映画『ラーメン食いてぇ!』の概要:心に傷を負った女子高生が、祖父のラーメン屋を継ぐことを決意し、奮闘していく。茉莉絵は親友のコジマに裏切られ、自殺未遂を図った。落ち込む茉莉絵は祖父が経営するラーメン屋のスープを飲んで、不思議なビジョンを見る。
映画『ラーメン食いてぇ!』の作品情報
上映時間:102分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ、青春
監督:熊谷祐紀
キャスト:中村ゆりか、葵わかな、宅間孝行、森尾由美 etc
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映画『ラーメン食いてぇ!』の登場人物(キャスト)
- 紅茉莉絵(中村ゆりか)
- 親友のコジマに裏切られ、自殺を図る。一命を取り留め、その後、祖父の烈土のラーメン屋、清蘭を継ごうと考え始める。勉強は嫌いだったが、ラーメン作りの面白さに気がつき、そっちの勉強には精を出した。
- コジマ(葵わかな)
- 茉莉絵の親友だったが、好きな人を取られたことから、茉莉絵が傷つくようなことをしてしまう。旺盛な食欲の持ち主で、作るときも幸せそうに作るのが特徴的。
- 紅烈土(石橋蓮司)
- ラーメン屋・清蘭の店主。茹で名人の妻と二人で経営していたが、妻が亡くなったことで落ち込み、閉店を考え始める。清蘭のラーメンは麺も自家製で作り、塩ラーメンの塩はパキスタンから取り寄せたピンク色の岩塩が使われ、シンプルだがこだわり抜かれている。
映画『ラーメン食いてぇ!』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ラーメン食いてぇ!』のあらすじ【起】
紅茉莉絵は親友だと思っていたコジマに裏切られてしまった。コジマは茉莉絵に好きだった男を取られて悔しくなり、裏サイトに悪口を書き込んでいた。だが、悪口は大勢を巻き込んでエスカレートし、大ごとになったコジマは困ってしまう。真相を知った茉莉絵は、手首を切って自殺を図った。
同じ頃、茉莉絵の祖父・烈土も飛び降り自殺をしようとしていた。烈土は妻と二人で清蘭というラーメン屋を営んでいたが、妻が亡くなったことで落ち込み、もう美味しいラーメンは作れないと考えていた。だが、孫の茉莉絵が自殺したと聞いた烈土は、思いとどまって病院へと駆けつけた。
助かった茉莉絵に、烈土は店から持ってきたスープを飲ませた。その時、茉莉絵は不思議なビジョンを見る。久しぶりに顔を合わせた親子だったが、烈土の息子たちは清蘭を継ぐ気はないと口にする。このままでは閉店すると知った茉莉絵は、烈土にラーメンの作り方を教えてほしいと言いだし、皆は驚いた。
退院した茉莉絵は、烈土にラーメンの作り方を教わっていくが、シンプルだがこだわり抜かれたラーメンに感心する。
映画『ラーメン食いてぇ!』のあらすじ【承】
ニュースで赤星亘という料理研究家が中央アジアで行方不明になったと報道された。赤星は清蘭に二度も取材に来ており、烈土の妻が麺を茹でる姿を見て感心していたという。美味しく茹でるコツを尋ねる赤星に、妻は自分が食べるつもりで作ることだと答えていた。清蘭は一日200食のラーメンを茹でていたが、それを全部美味しく茹で上げるには、旺盛な食欲が必要不可欠であり、妻にはそれがあったという。
赤星はアジアを放浪していたが、清蘭の看板メニューである塩ラーメンを食べたい一心で生き延びていた。奇跡的に遊牧民が通りかかり、彼らに助けられる。
ラーメン作りには体力が必要なので、足腰を鍛えるためにランニングをしろと言われた茉莉絵。その後も、自家製麺の作り方、打ち方、切り方、茹で方、スープと、烈土から厳しく指導されていく。だが、そう簡単に習得できるものではなく、次第に茉莉絵はラーメンを見ただけで吐き気を催す恐怖症になっていた。それを見た烈土は、修行はしばらく休もうと言う。
