の生き様。

どんな話?

抗争や刑務所、裏切りといった極道社会の中で、夫や組のためにすべてを懸ける女たち。男社会に翻弄されながらも、誇り高く生き抜く彼女たちの姿を骨太に描いた、東映任侠路線の代表作シリーズ。

ここがおすすめ!

アウトレイジとはまた違った“背中で語る”覚悟の美学が描かれます。女性が主役であることにより、極道の世界をより多面的に味わえる点も魅力。義理と情の交錯、そして暴力の果てにある誇りを感じられます。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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