この記事では、映画『パブリック・エネミーズ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『パブリック・エネミーズ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『パブリック・エネミーズ』 作品情報
- 製作年:2009年
- 上映時間:141分
- ジャンル:フィルムノワール、ラブストーリー
- 監督:マイケル・マン
- キャスト:ジョニー・デップ、クリスチャン・ベイル、マリオン・コティヤール、ビリー・クラダップ etc
映画『パブリック・エネミーズ』 評価
- 点数:65点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『パブリック・エネミーズ』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『パブリック・エネミーズ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『パブリック・エネミーズ』 あらすじ【起・承】
1933年、インディアナ州刑務所で脱獄事件が発生する。計画の首謀者はギャングのジョン・デリンジャー(ジョニー・デップ)で、相棒のレッドとともに数名の仲間を脱獄させ隠れ家へ逃げのびる。
デリンジャーは警察をバカにして、仲間と何度も銀行強盗を繰り返している有名なギャングで“弱いものいじめはしない”という彼の美学と派手な犯行は大衆の人気を得ていた。
シカゴでまた大胆な銀行強盗を働いたデリンジャーたちを取り逃がしてしまった警察は、
ギャングの一味を射殺したダラス支局のパーヴィス捜査官(クリスチャン・ベール)をデリンジャーの本拠地であるシカゴ警察の支局長に抜擢し、捜査本部の責任者に任命する。
ある晩、デリンジャーは酒場でビリー(マリオン.コティヤール)という女性に一目惚れし、彼女を強引に自分のものにする。そしてビリーもそんな彼を愛し始める。
一方、警察はパーヴィスの指揮で地道な捜査を続け、デリンジャーの隠れ家を突き止める。しかし、その現場でパーヴィスは部下を死なせてしまい、さらにデリンジャーたちにも逃げられる。パーヴィスは上司を説得してウィンステッドら3人のベテラン捜査官をダラスから呼び寄せる。
再び銀行強盗を成功させたデリンジャーたちは、ビリーも連れマイアミへ来ていた。2人はこの旅行を楽しんでいたが、宿泊先のホテルでデリンジャーたちは逮捕されてしまう。
デリンジャーはインディアナ州に移送され、厳重な警備の中、郡刑務所に収監される。しかしここも見事脱獄し、再び逃亡する。

映画『パブリック・エネミーズ』 結末・ラスト(ネタバレ)
レッドと合流したデリンジャーは隠れ家に向かうが、仲間にここは使えないと断られる。ここを牛耳っているシンジケートが、デリンジャーたちを追って警察が自分たちの縄張りに踏み込んでくることを嫌い、デリンジャーたちの締め出しを命じていたのだ。
デリンジャーとレッドは金のため、あまり信用できない相手のネルソンと組んで銀行強盗を働く。しかし、ネルソンの無謀な発砲のせいで警察に包囲され、激しい銃撃戦となる。デリンジャーとレッドは山荘に身を隠すが、警察はこの場所を突き止め、彼らは再び包囲されてしまう。
暗闇の中、激しい銃撃戦が繰り広げられ、逃亡の途中でレッドは腹を撃たれる。デリンジャーは瀕死のレッドを車に乗せて逃げ、何とか助けようとするがレッドは死んでしまう。
1人になったデリンジャーは、ずっと警察に見張られているビリーを約束通り迎えに行く。巧みな工作でビリーは家を抜け出し2人は再会を果たし、ビリーに逃げられた警察はこの大失態に言葉を失っていた。
新しい隠れ家の鍵を取りに来たビリーは、そこで警察に逮捕されてしまう。デリンジャーは車の中で彼女が連行されるのを見て助けようとするが、ビリーは無言で“来るな”と彼に訴える。
ビリーは警察で激しい拷問を受け、その後刑務所送りとなる。彼女が弁護士に託したデリンジャーへの手紙には“脱獄させようとしないで”と書かれていた。
ビリーが出所するまでの2年間、海外へ逃亡して彼女を待とうと決めたデリンジャーは、最後の大仕事まで昔馴染みのアンナのところに身を隠す。しかしアンナは警察から母国のルーマニアへ強制送還すると脅され、交換条件としてデリンジャーを売るように言われる。
アンナは彼と映画を見に行くことを警察に話し、警察は映画館の前で張り込む。そして、映画館から出てきたデリンジャーの頭をウィンステッドが撃ち抜く。
後日、刑務所のビリーを訪ねたウィンステッドは彼が最後に残した言葉を彼女に伝える。
“バイバイ ブラックバード”それは2人が出会った夜に聞いた思い出の曲の名だった。
映画『パブリック・エネミーズ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『パブリック・エネミーズ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
登場人物がわかりにくすぎて…
実在の人物ジョン・デリンジャーの犯罪と逃亡劇を描いた物語なので、ある程度は仕方ないのかもしれないが、とにかく登場人物がわかりにくい。
デリンジャーの仲間は似たような風貌の人が多く、しかも次々と場所を移動しては新しい人物と会うので、最初は何が何だかわからない。ギャング側では唯一識別可能なジョニー・デップを見るしかないし、警察側もずっと後までパーヴィス捜査官しかわからない。
話が進み、次々と人が殺されることで必然的に登場人物が減り、やっと頭が整理されてくる。でも、その頃にはストーリーはすでに終盤。相棒のレッドが死にデリンジャーが1人になったことで、ようやく落ち着いて感情移入ができるようになるのでは、デリンジャーとビリーのラブストーリーと撃ち合いしか頭に残らないではないか。
マイケル・マン監督の得意とする夜のシーンが多いことも災いしている。映像としては美しいが、誰だかわからない上に顔がよく見えないという拷問のような時間が続き、途中で人物を識別することを諦めてしまう。それをいちいち考えているとイライラして見る気が失せてしまうからだ。この脚本と演出はかなりの残念要素だった。
もはやこれは戦争じゃあ!
