この記事では、映画『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』の作品情報
上映時間:119分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:サム・メンデス
キャスト:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、キャシー・ベイツ、マイケル・シャノン etc
映画『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』の登場人物(キャスト)
- フランク・ウィーラー(レオナルド・ディカプリオ)
- 郊外から都会まで電車通勤をするサラリーマン。仕事にやりがいを感じず、秘書の不倫をしている。
- エイプリル・ウィーラー(ケイト・ウィンスレット)
- フランクの妻。かつては女優志望だった。郊外での暮らしに絶望しており、パリに移住する計画を思い付く。
- ヘレン・ギヴィングス(キャシー・ベイツ)
- 不動産業をしており、ウィーラー夫婦に郊外の住宅を紹介する。以来、夫婦と親しい関係を築く。
- ジョン・ギヴィングス(マイケル・シャノン)
- ヘレンの息子。数学の博士号を持つ秀才だったが、精神的バランスを崩して入院生活を送っていた。
- ジェップ・キャンベル(デビッド・ハーバー)
- ウィーラー夫婦の隣人。家族ぐるみの付き合いをしており、密かにエイプリルに思いを寄せている。
映画『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』のあらすじ【起】
フランクは女優志望のエイプリルとパーティーで出会い、結婚する。時は流れ、エイプリルが出演した市民劇が失敗に終わり、2人は大喧嘩をする。翌日、フランクは郊外から電車で出勤し、家事をしていたエイプリルは2人で郊外に引っ越してきた頃のことを思い返す。その時に家を案内してくれたのがヘレンだった。そのヘレンが自宅まで訪ねて来る。ヘレンは精神病院から退院したばかりの息子ジョンに会ってほしいと頼み、エイプリルは快く引き受ける。
フランクは秘書をランチに連れ出し、気分良く酔った秘書をホテルに連れ込む。その後、帰宅したフランクは機嫌の良いエイプリルに出迎えられる。実はこの日が誕生日だったフランクを祝うために、子供達と一緒にケーキを用意して帰りを待ち構えていたのだ。更にエイプリルは、フランクと出会ったばかりで希望に満ちていた頃を思い出し、当時憧れていたパリに家族で移住しようと思い付いていた。エイプリルはそのことをフランクに提案し、最初は躊躇したフランクも徐々にその気になる。

映画『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』のあらすじ【承】
翌日、フランクは意気揚々と出勤し、同僚達にパリへ移住する計画を報告する。そして新しいパンフレットの文面を練る仕事に取り掛かる。一方、エイプリルは船旅のチケットを手配し、子供達にもパリについて語って聞かせる。フランクとエイプリルは近所に暮らすキャンベル夫妻の家に遊びに行き、パリの件を報告する。キャンベル夫妻は面食らってしまい、2人はその反応を楽しむ。パリ行きの計画に興奮したフランクとエイプリルは情熱に満ちた生活を取り戻す。
フランクは会社で社長に呼び出され、新しいパンフレットを絶賛される。約束通り、ヘレンがジャックを連れてフランクとエイプリルに会いに来る。そこでフランクとエイプリルはパリの件を報告する。すると、驚くべきことにジャックだけが、息の詰まる郊外生活を逃れる計画に理解を示す。フランクとエイプリルはその事実を興味深く思う。フランクは社長にランチに連れ出され、皮肉にも昇進話を持ち掛けられる。フランクは退職する考えを伝えるが、社長はこの機会を逃さないようにと助言する。
映画『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』のあらすじ【転】
