この記事では、映画『真実の行方』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、映画『真実の行方』を見た人におすすめの映画5選とフルで無料視聴する方法についても紹介しています。
映画『真実の行方』の作品情報
上映時間:131分
ジャンル:サスペンス
監督:グレゴリー・ホブリット
キャスト:リチャード・ギア、ローラ・リニー、ジョン・マホーニー、アルフレ・ウッダード etc
映画『真実の行方』の登場人物(キャスト)
- マーティン・ヴェイル(リチャード・ギア)
- 目立つことが大好きな弁護士。世間の注目を浴びたいがゆえに、今回の大司教殺人事件の弁護士を買って出る。
- アーロン・スタンプラー(エドワード・ノートン)
- 大司教を殺した容疑者として逮捕された青年。しかし、彼には事件当時の記憶がなく、それにはとある理由があった。
- ラシュマン(スタンリー・アンダーソン)
- 世間に愛されていた大司教だが、殺害されてしまう。なぜ、彼は殺されてしまったのか。
- モリー・アーリントン(フランシス・マクドーマンド)
- 精神科医。アーロンの失われた記憶を取り戻すため雇われた。
- リンダ・フォーブス(アザレア・ダヴィーラ)
- アーロンと同じく、ラシュマンの侍者を務めていた女性。アーロンにとっては大事な人物らしく…?
映画『真実の行方』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『真実の行方』のあらすじ【起】
ある日、国を揺るがす大事件が突如として起こった。大司教であるラシュマンが、遺体となって自室で発見されたのだ。その凄惨な死に様から、ラシュマンは自殺ではなく明らかに第三者に殺されたということが見てとれた。
警察は、急いでラシュマンを殺した犯人を捕まえようと動き出す。しかし、思っていたよりも早く、その犯人は逮捕された。その犯人はアーロンという、まだ19歳の青年だった。彼は血まみれの姿で隠れているところを、警察に見つかったのだ。そして、アーロンとラシュマンには繋がりがあった。アーロンは少年の頃より、ラシュマンの侍者という役割を担っていたのだった。
侍者が大司教を殺害したというこの恐るべきニュースは、たちまち全土に伝わった。そして、誰よりもこの事件に関心を持つ男がいた。それは、マーティンという弁護士だった。マーティンは非常に能力のある弁護士でありながら、目立つことが何より好きという厄介な性質を持っていた。
映画『真実の行方』のあらすじ【承】
一方、アーロンは裁判にかけられることになる。しかし、明らかに犯人であることが分かりきっているアーロンの裁判を担当しようという弁護士などどこにもいない。そこで、マーティンがアーロンの弁護士として立候補したのだ。今世間で一番の注目を浴びているこの事件を担当すれば、自らへの注目度も大幅にあがるからだ。
そして、マーティンは初めてアーロンと面会する。すると、アーロンが重要な証言をした。なんと、大司教が殺されたあの時、部屋には二人以外の人間がいたというのだ。しかし、アーロンの記憶は曖昧で、それを証拠とするには無理があった。しかし、重要な証言であることは間違いない。マーティンは精神科医のアーリントンに、アーロンの失われた記憶を取り戻してほしいと依頼するのだった。
それからしばらく、アーロンとアーリントンのセッションが行われた。そのセッションの中で、アーロンはとある人物の名前に大きく反応する。それは、リンダという女性の名前だった。
映画『真実の行方』のあらすじ【転】
その頃、マーティンも独自で調査を行なっていた。そして、アーロンの部屋にとんでもない物を見つけるのだった。それは、大司教がアーロンと、先程アーロンが反応したリンダという女性を犯す動画だった。大司教はこれらの行為を、悪魔払いと称して少年少女達に強要していたのである。