茉莉絵が作るラーメンは不味くはないのだが、何かが足りなかった。烈土は幸せな気持ちで作ると、幸せな味になると言う。食の細さも指摘された茉莉絵は、豪快に食べるコジマのことを思い出す。どのみち、ラーメン作りには熱心に仕込みをする者と、それを美味しく茹で上げる豪快な食欲を持ったパートナーが必要だと言われる。
映画『ラーメン食いてぇ!』のあらすじ【転】
学校の帰り道、偶然にコジマと遭遇した茉莉絵は、逃げる彼女を引き留め、一緒に日本一のラーメンを作らないかと誘った。だが、自分がしたことに責任を感じていたコジマは消極的だった。しかし、茉莉絵は、一緒にやってくれるなら許すと切り出した。仲直りした二人は、すぐに以前のような親友関係に戻った。
清蘭に連れてこられたコジマは、早速、麺を茹でることに。幸せそうに茹でる姿に、亡き妻の姿が重なった烈土は、見込みがあるのではないかと感じる。それは的中し、コジマの茹でた麺はとても良い仕上がりだった。二人を気に入った烈土は、みっちりと仕込んでいくことを決める。
毎日の修行の成果は、ラーメンの味にみるみる反映されていった。烈土からも太鼓判をもらうほどに成長した二人だったが、清蘭を継いでいけるのか少し心配だった。その前に、コジマは親を説得しなくてはならなかった。ラーメン屋を継ぐ話をしていなかったのだ。母親は猛反対したが、父親は静かに対応し、お世話になっている烈土に一度、会いたいと言いだす。
どうしたものかと考えた烈土は妙案を思いついた。それぞれの両親を招待し、二人が作ったラーメンでおもてなししてはどうかと言う。烈土は早速、招待状を書き始めた。
映画『ラーメン食いてぇ!』の結末・ラスト(ネタバレ)
やってきた両親たちに茉莉絵とコジマは醤油ラーメンを作った。出されたラーメンを、四人は美味しそうに食べ、スープまで飲み干してしまった。
その時、赤星が店にやってくる。赤星は無事に日本に帰国したが、清蘭の塩ラーメンを食べたい衝動を抑えきれず、記者会見をすっぽかして直行してきたのだ。有名人の登場に皆、驚きを隠せなかったが、赤星はかまわずにラーメンを一杯くださいと注文した。
だが、烈土の妻が亡くなったことを聞かされて、がっかりしてしまう。もう、あのラーメンは食べられないのかと。そんな彼に、烈土は茉莉絵とコジマを紹介し、修行中だがこの子たちのラーメンを食べて感想を聞かせてほしいとお願いした。赤星は了承する。二人は緊張するが、親を説得させるチャンスだと思い、渾身の一杯を作りあげる。
醤油ラーメンだったことを少し残念に思いながら、赤星はスープをすすり、麺を食べようとした。だが、直前になってやめてしまう。理由は、これを食べたい一心で生き延びてきた。食べてしまったら生きる糧がなくなるかもしれない、というものだった。だが、長々と能書きを垂れる赤星に痺れを切らしたコジマは、食べ頃を逃しちゃうと言ってラーメンに飛びつき、平らげてしまった。美味しそうに食べる姿を見た赤星は我慢できなくなり、塩ラーメンを注文する。
塩ラーメンを泣きながら、あっという間に完食した赤星は、遥か高みを目指すような志を感じる一杯だったと表現。それを聞いたコジマは、それは茉莉絵の目指しているものだと呟いた。そして、自分が茉莉絵にしてしまったことを親たちに告白した。両親は驚くが、二人の覚悟を感じ取り、清蘭を継ぐことを許可する。
赤星は“ラーメン食いてぇ!”という本を書き、内容には清蘭のことも出てきた。それが宣伝になったのか、店は大繁盛。茉莉絵とコジマは、今日も幸せそうにラーメンを作っている。
映画『ラーメン食いてぇ!』の感想・評価・レビュー
ラーメンを作ることだけに話が絞られているのが良い。作中で、清蘭のラーメンは引き算でできているというセリフが出てくるが、本作の作りも同じように意識したのではないか。シンプルなストーリーを、無駄のないシーンでテンポよく繋ぎ合わせてある。女子高生二人のラーメン修行とアジアを放浪する赤星の話が、最後に調和して完成するのも麺とスープを表現していて面白いし、ラーメン作りの工程が丁寧に解説されるので、しっかりとした説得力が生まれている。(MIHOシネマ編集部)
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