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映画『ペレ 伝説の誕生』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ペレ 伝説の誕生』の概要:“サッカーの王様”ペレの半生記を描いた伝記的映画。最年少でワールドカップの代表選手となり10番を背負ったペレと、彼を支えた家族や友人達との思い出がドラマチックに明かされる。

映画『ペレ 伝説の誕生』の作品情報

ペレ 伝説の誕生

製作年:2016年
上映時間:107分
ジャンル:スポーツ、伝記
監督:ジェフリー・ジンバリスト、マイケル・ジンバリスト
キャスト:ケヴィン・ヂ・パウラ、レオナルド・リマ・カヴァーリョ、セウ・ジョルジ、マリアナ・ヌネス etc

映画『ペレ 伝説の誕生』の登場人物(キャスト)

ペレ / エドソン・ヂッコ・ナシメント(ケヴィン・ヂ・パウラ)
サッカーが大好きで毎日仲間とサッカーをしながら遊んでいたが、学業に専念して欲しいと願う母の気持ちに応え、サッカー選手の夢を諦める。父親は元プロサッカー選手。
ジョゼ・アルタフィーニ(ディエゴ・ボネータ)
ペレの母が仕える富豪の息子。サッカーに専念する環境が整っており、苦労なくプロチームへ加入。ヂッコに「ペレ」というあだ名を付けて馬鹿にしていた。
フェオラ監督(ヴィンセント・ドノフリオ)
ペレやジョゼが所属するチームの監督。ブラジルの優勝を期待されており、そのプレッシャーから選手達に厳しい練習を課す。ペレが得意とするブラジリアン・サッカーの代名詞、ジンガを禁止し、ヨーロッパ式のプレイスタイルを強要する。

映画『ペレ 伝説の誕生』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ペレ 伝説の誕生』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ペレ 伝説の誕生』のあらすじ【起】

1950年、サッカーワールドカップブラジル大会決勝。ブラジル国内は熱気と緊張感に包まれていた。ウルグアイと自国が1対1の接戦を繰り広げる中、少年ヂッコと弟のゾカは、親の目を盗んで試合の行方を見守っていた。結果はウルグアイの勝利。自国開催のワールドカップで2位になるという失態を犯したチームは批判され、試合を観戦していたヂッコ達の父は悔しさのあまり涙を流す。そんな父の姿を見たヂッコは、将来はサッカー選手になって自分がブラジルを優勝させると約束したのだった。

ワールドカップが終わり日常に戻ったヂッコは、母と共にアルタフィーニ家の雑用として働いた。スラム街に暮らすヂッコ家族は、金持ちの家や病院で奴隷のように雇われていたのだ。サッカーのクラブチームに所属しているアルタフィーニ家の息子ジョゼは、ヂッコがヴァスコのGKビレを「ペレ」と言い間違えたことをからかい、彼を「ペレ」と呼んで馬鹿にするようになる。

ヂッコをはじめスラム街に暮らすサッカー好きの少年達は、ジョゼや金持ちの子供達の鼻を明かしてやろうと地元のサッカー大会にこっそりと出場。ボロ切れをつなぎ合わせて揃えたユニフォームをまとい、裸足で雇い主の子供達と対決した。試合を観戦していたプロサッカーチームのスカウトマンは、ハットトリックを決めるヂッコに釘付けだった。スカウトマンはペレの父親に名刺を渡し、是非チームに参加するよう訴えた。

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映画『ペレ 伝説の誕生』のあらすじ【承】

金持ちの子供達との試合に勝ったヂッコらが喜ぶのも束の間、前日にスパイクシューズの購入資金にしようと盗んだピーナッツの持ち主達が、彼らを捕まえに来た。ヂッコや友人達は懸命に逃げたが、逃走の途中で不慮の事故遭い、チアゴという少年が死んでしまう。目の前で友人を亡くしたヂッコは母に全てを告白。母は、サッカーに傾倒するのではなく、真面目に働いて地道にお金を稼ぐよう彼を慰めた。

父と共に働きに出たヂッコは、友人の死や母との約束でサッカーができなくなってしまった。元サッカー選手である父親は、そんな息子を少しでも元気づけようと休憩中にサッカーでコミュニケーションを図る。しばらくは落ち込んだままのヂッコだったが、時が経つにつれサッカーを楽しめるようになっていった。