日本の任侠映画で抗争が始まると“これは戦争じゃあ!”と叫んで興奮している極道の人を目にするが、この作品で描かれているギャング対警察の戦いは冗談抜きで戦争だ。
どっちもマシンガンをぶっ放しまくって至近距離で撃ち合うので、双方常に命がけ。民間人を巻き込む危険なんて考えない。どちらも撃って、撃って、撃ちまくる。当然あちこちで負傷者や死人が続発しているが、それも誰が誰だかわからない。まさに戦場そのものだ。
アル・カポネの逮捕劇を描いた「アンタッチャブル」もこの作品とほぼ同時期のシカゴが舞台になっており、その時も警察を平気で殺しまくるギャングの恐ろしさに戦慄を覚えたが、こっちもものすごい。犯罪都市シカゴ、怖すぎる。
夜の山荘での銃撃戦は最高に迫力満点。もう誰が撃ち殺されたのかなんてこの際どうでもいいかと思えてしまう壮絶な撃ち合いだった。
ジョニー・デップが演じるジョン・デリンジャーの魅力に圧倒されました。実在の人物を描いた犯罪ドラマながら、彼の孤独と情熱が痛いほど伝わってきます。特に、恋人ビリーとの別れ際のシーンが印象的。犯罪者でありながら“愛すること”をやめなかった彼の姿に、人間味を感じました。死の瞬間も静かで美しく、ラストの演出に余韻が残ります。(20代 男性)
映像の質感が素晴らしく、当時のアメリカをそのまま切り取ったようなリアルさに引き込まれました。クリスチャン・ベールとの対立も見応えがあり、単なる正義対悪ではない複雑な人間関係が魅力です。デリンジャーが劇場に忍び込むラストシーンはとても象徴的で、彼の孤独と誇りを感じさせる美しい瞬間でした。(30代 女性)
ギャング映画が好きで鑑賞。想像していたような派手な銃撃戦だけでなく、静かな人間ドラマが根底にあることに驚きました。ジョニー・デップの抑えた演技が新鮮で、デリンジャーという人物の魅力と危うさを繊細に表現していたと思います。最期まで“自分”を貫いた男の生き様に、どこか憧れすら感じました。(40代 男性)
ビリーとの関係がとても切なく、ラブストーリーとしても成り立っている点に感動しました。デリンジャーは確かに銀行強盗だけど、冷酷な悪党というよりは“時代に選ばれた存在”という印象。警察の手が及ばない中で生き抜こうとする姿は悲哀を帯びていて、最後の銃弾がすべてを物語っていました。映像も音楽も美しかったです。(20代 女性)
マイケル・マン監督らしいスタイリッシュな演出が光る一作。特に銃撃戦のリアリティは抜群で、音の使い方にもこだわりが感じられました。ジョン・デリンジャーの人生は短かったけど、その生き様には美学がありました。刑務所を何度も脱獄し、恋もして、最期まで自由を求め続けた彼の姿はまさに“伝説”。(50代 男性)
私は女性として、ビリーの視点に強く共感しました。彼女は彼が何者であれ、愛してしまった。逃げ場のない愛と、破滅へと向かう宿命。それを静かに受け入れるラストの姿には涙が止まりませんでした。ジョニー・デップの色気と哀愁があってこそ、成立する映画だったと思います。彼のファンでなくても必見。(30代 女性)
古き良きアメリカの風景とギャングの美学が融合したような世界観に惚れました。刑務所や銀行が舞台なのに、全体がどこかロマンチックなんです。逮捕されても堂々としていたデリンジャーは、まさに“時代が生んだ英雄”。最期の劇場でのワンカットは、静けさと緊張が入り混じっていて、忘れられないラストでした。(20代 男性)
『パブリック・エネミーズ』は、犯罪映画の枠に収まりきらない“人間ドラマ”。正義も悪も曖昧な中、デリンジャーの存在感だけが確固たるものとして浮かび上がっていました。彼の最期を静かに見届けるあの構図、そして語られるビリーへの言葉。「バイバイ・ブラックバード」のメロディとともに涙が溢れました。(60代 女性)
