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映画『プレステージ(2006)』あらすじとネタバレ感想

映画『プレステージ(2006)』の概要:天才マジシャンの舞台上の謎の溺死。逮捕されたのはライバル。その影にあったのは1つのトリックを巡る凌ぎあいだった。クリスチャン・ベール、ヒュー・ジャックマン豪華キャストで送るマジック大作。

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映画『プレステージ』 作品情報

プレステージ

  • 製作年:2006年
  • 上映時間:130分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス、ミステリー
  • 監督:クリストファー・ノーラン
  • キャスト:ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベイル、マイケル・ケイン、スカーレット・ヨハンソン etc

映画『プレステージ』 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

映画『プレステージ』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『プレステージ(2006)』のあらすじを紹介します。

マジシャンのアンジャー(ヒュー・ジャックマン)とボーデン(クリスチャン・ベール)は、かつて互いにしのぎを削り修行をしあう仲だった。
しかし水中脱出のマジックが失敗し、アンジャーの妻・ジュリア(パイパー・ペラーボ)が水槽の中で溺死。

以降2人は、いがみ合い、敵対心を燃やすようになる。
ボーデンはサラ(レベッカ・ホール)が生まれ、一人娘ジェスをもうける。アンジャーの元には助手希望の美しい娘・オリヴィア(スカーレット・ヨハンソン)が現れるが、その存在も彼らの心を癒しはしなかった。

やがてボーデンが新しいトリック『瞬間移動』を披露。
一瞬のうちに、左のドアから右のドアに移る彼のトリックがわからず、アンジャーは焦るが、協力者のカッター(マイケル・ケイン)は替え玉がいるのだろうと推測。
アンジャーは、自分とそっくりの三流役者ルート(ジャックマン二役)をスカウトし、『新・瞬間移動』を披露。

パフォーマーとしては、有利だったアンジャーだが、ボーデンのトリックが判らず、マジシャンとしてもがき苦しむアンジャー。
アンジャーは、オリヴィアをボーデンの元に潜り込ませ、彼のトリックが書いてある日記を解読させる。

やがてアンジャーは、日記の解読の結果、トリックを暴くであろう『テスラ』という言葉に行き着く。
テスラ(デヴィット・ボウイ)とは、エジソンの双璧といわれる科学者で、アンジャーは、おそらくボーデンの瞬間移動にテスラの電気技術が関わっているのではと彼の実験所を訪れる。

そして彼に頼み込み、出来上がったマジックの装置は、おそるべき『代償』を伴うものだった…。

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映画『プレステージ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『プレステージ(2006)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

アンジャーが、望んだのは自分を複製する機械

映画は、拍手喝采が鳴り止まない19世紀末のロンドンの舞台裏で、ボーデンが水槽の中で溺死するアンジャーの姿を見て愕然とする姿から始まる。
表舞台では、拍手を浴びるアンジャー、そして裏では溺死する、『もう1人のアンジャー』。

ボーデンは、その姿を助手のカッターに目撃され殺人罪の濡れ衣を着せられてしまう。

しかしアンジャーは、テスラに何を頼んだのか。
それは、『自分を複製する機械』だった。

瞬間移動のマジックを成立させるためだけに、自分をもう1人作り、その度に舞台裏で溺死させ、その後始末に盲目の老人を雇っていたという。

アンジャーは、貴族コールドロウ卿と名前を変え、マジシャンから引退し、ボーデンの娘までも取り上げようとしていた。
その時、アンジャーは何者かによって殺される。

最後に現れるどんでん返し

アンジャーは、ボーデンの死刑執行の日、暗闇から現れた何者かによって銃撃される。
それは本物の『ボーデン』だった。

ボーデンは、双子の弟ファロン(ベール二役)と共にマジックを考案し、双子は妻サラでさえも見分けがつかなかった。
ただ、ボーデンが愛していたのは本妻のサラ、ファロンが愛していたのはオリヴィアだったため、サラは自殺に追い込まれてしまう。
アンジャー、ボーデン、究極のマジックを追求するあまりに、お互いに失った代償は大きかった。

ライバルのトリックを知った2人のマジシャンはもう、劇場に立つことが出来ない、しかし映画の最後の最後、見逃せない1カットが入っている。
これで時代の勝者となるのが、どちらになるのかは、観る側は判るだろう。

人生を狂わせる執着心と競争心の行く末

この物語の核となるのは、人生を狂わせてしまうほどの執着心と競争心だ。
本来であれば瞬間移動の種明かしも、お互いに替え玉を使っている事が判っているという憶測がついた時点で諦め、次のマジックを開発すればよかったのである。

しかし瞬間移動の固執した為に2人の人生が崩れていく哀れな末路が、端的に纏まりよく描かれているのが、この映画の成功した所である。


観終わった瞬間“やられた~!!”と思った。“まさかそんな映画だったなんて…そうと知っていればもっと注意深く観たのに…”なんて、思わず言い訳したくなるほど綺麗さっぱり騙された。
最後のアンジャーのマジックについては賛否ありそうだが、禁断のマジックに手を染めていく彼の苦悩と、それに対峙するボーデンとの人間ドラマが非常に見ごたえがあったので良かった。ノーラン作品でお馴染みのマイケル・ケインの役どころも存在感があって良かった。(女性 30代)


作中で説明されますが、物語全体が「確認」「展開」「偉業」というマジックに沿った構成になっていると思います。「確認」で客に舞台を知ってもらい、「展開」で信じがたい現象が発生、「偉業」は無事と成功を伝えます。正直現状を説明・整理するだけの「確認」は、映画と言う作品にはミスマッチな気がします。マジシャン同士の陰鬱とした攻防も厭らしくてイライラします。それでもラストは見事でした。作中の行動・心理すべての辻褄が合う納得の「偉業」です。

脇役ですが、テスラがマジックに関わることは、実在した彼のことを知っていると新鮮で面白い設定だと思えます。(男性 20代)

映画『プレステージ』 まとめ

マジシャンとして感情移入できるのはボーデンの方だろう。
彼の方が先に瞬間移動を考え出し、その為に私生活まで捧げた。

アンジャーは、出し抜かれた為に、タネを知りたい為に『金さえかければ、それ以上のものが出来るのでは』と
勘違いし、実際は、とてつもない『命』という代償を払うだけでなく、マジシャンとしての名誉も失う事になる。

アンジャーのやり方は『グランドイリュージョン』における、モーガン・フリーマン演じるマジシャンの種明かしをDVDで売るサディアスに似ている。
彼は、かつてサディアスに殺されたマジシャンの息子で伝説のマジシャンとなったFBI捜査官ディラン(マーク・ラファロ)に政治的に殺される身となるが、この顛末はどこか似ていないだろうか。

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