この記事では、映画『PiCNiC』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『PiCNiC』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『PiCNiC』の作品情報

上映時間:68分
ジャンル:ファンタジー、ヒューマンドラマ
監督:岩井俊二
キャスト:Chara、浅野忠信、橋爪浩一、六平直政 etc
映画『PiCNiC』の登場人物(キャスト)
- ココ(Chara)
- 黒を好み、カラスを捕まえ羽を毟ってジャケットを作る。無邪気で常識に欠けている。双子の妹に偽物扱いされ、妹を殺している。
- ツムジ(浅野忠信)
- 小学校の先生にいじめられた事をきっかけに、幻覚を見ている。無口な青年。雨の日に担任だった教師を刺殺した過去を持つ。雨がトラウマ。
- サトル(橋爪浩一)
- 明るくひょうきんだが、臆病。ココが好き。精神年齢は低い。
映画『PiCNiC』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『PiCNiC』のあらすじ【起】
ココはとある事情にて、精神病院へ連れて来られた。彼女の精神年齢はとても低く、物事の善悪や常識を良く理解出来ていなかった。看護師から乱暴に扱われ、カラスの羽のジャケットを取られそうになったココ。激しく抵抗してジャケットだけは死守した。
病院の生活に慣れた頃、サトルという青年に声を掛けられる。軽いノリで調子が良い。サトルはココの事が好きだった。サトルの部屋はツムジの隣だ。ツムジはどちらかというと無口な方で、黙々と本を読んでいる事が多かった。ツムジは事ある毎に幻覚を見る。それは、常に彼を責め立てて苦しめるのだった。
ココは窓辺に寄って来たカラスを捕まえて羽を毟った。そして、その羽で自分のジャケットを飾り立てる。白い病院服が気に入らなかったので、衣服を絵の具で真っ黒にして鏡の前に立つ。彼女は真っ黒な自分に満足して笑った。
映画『PiCNiC』のあらすじ【承】
そんなある日、ココはサトルとツムジが塀の上に登っているのを発見する。その辺に捨てられていたボロボロの黒い傘を拾って、塀の上を歩いて冒険すると言う彼らについて行く。
病院の塀を端まで来た3人。これ以上は進んだらいけないと言うサトルとツムジ。彼女は何気ない顔で境界線をまたいだ。ツムジもまた、彼女を追って境界線を飛び越える。ただ、サトルだけは臆してしまい、境界線は越えられなかった。
ツムジとココはどんどん塀の上を進む。塀が続く限り、どこまでも行けそうだった。進んで行くと教会があった。そこからは、讃美歌を練習する声が聞こえている。ココは讃美歌を口ずさみながら立ち止まる。しばらく聞いていると、教会の神父が出て来た。
ツムジは地球の滅亡を毎日、神様に祈っていると神父に言う。だが、ココは地球がいつ終わるかを知っている。彼女に言わせれば、地球はココが産まれた時に始まり、ココが死ぬ時に終わると言うのだ。そして、彼女を作ってくれた両親がココの神様なのだ。
そんなはずはないと、ツムジとココは口論になる。優しい神父は、2人は酷い勘違いをしていると言って聖書をくれた。ツムジとココは、それを読みながら病院へ帰った。
病院に帰ると脱走を図ったと言われて、2人は拘束される。ベッドに雁字搦めにされ、注射を打たれた。2人は1晩、地下の保護室という場所で拘束されたまま過ごした。
映画『PiCNiC』のあらすじ【転】
次の日、解放されたココとツムジは屋上にいた。聖書を読み耽るツムジ。そこへ、サトルがやって来る。ツムジは世界に終わりが来ると言う。もうすぐ地球が滅亡する。ツムジはもう神様を信じているから救われるが、神様を信じないサトルとココは救われず、地獄行きとなるらしい。それなら救われる為に、地球の最後を見に行こうとココが叫んだ。
俺も救われたいと言うサトルも連れて、ココとツムジは病院を抜け出し、塀の上を進んで行く。奇妙な3人組は塀の上をひたすら進んだ。広場を通り過ぎ、大きな川を渡りビル群を抜けて行く。途中、警官が現れて彼らを捕まえようとしたが、やり返したツムジが拳銃を奪った。
