映画『クローサー(2004)』の概要:浮気や別離など4人の男女が織りなす恋愛模様を豪華キャストで描いたラブストーリー。『卒業』のマイク・ニコルズ監督がメガホンを握り、『レオン』のナタリー・ポートマンがストリッパー役を体当たりで演じている。
映画『クローサー』の作品情報
上映時間:103分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:マイク・ニコルズ
キャスト:ジュリア・ロバーツ、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、クライヴ・オーウェン etc
映画『クローサー』の登場人物(キャスト)
- ダン(ジュード・ロウ)
- 作家志望の記者。新聞の死亡欄を担当している。通りで偶然出会ったアリスに惹かれて交際を始めるが、アンナと浮気をしてしまう。
- アンナ(ジュリア・ロバーツ)
- 個展を開くなど成功を収めた写真家。ダンのいたずらでラリーと巡り会う。ラリーと結婚するが、ダンのために別れようとする。
- アリス(ナタリー・ポートマン)
- 男を捨ててニューヨークからロンドンにやって来たストリッパー。本名はジェーンだが、ロンドンではアリスと名乗る。
- ラリー(クライブ・オーウェン)
- 皮膚科医。性行為に執拗なこだわりを持っている。アンナを寝取ったダンに対して、巧妙な心理戦を仕掛ける。
映画『クローサー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『クローサー』のあらすじ【起】
ダンはロンドンで通りを歩いていて、交差点の向かいに立つアリスに見とれてしまう。交差点を渡ろうとしたアリスは車に跳ねられてしまい、ダンは慌てて駆け寄り、病院まで付き添う。アリスはニューヨークからロンドンに着いたばかりで、ダンはアリスのためにロンドン市内を案内する。そして、かつて父親と訪れたことのある公園にやって来る。そこには他人のために犠牲を払った人々の名前が刻まれていた。その後、2人はダンが働く新聞社まで向かう。アリスはニューヨークでストリッパーをしていたことを明かし、アリスだと名乗って自己紹介する。
ダンはアリスをモデルにした著書を執筆し、アンナに写真を撮ってもらう。ダンはアンナに魅力を感じ、キスをする。しかし、そこにアリスが迎えにやって来る。ダンはアリスがトイレに行った隙にアンナに言い寄ろうとするが、アンナはそれを拒む。トイレから戻ってきたアリスはアンナに自分も撮影してほしいと頼む。そして2人だけになると、ダンとの会話を盗み聞きしていたことを明かし、涙を浮かべる。
映画『クローサー』のあらすじ【承】
ダンは出会い系サイトでアンナと名乗り、ラリーと卑猥なメッセージのやり取りをする。そして水族館で会う約束をする。水族館に来たラリーはその場にいた本物のアンナに声を掛ける。水族館はアンナのお気に入りの場所だったのだ。ダンの悪戯を見抜いたアンナはしばらくラリーと一緒に過ごす。
ダンとアリスはアンナの写真展に向かう。アリスは自分が泣いている写真の前でラリーに話し掛けられる。そしてラリーがアンナと付き合っていることを知る。一方、ダンはアンナと話し、自分がキューピッドとなりアンナとラリーが出会ったことを告げられる。ダンは一旦アリスを見送ると、再び会場に戻りアンナに関係を迫るが、アンナは拒絶する。ラリーはその様子を遠目に見守り、気に掛ける。そしてアンナとちょっとした口論になる。
アパートに帰ってきたダンはアリスにアンナと関係を持ってきたことを打ち明ける。あの時の写真展がそのきっかけとなっていた。ショックを受けたアリスは未練を感じながらも、ダンを残してアパートから去ってしまう。
映画『クローサー』のあらすじ【転】
ラリーは出張からアンナの待つ家に帰ってくる。2人は結婚して夫婦となっていた。ラリーはアンナの様子がおかしいことに気付き、アンナはダンとの関係を打ち明ける。ラリーは執拗に2人の性的関係について問い詰めた挙げ句、アンナを家から追い出す。
酔ったラリーがストリップクラブに足を踏み入れる。そしてそこでアリスを見付ける。ラリーはアリスに個室サービスを頼み、チップを渡して本名を聞き出そうとする。しかしアリスはジェーンだと名乗ってアリスだと認めようとせず、ラリーは苛立つ。ラリーはアリスに挑発的なポーズを取るように命じて、それをじっくりと眺める。
ダンとアンナはコンサート会場で落ち合う。アンナはその直前に離婚書類にサインしてもらうためにラリーと会っていた。ラリーはサインをする代わりにアンナと最後に関係を持つことを求め、アンナはそれに応じてしまう。ダンはアンナの不自然な様子からそのことを見抜いてしまう。アンナはダンを宥めようとするが、嫉妬にかられたダンは2人の愛が終わったと感じてしまう。
映画『クローサー』の結末・ラスト(ネタバレ)
ダンがラリーの診療所にやって来て、アンナを返してほしいと懇願する。アンナはダンの元に戻ってしまったのだ。ラリーはアンナの選択を尊重するように言うが、ダンは涙を流して悔しがる。ラリーは気の毒に思い、ダンにアリスの居場所を教える。しかし、去り際になってラリーはアリスとも関係を持ったとダンに言い放つ。
空港近くのホテルでダンとアリスは仲良く過ごす。ダンがストリップクラブまでアリスを迎えに行き、復縁したのだ。2人でニューヨークに行く計画だった。しかし、ダンはアリスにラリーと何があったのかを執拗に聞き出そうとする。アリスはその態度に嫌気が刺し、愛を感じなくなったと告げる。そしてラリーと関係を持ったことを打ち明ける。ダンはアリスを引き留めようとし、その勢いでアリスのことを殴ってしまう。
アリスは一人でニューヨークに戻り、入国審査を通過する。パスポートにはジェーンと本名が書かれていた。一方、ダンはアリスと出掛けた公園に足を運び、そこにアリスという名が刻まれていることに気付く。
映画『クローサー』の感想・評価・レビュー
舞台劇の映画化で、恋愛における男女の心理を見事に表現した作品。時の経過を示さずに場面が転換されるため、物語の展開に唐突感を覚えるかもしれない。ただ会話に集中していれば、時間軸を組み立てるのは容易で、むしろその構成の巧さにうなってしまう。舞台劇ならではだ。クライブ・オーウェンが、単なる変態キャラクターに陥りかねないラリーを見事に演じている。オーウェンは舞台劇ではダン役だったというから驚きだ。(MIHOシネマ編集部)
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