オリヴィエは仕事と家庭の両方が充実し、幸せな日々を送っていた。そんなある日、妻のローラが突然家出してしまう。オリヴィエは妻が出て行った理由が分からないまま、子供達の世話と仕事に追われることになる。
映画『パパは奮闘中!』の作品情報
- タイトル
- パパは奮闘中!
- 原題
- Nos Batailles
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2019年4月27日(土)
- 上映時間
- 99分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
- 監督
- ギョーム・セネズ
- 脚本
- ギョーム・セネズ
ラファエル・デプレシャン - 製作
- ダビド・ティオン
フィリップ・マルタン - 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- ロマン・デュリス
ロール・カラミー
レティシア・ドッシュ
ルーシー・ドゥベイ
バジル・グランバーガー
レナ・ジェラルド・ボス
サラ・ル・ピカール - 製作国
- ベルギー・フランス合作
- 配給
- セテラ・インターナショナル
映画『パパは奮闘中!』の作品概要
長編デビュー作『Keeper』で20以上の映画賞を受賞している業界大注目の新鋭、ギョーム・セネズが監督を務めた作品。本作は「2018年カンヌ国際映画祭・批評家週間部門」に選出されており、高い評価を受けている。突然妻に出て行かれた男が、育児と仕事に奮闘する姿が描かれている。主演を務めたのは、フランス出身の俳優ロマン・デュリス。主人公の子供であるエリオットとローズは、オーディションから選ばれた子役が起用されている。
映画『パパは奮闘中!』の予告動画
映画『パパは奮闘中!』の登場人物(キャスト)
- オリヴィエ(ロマン・デュリス)
- オンライン販売の倉庫で働いている。不器用な人物。妻が突然家出したことにより、子供達の世話と仕事に追われる。
- ローラ(ルーシー・ドゥベイ)
- オリヴィエの妻。夫と子供達を残し、家を出て行ってしまう。しばらくして、故郷のヴィッサンから家族の元に手紙を送る。
映画『パパは奮闘中!』のあらすじ(ネタバレなし)
オリヴィエはオンライン販売の倉庫で働いていた。結婚をしており、妻のローラと子供達と幸せな日々を過ごしていた。仕事も家庭も充実していたある日、ローラが突然家を出ていった。オリヴィエは突然降りかかった子供達の世話と仕事の両立に悪戦苦闘する。子供達に何を着せればいいのか分からず、食事を満足に作ることもできなかった。
子供達は母を恋しがり、オリヴィエはローラの行方を捜した。オリヴィエがいくら考えても、ローラが出て行った理由が分からなかった。周囲の助けを借りながら何とか生活していたある日、ローラから手紙が届いた。
オリヴィエは子供達との関係、仕事のこと、ローラが出て行った理由に苦悩しながら、現状を打破しようともがき続けた。
映画『パパは奮闘中!』の感想・評価
オリヴィエの奮闘
主人公のオリヴィエは、結婚し仕事を頑張るごく普通の男性である。そんなオリヴィエであるが、妻が出て行ったことにより家事や育児をしなければならなくなる。食事を満足に作ることができず子供達に何を着せればいいのか分かっていない様子から見ても、普段は家庭のことは妻に任せっきりだったことが伺える。
子供達は妻を恋しがり、周囲からは妻に出て行かれた男という目で見られる。オリヴィエはそんな状況に苦悩しながらも、子供達の世話を行い関係を深めようとしている。どこか不器用な部分がありながらも真面目な男性なので、観客達は彼のことを応援したくなると思う。オリヴィエがどのように現状を打破するのか、彼の頑張りに注目してもらいたい。
業界大注目、ギョーム・セネズ監督の長編映画2作目
本作で監督を務めたのは、ベルギー出身のギョーム・セネズである。ギョーム・セネズは長編映画監督デビューを飾った『Keeper』で、20以上の映画賞を受賞している業界大注目の新鋭監督である。長編映画2作目となった本作も、「2018年カンヌ国際映画祭・批評家週間」に出品され高い評価を受けた。
ギョーム・セネズと共に執筆を担当したのは、ラファエル・デプレシャンである。ラファエル・デプレシャンは父の死を受け入れるまでの少年の冒険を描いた『チャーリーとパパの飛行機』(05)や落ちぶれたプロデューサーの奮闘する姿を描いた『さすらいの女神たち』(10)などの作品に携わった人物である。日本ではあまり知られていないかもしれないが、2人共ヨーロッパを中心に活躍しており、評価が高い作品を手がけている人物である。
ロマン・デュリス主演作
主演を務めたのは、フランス出身の俳優ロマン・デュリスである。『真夜中のピアニスト』(05)や『タイピスト!』(12)などの作品に出演しており、フランス国内に留まらず世界的に見ても知名度を伸ばしつつある俳優である。『真夜中のピアニスト』ではピアニストである実の姉の指導を受け、役作りに取り組んでいる。本作は今までとはまた一味違った平凡な男性を演じているのだが、自然な演技は批評家からも最高の演技と絶賛された。
父子の関係を描いた作品は、『クレイマー、クレイマー』(1979)や『幸せのちから』(06)など数多く存在している。現代を舞台に父子の関係を描いた本作は、そんな名作に負けない愛と感動に満ちた作品となっている。レティシア・ドッシュやロール・カラミーなどフランスを中心に活躍する俳優&女優達が脇を固め、オーディションから選ばれた子役達が魅力的な物語を生み出している。
映画『パパは奮闘中!』の公開前に見ておきたい映画
真夜中のピアニスト
ロマン・デュリスの代表作。1978年にアメリカで制作された、ハーベイ・カイテル主演の『マッド・フィンガーズ』のリメイク作品。「第31回セザール賞・最優秀作品賞」や「第59回英国アカデミー賞・外国語作品賞」を受賞するなど、国内外問わず高い評価を受けた作品。ロマン・デュリスは主役のトム・セールを演じた。
28歳のトムは父の跡を継ぎ、友人のファブリス、サミと一緒に犯罪すれすれの不動産ブローカーとして働いていた。だが、本当は亡き母と同じようにピアニストになるのが夢だった。そんなある日、かつての恩師と再会する。トムはピアニストになるという夢を叶えるため、ミャオリンの元で練習を行った。そんな彼に様々な困難が降りかかる。果たして、トムは夢を叶えることができるのだろうか?
