この記事では、映画『レッド・オクトーバーを追え!』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『レッド・オクトーバーを追え!』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『レッド・オクトーバーを追え!』の作品情報
上映時間: 135分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:ジョン・マクティアナン
キャスト:ショーン・コネリー、アレック・ボールドウィン、スコット・グレン、サム・ニール etc
映画『レッド・オクトーバーを追え!』の登場人物(キャスト)
- ジャック・ライアン(アレック・ボールドウィン)
- 優秀なCIAの分析官。元海兵隊員だが負傷により現場を退いている。亡命を考えるラミウスの考えを読み、先んじて行動しようとする。
- マルコ・ラミウス(ショーン・コネリー)
- 最新鋭の潜水艦を長年にわたり搭乗してきたベテラン艦長。ソ連海軍の教官でもあり、数々の部下を指導してきた。愛妻を亡くしている。
- バート・マンキューソ(スコット・グレン)
- 米原子力潜水艦ダラスの艦長。レッド・オクトーバーを探知し、追尾を命じる。
- ジェームズ・グリーア(ジェームズ・アール・ジョーンズ)
- CIA長官。ジャックに全幅の信頼を寄せており、ジャックの読みを信じて行動する。
映画『レッド・オクトーバーを追え!』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『レッド・オクトーバーを追え!』のあらすじ【起】
ラミウスを艦長とする最新鋭の大型原子力潜水艦「レッド・オクトーバー」がソ連を出航する。ロンドンに駐在していたジャックはワシントンに向けて飛び立つ。ジャックはCIA本部でジェームズにレッド・オクトーバーの写真を見せる。米原子力潜水艦「ダラス」はレッド・オクトーバーのソナーを探知する。報告を受けたバートは追尾を指示する。
ラミウスは政治士官とともに命令書を開ける。しかし、ラミウスは政治士官を殺し、命令書を挿げ替える。ジャックは米海軍の造船所に行き、レッド・オクトーバーに付いているドアについて専門家に意見を聞く。専門家は潜水艦をほぼ無音で推進させるキャタピラー推進装置の可能性があると指摘する。
ラミウスは米国の大都市に近付き、ミサイル演習を行うとの命令を伝達する。乗組員達は興奮して愛国歌を歌いだす。ラミウスはキャタピラー推進装置を始動させる。音が突然聞こえなくなり、ダラスはレッド・オクトーバーを見失ってしまう。一方、ソ連海軍艦隊政治部にラミウスからの手紙が届いており、開封した上官は手紙の内容に驚愕する。

映画『レッド・オクトーバーを追え!』のあらすじ【承】
ライアンはジェームズに呼ばれて大統領補佐官へのブリーフィングに出席する。ラミウスの手紙を受け、ソ連の原子力潜水艦がレッド・オクトーバーを撃沈するように指令を受けて異常な動きを見せ始めていたためだ。皆は気が狂ったラミウスが米国を攻撃しようとしていると考えるが、ライアンはラミウスが米国への亡命を目論んでいると分析する。大統領補佐官はライアンにラミウスの真意を探るように命じる。
ラミウスは気心知れた士官達と亡命について相談する。そしてラミウスは亡命について記した手紙を送ったことを皆に明かす。一方、ライアンは北大西洋を航行する米空母に乗り込む。ダラスはソナー官がレッド・オクトーバーからの人工音を確認し、米国に向かう海溝ルートを目指しているとの見立てをする。
ライアンは空母の司令官から仮にラミウスの亡命でレッド・オクトーバーを手に入れてもソ連に返却を求められるだけだと説明される。また、乗組員の処遇も問題になると指摘される。レッド・オクトーバーで冷却装置が故障し、キャタピラー推進装置を停止せざる得なくなる。乗組員の誰かによる妨害行為だった。
映画『レッド・オクトーバーを追え!』のあらすじ【転】
ソ連の対潜航空機がレッド・オクトーバーに向けて魚雷を投降する。キャタピラー推進装置が使えなくなったために所在がばれたのだ。ラミウスは岩場ギリギリまで接近してから旋回し、魚雷の攻撃を交わす。
ジャックはラミウスがどうやって乗組員を降ろすのかを考える。ジャックはダラスがレッド・オクトーバーを追尾していることに気付き、ダラスに乗船するためにヘリコプターで飛び立つ。そしてヘリコプターから海に飛び込み、ダラスに乗り込む。ソ連大使は大統領補佐官にラミウスが米国への攻撃を狙っていると嘘の報告をする。亡命を阻止するために米国の協力を得てレッド・オクトーバーを沈めようとしていたのだ。
