映画『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』の概要:エドワード8世は2回の結婚歴のある女性ウォリスと出会い、恋に落ちる。その恋は英国王政のスキャンダルとされ、エドワード8世は退位を退く事になる。ウォリーはそんなウォリスの恋愛に自身の生活を重ね合わせる。
映画『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』の作品情報
上映時間:119分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:マドンナ
キャスト:アビー・コーニッシュ、アンドレア・ライズブロー、ジェームズ・ダーシー、オスカー・アイザック etc
映画『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』の登場人物(キャスト)
- ウォリス・シンプソン(アンドレア・ライズボロー)
- 2回結婚しており、2度目の結婚中にエドワード8世と出会い恋に落ちる。頭の回転が速く、賢い女性。
- デイヴィッド / エドワード8世(ジェームズ・ダーシー)
- ウォリスと出会い、自分を理解してくれる彼女に惹かれていく。
- アーネスト・シンプソン(デヴィッド・ハーバー)
- ウォリスの2度目の夫。
- ジョージ5世(ジェームズ・フォックス)
- デイヴィッドの父親で国王。
- メアリー王妃(ジュディ・パーフィット)
- デイヴィッドの母親。
- バーティ / ジョージ6世(ローレンス・フォックス)
- デイヴィッドの弟。兄を家族として愛している。妻に頭が上がらない。
- エリザベス妃(ナタリー・ドーマー)
- バーティの妻。兄夫妻を快く思っていない。
- テルマ・ファーネス子爵夫人(ケイティ・マクグラス)
- デイヴィッドの愛人でウォリスの友人。
- ウォリー・ウィンスロップ(アビー・コーニッシュ)
- ウィリアムの妻。子供を望んでいるが、非協力的な夫に悩む。「サザビーズ」の元学芸員で、ウィンザー公夫妻の遺品のオークションを見て2人の恋愛に思いを馳せる。ウォリスが好きだった母と祖母からウォリーという名前を付けられる。
- ウィリアム・ウィンスロップ(リチャード・コイル)
- 分析医。ウォリーの事をあまり大切にしておらず、度々家に帰らない事がある。
- エフゲニー・コルパコフ(オスカー・アイザック)
- オークション会場の警備員。亡き妻に似ているウォリーに心惹かれていく。
映画『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』のあらすじ【起】
国王のエドワード8世は2回の離婚歴のある女性ウォリスと結婚し、英国から追放され公爵となった。このお話は20世紀最大のラブストーリー、そして英国王政のスキャンダルとして語り継がれている物語である。
ウォリスは最初の夫スペンサー大尉と1924年上海に赴任した後3年で別れた。
ウォリスが入浴していると、彼女の名前を叫びながら探しているスペンサーの声が聞こえてくる。ウォリスは構わず入浴していたが、やって来たスペンサーがウォリスの髪を掴み湯船から引っ張り上げる。そして、ウォリスのお腹を蹴り上げた。お腹の子がと泣き叫んでもお構いなしだった。ウォリスの足からは血が溢れた。
1998年マンハッタン、ウォリー&ウィリアム・ウィンスロップ夫妻が暮らしていた。ウォリーは子供が出来ない状況を医師に相談していたが、まだ28歳である事から体外受精よりも夫と休暇を取る事を勧められる。だが、夫が休暇を取る事はないと確信していた。
ウォリーは夫妻でディナーに赴く。周りから素敵な主人だと羨ましがられるが、ウォリーはウィリアムが若い女性と仲睦まじくしている様子が気になった。
ウォリーはウィンザー公爵夫妻のコレクションが出品されるオークションへと足を運ぶ。
ウォリーは家に帰り、不妊治療の為に足に注射を打つ。ウィリアムに不妊治療の事を伝えるが、勝手に決めるなと怒られ、子供を欲しがっているのは君だけだと言われる。
1931年ロンドン。ウォリスは風邪をひいていたが夫のアーネストに運転してもらい、デイヴィッド殿下に会いに行く。ウォリスは殿下に初めて会える嬉しさから部屋に着くとはしゃいで喜ぶ。夫の許可を得て殿下とダンスを踊り、2人は結婚の事など他愛のない話をする。
