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映画『ペーパー・ムーン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ペーパー・ムーン』の概要:詐欺師のモーゼとしっかり者の少女アディは、詐欺で稼ぎながら旅を続けるうちに、本当の親子のようになっていく。主演のライアン・オニールと少女アディを演じたテータム・オニールは本物の親子で、息のあった演技を見せている。当時10歳だったテータム・オニールは、この作品でアカデミー助演女優賞を受賞した。

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映画『ペーパー・ムーン』の作品情報

ペーパー・ムーン

製作年:1973年
上映時間:103分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:ピーター・ボグダノヴィッチ
キャスト:ライアン・オニール、テイタム・オニール、マデリーン・カーン、ジョン・ヒラーマン etc

映画『ペーパー・ムーン』の登場人物(キャスト)

モーゼ・プレイ(ライアン・オニール)
亡くなった夫からの贈り物だと言って未亡人に聖書を売り歩いている詐欺師。お釣りをごまかす詐欺なども働く。昔付き合ったことのあるアディの母親の葬儀に出席し、アディをセントジョーゼフの叔母さんのところまで送ることになる。
アディ・ロギンス(テータム・オニール)
父親の顔を知らない9歳の少女。母親が事故で急死し、モーゼと旅することになる。顎の形が似ているモーゼを、自分の父親ではないかと疑っている。非常にしっかりした少女で、頭もいいし、タバコも吸う。
トリクシー・デライト(マデリーン・カーン)
見世物小屋でストリッパーをしていたが、団長と揉めてモーゼの車に乗り込んでくる。5ドル貰えば、誰とでも寝る。男を食い物にする悪女だが、憎みきれない一面もある。トイレが異常に近い。
イモジン(P・J・ジョンソン)
トリクシーの付き人をしている15歳の黒人少女。トリクシーに騙され、タダ同然でこき使われている。アディと意気投合する。

映画『ペーパー・ムーン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ペーパー・ムーン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ペーパー・ムーン』のあらすじ【起】

アメリカ中西部の田舎町で、自動車事故で急死したロギンスの葬儀が営まれていた。葬儀に出席しているのは、9歳になる娘のアディと近所の女性2名のみだった。そこへ、ロギンスの元恋人だったモーゼがやってくる。

モーゼが車でセールスをしていると知り、女性たちは、アディをミズーリ州にいる叔母さんのところへ送り届けて欲しいと頼む。アディはその叔母さんと一面識もなかったが、身内はその人しかいない。モーゼは女性たちに押し切られ、仕方なくその役を引き受ける。

詐欺師のモーゼは、アディを利用し、事故を起こした自動車の運転手の兄から200ドルをせしめる。そのお金で車を買い替え、アディを乗せる汽車の切符を買う。アディには20ドル渡し、叔母さんにも電報を打っておく。

出発まで時間を潰していたカフェで、アディはモーゼに“パパなの?”と聞く。2人は顎の形が似ており、アディはモーゼがまだ顔を知らない自分の父親ではないかと睨んでいた。しかしモーゼは、それを全面的に否定する。するとアディは、“父親でないならさっきの200ドルを返せ、返さないなら警察に訴える”とモーゼを脅し始める。すでにお金を使ってしまったモーゼは、今から稼いで200ドルを返済するよう言われ、嫌々ながらアディと旅を続けることになる。

モーゼは、新聞の死亡欄で急死した男性と喪主の妻の名前を調べ、未亡人を訪ねて名前入りの聖書を売りつける詐欺で稼いでいた。たいていの未亡人は、自分の名前が入った夫からの贈り物を喜び、7ドル程度のお金なら払ってくれる。アディは大人びた頭のいい少女で、すぐに詐欺の仕組みを理解する。

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映画『ペーパー・ムーン』のあらすじ【承】

ある日、いつものように聖書を売りつけに行くと、家の中から未亡人と保安官が出てくる。保安官はモーゼを怪しみ、厳しい質問をぶつけてくる。しどろもどろになっているモーゼを、アディが名演技で救い、その気になった保安官から12ドルも巻き上げてしまう。モーゼはアディの腕を認め、詐欺の相棒になってもらう。

可愛い少女を演じるため、モーゼはアディにリボンを買ってやる。支払いの時、モーゼがお札の両替をしてお釣りをちょろまかすという詐欺を働き、アディはその方法もすぐに理解する。

詐欺を働く時、アディは相手をよく観察して懐具合を探り、即座に的確な値段を口にする。アディは、貧乏そうな人からは決してお金を取らず、金持ちそうな人には遠慮なく高値を吹っかける。アディと組んだことで稼ぎは良くなり、お金は305ドルにまで増える。アディはママのわずかな形見を入れた道具箱でお金を管理しており、モーゼもそれに文句は言わない。2人はよく口喧嘩をしたが、それなりにうまくやっていた。

