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映画『パラダイス・ネクスト』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『パラダイス・ネクスト』の概要:数々の映画音楽を手掛けてきた半野喜弘が監督と脚本を初めて手掛けた一作。妻夫木聡と豊川悦司をダブル主演として迎え入れ、孤独な男達の運命が交差する様子を描いている。

映画『パラダイス・ネクスト』の作品情報

パラダイス・ネクスト

製作年:2019年
上映時間:100分
ジャンル:アクション、サスペンス、フィルムノワール
監督:半野喜弘
キャスト:妻夫木聡、豊川悦司、ニッキ―・シエ、カイザー・チュアン etc

映画『パラダイス・ネクスト』の登場人物(キャスト)

牧野(妻夫木聡)
過去に自分が犯した過ちに囚われ続けている男。台北の町まで逃げてきたが、日本人のある男とその組織に追われている。島に言い寄るが、ある事件のことを打ち明けられずにいた。
島(豊川悦司)
過去に依頼を受けボディーガードをしていた女性を守り切れず、責任を感じている男。台北の町に逃げるように身を寄せていたが、牧野と出会い過去の苦い記憶を掘り返される。
シャオエン(ニッキー・シエ)
牧野と島が偶然立ち寄ったバーを手伝っていた女性。画家の母親が日本に住んでいたこともあり、日本語が話せる。島がボディーガードをしていた女性と瓜二つである。

映画『パラダイス・ネクスト』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『パラダイス・ネクスト』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『パラダイス・ネクスト』のあらすじ【起】

台湾・台北に身を寄せる牧野は何者かに追われ、命を狙われている。自宅として使っていた一室で追っ手に襲われた牧野は、間一髪のところで逃げ出し、逃走に成功した。

荷物一つで町に出た牧野。目的地はある食堂である。そこで先に食事をしていた島という男を見つけ、馴れ馴れしく日本語で話しかける。島と同じメニューを注文した牧野だが、無口な島は目線も合わせてはくれない。

旧知の友人のような振る舞いで「俺のこと覚えてない?」と問いかける牧野だが、島には身に覚えがなかった。牧野は「アンタの救世主だ」と笑いかけ、島の自宅に上がり込むのだった。

牧野を警戒する島だが、仲間との食事会にも参加させた。「歓迎会」だと思い込む牧野は舞い上がり、浮かれて島に話しかける。無口な島には牧野に伝えていないある過去への確執があった。

島は台北を取り仕切る裏社会のボス・ガオの下で働いていた。ガオを紹介してくれたのは日本に住んでいた頃に世話になっていた加藤というヤクザである。久しぶりに島の元を訪ねて来た加藤は、牧野を探しているようで、見つけたら殺すように島に命令した。

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映画『パラダイス・ネクスト』のあらすじ【承】

島は牧野が知っていることを吐かせようと手を上げるが、「あのパーティー会場にいた」ということしか牧野から聞き出せなかった。ガオは加藤の動きを不審に思い、島に台北から離れるように諭すのだった。

牧野を連れて台北を離れた島は、台湾東海岸の町・花蓮に身を隠した。豚の解体業を営むようにガオに指示された島。最初に託された豚の体内から一丁の拳銃を見つけ、ガオの意図を汲んだのだった。

休憩がてらに寄ったバーで日本語を話すことができるスタッフ・シャオエンと出会う。島は自分が起こした事件で命を落とした女性・シンルーとシャオエンがそっくりで、島は目を背けた。

ガオが手配した家には、借金取りに追われる父娘が住み着いていた。急遽バーに戻りシャオエンに通訳をしてもらう。島と牧野は父娘の事情を知り、家を譲ることにした。シャオエンの働くバーで一晩過ごした二人は、バーのオーナーの口利きでシャオエンの自宅で寝泊まりできることになった。

映画『パラダイス・ネクスト』のあらすじ【転】

シャオエンは町のはずれの豪邸に一人で暮らしている。父親が亡くなり、画家の母親は日本に住んでいるはずだが音信不通だという。防犯システムが完備された豪邸で、ひとり絵を描きながら暮らしていたシャオエン。以前、少しだけ日本に住んでいたことを牧野に話すのだった。

シンルーにそっくりなシャオエンが身近に居ることで、島は連日悪夢に襲われていた。親切にしてくれるシャオエンにもそっけない態度を取ってしまい、単独行動を続けていた。

一方で無邪気な牧野はシャオエンとの距離をうまく縮めていく。二人で買い物に行った日、大雨にあたり雨宿りをしながらシャオエンに中国語を習うのだった。

ある夜、シャオエンは島に並んで煙草を吸おうとするが、無言で止められてしまう。あまりにも笑顔を見せない島に「私たちには今があるだけで十分」とそっと声を掛け、先に眠りにつくのだった。

牧野は島がシンルーの横で微笑んでいる1枚の写真を見て、パーティーの夜を思い返していた。島を見送ったシンルーに毒入りのシャンパンを手渡したのは牧野だったのである。

映画『パラダイス・ネクスト』の結末・ラスト(ネタバレ)

徐々に打ち解け始めた島に、シャオエンは「楽園に行きたい」と申し出た。島の運転で海に向かった三人。しかし、その先には加藤が雇っていた殺し屋・346が待ち構えていた。そうとは知らず、遠出を楽しむ三人。単独行動をしたシャオエンはいつまでたっても戻らず、島と牧野は暗くなるまで探していた。

車に戻った牧野は、後部座席が花で埋められていることに気付く。その中にはシャオエンが眠るように亡くなっていた。シャオエンの遺体を乗せたまま、車を走らせた島と牧野。途中で、牧野は表情を曇らせながら「あのパーティー」について口火を切った。

加藤に依頼され、毒入りのシャンパンをシンルーに渡したことを島に明かした牧野。感情的になって手を上げた島だが、罪の意識から逃れられず苦しむ牧野を殺すことはできなかった。

車に忍び込んできた346に気付いた島。「なぜ彼女まで殺した?」と346に問いかけるが答えを聞く前に、ガオから託された銃で撃ち殺した。346の死体を乗せたまま、翌朝二人は車を燃やした。

牧野はシャオエンの遺体を小さなボートに乗せ「楽園」を目指すと言い、海に出た。島は何も言わず見送るが、涙ながらに笑顔を見せる牧野の方に銃を向け、目をつぶったまま何発か銃弾を撃つのだった。

映画『パラダイス・ネクスト』の感想・評価・レビュー

全編を通して湿度の高い作品であった。しかし、物語の収め方が実にコンパクトである。オール台湾ロケで臨んだという今作。せっかくの大事なシーンが仄暗く見づらいのが実に残念であった。だが、得体の知れない牧野という男を演じた妻夫木聡の艶めかしさと、無骨な豊川悦司のバランスは秀逸である。ジャ・ジャンクーなどの名作で映画音楽を手掛けていた半野喜弘の監督作という点で興味を持つには良い塩梅の作品か。(MIHOシネマ編集部)

みんなの感想・レビュー

  1. MIHOシネマ編集部 より:

    ご指摘ありがとうございます。
    誤字を修正いたしました。

  2. ksd より:

    意図を組んだ → 意図を汲んだ