ウォリーはウィンザー公爵夫妻のコレクションを眺めていたが、閉館時間が来た事を警備員に教えられる。ウォリーは昔の同僚に挨拶をした後帰ろうとするが、傘を忘れていると先程の警備員コルパコフに呼び止められる。挨拶をした二人は照れながら握手をし別れる。
映画『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』のあらすじ【承】
ウォリーは空想の中でウォリスと会話をするが、ウィリアムに声を掛けられ誤魔化す。今までとは異なる濃い化粧や下着に、ウィリアムは厳しい顔をし部屋を出る。ウォリーはその後を追いかけどこに行くのか問い詰めるが、それが気に入らないウィリアムと口論になり首を捕まれソファに投げられる。
1936年、殿下は不況により貧しい生活を送る地区を訪れる。記者に感想を求められ率直に述べるが、政治干渉だと非難される。殿下はウォリスに会いその事を愚痴る。
デイヴィッドの愛人であるテルマは、夫と別れた事とアメリカへ3か月行く事をウォリスに話す。心からウォリスの事を信頼していた。
ウィリアムはこの前の喧嘩の謝罪に、ウォリーに花束を渡す。二人はセックスをしようとするがウィリアムは途中で止めてしまい、子供が欲しくないとはっきり伝える。ウォリーは戸惑い非難するが、ウィリアムは謝罪して部屋を出て行ってしまう。ウォリーは一人ベッドで涙を流す。
テルマがアラブの男性と浮気していると噂を聞き、殿下は落ち着かない様子になるが、ウォリスは微笑み宥める。落ち着いた殿下は仕事の話をするが、嫌がらずに話を聞いてくれるウォリスに感激し、殿下ではなくデイヴィッドと呼ぶよう求める。そんな二人の元にアーネストが帰ってきて、度々家にいるデイヴィッドに訝しむ。
ウォリスはテルマの帰国パーティーへ夫婦で出席する為に準備をする。だが、デイヴィッドと仲が良い事を嫉妬しアーネストは不機嫌だった。夫の前では平静を装っていたが、一人になるとデイヴィッドの事を思い悩む。
パーティーでデイヴィッドとウォリスが仲の良い様子を見てテルマは焦る。そして、ウォリスが殿下ではなく“デイヴィッド”と呼んでしまった事で皆が一斉に沈黙し、テルマは怒って出て行ってしまう。
映画『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』のあらすじ【転】
ウォリスとデイヴィッドは密かに恋を育んだ。新聞記者が待っており、イギリスでは写真が使われないと言われた為に安心して撮らせたが、後日新聞を見ると大きく2人の写真が使われていた。ウォリーはコレクションを見ながらその時に思いを馳せ、涙を流す。コルパコフがそんな彼女に声を掛け、二人はカフェに行く。
カフェで二人はお互いの話をする。ウォリーはコルパコフに結婚していた過去があると知り驚く。ウォリーが家に帰るとウィリアムから仕事で帰れないと電話があり、話している途中で切ってしまう。そして、怒りのまま不妊治療の薬を手当たり次第捨てていき、ウォリーは一人泣き崩れた。
ウォリスはデイヴィッドの弟夫妻から二人の関係を良く思われていない事を気にしていた。結婚すれば良いと言うデイヴィッドに対し、ウォリスは消極的だった。
デイヴィッドはジョージ5世の元を訪れるが、エリザベス妃とメアリー王妃もおりデイヴィッドとウォリスの事を話していた。しかも、ジョージ5世はデイヴィッドの弟のバーティに後を継がせたがっているのを聞いてしまう。
コルパコフはウォリーに見せたいものがあると言い、閉店後のロビーで待ち合わせをする。共にお酒を飲み、コルパコフはコレクションのピアノを弾く。ウォリーはその音色をうっとりと眺めた。内緒でネックレスを付けてもらい思い浮かんだのは、ジョージ5世が亡くなりウォリスとデイヴィッドの恋愛が世間の問題に上がった事だった。
公爵夫妻のオークションが始まり、ウォリーは足を運ぶ。だが、夫は浪費を好まない為、ただ眺めているだけだった。
ウォリスはアーネストと離婚する事を考える。だが、車から降りると新聞記者達が待っており、売奴と罵られ悲しくなる。
ウォリーは競売に参加する事を決め、1万ドルで手袋を落札する。喜ぶウォリーだったが、家でそんな彼女をウィリアムがお酒を飲みながら待っていた。ウィリアムからお金を使う前に聞けと言われるが、ウォリーは逆に浮気しているなら言ってと発狂し、二人は殴り揉み合いの喧嘩になる。ウィリアムはウォリーのお腹を蹴り、去って行く。
