映画『恋愛適齢期(2003)』の概要:ハリーは恋人のマリンに連れられて彼女の母親の別荘に遊びに来ていた。二人しかいないと思い羽目を外していたが、彼女の母のエリカ達が来てしまい鉢合わせしてしまう。ハリーは生真面目なエリカに息苦しさを覚えながらも、若い女性にはない魅力に次第にエリカの事が気になっていく。
映画『恋愛適齢期』の作品情報
上映時間:128分
ジャンル:ラブストーリー
監督:ナンシー・マイヤーズ
キャスト:ジャック・ニコルソン、ダイアン・キートン、キアヌ・リーヴス、フランシス・マクドーマンド etc
映画『恋愛適齢期』の登場人物(キャスト)
- ハリー・サンボーン(ジャック・ニコルソン)
- 63歳。レコード会社社長。30歳以下の女性としか恋をせず、深い付き合いが苦手。
- エリカ・ジェーン・バリー(ダイアン・キートン)
- 有名な劇作家。旦那と別れた後、長らく恋愛とは無縁の生活を送っていた。
- ジュリアン・マーサー(キアヌ・リーブス)
- 36歳。ハリーの主治医。
- マリン・バリー(アマンダ・ピート)
- エリカの娘でハリーの恋人。
- ゾーイ・バリー(フランシス・マクドーマンド)
- エリカの妹で良き理解者。
- レオ・ホフマン(ジョン・ファヴロー)
- ハリーの秘書で何でも屋。
- デイブ(ポール・マイケル・グレーザー)
- エリカの元夫。
映画『恋愛適齢期』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『恋愛適齢期』のあらすじ【起】
ハリーは“娘専門”と世間で騒がれる程、30歳以下の若い女性としか付き合わなかった。そんな彼が現在の恋人マリンと共に彼女の母の別荘へと向かう。
マリンは部屋を案内しながら服を脱ぎ、二人はベッドルームに飛び込む。しかし、ハリーは水着に着替えてシャンパンを飲もうと提案する。ハリーがシャンパンを取り冷蔵庫に行くと、勝手口から母のエリカとエリカの妹のゾーイが入って来た。エリカは悲鳴を上げ警察に電話しようとするが、娘の恋人と言われ驚愕する。
マリンはエリカ達に友達だと紹介し、エリカはとりあえず警察に通報しようとした事を謝罪する。ハリーはそのタフな姿に感動し、一先ずこの場は帰ろうとするがゾーイに呼び止められ残る事になる。
皆で買い物に行くと、エリカが流暢なフランス語を話しているのを聞きハリーは驚く。ハリーはその事をマリンと話していたが、彼女が立ち去るとその後姿に釘付けになった。そのだらしない表情を見てエリカはげんなりとなる。だが、エリカがこけそうになっている時ハリーに助けられる。そのまま会話をする事になりハリーの仕事について聞くのだが、音楽関係でヒップホップを扱っていると聞き嫌そうな顔をする。ヒップホップを嫌っているエリカに、ハリーは別荘に残った事を後悔していた。
皆で夕食を食べるが、年齢の話やハリーの女性を軽視した発言で場の空気が悪くなってしまう。その後、エリカはゾーイと食器を片付け、マリンはハリーと部屋に籠って音楽を楽しんでいた。だが、突然マリンが悲鳴を上げた為、慌ててエリカ達が向かうとベッドの下に倒れ苦しむハリーがいた。エリカは救急車を呼ぶように指示し、ハリーに人工呼吸を行う。
医師のマーサーは心配していたマリン達に説明を行う。ハリーは心臓発作を起こしていた。マーサーと話をしていると劇作家であるエリカのファンだと判明し、エリカは喜ぶ。
映画『恋愛適齢期』のあらすじ【承】
ハリーの元に秘書のレオが迎えにやって来る。まだ起き上がるとふらつくハリーにレオは熱烈なハグをする。そして、マリンがやって来て散々なデートを笑い合う。退院する為、車いすに乗せられて外へと出るが立ちあがった瞬間に倒れてしまう。それでも入院したくないと言うハリーにマーサーは、看護婦付きで近所に住むことを提案する。
エリカは自分が看護しないといけなくなった事とハリーの秘書達も出入りする騒々しさに怒り、元夫のデイブに吐き出す。そんな中、マリン達が帰ると言いだし、明日の朝、看護婦が来るまで一人で世話をしないといけない事に青ざめる。
ハリーは夜遅くまで起きており、電気が消えてやっと寝た事にエリカは安堵する。エリカは歩きながら服を全て脱いでしまうが、キッチンと間違えて入ってきたハリーに裸を見られてしまう。エリカは叫び声を上げ、ドアを叩きつけるように閉めた。
次の日、体調が良かったハリーは看護婦を追い返してしまう。
診察に来たマーサーは、ハリーがエリカの悪口を言っているのを興味深そうに聞くが、彼女は一流の劇作家で素敵な女性だと返す。そして、マーサーはエリカと話をし、ディナーのデートに誘う。
気分が良くなったエリカは、ハリーの誘いに乗り浜辺を一緒に散歩する。楽しくおしゃべりをしていたが、デートの時間になり別荘へと帰る。
エリカはシックな装いのドレスに着替えており、いつもと違う様子にハリーは驚く。エリカが出掛け淋しくなったハリーは、マリンに電話を掛けるが留守番電話で繋がらない。
デート中、エリカはマーサーの気持ちを恐る恐る尋ねる。マーサーから真剣な表情で口説かれるが、年齢の差もあり素直に受け止めることが出来なかった。
映画『恋愛適齢期』のあらすじ【転】