青年となったヂッコは、父と共に人目を忍んでサッカーに興じていた。ある時母は、ヂッコが夫と共にパパイヤでリフティングしている姿を見てしまう。息子のサッカーに対する気持ちを改めて知った母は、かつて渡されたスカウトマンの名刺を引っ張り出し、ついに連絡をしたのであった。

スカウトマンのヴァウデマール・デ・ブリートは、自身のチームにヂッコを加入させた。

映画『ペレ 伝説の誕生』のあらすじ【転】

プロチームに加入したヂッコだったが、彼が得意とするブラジリアン・サッカーの象徴「ジンガ」は、監督のフェオラから厳しく禁止された。1950年のワールドカップでの敗因が、古い技術であるジンガスタイルでプレーしたからだと仮定していたためだ。得意のプレーを矯正されたヂッコは気持ちが折れてしまい実家に帰ろうとしたが、デ・ブリートから「君の中のジンガは強い」と背中を押され、練習試合でジンガスタイルを披露。ハットトリックを決めると、監督やチームメイトからも認められるようになった。

ヂッコの得点数は凄まじく、1958年のワールドカップに最年少で出場することとなった。しかし、同じチームに所属するジョゼやブラジル国民の総意では、ジンガスタイルを否定されてしまう。そうした意見に対し躍起になったヂッコは、レギュラー選考の試合でジンガスタイルのプレーをし、結果として膝を故障してしまった。

ヂッコは膝の治療を施しながら、本意でないプレーでワールドカップ予選を勝ち上がっていった。ヂッコがフィールドに立つと大ブーイングが起こったが、怪我で出場できなくなったジョゼに「君のジンガは美しい」と初めて励まされ、膝を労わりながらもハットトリックを決めチームを決勝へと導いた。

映画『ペレ 伝説の誕生』の結末・ラスト(ネタバレ)

これまでのジンガ批判から一転し、ヂッコの得点のお陰で大躍進を遂げたチームだったが、決勝戦を前にして緊張や不安から志気が下がっていた。ヂッコは彼らを元気づけようとドリブルでのリレーを提案。最初は乗り気でなかったチームメイト達だが、次第にサッカーが好きだという情熱を再認識してゆく。

本能のまま自由にボールと戯れる彼らを見たフェオラ監督は「これが私たちのサッカーだ、ジンガがある」とブラジリアン・サッカーの技術を認めた。志気が上がったチームは、真のブラジルを世界に見せつけようと決意し、スウェーデンとの決勝戦に臨んだ。

スウェーデンに先制点を許すも、ヂッコが猛進し鉄壁のディフェンスを打ち破った。ヂッコが得点を入れると、実況アナウンサーは「ブラジルが覚醒しました」と大熱狂。ジンガスタイルの美しいサッカーは観客を魅了し、「ペレ」とあだ名された選手は世界に認知された。1958年、ヂッコがペレという国宝になった年である。

映画『ペレ 伝説の誕生』の感想・評価・レビュー

サッカーへの関心が薄くとも「ペレ」の名前だけは聞き知っているほど、彼の知名度は高いだろう。とんねるずの木梨憲武がサインを書く際、「ペレ」とサインをするお約束のネタがある。ペレの知名度の高さから言って、おおよそ誰にでも通用する笑いである。この映画はペレがいかにして王様になったのか、その軌跡がドラマチックに描かれている作品だ。

ブラジルのシンデレラストーリーに心打たれること間違いなしである。(MIHOシネマ編集部)


素人の自分でもペレの名前は聞いたことがありますが、彼の偉業の知識は0のまま拝見しました。ジンガの誇り、ブラジルサッカーの美しさと強さ、映画と分かっていても夢中になって試合を見てしまいました。最初は夢を叶えるため、次はジンガの誇りのため、最後は仲間に誇りを伝播させるため、その都度覚醒するペレのシーンはどれも鳥肌物です。息子の夢を応援するために秘密の特訓を教える父や、厳しくも愛情深く育てた母といった両親の姿も非常に美しく思いました。(男性 20代)

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