ココは人形を拾い、ツムジは拳銃を持っている。2人が羨ましいサトルは、自分も何かを見つけようとしてごみ袋を漁った。遅れているサトルを置いてツムジは先に進む。サトルは2人から、はぐれてしまった。サトルを待とうと叫ぶココをも置いて、ツムジは進み続ける。ココもツムジからはぐれてしまった。
ツムジとココを探して1人で塀の上を走るサトルだったが、足を踏み外して塀の下に落ちてしまう。彼は大怪我を負ってしまい、原っぱを彷徨い歩いた挙句、塀の上にも戻れずに命を落とした。
映画『PiCNiC』の結末・ラスト(ネタバレ)
塀の上を進んでいると、雨が降って来た。ツムジは雨がトラウマだ。彼は現れた幻覚を消そうと必死に足掻く。泣きながら蹲るツムジの元に、ようやく追いついたココは彼を宥めた。
ツムジは小学校の担任だった先生にいじめられ、恨みを募らせて雨の日に殺したと言う。そして、ココは双子の妹を殺していた。妹がココを偽物扱いしたからだった。
深い罪の意識から逃れられないツムジが泣き叫ぶ。ココは彼を救う為に、地球最後のキスをした。
2人は海に辿り着いた。灯台までの道を、手を繋いで歩いて行く。時刻はすでに夕方。持って来たバスケットを開いてランチにする。中には何も入っていなかったが、2人はサンドイッチのようなものを食べて満足したようだ。
地球の終わりを延々と待つ。だが、いくら待っても地球の終わりはやって来なかった。終わりが来なければ、ツムジは救われない。彼はピストルで太陽を撃って爆発させようと発砲したが、当たるはずもなく。
ココがツムジからピストルを奪い取った。地球を終わらせるには、やっぱりあたしが死なないとダメみたい。ツムジの罪も洗い流してあげる。ココは銃口を自分の頭にあてて、躊躇いもなく引き金を引いた。最後の一発だった。
舞い散る黒羽の中、倒れるココを抱き締めてツムジは叫んだ。
映画『PiCNiC』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
岩井俊二の代表作にして彼の最高傑作。日本映画界に確実に一時代を作ったといえる作品だが、ほぼすべてのフォロワーが失敗した上に、00年代いっぱいくらいまで影響を残した功罪は計り知れない。配役と演出が非常に巧みで独特な空気感とはこの映画のためにある言葉だろう。ストーリー自体は描きたいシーンを撮影するための言い訳のようなものなので、あまり気にする必要はないと思う。シーンごとに見せたい景色がある映画なので絵葉書のように楽しめる。(男性 30代)
精神病院の塀の上を歩くという非現実的な設定が強烈で、最初から独特の世界観に引き込まれた。ココ、ツムジ、サトルの関係は危うくもどこか純粋で、社会から外れた者同士の繋がりが切なく感じられる。最後にココが一人で歩き続けるラストは、自由と孤独が同時に表現されていて印象的だった。(20代 男性)
映像や色彩のセンスが非常に印象的で、90年代の空気感が濃く出ている作品だと思った。登場人物たちの会話や行動はどこか現実離れしているが、その中にある孤独や絶望はリアルに伝わってくる。ラストでココが一人になる展開は悲しいが、同時に彼女の選択として受け止められる余韻があった。(30代 女性)
物語としてはシンプルだが、テーマは非常に重い。社会からはみ出した人間たちが、塀の上という境界で生きる姿が象徴的だった。ツムジの死やサトルの存在など、それぞれがココに影響を与えていく流れが印象的。最後に彼女が一人で進む姿は、ある種の解放のようにも感じられた。(40代 男性)
独特の空気感とテンポで進む作品で、最初は戸惑ったが次第に引き込まれた。ココの視点で見る世界は美しくも歪んでいて、現実との境界が曖昧に感じられる。ツムジとの関係が終わり、最後に一人で歩くラストは寂しいが、どこか前向きにも見えた。(20代 女性)
