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映画『フィラデルフィア』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『フィラデルフィア』の概要:不治の病のエイズが原因で不当に解雇された弁護士が自らの命を削りながら法律事務所を相手取って訴訟を起こす様子を描いたヒューマンドラマ。主演のトム・ハンクスは今作で初のアカデミー賞主演男優賞に輝いた。

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映画『フィラデルフィア』の作品情報

フィラデルフィア

製作年:1993年
上映時間:125分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ジョナサン・デミ
キャスト:トム・ハンクス、デンゼル・ワシントン、ジェイソン・ロバーズ、メアリー・スティーンバージェン etc

映画『フィラデルフィア』の登場人物(キャスト)

アンドリュー・ベケット(トム・ハンクス)
フィラデルフィア屈指の弁護士事務所に勤める敏腕弁護士。同性愛者でエイズに感染している。しかし、そのことは事務所には隠している。
ジョー・ミラー(デンゼル・ワシントン)
市民派の弁護士。同性愛者への偏見を抱いており、最初はベケットの依頼を断ってしまう。裁判を通じてそうした偏見を打ち破っていく。
チャールズ・ウィーラー(ジェイソン・ロバーズ)
ベケットが勤める弁護士事務所のトップ。ベケットがエイズであることを告知せずにいたことに怒り、不当解雇する。
ベリンダ・コーニン(メアリー・スティーンバーゲン)
ウィーラーに雇われた女性弁護士。冷徹に徹してベケットの私生活を暴き、裁判を有利に進めようとする。
ミゲール・アルヴァレス(アントニオ・バンデラス)
ベケットと付き合っているラテン系の恋人。ベケットへの献身的な愛を貫き、裁判中のベケットを精神面で支える。

映画『フィラデルフィア』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『フィラデルフィア』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『フィラデルフィア』のあらすじ【起】

建設訴訟を巡り、建設会社側弁護人ベケットと被告側弁護人ミラーは裁判官の前でお互いの主張に繰り広げる。その結果ベケットの主張が認められ、ミラーの訴えは退けられてしまう。その活躍が評価されたベケットはウィーラーに呼び出され、重要な裁判の担当を任される。しかし、その時に重役の一人がベケットの額にあるアザに気付くが、ベケットはラケットボールでケガをしたと言って誤魔化す。ベケットは体調を崩して病院に運ばれ、ミゲールが慌てて病院に駆け付ける。しかし病院で診察を受けている時に事務所から訴状が紛失しているとの連絡があり、ベケットは慌てて事務所に向かうことにする。

1か月余りが経った頃にミラーの元にベケットが尋ねて来る。そしてベケットは事務所を不当解雇で訴えたいと頼みに来る。実は訴状はギリギリで見付かったがベケットはそれを口実に解雇されていたのだ。しかし、ベケットはエイズが真の理由だと考えていた。ミラーは依頼を断り、ベケットからエイズが感染したのではないかと恐れる。そして、ミラーは妻に同性愛者に対する嫌悪感をあらわにする。

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映画『フィラデルフィア』のあらすじ【承】

図書館にいたミラーはそこでベケットがいるのに気付く。ベケットは図書館司書や周囲から偏見の目で見られていた。裁判の行方が気になったミラーはベケットに声を掛け、ベケットの主張をどう裏付けるのか尋ねる。そこでベケットはシミを見付けた重役が過去にエイズ患者と働いており、ベケットのエイズを見抜いたのだと説明する。更に過去のエイズ差別に対する判例を示す。そこでミラーはベケットの弁護士を引き受け、ウィーラーに召喚状を手渡す。

実家に帰省したベケットは、家族に訴訟で迷惑を掛けることを説明するが、家族はベケットをサポートしてくれる。裁判が始まり、ミラーは冒頭陳述でベケットが有能にも関わらず雇用主にエイズだと気付かれたために解雇されたと主張する。しかし、事務所が雇ったベリンダは雇用主がエイズだとは知らなかったと訴える。裁判はマスコミの注目を集め、ミラーは社会に同性愛への偏見が満ち溢れていることを実感する。証人尋問では同僚がベケットの体調がおかしいことに気付いていたことや、事務所には差別的雰囲気があったことなどを証言する。

映画『フィラデルフィア』のあらすじ【転】

ミラーはベケットの同僚に対して同性愛者か問い質し、ベリンダは異議を唱える。ミラーは同性愛者への偏見が裁判の空気を支配しているとして、同性愛者への嫌悪をさらけ出すことが大事だと主張する。アザに気付いた重役が証言台に立ってミラーの質問に応じ、過去に同性愛者の水兵を懲らしめた経験について話す。裁判の合間にベケットは盛大な仮装パーティーを開く。ミゲールが2人で楽しむ時間がないことに不満を抱いていたからだ。パーディーにはミラーも参加し、パーティー後にベケットの尋問の練習をしようとする。しかし、オペラに夢中になるベケットを見て家に帰ることにし、妻と子供を抱き締める。

ベケットが証言台に立ち、ウィーラーのことを尊敬していたことや、事務所に雇われたことが嬉しかったことなどを証言する。そしてウィーラーや重役が同性愛を冗談のネタにしているのを聞き、同性愛であることを告白しなかったと説明する。ベリンダは反対尋問で、ベケットが同性愛のポルノ映画館で見知らぬ男と関係を持った過去を暴く。更にベリンダはベケットのシミが今は見えないことを指摘する。

映画『フィラデルフィア』の結末・ラスト(ネタバレ)

ミラーはベケットへの追加尋問を行い、ベケットに体にシミがあることを証言させる。そして裁判長の許可を得て、陪審員の前でそのシミを披露させる。続いて、ウィーラーが解雇時にベケットのエイズを知らなかったと証言する。ウィーラーはベケットが期待の新人だったから雇ったが、期待通りの成果を残せなかったと説明する。ミラーがウィーラーへの反対尋問を始めるが、その最中に体調を崩したベケットが倒れてしまう。

ベケット不在で裁判は続けられる。そして重役の一人が、ベケットのエイズを疑っていたことを証言する。しかし、その疑いをウィーラーには共有しなかったと説明する。陪審員達は評議を始め、優秀とみなしていなかったベケットに重要案件を任せたのはおかしいと指摘する。そして陪審員は事務所にベケットに対する巨額の損害賠償の支払いを命じる評決を下す。ミラーは入院中のベケットの見舞いに訪れ、ベケットは感謝を口にする。その後、ベケットはミゲールに看取られて亡くなる。ベケットの親族や友人が集まって告別式が行われ、ミラーも家族を連れて参列する。

映画『フィラデルフィア』の感想・評価・レビュー

エイズをテーマにした重厚なドラマ作品。派手な演出を控え、静かな語り口で法廷劇が繰り広げられる。ミラーの同性愛者嫌いや、ベケットとウィーラーとの間で示されるお互いへの敬意の念といった描写を通じて、この作品が提起しているのが単純な善悪の問題ではなく、誰の心に宿る偏見だということが伝わってくる。オープニングとエンディングに流れるブルース・スプリングスティーンとニール・ヤングの名曲も胸を打つ。(MIHOシネマ編集部)

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