帰って来たエリカにハリーはチャットを送る。始めは訝しむエリカだったが、くだらない内容に思わず笑ってしまう。そして、ちょっとお腹がすいたハリーはエリカを誘いパジャマパーティーをする。会話の中にハリーの優しさを感じたエリカは感激するが、そこへマリンが現れる。何も食べずに自室に戻ろうとするエリカにハリーは声を掛けるが、その姿を見てマリンは二人の間に何かある事を感じ取る。
翌日、マリンはエリカにハリーと別れる事を告げ、応援している事を伝える。エリカは娘の言葉に喜びながらもマーサーからのデートの誘いを断れずにいた。
ハリーとエリカは浜辺で食事を楽しんでいたが、雨が降りだした為に急いで部屋に戻る。そして、二人はキスをし、途中でハリーの血圧を測りながらセックスをする。二人は無事にセックスできたことに喜び涙を流す。
ハリー達は幸せの余韻に浸りながらお互いの事を聞いていたが、一人じゃないと眠れないハリーは自室へと戻ってしまう。それをエリカは涙をこらえながら気丈に受け入れる。だが、しばらくしてハリーが戻って来てエリカと共に寝たいと言い、二人は一緒に眠る。
ハリーはエリカと共に朝の11時まで寝ており、8時間も眠っていた。
ハリーの体調が戻りエリカの家を出て行くことになる。エリカはハリーの思い出に浜辺で取った石をプレゼントする。二人は愛してると伝え合い明るく別れる。
エリカの元に電話がかかってきて、マリンが取り乱した様子で父親が再婚する事を話す。しかも、マリンと2歳しか違わない女性で3週間の付き合いで結婚すると言う話だった。エリカは急いでマリンの元へ向かう。
映画『恋愛適齢期』の結末・ラスト(ネタバレ)
マリンはショックで泣け叫びながらエリカに当たり散らす。エリカはそれを落ち着いて宥める。そして、夕食会に来て欲しいと言う申し出を受けるが、その日はマーサーとのデートの約束をしており、エリカはすっぽかしてしまう。
ギスギスした空気の中デイブ達との夕食会が開かれたが、エリカは同じ店に若い女性を伴ったハリーが来店してるのを見てショックを受ける。エリカは外に出ようとするが、途中でハリーに見つかってしまう。慌てて店の外へと出るエリカの後をハリーは追いかけ、話し合おうとする。真剣な恋愛を求めるエリカと真剣な恋愛が分からないハリーで気持ちがすれ違ってしまい、エリカは泣きながらタクシーで去ってしまう。
ハリーは胸の痛みで病院に運び込まれるが、心臓発作ではなくストレスによる過呼吸だった。退院しエリカへと電話を掛けるが、留守番電話で繋がらなかった。ハリーは初めて恋愛の胸の痛みを感じる。
エリカは留守番電話でマーサーの伝言を聞き、レストランで待っていると言う彼の言葉に泣きじゃくる。そして、さらに大声で泣きながらありのままの文章を書く事を決めパソコンに向かう。
マリンが訪ねてきて、彼女はエリカが泣いているのを見て驚く。エリカは恋をしたことを後悔しておらず、マリンに怖がってはいけないと伝える。
ゾーイは市場でマーサーと会い、エリカの家へと連れて帰る。共に食事をし、エリカはマーサーに謝罪をしキスを求められるままする。
ハリーは若い女性から面白い話があると言い聞かされるが、それは自分とエリカの物語だった。ハリーは劇の指揮をしているエリカの元へ向かうが、喧嘩になってしまい別れてしまう。劇場から出たハリーはまた病院へと運び込まれるが、心臓発作でも過呼吸でもなく今度は不安発作だった。
6か月後、ハリーはマリンに会いに行くと彼女には夫がおり妊娠をしていた。その輝く幸せな姿に喜ぶ。パリにいるエリカの元に会いに行くが、彼女はマーサーと幸せなカップルになっていた。ハリーは二人と別れ、橋を歩き涙を拭う。車の音に振り返るとエリカが立っていた。マーサーはエリカがハリーを見る目から愛している事を見抜き、送り出してくれたのだ。ハリーはエリカに愛の告白をし、二人は熱いキスをして幸せそうに微笑み合った。
映画『恋愛適齢期』の感想・評価・レビュー
還暦過ぎの独身の大富豪が、いつも選ぶお相手は30代も下の美人ばかりです。ひょんな事から、彼女のお母さんと距離を縮めることになります。この映画の中でキアヌ・リーブスが登場するのですが、さすが少ししか出ていないのに存在感がありました。
最後は上手くまとまるのですが、途中がドタバタで話がまとまるのかと不安でした。また、ロケ地や家の内装が可愛くてそちらに心を奪われます。(女性 30代)
恋愛ものは若い人が主役が多いですが、これは熟年の男女が主役という面白い作品です。熟年の男女が恋愛に振り回されていますが、名優揃いのせいかまったく痛々しさや老いを感じさせず、むしろ20・30代が主役の映画よりも魅入ってしまいます。恋愛模様も素敵ですが、家の内装なんかもオシャレです。
女性監督であるおかげか、一瞬ヌードシーンや下ネタシーンもあるのに嫌らしくなく、あっさりした仕上がりになっています。キアヌ・リーヴスの登場シーンは短いですが、カッコよくさすがの存在感を放っています。(女性 30代)
恋愛に適齢期はないよっていうテーマの、中年2人のラブコメディです。恋愛観に共感できない場面が多々ありましたが、たぶんお国柄の違いだと思います。ですが、ジャック・ニコルソン演じる主人公はダメでした。ちょっと目を離した隙に、毎回違う女性と歩いてしまっていて…エリカの涙腺崩壊は観ていて辛かったです。一途な爽やかイケメン医師の潔さも辛かったです。最後の家族模様も、過去を知っているとなんだか危うく見えて、きついですね。(男性 20代)
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