モーゼが外で女の人と遊んで帰ると、アディは不機嫌になる。憎まれ口ばかり叩いているが、アディは内心“モーゼがパパだといいな”と思っていた。アディは、モーゼの気を引きたくて、ママの香水をつけたり、スカートを履いたりする。しかしモーゼは無反応だった。

2人はカーニバルへ寄り、アディはそこで紙のお月様に座って記念写真を撮る。本当はモーゼと一緒に撮りたかったが、モーゼは見世物小屋に夢中で、アディの相手をしてくれない。見世物小屋では、ミス・トリクシー・デライトという女性のストリップが披露されていた。

映画『ペーパー・ムーン』のあらすじ【転】

翌日、団長と揉めて見世物小屋を出てしまったトリクシーは、図々しくモーゼの車に乗り込んでくる。イモジンという付き人の黒人少女も一緒だった。助手席をトリクシーに奪われ、アディは面白くない。

トリクシーに愛されていると思い込んだモーゼは、彼女の言いなりになる。アディは後部座席に座らされることも、モーゼが仕事をしないことも不満だった。“彼女が車を降りなきゃ、私は行かない”と言い出したアディに、トリクシーは“やがて終わるから安心して”と話す。アディはそれで機嫌を直すが、モーゼが勝手に道具箱のお金で新車を買ってきたのを見て、2人を別れさせる方法を考える。

アディは、トリクシーにこき使われているイモジンを30ドルで買収し、トリクシーがホテルのフロントマンと浮気をするよう仕向けていく。作戦は見事に成功し、トリクシーの浮気現場を目撃したモーゼは、トリクシーを残してアディと出発する。

片田舎のホテルに宿泊した2人は、ロビーで酒の密売人らしき男を見つける。1935年当時のアメリカでは、禁酒法によって酒の売買は禁止されていた。残金が212ドルになってしまった2人は、密売人の酒を密かに盗み出し、それをまた密売人に売りさばくという危険な詐欺を実行する。

モーゼは密売人と商談をまとめ、密売人の酒を盗んで、それを625ドルで売る。取引の後、すぐにミズーリ州へ逃亡しようとするが、なぜかパトカーに車を止められる。中から出てきた保安官は、取引のことを全て把握していた。モーゼは必死でとぼけるが、警察署に連行されてしまう。

モーゼを逮捕した保安官は密売人の弟で、2人は厳しい取り調べを受ける。アディは機転を利かしてお金を帽子の中に隠していたが、見つかるのも時間の問題だ。アディは保安官が食事へ出た隙に、車の鍵を手に入れ、トイレへ行くふりをしてモーゼと逃亡を図る。

映画『ペーパー・ムーン』の結末・ラスト(ネタバレ)

パトカーの追跡を振り切り、2人は山の中にある農家まで逃げる。モーゼは農家のおじさんに“車を交換してほしい”と頼む。新車とボロボロの農業用トラックを交換したいと言っているのに、農家の息子たちは納得しない。モーゼは息子とレスリングで決着をつけ、オンボロトラックを手に入れる。

ブレーキが効かないようなトラックを何とか動かし、2人はついにミズーリ州に入る。ミズーリ州に入れば、密売の罪で逮捕されることはない。しかしアディは、セントジョーゼフが近づくにつれ、さみしい気持ちになっていた。

837ドルの現金を手にしたモーゼは、銀山を買うことにする。取引する相手と約束をし、モーゼは現金を持って出かけていく。アディは30分後に、そこへ行く予定になっていた。ところが、ホテルの前では保安官たちが待ち伏せしており、モーゼは散々痛めつけられ、現金を奪われてしまう。

取引場所へ来たアディは、モーゼが自分を呼んでいる声を聞く。取引相手は、しびれを切らして帰ってしまった。アディが声のする方へ行ってみると、傷だらけになったモーゼが倒れていた。全てを失くして落ち込んでいるモーゼを、アディは“また一緒に聖書を売ろう”と励ます。しかしモーゼは、アディを叔母さんの家へ送り届けるつもりだった。

叔母さんはとても優しそうな人で、家も大きかった。アディはトラックの中に自分の写真を残し、玄関へと向かう。最後に“本当にパパじゃないの?”と聞いてみるが、モーゼは“パパじゃない”と答えて、トラックで行ってしまう。

アディが来たことを、叔母さんはとても喜んでくれる。この家には、アディの夢だったピアノもある。しかしアディの頭の中は、モーゼのことでいっぱいだった。

トラックを停車させたモーゼは、アディの残した写真に気づく。写真を見つめながら、モーゼはしばらく考え事をする。モーゼも旅を続けるうちに、アディに愛着が湧いていた。モーゼは、その想いを断ち切るように、出発しようとする。ところが、バックミラーには向こうからやってくるアディの姿が映っていた。

モーゼは車から降りて、“もうごめんだと言っただろう!”とアディを叱るが、アディは“まだ200ドル貸しよ”と反撃する。しかしアディの表情は、どこか不安げだった。その時、トラックが勝手に動き出し、2人は急いでトラックを追いかける。2人を乗せたトラックは、そのまま坂道を走っていくのだった。

