映画『パイレーツ・ロック』の概要:1960年代のイギリスで北海に浮かぶ船からラジオで24時間ロックを流し続けた海賊局とそれを取り締まろうとする政府の攻防を通して、ロックと自由を愛する若者たちの熱い想いを描く。ロック魂のつまった2009年公開のイギリスとドイツの合作映画。
映画『パイレーツ・ロック』 作品情報
- 製作年:2009年
- 上映時間:135分
- ジャンル:音楽、コメディ、青春
- 監督:リチャード・カーティス
- キャスト:フィリップ・シーモア・ホフマン、トム・スターリッジ、ビル・ナイ、ウィル・アダムズデイル etc
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映画『パイレーツ・ロック』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『パイレーツ・ロック』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『パイレーツ・ロック』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『パイレーツ・ロック』 あらすじ【起・承】
1966年、ブリティッシュ・ロックの絶頂期。イギリスのBBCラジオは1日に45分しかポピュラー・ミュージックを流していなかったが、海賊局が北海に停泊した船から24時間ロックとポップスだけを放送していた。イギリスの人口の約半数2500万人が、この放送を熱心に聴いていた。
アメリカから来た伯爵(フィリップ・シーモア・ホフマン)を始め、個性的な人気DJたちが船で共同生活をして放送を続けていた。彼らは音楽をこよなく愛する陽気な連中で、船の上はいつも賑やかだった。
ある日、18歳のカール(トム・スターリッジ)が船に乗り込んでくる。カールの母親は海賊局プロデューサーのクエンティン(ビル・ナイ)と昔馴染みで、彼に息子を預けたのだ。カールは彼らの自由さに戸惑いながらも、ここでの生活に馴染んでいく。
イギリス政府のドルマンディ大臣(ケネス・ブラナー)は冷酷な堅物で、この海賊局を早く潰したいと考えていた。部下の案で企業のラジオ広告を規制し海賊局を潰そうとするが、海賊局側は対抗策としてカリスマDJのギャヴィン(リス・エヴァンス)をアメリカから呼び戻す。
しかし伯爵は女性問題で仲間を傷つけたギャヴィンを許せず、2人は度胸試しの決闘をする。その結果2人は大怪我をするが仲間の結束は固まり、海賊局の人気はますます高まっていく。
映画『パイレーツ・ロック』 結末・ラスト(ネタバレ)
カールはファンキーな母が一夜を共にした男の子供で、父親の顔を知らなかった。同室のシックに“この船に父親がいるのではないか”と言われ、カールはクエンティンが自分の父ではないかと疑う。しかしクリスマスに船へやってきた母から深夜担当の冴えないDJのボブ(ラルフ・ブラウン)が自分の父親だと聞かされ、軽くショックを受ける。
大臣は海賊局を完全に違法化する「海洋犯罪法」を成立させ、強引に海賊局を終わらせる手段に出る。新年の午前0時から海賊局は違法となり、続けた場合はみんなが犯罪者になってしまう。しかし伯爵は違法でも自分は止めないと言い、みんなもその意見に賛同する。
新年の午前0時。カウントダウンの後も放送は継続され、リスナーは大喜びする。怒り狂った大臣はすぐに取り締まりの警察を船へ向かわせるが、船は漁船のふりをして警察を煙に巻き、ピンチを脱する。
ところが老朽化していた船のエンジンが爆発し、船は浸水。救命ボートも使えないことがわかり、このままでは全員死ぬしかなくなる。クエンティンは救難信号を出し政府の助けを待つが、大臣は救命艇を送る許可を出さない。どんどん傾いていく船から伯爵は放送を続け、ギャヴィンはリスナーに救助を呼びかける。
明け方、沈没しかけた船から彼らはこちらに向かってくる多くの船を見る。ボートや小型船でリスナーたちが駆けつけてくれたのだ。海へ飛び込んだ彼らをリスナーたちが救出する。最後までDJを続けていた伯爵も間一髪で船を脱出し“ロックンロール!”と雄叫びをあげ、みんなもそれに倣う。
映画『パイレーツ・ロック』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『パイレーツ・ロック』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
こんな場所で暮らしてみたい!
この作品の舞台は海上に浮かぶラジオの海賊局であり、その船内はどこまでもロックな雰囲気が充満している。乗組員はロックをこよなく愛するDJたちで、三度の飯よりロックが好きな連中だ。彼らは24時間ロックに浸っていられるここでの自由な生活を心底楽しんでいる。彼らの陽気な日々を見ているだけで、解放感に浸れる。一度でいいからこんな場所で暮らしてみたい!
音楽とファッション
1960年代あたりの音楽やファッションが好きな人なら、この作品のセンスがかなり嬉しいはず。オープニングのThe Kinks「All Day and All of the Night」からいきなりテンションが上がる。その後も続々とナイスなセレクトの曲が流れ続ける。この時代のロックに馴染みがない人にとっては本作のサントラが教科書的な1枚になるだろうし、深くロックを愛する人は“ここでこの曲を持ってきますか!”というマニアックな楽しみ方ができる。この時代のロックが好きな私は、何箇所か無条件で目頭が熱くなった。
さらにファッションも最高にかわいい。DJのサイモンが結婚式で着ていたジャケットや、カートの恋人になるマリアンの着ていたワンピースなどなど、いちいちキュート。船上なのにみんないろんな格好をしてくれるので、バリエーション豊富なファッションも見どころだ。
各キャラクターの面白さ
この物語の肝は個性的なキャラクターにある。人数が多いのとても紹介しきれないが、みんなそれぞれに光っている。演出もキャスティングもいいので、彼らの絡みを見ているだけで全く飽きない。個人的にはニュースと天気を担当するニュース・ジョンがツボだった。マジメにしょうもないことを実況する彼が好きだ。
映画『パイレーツ・ロック』 まとめ
テンポのいいポップな演出で、とにかく楽しい。ロックファンにとっては“痒い所に手が届く”作りになっており、体が自然に動く。ラジオで同じ音楽を聴くリスナーたちを、細かくつないでいく演出もいい。全然違う場所にいる知らない人たちが、同じ時刻に同じ音楽でノリノリになっているってすごく素敵なことだと思うし、それがラジオの魅力なのだから。
好き嫌いはあるかもしれないが、私はこれを見るとかなりハイになれる。可能な限り音量を上げ、人がいないことを確認してから踊ってみたりして。それくらい自由な気持ちで楽しんでほしい。
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