ある日、エイプリルは苛立って子供に当たってしまう。そして怪訝に思ったフランクに対し、妊娠していることを明かす。2人はどうするかじっくり考えることにする。その後、エイプリルはフランクが昇進の話を断っていないことを知り、パリに行く気がないのだと批判する。一方、フランクはエイプリルが中絶しようとしていることを知り、エイプリルを責める。口論の末に2人はパリ行きを断念する。
フランクとエイプリルはキャンベル夫婦とバーに出掛ける。キャンベル夫婦は2人が郊外に留まることになったのを喜んでいた。その晩、エイプリルとジェップはフランク達を先に帰して店に残る。エイプリルは生を感じられずにいる心境を吐露し、車の中でジェップと関係を持ってしまう。フランクに対するエイプリルの愛情は冷めてしまい、フランクが浮気を告白しても、何にも感じなくなる。再び、ヘレンとジャックが訪ねて来て、フランクはエイプリルが妊娠したことで計画が流れたことを説明する。しかし、ジャックはフランクが怖じ気づいたことを見抜いてしまう。
映画『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』の結末・ラスト(ネタバレ)
ヘレンとジャックが去った後にフランクとエイプリルは口論となり、エイプリルはフランクを憎んでいると告げる。激高したフランクはエイプリルが中絶する勇気すらないことを責め立てる。エイプリルは家を飛び出してしまい、フランクは慌てて謝ろうとするが、エイプリルはフランクを突き放す。翌朝、エイプリルは何事もなかったようにフランクに朝食を用意して、新しい仕事について尋ねる。その様子を見たフランクは生活が元に戻ったと思い込み安堵する。
フランクが出勤するのを見送った後、エイプリルは自宅でゴムチューブを使って自らの手で中絶しようとする。しかし、出血してしまい、自分で救急車を呼ぶ。病院に駆け付けたフランクは絶望しながらジェッブに事情を説明し、ジェップはフランクを慰める。しかし、エイプリルはそのまま亡くなってしまう。フランクは子供達を連れて街中に引っ越し、子供との時間を大切にするようになる。郊外生活を続けるヘレンはフランクやエイプリルの悪口を口にするが、ヘレンの夫はその言葉に耳を傾けることを嫌がる。
映画『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
『タイタニック』の主演2人の再共演作としても話題になったが、こちらは甘いロマンスが芽生える様子ではなく、一つの夫婦が崩壊していく過程をシビアに描いている。テーマ的にサム・メンデス監督の出世作となった『アメリカン・ビューティー』にも通ずるものがあるが、コメディ的要素は皆無で、悲劇に満ちている。主演2人の演技は真に迫っており、ケイト・ウィンスレットは今作でゴールデングローブ賞に輝いている。(MIHOシネマ編集部)
ケイト・ウィンスレットとレオナルド・ディカプリオが再共演ということで期待していたが、予想以上に重く、心に突き刺さる作品だった。理想を求めるエイプリルと、現実に甘んじるフランク。夫婦でありながら、どこまでもすれ違っていく2人の姿が痛ましい。エイプリルのラストの決断には衝撃を受けた。美しくも苦しい、まさに「燃え尽きるまで」というタイトルがぴったりな作品。(30代 女性)
恋愛映画だと思って観始めたが、これは完全に「結婚の現実」に向き合う心理ドラマだった。仕事、家族、社会的役割に押しつぶされていく2人。理想と現実の落差が残酷すぎる。特にエイプリルが孤独と絶望の中で自分の居場所を見失っていく姿が忘れられない。心に余裕がある時じゃないと観るのがキツい作品だが、それだけ深い。(20代 男性)
かつて『タイタニック』で愛し合った2人が、こんなに冷め切った夫婦を演じることにまず驚かされた。特にケイト・ウィンスレットの演技が圧巻で、目の動き一つに感情が宿っていた。後半、妊娠を隠して中絶を決意する場面の緊張感と悲壮感は尋常ではない。リアルな夫婦像が描かれていて、感情移入せずにはいられなかった。(40代 男性)
