12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『乱』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『乱』の概要:黒澤明が自身をモデルにしたと公言する、後年の代表作。シェイクスピアの悲劇『リア王』をベースにした教訓的作品であり、26億という莫大な資金をかけて制作された。『影武者』に次ぎ、膨大な人馬を用いた映像は圧巻である。

スポンサーリンク

映画『乱』の作品情報

乱

製作年:1985年
上映時間:162分
ジャンル:時代劇、ヒューマンドラマ
監督:黒澤明
キャスト:仲代達矢、寺尾聰、根津甚八、隆大介 etc

映画『乱』の登場人物(キャスト)

一文字秀虎(仲代達矢)
一文字家の家督を息子に譲ったことから、居城を追われることになる。非道な行いを繰り返してきたため、数多の人から恨まれている。
一文字太郎孝虎(寺尾聰)
秀虎の長男。秀虎から頭領の座を譲り受け、やがて秀虎を追放する。
一文字次郎正虎(根津甚八)
秀虎の次男。兄の正妻であった楓に操られ、自滅してしまう。
一文字三郎直虎(隆大介)
秀虎の三男。取り繕うことができない正直者。秀虎を心から敬い、守ろうとする。
楓(原田美枝子)
太郎の正妻。かつて親兄弟を秀虎に殺され、一文字家に強い恨みを抱く。太郎亡き後は、次郎の正妻に登り詰めようと、末の殺害を企む。貪欲で恐ろしい女。
末の方(宮崎美子)
次郎の正妻。仏を信じ、恨みを捨てる。最後は暗殺されてしまう。
鶴丸(野村武司)
末の弟。秀虎に目を潰されてしまい、ひっそりと暮らしながらもひどく恨んでいる。
鉄(井川比佐志)
次郎の側近。楓にそそのかされる次郎に忠告する。最後は楓の首を切る。
狂阿弥(ピーター)
小さい頃から秀虎に仕えるお伽衆。道化のようにふざけては、その場を賑わせようとする。
丹後(油井昌由樹)
秀虎の側近。秀虎に忠誠を誓い、追放されてもなお手助けする。
生駒(加藤和夫)
秀虎の側近でありながら、楓を手伝って一の城から秀虎を追い出す。
小倉(松井範雄)
太郎の側近。太郎を裏切り、君主暗殺の手助けをする。
藤巻(植木等)
隣国の頭領。三郎を気に入り、娘婿に迎え入れる。

映画『乱』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『乱』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『乱』のあらすじ【起】

狩りの後の和やかな席で、一文字秀虎は突然の隠居を発表する。三人の息子にそれぞれの居城を与え、自分はその客人として余生を謳歌するという。家督を譲り受けた太郎、次郎が父を煽て、決心を固めるなか、三郎だけは本音を隠さない。秀虎が退けば、兄弟は協力などせず、血を見る争いを始めるだろうと訴える。憤った秀虎は、同じく秀虎に異を唱える側近・丹後もろとも追放してしまう。一部始終を見ていた隣国の頭領・藤巻は、そんな三郎の行動を買って、娘婿として迎え入れる。

頭領となった太郎は、正妻である楓の進言に従ううちに、やがて秀虎と対立してゆく。楓には、秀虎に対する強い恨みがあった。一文字家の馬印、さらには大殿の格式すら奪われた秀虎は、楓の息のかかった側近・生駒の働きもあって、一の城を去る。

一方、太郎の手紙により秀虎の動向を知った次郎は、父の来訪を煙たがる。太郎もまた、頭領の座を狙って企んでいたのだ。

映画『乱』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『乱』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『乱』のあらすじ【承】

秀虎は郎党たちを連れ、次郎のいる二の城へやってくる。秀虎が真っ先に向かったのは、楓と同じく肉親と城を秀虎に奪われた、次郎の正妻・末のところであった。仏を信じ、決して秀虎を憎もうとしない彼女に、秀虎は心を痛める。そんな中、次郎は秀虎の郎党たちを追い出そうとする。またしても息子の裏切りに絶望した秀虎は、二の城を後にする。

行く当てのなくなった秀虎とその一行の元へ、見兼ねた丹後が食糧を届けにくる。丹後は、藤巻領にいる三郎に助けを求めるよう秀虎を促すが、秀虎は三郎に会わせる顔がない。結局、生駒にそそのかされ、秀虎は太郎の側近・小倉のいる三の城へと向かう。

秀虎が三の城で目覚めると、そこは戦場であった。小倉と生駒に謀られたと気づいた時にはすでに遅く、太郎と次郎の軍勢が押し寄せていた。秀虎が早々と戦意喪失するなか、太郎が討ち取られる。次郎の側近・鉄が仕組んだことであった。

心神喪失となった秀虎は、亡霊のように闊歩して敵前に赴く。その異様な姿に、兵はおろか次郎さえ手を出すことができない。秀虎は運良く見逃され、戦地を後にする。

映画『乱』のあらすじ【転】

気が狂った秀虎を、丹後と狂阿弥が発見する。秀虎を看病するため、途中の人家に立ち寄るが、そこに住んでいたのは末の弟・鶴丸であった。かつて鶴丸は命と引き換えに、秀虎に目を潰されて失明していたのだ。過去の業に苛まれた秀虎は、家を飛び出してしまう。