テープを見たマーティンは、アーロンが復讐のために大司教を殺害したと確信を持ちアーロンに詰め寄った。アーロンは否定するものの、マーティンはそんなアーロンを信じようとはしない。その時だった。アーロンが急にマーティンを殴り飛ばしたのだ。アーロンは気弱な人物で、到底そういった暴行に及ぶ性格ではない。なんと、アーロンには『ロイ』というもう一人の人格があったのである。
アーロンは、多重人格者だったのだ。気弱なアーロンとは裏腹に、ロイは非常に好戦的な人物だった。その様子を見ていたアーリントンは、今回の事件を起こしたのはアーロンではなくロイだったのではないかと考える。そして、別人格が起こした事件を、当のアーロンは覚えていないのだった。
映画『真実の行方』の結末・ラスト(ネタバレ)
多重人格ということが認められれば、アーロンは責任能力なしと判断され、少なくとも有罪になることはない。しかし、この事実に気づくのが少々遅かった。今までの裁判でアーロンの無実を訴えてきたマーティンが、急に彼の二重人格説を持ち上げることはできないのだ。
そこで、マーティンは強行手段にでることにする。それは、裁判中にロイの人格を無理やり呼び覚ませ、彼の二重人格を人々の目に晒すことだった。そして、マーティンはそのために多くの罠をしかけ、見事裁判中にロイを引きずり出すことに成功する。二重人格であることが認められたアーロンは、牢屋ではなく精神病院に移されることになる。
マーティンは、最後にアーロンに面会をした。すると、アーロンがなぜか覚えているはずのない、ロイの時の記憶を口にしたのだ。そして、ロイは口元に歪んだ笑みを浮かべた。実は、元々存在していなかったのは『アーロン』の人格なのである。ロイは、大司教を殺し、二重人格を装うことでまんまと刑を逃れたのだ。事実を知ったマーティンだが、最早どうすることもできず、愕然とロイを見送るしかなかったのである。
映画『真実の行方』を見た人におすすめの映画5選!無料視聴する方法も!
評決のとき
この映画を一言で表すと?
「正義と人種差別が交錯する、衝撃の法廷ドラマ」
どんな話?
ミシシッピ州の小さな町で、黒人の父カールは娘を暴行した白人の男たちを射殺してしまいます。彼は正当防衛を主張しますが、裁判は人種差別が渦巻く社会情勢に大きく揺さぶられます。弁護士のジェイクは正義のために困難な戦いに挑むことになります。
ここがおすすめ!
深い人間ドラマと社会的なテーマが絡み合い、最後まで目が離せません。マシュー・マコノヒーの熱演が光る感動的な法廷劇で、『真実の行方』のように裁判シーンを通じて人間の複雑な感情や正義の定義を問いかける映画が好きな方におすすめです。

告発
この映画を一言で表すと?
「囚人の尊厳を取り戻すために闘う、真実と正義の物語」
どんな話?
囚人ヘンリーは冤罪で刑務所に収容され、過酷な環境の中で長年を過ごします。ある日、敏腕弁護士のジェームズが彼の事件に興味を持ち、真実を明らかにしようと再審請求を始めます。しかし、国家権力とシステムの壁が立ちはだかり、戦いは熾烈を極めます。
ここがおすすめ!
実話を基にした社会派映画であり、重厚なストーリーと人間ドラマが見どころです。司法制度に潜む闇を描き出し、弁護士と依頼人の絆が深く胸を打ちます。『真実の行方』のように法廷を舞台にしたスリリングなドラマを楽しみたい人に最適です。
陪審員
この映画を一言で表すと?
「陪審員の決断に迫る、命を賭けた恐怖の駆け引き」
どんな話?
息子と二人暮らしの女性アニーは、ギャングのボスが起こした殺人事件の裁判に陪審員として選ばれます。しかし、ギャングはアニーに目を付け、無罪判決を下すよう脅迫を開始。命を脅かされながらも、彼女は恐怖と闘い、自らの信念を試されます。
ここがおすすめ!
緊迫感溢れる心理サスペンスで、デミ・ムーアが迫真の演技を見せます。司法制度を悪用する恐怖と、それに立ち向かう女性の強さが描かれており、『真実の行方』のように人間の本性が法廷劇を通じて暴かれていく物語が好きな方におすすめです。
殺人の追憶
この映画を一言で表すと?
「未解決事件に挑む刑事たちの、絶望と執念の物語」
どんな話?