岩井俊二らしい映像美と感情表現が際立つ作品。ストーリーよりも空気感や感情の流れを重視している印象で、観る側に解釈を委ねる部分が多い。ココが最後に一人になる展開は衝撃的だが、彼女の成長や変化を象徴しているように感じた。(50代 男性)
閉ざされた世界の中で生きる若者たちの姿が印象的だった。塀の上を歩くという設定が、社会との断絶を象徴しているように思える。ツムジの死を経てココが変わっていく過程が切なく、ラストの孤独な姿が心に残る作品だった。(30代 女性)
ストーリーよりも映像や雰囲気を楽しむタイプの映画だと感じた。会話や演出が独特で、好みは分かれそうだが、その分印象には強く残る。ココのラストの行動は解釈が分かれるが、自分としては自由を選んだ結果だと受け取った。(40代 女性)
かなり独特な作品で、最初は理解しづらかったが、観ているうちに感覚的に楽しめるようになった。キャラクターたちの会話や行動が印象的で、特にツムジの存在が大きい。最後にココが一人になる展開は衝撃的で、余韻が強い。(10代 男性)
現実と非現実が混ざり合ったような不思議な作品。ココの視点を通して描かれる世界は美しくも危うく、観ていて引き込まれる。ツムジとの別れやサトルの存在が物語に深みを与えており、ラストの孤独な結末が印象的だった。(20代 女性)
映画『PiCNiC』を見た人におすすめの映画5選
リリイ・シュシュのすべて
この映画を一言で表すと?
繊細な感情と孤独が交錯する、痛みを伴う青春の断片。
どんな話?
中学生たちのいじめや孤独、逃げ場のない日常が描かれる中で、音楽という存在だけが心の支えとなる。登場人物たちはそれぞれの苦しみを抱えながら、現実に抗おうともがき続ける。断片的な構成で語られる青春の物語。
ここがおすすめ!
PiCNiCと同様に、孤独や不安を抱えた若者の内面を繊細に描いている。映像美や独特の空気感も共通しており、感覚的に物語を味わえる。心に刺さる静かな痛みが魅力の作品。
スワロウテイル
この映画を一言で表すと?
混沌とした世界で生きる若者たちの、自由と希望の物語。
どんな話?
架空の都市である円都を舞台に、異国から集まった人々がそれぞれの生き方を模索する。社会の枠から外れた者たちが、音楽や仲間との絆を通して生き抜こうとする姿が描かれる。
ここがおすすめ!
社会から外れた人々の視点で世界を描く点がPiCNiCと共通している。独特の世界観と自由な空気感が魅力で、現実から少し離れた物語を楽しみたい人におすすめ。
害虫
この映画を一言で表すと?
孤独な少女の視点で描かれる、静かで切ない成長の記録。
どんな話?
家庭や学校に居場所を見出せない少女が、日常の中で孤独と向き合いながら生きていく姿を描く。大きな事件は起きないが、彼女の内面の変化が丁寧に映し出される。
ここがおすすめ!
PiCNiCのように、社会に馴染めない若者の視点を描いた作品。静かな語り口とリアルな感情表現が魅力で、観る者の心にじわじわと染み込む。
トレインスポッティング
この映画を一言で表すと?
刹那的な生き方を描く、刺激的でエネルギッシュな青春映画。
どんな話?
ドラッグに溺れる若者たちの日常と、そこから抜け出そうとする葛藤を描く。破滅的な生活の中でも友情や欲望が交錯し、リアルで生々しい青春が表現される。
ここがおすすめ!
社会の枠から外れた若者たちの姿という点でPiCNiCと共通している。過激な表現と独特の演出が印象的で、強烈なエネルギーを感じられる作品。
バッファロー’66
この映画を一言で表すと?
不器用な男の孤独と愛を描く、静かで温かいロードムービー。
どんな話?
刑務所から出所した男が、偶然出会った女性を連れて実家へ向かう旅の中で、自分の過去や孤独と向き合っていく。ぎこちない関係の中で、少しずつ心が通い合っていく様子が描かれる。
ここがおすすめ!
孤独な人物の内面を丁寧に描く点がPiCNiCと通じている。派手さはないが、静かな感情の変化が心に響く。余韻のあるストーリーが好きな人におすすめ。



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