詳細 真夜中のピアニスト
幸せのちから
父子の関係を描いた作品。実在の人物、クリス・ガードナーの半生を元に制作された作品。ウィル・スミスが主人公を演じ、ウィル・スミスの実の息子であるジェイデン・スミスが息子役を務めた。ウィル・スミスはナレーターも担当している。ガブリエレ・ムッチーノ監督は本作でハリウッドデビューを果たした。
クリス・ガードナーは野心溢れるセールスマンだったが、なかなか仕事は思うようにいかなかった。家賃が払えないほど困窮し、愛想を尽かした妻は息子を連れて出て行った。クリスは息子を連れ戻すが、立ち退きを命じられたため家で暮らすことはできなかった。帰る家も食べ物を買うお金もなかった。最悪な状況の中で、クリスは最後のチャンスに懸けた。それは、超一流企業への就職だった。
詳細 幸せのちから
リトル・ダンサー
父子の関係を描いた作品。1人の少年がバレエダンサーを目指す様子が描かれている。キャッチコピーは「僕がバレエダンサーを夢見てはいけないの?」。テレビや舞台の演出を手掛けてきたスティーブン・ダルドリーの長編映画監督デビュー作。『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』の題で、日本で舞台化されている。
ビリー・エリオットは父がボクシング好きだったため、ボクシングジムに通っていた。だが、ビリー自身は殴り合うことが好きではなく、ボクシングにのめり込むことはなかった。そんなある日、ジムの片隅でバレエ教室が開催された。ビリーはバレエに興味を持ち、コーチのウィルキンソン夫人の指導の下こっそり練習を重ねた。そのことが父にバレてしまい、親子関係がギクシャクしてしまう。
詳細 リトル・ダンサー
映画『パパは奮闘中!』の評判・口コミ・レビュー
『パパは奮闘中!』(邦題…)鑑賞。
普通の青年をやらせたらピカイチのロマン・デュリスが普通のパパ役を♡
子役たちが上手いし可愛いし、本当の家族の雰囲気だったなー。
ここのラッピングEV好きなんだけど、更にチョコも貰えたし得した気分🍫 pic.twitter.com/eGr8q1F7Ye— yuzu (@yuzumetro) 2019年4月27日
「パパは奮闘中!」新しい映画で面白かった。高失業率のフランスにて、デュリス演じる父は家庭を顧みなかったのではなく顧みることが出来なかったのではと思わせておいて、家庭より職場の人々の権利を優先したがゆえの問題なのかと思わせておいて、彼が見過ごしていた大きなある事に辿り着くという話。
— yako (@yako802) 2019年4月27日
■『パパは奮闘中!』コメント■
家族、仕事、夫婦、男女。
生活の中にある全ての問題に向き合わなければいけないそれぞれの現実…。それでも進んでいく父親の姿に胸を打たれました。黒木華さん(女優) pic.twitter.com/DKJMq99cyC
— 映画『パパは奮闘中!』 (@papa_funto) 2019年4月27日
映画『パパは奮闘中!』のまとめ
主人公であるオリヴィエの妻が出て行った理由は明かされていないが、予告編で泣いている場面が映し出されていたため辛い思いを抱いていたのではないかと推察される。オリヴィエは妻が出て行った理由も分からず、慣れない子供達の世話に忙殺される。オリヴィエを演じたロマン・デュリスの自然な演技が魅力的で、もがき苦しみながらも子供達に深い愛情を持っているのが伝わってくる。主人公の子供を演じた子役達の演技も上手く、母を恋しがる様子は胸を打つ。涙なくしては見られない、深い愛情が感じられる作品だと思う。
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