1986年、韓国の小さな町で連続殺人事件が発生。地元の刑事たちは未熟な捜査を繰り返し、犯人を追い詰められません。しかし、都会から来た冷静な刑事が加わり、次第に事件の真相に迫ります。しかし、残酷な真実が待ち受けていました。
ここがおすすめ!
実際の未解決事件を題材にしたポン・ジュノ監督の名作です。張り詰めた空気と、無力感が漂うエンディングは圧巻です。『真実の行方』のように、真実を追い求める人々の葛藤や狂気を体感できる映画を探している方におすすめです。

フラクチャー
この映画を一言で表すと?
「知能犯と若き検事の、スリリングな心理戦」
どんな話?
資産家のテッドは、妻の浮気に気づき、冷静な計画で妻を撃つも殺害を未遂に終わります。逮捕されたテッドは法廷で自らの無罪を主張し、若き検事のウィリーに挑戦状を叩きつけます。天才的な策略を仕掛けるテッドに対し、ウィリーは真実を追い求めて奮闘します。
ここがおすすめ!
アンソニー・ホプキンスの圧倒的な演技と、裁判の裏で繰り広げられる知能戦が見どころです。法廷サスペンスの醍醐味である「緊張感」と「どんでん返し」が詰め込まれており、『真実の行方』のように人間の深層心理を探るスリラーが好きな方に最適です。
みんなの感想・レビュー
「39 刑法第三十九」という森田芳光監督の映画がありましたが、よく似ていますね。コンセプトが逆ですが。
①大司教の裏の顔
ジャネットは、教会の図書でアーロンが読んだと思われる本の謎の一文を発見する。
それは、ナサニエル・ホーソンの『緋文字』の頁で、内容は『2つの顔を持つ者はどちらが本物かをやがて忘れてしまう』というものだった。
もしかするとアーロンは二重人格者なのではないか、別の人格が出た場合の記憶は一切ないのではないかとマーティンに詰め寄るジャネット。
マーティンは、大司教の一件を洗いなおすと、アーロンの部屋に忍び込んだ事があるという青年アレックス(ジョン・セダ)に出くわす。
彼はマーティンに、その時大司教が行なっていた『悪魔祓い』の様子をビデオに映し出していた。そこにあったのは大司教が人々から慕われていた全く『別の顔』だった。
大司教から性行為を強要され、アーロンは大司教を殺したとすれば、話の筋は合う。マーティンはショックを隠しきれなかった。
②アーロンの二重人格の意味とは
最終公判で、マーティンは『賭け』に出る。
ジャネットにわざとアーロンを動揺させるような揺さぶりをかけ別人格である『ロイ』を表面に出すという方法だった。
アーロンは、激しく同様し別人格を露見させ法廷は収支が着かなくなり、アーロンは精神異常者として収監される事となった。
しかしそれは、アーロンの『芝居』だった事は、マーティンが知るよしもなかった。
③アーロンの目的とは
アーロンは『ロイ』という別人格になっている間は『記憶がない』と言い張っていた。
しかし収監された後、マーティンに『検事さんによろしく』と皮肉めいた笑いを浮べつぶやいた。
最初から『アーロン』という人格は存在しない、貴方なら気がついてくれたはずだと、笑うアーロン。
大司教もリンダも最初から殺すつもりだったのにと、せせら笑うアーロンの姿を目の当たりにして、うなだれるマーティンの姿で映画は終わる。
この作品公開当時、アーロン役はレオナルド・ディカプリオが熱望したとして知られていた。
それを奪い取り一躍スターダムに登りつめたのがノートンだった。
特に映画のラストシーン。アーロンの化けの皮が剥がれる所は、ディカプリオが演じたとすれば、観客は意外性を感じなかっただろう。
当時役者として無名かつイエール大学卒の秀才とだけ知られていたノートンが演じたからこそ、あのラストは観客を震え上がらせる事が出来た。
ノートンの今後のキャリアを位置づける決定的な一作となったという点では、この作品見逃せない上に、ストーリー構成もあきさせないのでお勧めである。