バートはレッド・オクトーバー攻撃の指令を受ける。ライアンはラミウスの目的が亡命だと言ってバートを説得しようとする。そしてレッド・オクトーバーが敵の存在を確認するために右旋回すると言い当てる。バートはジャックの話を信じ、潜望鏡からモールス信号を送り、ラミウスに連絡を試みる。そしてラミウスに亡命の意思があることを確認する。ジャックはラミウスに針路を指示し、レッド・オクトーバーを海溝に向かわせる。
映画『レッド・オクトーバーを追え!』の結末・ラスト(ネタバレ)
レッド・オクトーバーで放射能漏れ事故が起こり、ラミウスは乗組員をボートで避難させる。そこに米国のフリゲート艦が姿を見せたため、ラミウスは士官達と残り、レッド・オクトーバーを沈めさせると乗組員に説明する。一方、ジェームズの指示で米軍はレッド・オクトーバーに向けて魚雷を発射し、直前で爆発させる。放射能漏れも魚雷も乗組員を騙すための手段だった。
ジャックとバートは小型艇でレッド・オクトーバーに乗り移る。ラミウスはレッド・オクトーバーを引き渡し、士官と共に亡命を求める。そこにレッド・オクトーバーを探していたソ連の潜水艦が魚雷を発射してくる。ライアンが舵を握ることになり、ラミウスは魚雷のコースへ針路を変更させる。そのお陰で魚雷の点火が間に合わず、不発に終わる。
何者かがレッド・オクトーバー内で発砲してくる。ライアンはその男を追い掛け、撃ち殺す。相手はずっと妨害工作をしていた料理人だった。再びソ連の潜水艦が魚雷を放すが、ダラスが目標をかく乱させる。目標を見失った魚雷はソ連の潜水艦に命中する。無事に危機を乗り越え、ライアンはレッド・オクトーバーを故郷の川に隠すことにする。
映画『レッド・オクトーバーを追え!』の感想・評価・レビュー
『ダイ・ハード』のジョン・マクティアン監督がメガホンを握った傑作サスペンス。複雑なプロットを分かり易く見せており、ラミウスとライアンが繰り広げる頭脳戦の駆け引きが面白い。また、潜水艦同士の攻防など、手に汗握るアクションシーンも満載だ。「ジャック・ライアン」シリーズでは度々役者が変わっているが、アレック・ボールドウィンは適役だ。シリーズ中では、今作と『今そこにある危機』がお薦めだ。(MIHOシネマ編集部)
地味な映画だと思って観始めたけど、サスペンスの構築が見事で思わず引き込まれました。派手なアクションがなくても、駆け引きや心理戦がここまで面白いとは驚き。潜水艦の中という閉鎖空間が、不安と緊張を倍増させていて、手に汗握る展開でした。(30代 女性)
当時の冷戦構造がわかるとより楽しめる映画。政治的な駆け引き、軍事的なプロトコル、国家と国家の信頼と疑念、そのすべてが潜水艦という狭い舞台で凝縮されている。ラミウスの「アメリカへの亡命」が判明した時点で物語の重みが一段階上がった気がした。何度でも観返せる作品。(50代 男性)
若き日のアレック・ボールドウィンが光る作品。分析官なのに命がけで潜水艦に乗り込み、ラミウスと直接対話する姿がカッコよかった。政治だけでなく人間同士の信頼がいかに重要かを見せてくれる映画。今の国際情勢にも通じるテーマがあり、古さを感じさせない。(30代 女性)
潜水艦内の緊迫感、音の演出、静かな中に漂う恐怖…どれを取っても一級品。ラミウスがなぜ亡命を選んだのか、その動機が明らかになるとき、観ている側にも何とも言えない悲哀が伝わってきた。ショーン・コネリーの威厳ある演技が圧巻だった。(60代 男性)
潜水艦映画は初めて観たけど、こんなに面白いとは思わなかった!敵味方が入り乱れる中で、正体を探るスパイ的な要素もあり、ずっとドキドキしてた。最後の砲撃シーンと、その後の静かな決着が特に印象的。駆け引きがメインだから何回も観たくなる映画。(20代 男性)
軍事映画というより、知的なサスペンスドラマとして楽しめた。ジャック・ライアンがただのエリートじゃなく、現場で命を張って動く姿に惹かれた。ラミウスの真意を読み取る力と、それを信じる勇気の描写が最高。アクションより心理戦が好きな人にはおすすめ。(40代 女性)
ラミウスの「戦わずして勝つ」スタンスがとにかく渋い。旧ソ連の軍人なのに、アメリカに理想を託して亡命するという展開は、当時としても大胆だったと思う。撃たずに勝つ、裏をかく展開が大好物なので、個人的にドンピシャな一本でした。今でも色褪せない作品。(30代 男性)
90年代前後の洋画って、今見ると古臭い部分もあるけど、『レッド・オクトーバーを追え!』は緊張感やテーマが現代でも通用する。技術描写が正確で、ミリタリーファンにもたまらないはず。息を飲む静寂の中にある決断の重みが、心に響きました。(50代 女性)
ラストでアメリカ海軍が協力し、ラミウスたちを匿う展開には鳥肌が立った。敵だった者が、理想を共有して手を取り合う…そんな展開を潜水艦という特殊な空間で描いたことに感動した。戦争映画というより、国家間の信頼と理性を描いたヒューマンドラマとして高評価。(20代 男性)
映画『レッド・オクトーバーを追え!』を見た人におすすめの映画5選
クリムゾン・タイド
この映画を一言で表すと?