映画『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』の結末・ラスト(ネタバレ)
ウォリスは国の為にもデイヴィッドと離れようとする。だが、別れたくないデイヴィッドは退位を決意していた。ウォリスは驚き、夫の元に戻るとデイヴィッドに手紙を書く。
多くの国民が見守る中、デイヴィッドは退位の声明を発表した。愛する女性と別れるのなら国王を全うすることが出来ないと、初めて一人の人間として正直な気持ちを発表したものだった。そして、弟のバーティが新たな国王の座に就いた。
オークション最終日も多くの人で賑わっていたが、ウォリーがいない事をコルパコフは気にしていた。そして、彼女の自宅を訪れる。玄関の鍵が開いており中に入ると、ベッドの下で蹲り震えているウォリーの姿が目に入った。
デイヴィッドの声明を聞いたウォリスは、慌てて荷物を片付け車に乗り込む。現代では、コルパコフは自宅へとウォリーを連れて帰る。コルパコフの妻は死んでおり1人暮らしだった。ウォリーはピアノを弾くようにせがむ。
ウォリーは部屋を自由に使っていいと言われ鍵を預かる。コルパコフは仕事へと向かった。本の中には自身によく似た女性の写真が挟まっていた。
ウォリーはソファで眠るコルパコフに引っ付き穏やかに会話をしていたが、押し倒され二人はキスをする。翌朝、ウォリーは指輪と手紙をウィリアムに送る。ウォリスもまた自身の身勝手さで傷つけたアーネストへ思いを馳せ手紙を書いていた。
ウォリーはウォリス夫妻の手紙がある事を新聞で知り、見に行く事を決める。そして、ウォリス夫妻が使っていたホテルのスイートルームを訪れ思いを馳せる。弟に拒絶されたデイヴィッド達は家もなく放浪の生活を送っており、ウォリスはその現状を嘆く。
ウォリーは現在の手紙の持ち主であるアルファイドの元を訪れるが、手紙は見せた時点で解釈が広がる為、誰にも見せる気が無いと言われる。しかし、公爵側の解釈だけではなく夫人側の物語も大事だと訴える。
ウォリーは夜のパリの街並みを歩きながらコルパコフとの幸せな時間を思い出していた。次の日、手紙を見せてくれると連絡があり再度訪れる。手紙に書かれていたのは幸せな夢物語などではなく、ウォリスが叔母やデイヴィッドに当てた苦悩や思いがありのまま書かれていた物だった。センセーショナルに報道される事や公爵の子供が産めない事、世紀の恋に生きる辛さや彼の元を離れない決意が書かれていた。
年をとり、ベッドで療養するデイヴィッドの傍にウォリスはいた。そして、彼の好きなダンスを彼の為だけに踊る。
ウォリーは病院を訪れ、自身のお腹に命が宿っているのを知る。そして、公園のベンチでウォリスと最後の会話をする。人生を交換することは出来ないが、ウォリーは満ち足りた表情をしていた。コルパコフからかかってきた電話を嬉しそうに取る。
映画『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』の感想・評価・レビュー
ウォリーがウォリスとディヴィッドの禁断の恋の内容を自分と重ね合わせ、現代のウォリーの状況と、ウォリスとディヴィッドの昔の状況が同時に流れ、二つの物語を見て、楽しめると同時に胸がきゅっと締め付けられたり、同じような状況にびっくりしたりと、様々な感情が涌き出てきた。特に、オークションで出会ったコルパコフと深い関係になり、彼と一緒になる決意をし、夫のウィリアムに指輪と手紙を置くシーンと、同じくディヴィッドと一緒になると誓い、夫のアーネストへ手紙を書いたウォリスのシーンが見事に重なり、とても印象的であった。(女性 20代)
マドンナが監督、脚本を務めたこの作品。女性の目線で描かれているストーリーはとても共感度が高く、面白いストーリー展開に目が離せませんでした。
1930年代に世間を騒がせた実在の英国王とその妻のロマンス。そして現代のニューヨークで暮らす女性のストーリーの2つを交錯させながら描く展開はとても斬新で面白かったです。
愛する人と結婚することはイコール幸せではないと思い知らされます。愛は大事ですが、自由のない生活はものすごく窮屈で心は満たされないのだと感じました。(女性 30代)
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