映画のテンポは少しゆったりしているけど、その分一つ一つのシーンに重みがある。銃撃シーンは派手だけど、決してエンタメには振り切っておらず、死の恐怖や人間関係の緊張感が伝わってくる。デリンジャーという人物が時代に対して持っていた“怒り”や“誇り”が描かれていて、社会派映画としても評価できる。(40代 男性)
正直、最初はギャング映画に興味がなかったけど、ビリーとの恋愛描写に惹かれました。デリンジャーが彼女のためにすべてを捨ててもいいとまで思っていたことに胸を打たれます。あの別れ際のキスと、“最後に彼女へ伝えた言葉”が優しさに満ちていて涙腺崩壊でした。激しさと静けさが両立した傑作だと思います。(20代 女性)
映画『パブリック・エネミーズ』を見た人におすすめの映画5選
ヒート
この映画を一言で表すと?
犯罪者と刑事、2人の男の誇りと孤独が交錯する至高のクライムアクション。
どんな話?
ロサンゼルスを舞台に、プロの強盗団とそれを追う刑事が壮絶な頭脳戦と銃撃戦を繰り広げる。互いに尊敬と理解を抱きながらも、交わることのない2人の生き様が描かれる男の美学が詰まった傑作です。
ここがおすすめ!
マイケル・マン監督によるリアルな犯罪描写と、アル・パチーノ×ロバート・デ・ニーロの豪華共演が話題。『パブリック・エネミーズ』と同様に、犯罪者と法執行官の視点が並行して描かれ、心の奥まで切り込んでくるような深みがあります。
バグジー
この映画を一言で表すと?
ギャングが夢見た“ラスベガス建設”の栄光と崩壊のドラマ。
どんな話?
1940年代、実在のギャング、バグジー・シーゲルがネバダ砂漠にカジノの街・ラスベガスを築こうとする野望とその転落を描く伝記ドラマ。愛と裏切り、理想と暴力が交錯する人間ドラマが展開されます。
ここがおすすめ!
ビジュアルの美しさとワーレン・ベイティのカリスマ性が光る一本。『パブリック・エネミーズ』のように、犯罪者でありながらも人間味あふれる主人公に魅了される作品で、時代背景や美術面でも共通点の多い映画です。
アメリカン・ギャングスター
この映画を一言で表すと?
麻薬王と刑事、2つの正義がぶつかる実話ベースのクライムドラマ。
どんな話?
実在の麻薬王フランク・ルーカスと、彼を追う刑事リッチー・ロバーツの攻防を描く。1970年代のニューヨークを舞台に、アメリカ社会の裏側をリアルに描いた社会派クライムサスペンス。
ここがおすすめ!
デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウの名演が光り、犯罪者の“信念”と法執行官の“誠実さ”がぶつかる構造は『パブリック・エネミーズ』を彷彿とさせます。派手さより重厚さを求める方におすすめの逸品。
ブロー
この映画を一言で表すと?
ジョニー・デップが魅せる、上り詰めて転落する男の一代記。
どんな話?
1970年代のアメリカで、麻薬の密輸で巨万の富を築いたジョージ・ユングの波乱に満ちた半生を描く実録映画。愛と裏切り、親子関係や孤独など、ギャングの裏にある“人間”を深く掘り下げた物語です。
ここがおすすめ!
ジョニー・デップが『パブリック・エネミーズ』同様、実在の人物を熱演。スーツ姿と金、成功の代償としての孤独。時代の空気感も含めて、デップの代表作としてぜひ観ておきたい作品です。
ゴッドファーザー PART II
この映画を一言で表すと?
血と義に生きる男の、孤独な帝王学。
どんな話?
マフィアの跡継ぎマイケル・コルレオーネの苦悩と父ヴィトーの若き日を並行して描いた、壮大なファミリー・サーガの続編。犯罪と家族、権力と犠牲をテーマにした名作中の名作です。
ここがおすすめ!
犯罪者の視点から見た“正義”や“愛”といった複雑な感情を、重厚に描ききる脚本と演出が圧倒的。『パブリック・エネミーズ』で惹かれた“犯罪者にも宿る人間性”をより深く味わいたい人には必見の作品です。
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