次郎は楓に、太郎の戦死を報告する。だが真実を見抜いていた楓は、次郎に短刀を突きつけると、自分を正室にするよう迫ったうえ、末の暗殺を持ちかける。一方、楓に不信感を抱く鉄は、命に背いて末を助け、代わりに狐の石像の首を包んで楓に差しだす。助けられた末は、鶴丸と共に三の城へと向かう。

丹後は三郎に助けを求めるため、藤巻領へと向かう。残った狂阿弥は、秀虎の世話係にうんざりして逃げ出そうとするも、秀虎への情を捨てきれず留まる。そこへ、末と鶴丸がやってくる。彼らの姿を見た秀虎は、またしても恐ろしさのあまり逃げだしてしまう。

映画『乱』の結末・ラスト(ネタバレ)

丹後の報せを受け、三郎は父を引き取るため軍を出す。国境に藤巻と綾部の軍を見た次郎は、鉄の助言を無視し、楓にそそのかされるままに戦を決意する。

狂阿弥から秀虎を見失ったとの報告を受け、三郎が動きだす。それに乗じて、秀虎を討ち取ろうとする次郎を、鉄は制止しようとする。楓の言いなりであると言い当てられるが、次郎は聞く耳を持たない。三郎によって見つけられた秀虎は、過ちを謝罪し、三郎に助けられることを望む。

勢いのままに軍を進める次郎だが、囮の軍勢に騙され、一の城に攻め入られてしまう。一方、秀虎の奪還が目的であった三郎の軍は、無駄な戦を避けて引きあげる。

秀虎と三郎が親子の信頼を取り戻し、三の城へ帰る道中、三郎が敵の残党に討たれて死んでしまう。ついに秀虎も力尽き、息を引き取る。そこへ、味方の勝利の報せが入る。絶望のあまり、狂阿弥は神や仏へ怒りをぶつけるが、神や仏こそ人の世を嘆き泣いているのだと丹後は叱る。

一の城へと退却した太郎の軍の元に、末の首が届く。一文字家が滅びるよう裏で操っていた楓は、鉄に首を切られる。

帰らぬ末を待ち、鶴丸は三の城の跡に佇む。彼が手を滑らせて落とした絵巻には、後光に照らされた仏が美しく描かれている。

映画『乱』の感想・評価・レビュー

対照的な楓と末の描き方が、本作の肝であろう。人間らしく最後まで憎み続けた楓と、煩悩を捨て菩薩となった末は、ともに悲劇の死を迎える。盲目の鶴丸は、仏が描かれた絵巻を落とし、もう拾うことができない。まるで人の世を救おうとも術をなくした、神や仏の体現のようだ。

繰り返してはいけない過ちを諭す教科書のような印象を受けた。無常の世を写し、天からの視点を与える空模様のインサートがくどいように思えたが、それも含めて「教訓」なのだろう。(MIHOシネマ編集部)


一文字秀虎は、息子に家徳を譲ることを宣言。しかし、自身の安泰な余生と、次世代への期待、そのすべてを裏切られ、秀虎は一の城から追放、更に息子達は結束どころか、長男の妻である楓の方の企みも手伝って、血みどろの闘争を起こしてしまう。
その有様に絶望し、廃人と成り果てる秀虎。この悲劇の起因はすべて己の行いと知り始める。
人間の争いは、神の悪戯か。それとも人間の性なのか。戦争という凄惨かつ狂気に満ちた時代から見る、悲しい人間ドラマ。(男性 20代)

スポンサーリンク
スポンサーリンク
ヒューマンドラマ映画時代劇映画
スポンサーリンク
スポンサーリンク
好きな映画を無料で見る方法
12000本の映画を見てきたMIHOシネマ編集部が"本気"でオススメする動画配信サービスだけを紹介! 数多くの動画配信サービスの中から厳選し、どんな人に何がオススメなのかを徹底比較しています。 自分に合ったサービスを見つけましょう。
動画配信サービス人気ランキング【PR】
U-NEXT
u-nextのロゴ画像
月額料金 2,189円(税込)
無料期間 31日間無料
作品数 約33万本
特徴 国内最大級の配信数(33万本)で、そのうち29万本が見放題!レンタル作品用のポイントが毎月1,200円分もらえる。新作映画やドラマの配信が早く、新作をいち早く見たい人はU-NEXT一択
TSUTAYA DISCAS
TSUTAYA TV/DISCASのロゴ画像
月額料金 2,052円(税込)
無料期間 30日間無料
作品数 DVD約35万本+CD約25万本
特徴 DVDやCDの宅配レンタルサービス。追加料金なしで新作DVDを月8本まで、旧作は借り放題!ネットで簡単注文、借りた作品は自宅でお届け!返す時はポストへ返却するだけなので楽チン!
Amazonプライムビデオ
Amazonプライムビデオのロゴ画像
月額料金 月額500円または年会費4,900円(税込)
無料期間 30日間無料
作品数 約1.5万本
特徴 コスパ最強で、なんといっても料金が安い!有名な映画・アニメから独占配信やオリジナル作品まで幅広いジャンルの作品を配信。追加料金なしでAmazon Musicの200万曲の楽曲も聴き放題!迷ったらこれで決まり!

みんなの感想・レビュー