“核の発射をめぐる究極の対立、沈黙の艦内で交錯する男たちの信念”
どんな話?
アメリカ海軍の核ミサイル潜水艦で、艦長と副長が発射命令をめぐって真っ向から対立。不完全な命令受信の中、世界を揺るがす決断を迫られる状況で、軍人として、人間としての葛藤が描かれる。
ここがおすすめ!
『レッド・オクトーバー』と同じく、潜水艦という密閉空間と軍事的緊張感が極限まで高まる設定が魅力。ジーン・ハックマンとデンゼル・ワシントンの演技対決は必見。心理戦と正義のあり方を問うスリリングな展開がたまらない。
ジャック・ライアン:シャドー・リクルート
この映画を一言で表すと?
“若きライアンが世界を救うため駆け巡る、スパイ・アクションの新章”
どんな話?
『レッド・オクトーバー』でも活躍したジャック・ライアンの若き日を描くスピンオフ的作品。CIAにリクルートされた彼が、テロの陰謀を阻止すべく、金融の知識と分析力でロシアの脅威に挑む。
ここがおすすめ!
本作を気に入った人にはおなじみのジャック・ライアンが主役。知略と行動力を兼ね備えた彼の成長ストーリーは、『レッド・オクトーバー』を観た後により楽しめる。シリーズファンは必見。
U・ボート(原題:Das Boot)
この映画を一言で表すと?
“潜水艦映画の最高峰、極限状態に置かれた人間たちのリアル”
どんな話?
第二次世界大戦中、ドイツのUボートに乗り込んだ乗組員たちが、戦場の緊張と閉塞感の中で任務に挑む。人間の極限心理と戦争の理不尽さを、リアルかつ息詰まる描写で描いた歴史的名作。
ここがおすすめ!
『レッド・オクトーバー』の密室サスペンスが好きな方には間違いなく刺さる作品。戦争の現実を突きつける描写と、潜水艦という舞台の臨場感は圧巻。リアル志向の作品を求めるなら必見。
スパイ・ゲーム
この映画を一言で表すと?
“師弟の絆とスパイの信念が交差する、静かなる頭脳戦”
どんな話?
引退目前のCIAベテラン(ロバート・レッドフォード)が、捕らえられた教え子(ブラッド・ピット)を助けるため、情報操作と政治的駆け引きで奔走するサスペンス。回想と現在が交錯する巧みな構成も魅力。
ここがおすすめ!
冷戦後も続く情報戦のリアルが描かれた本作は、スリラーとしての完成度が非常に高い。『レッド・オクトーバー』のように、戦闘よりも頭脳と信念で勝負する人間ドラマを求める方におすすめ。
ペリカン文書
この映画を一言で表すと?
“真実を追う学生と記者が、政府をも揺るがす陰謀に挑む”
どんな話?
法律学生のダービー(ジュリア・ロバーツ)が、偶然明かした巨大な陰謀「ペリカン文書」の内容を知ったことで命を狙われることに。新聞記者と共に真実を暴こうとする緊迫のサスペンスドラマ。
ここがおすすめ!
こちらも知識と洞察力を駆使して巨大な敵に挑む構図が『レッド・オクトーバー』と共通。銃撃戦よりも“知の戦い”を好む人に刺さる作品。ジュリア・ロバーツの気迫ある演技にも注目。
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