映画『ペーパー・ムーン』の感想・評価・レビュー

ジョー・デヴィッド・ブラウンの小説『アディ・プレイ』が原作。両親のない9歳の少女と聖書を売りつける詐欺師の二人による珍道中物語。
ティタムが普通にタバコを吸うシーンが様になっていてかっこよく、かと思えばふと見せる笑顔は子どもらしくて可愛げがある。彼女の大人顔負けの演技が素晴らしい。
ラストで、再び彼女らが旅に出るというロードムービーらしい終わり方がとても良かった。
モノクロなところが想像を掻き立てられて良い。多くの人に語り継がれるべき作品。(女性 20代)


アメリカン・ニューシネマの中でも心温まるシーンがたくさんあるので比較的見やすい。オープニングが古典映画のような懐かしさもありつつ、所々で垣間見える哀愁やアウトローチックなところはやっぱりあの時代の映画だなと思った。

ライアン・オニールと娘のテイタム・オニールの愛らしいコラボレーションに癒される。堂々としたクライム映画としても楽しめるし、コメディでもあるしドラマでもあり、忘れられない一作になるに違いない。(女性 20代)

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みんなの感想・レビュー

  1. はなちゃん より:

    20年位前にレンタルビデオで鑑賞しました。情感に訴えてくる作品と知らず、巡り会えた作品でした。
    じんわり涙の出る映画でした。全シーンの底辺に貫かれている’愛’が伝わってきます。
    あらすじを書いてくれている”mihocinema”さんの文を読んでいても泣けました。
    …本当はモーゼを写真をとりたかったのだ…
    まさに、『ペーパームーン』
    本当でも偽物でも真実こそが愛
    眼の前に広がるまっすぐな地平線の向こうに、山あり谷ありの二人の行く末に安堵を
    覚えます。

  2. クラ より:

    数か月前NHK-BSに録画していたものをついさっき(…)見ました。
    テイタム・オニールは一時日本でもTV-CMに出たり、もてはやされていた記憶が。
    ジョン・ボンジョヴィとの熱愛報道もあったと思います。

    9歳にしてこの演技力。
    彼女の全盛期、美人でもないのに何でここまで持ちあげられているの?と思っていましたが、やっと納得しました。
    その後の波乱万丈な人生に感慨深いです。
    子役から大人の女優への華麗なる飛躍を遂げることに成功したジョディ・フォスターのように、もっと彼女の演技が見たかった。

  3. yukimichi120 より:

    もう、35年ほど前にTVの深夜放送で見ました。
    当時はこの映画が古いものなのか、
    わざと古く作っているのかさえ分からなかったのですが、
    妙に感動した記憶があります。

    今でもたまにレンタルで借りて見ますが、
    なんというか懐かしい感じがしてとても好きです。

    『ピアノ買える?』
    『工場ごとだ!』のやり取りが好きです。

  4. かぴ より:

    NHKを録画して見ました。有名な映画とは知っていましたが、長い間何故か見るにいたらず今回が初めてとなりました。見てよかったです。主人公のアディがとても魅力的でした。子供だけど子供じゃない、こういう大人びた一面が子供にはあることが上手に表現されているいい映画だと思いました。大人びているくせにモーゼを父なんじゃないかと思うところは子供の心だから家がないとかお金がないとか、そういった事はアディにとって問題ではなかった。子供は無条件に親が好き、というような純粋な気持ちだから一生懸命走って追いかけてきたんだろうと想像します。

  5. ケプラー より:

    今日、NHK-BSでやるので、その前にあらすじを見て「見る価値があるかどうか」を確かめるために、このサイトを読みました。
    で、結論は、NHK-BSの放送を見るのをやめます。(まだ放送前です)
    確かに、名作と言えるほどのストーリーではないですし・・・。

    特に、ラストの
    >再び男の元に戻ることは意味がないのだが、少女は敢えて彼の元に戻る。

    ・・・なんて、非現実的で馬鹿馬鹿しい話ですね。
    有り得ないでしょ。
    私はリアリティの無い映画はまるで好きじゃないので、この映画は見るだけ時間の無駄だと感じました。
    事前にストーリーがわかって良かったです。

  6. 匿名 より:

    この映画はラストシーンが見所であろう。
    金のなくなった男が少女を本当の叔母に引き渡すのだ。
    この叔母が金持ちで、しかも優しい。
    再び男の元に戻ることは意味がないのだが、少女は敢えて彼の元に戻る。

    それなりの贅沢や将来の安定が約束されているのに、男と共に過ごした時間が愛着を持たせているのだろう。
    ここにぐっとくるか、何故?と思うか好き嫌いが分かれるところでもある。
    鑑賞者によって感想が変わりやすい作品である。
    個人的には良い終わり方であったとは思うが、アメリカ映画にありがちであるというイメージ。