12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『レッド・ファミリー』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『レッド・ファミリー』の概要:絵に描いたような理想の家族。彼らは北朝鮮のスパイだった。残してきた家族の為に次々と任務を遂行する偽装家族。隣の家族と触れ合い自国の思想に反発を覚えていく。南北分裂問題をコミカルに描いたある家族の物語。

映画『レッド・ファミリー』の作品情報

レッド・ファミリー

製作年:2013年
上映時間:100分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:イ・ジュヒョン
キャスト:キム・ユミ、チョン・ウ、ソン・ビョンホ、パク・ソヨン etc

映画『レッド・ファミリー』の登場人物(キャスト)

班長(キム・ユミ)
リーダー役。最初は忠実な工作員だったが、お隣の家族を見て人間らしさが見えてくる。夫も工作員だったが任務中に亡くなっている。彼女の失敗により、娘も危険にさらされてしまう。
夫役(チョン・ウ)
少し気弱な工作員。暗殺の任務を失敗してしまう。心の優しい青年。任務中、彼の家族が脱北してしまう。それを救うために手柄をたてようとするが、失敗してしまう。
祖父役(ソン・ビョンホ)
ベテラン工作員。任務中体調の悪さを覚える。お隣の奥さんに恋心を抱く。しかし、彼は長年の心労がたたり、ガンに侵されていた。
娘役(パク・ソヨン)
幼いが優秀な工作員。家族の為に幼い赤子を手にかける。人生ではじめて誕生日を祝ってもらい興奮する。 隣の息子に恋心を抱いていた。

映画『レッド・ファミリー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『レッド・ファミリー』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『レッド・ファミリー』のあらすじ【起】

親子が仲良く、記念写真を撮っている。家族旅行中、レストランで食事をしているようだ。祖父をうやまい、夫婦は仲良く、子供もやさしい、理想の家族に見える。

部屋に入るなり、奥さんが祖父の足を思いっきり蹴る。
「今度しくじったら、覚悟しろ。」
彼らは北朝鮮のスパイだった。疑似家族として韓国に潜伏し、密かに計画を実行していた。夕飯どき、隣から夫婦喧嘩の声がした。 隣の奥さんはだらしなく物を粗末にする。
班長(キム・ユミ)は「北朝鮮では食料不足なのに」と憤慨する。

ある日、北朝鮮の人権問題について著書を発表した脱北者に、暗殺指令が出た。針金で殺せといわれ、暗殺の為の道具を作ってもらう。班長は綺麗に着飾り、対象者にぶつかった。ファンだと近づいて、人のいない公園までおびきだす。そこには他の家族3人が隠れていて、チャンスを伺っていた。「反逆者!」班長の合図に夫(チョン・ウ)は針金で殺そうとするがうまくいかず、逃がしてしまう。そこにベテランの祖父(ソン・ビョンホ)が一瞬で対象者の息の根を止めた。

「朝鮮の家族だけは!助けてください!」
涙を流しながら懇願する。彼らは、朝鮮に残して来た家族の為、苦しい任務を遂行するのだった。

映画『レッド・ファミリー』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『レッド・ファミリー』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『レッド・ファミリー』のあらすじ【承】

新しい暗殺指令は家族3人。ひとりは小さな赤ちゃんだった。あまりにも残酷すぎる命令に、全員反発する。そこで班長は模範を示すと赤ちゃんを手にかけることを決めた。
「ママーーーー!」
班長は銃口を向けるが、撃てない。

任務遂行を終えて帰宅した。娘(パク・ソヨン)が写真を叩き付ける。
「任務も果たせないくせに!」
班長は自分の子供を思い出してしまい、赤ん坊を殺すことができなかった。娘は母親と勘違いされて、手を握られたらしい。しかし、首を絞めて殺した。彼女は泣きながら叫ぶ。
「悪魔じゃない!家族のためだ!」

昨日の功績を評価され、自由時間を与えられた。あと、家族に手紙を書くことも許された。手紙を班長に渡す娘。班長は目を見ずつぶやいた。
「おまえは、私の娘に似ている。」

昨日の功績を讃えられて、勲章の授与も受けることになった4人。
「朝鮮民主主義人民共和国 万歳!万歳!万歳!」
お隣の家族にパーティーに呼ばれた。班長は奥さんにどんどんお酒を勧められ、どんどんお酒を飲んだ。
「一緒に暮らすのがほんとの家族でしょ!酔っぱらって本音を話して、なにがいけないのよ!」
泥酔した班長は叫ぶ。自由を奪われた彼らは、本音も言えないのだった。

映画『レッド・ファミリー』のあらすじ【転】

隣の息子に密かに思いを寄せる娘。彼女はお隣の息子をいじめていた同級生たちをやっつける。お礼に息子は娘の誕生日を祝いに、ケーキを持って遊びに来た。みんなでテレビを見ていると、北朝鮮のニュースが放映されていた。北朝鮮を批判するお隣の家族。娘は興奮して南北が仲良くなればいいと熱弁する。それを盗聴していた別の工作員が、動き出す。

夫の家族が脱北したとの情報が入り、班長は混乱する。いくら工作員の家族とはいえ、脱北者は許されない。そこで班長は大手柄をあげて、彼の家族を救おうとする。

夜に行動を開始する家族。
「なにかの間違いだ!」
彼らは大きな間違いを犯した。反逆者の偽装した仲間だったのだ。
「きっと全員、罰が下る。」

班長の頭に銃口が向けられていた。
「全員、自決しろ。」
失敗した全員の責任は、死で償えと迫る。夫の脱北した家族を助けるためだと、訴え、自分だけ死ぬと言う疑似家族。その姿に感動する工作員。
「しかし、同士の絆は命取りになる。皆が死ぬことになるぞ。」
警告し、去った。

映画『レッド・ファミリー』の結末・ラスト(ネタバレ)

ある日班長は、連絡係に呼ばれた。南の思想にかぶれた全員、工作員失格だと言われる。
班長はどうしても全員を助けたくて、なんでもすると懇願する。
「じゃあ、隣の家族を全員、殺せ。」
班長は計画実行のため、島に遊びに行かないかと、隣の家族を誘った。

それとは知らず、はしゃぐお隣家族。祖父は、黙って森へ姿を消す。
「血迷ったか!」
偵察していた見張りを縛り上げる祖父。彼は心労が重なって命に関わる大病を患っていた。もう命は長くない。だから自分に正直でいたかったのだ。班長がテントをあけると家族が寄り添うようにして眠っていた。その家族の姿を見て、覚悟を決めた。

針金を手に貫通させ、4人をつなぐ。足を鎖は鎖で縛られている。突然4人は叫びはじめた。
「家事もできないくせに。」
「あんたの稼ぎはどうなのよ。」
「いつまで喧嘩を続ける気?」
この台詞は、お隣の家族のいつもの風景だった。憧れても憧れても手に入らない理想の家族。
「最後に残るのは家族なんだぞ。優しくしておきなさい。」

4人は命を絶った。このとき、本当の家族になれた気がした。

映画『レッド・ファミリー』の感想・評価・レビュー

家族とは何なのか、家族を大切にするとはどういうことなのか、これまで深く考えずに生きてきたことに気づかされました。また、フィクションではあるが、日本で当たり前だと思っていることが、他の国では簡単に手に入らない幸せであるかもしれないことにも、考えさせられました。
血のつながった家族でも憎しみあったり、反対にこの作品のように他人同士が一緒に助け合っていくことで家族よりも強い絆が生まれたり、家族とは本当に定義しきれない言葉だと思いました。(女性 20代)

みんなの感想・レビュー