結婚して10年目、自分たちの姿と重なって正直苦しくなった。夢や自由を追いかけたい気持ちと、安定した暮らしの狭間で揺れる2人の葛藤は、決して他人事ではない。エイプリルの“逃げたかった”気持ち、痛いほどわかる。彼女の最期が悲劇的であるほどに、現実社会の圧力の重さを思い知らされた。これは恋愛映画じゃない、人生映画だと思う。(50代 女性)
この作品の凄さは、セリフの一つひとつが刃のように鋭くて、観ていて心が削られるところ。特に、フランクとエイプリルが言い争うシーンは本当にリアルで、まるで自分がその場にいるようだった。家庭を持つということが、必ずしも幸せにつながるわけではないという現実を突きつけられた。傑作です。(30代 男性)
まるで戯曲のような構成で、心理的な駆け引きがとても濃密。登場人物の心の揺れや変化が丁寧に描かれていて、観終わったあとに深く考えさせられる。エイプリルがパリへの希望を抱きながら、現実の壁にぶつかって壊れていく過程が切なすぎる。夫婦という“檻”のような空間を見事に描いた秀作。(60代 男性)
女性の視点で観ると、この映画は本当に辛い。エイプリルは決してわがままではない。ただ、女性として、母として、夢を諦めずに生きたかっただけ。だけど社会や夫にその選択肢すら与えてもらえなかった。その結果があの悲劇。何度観ても涙が止まらない。現代でも通じるテーマだと思う。(40代 女性)
初めて観たときはフランクにイライラしたが、再視聴すると彼にも彼なりの不安や恐怖があったんだと気づいた。夢に飛び込むことは、いつだって怖い。でもエイプリルは飛ぼうとしていた。それなのに、彼女の勇気が報われなかったことが悲しい。音楽も映像も抑制されていて、余計に感情がこみ上げた。(20代 女性)
表面上は完璧な夫婦。家、子ども、職場。すべてが整っているように見えるのに、心の中は空っぽ。そんな“見えない地獄”を描いた作品。演技が素晴らしいからこそ、感情がダイレクトに伝わってくる。心の闇に向き合うのは怖いけど、この映画はそれを容赦なく描いてくる。痛い、けど素晴らしい映画。(30代 男性)
映画『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』を見た人におすすめの映画5選
ブルーバレンタイン(原題:Blue Valentine)
この映画を一言で表すと?
愛が始まり、終わっていくまでをリアルに描いた“現代版愛の終焉”。
どんな話?
かつては深く愛し合っていた夫婦が、時間とともに心の距離を広げ、すれ違い、そして崩壊していく過程を描いたヒューマンドラマ。恋の始まりと終わりを交錯させながら、感情の変化を生々しく映し出す。
ここがおすすめ!
『レボリューショナリー・ロード』同様に、結婚という現実と個人の理想のギャップに苦しむ姿が共通しており、より等身大で身につまされる。ライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズの演技が圧巻。
マリッジ・ストーリー(原題:Marriage Story)
この映画を一言で表すと?
離婚を通して浮き彫りになる、愛と痛みのすれ違いドラマ。
どんな話?
舞台演出家と女優の夫婦が離婚を決意し、息子の親権を巡って法的・感情的な争いに発展していく。愛していたからこそ、互いを理解できなくなる姿がリアルに描かれる、感情の解剖劇ともいえる一作。
ここがおすすめ!
感情のぶつかり合いを抑制された演出と台詞で繊細に描いており、観る側も心を抉られる。スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーの名演に引き込まれ、見終えたあとに深いため息が漏れるはず。
アメリカン・ビューティー(原題:American Beauty)
この映画を一言で表すと?
郊外の理想的な生活の裏に潜む“虚無”を暴くブラックドラマ。
どんな話?
表面上は完璧な家庭を持つ中年男性が、突如人生の空虚に気づき、破壊的な方向へ行動し始める姿を描く。家族、愛、性、自由…すべての価値観を揺さぶる挑発的な内容が話題を呼んだ。
ここがおすすめ!
『レボリューショナリー・ロード』と同じく、アメリカ郊外の“理想像”に疑問を投げかける作品。閉塞感から抜け出そうとする姿が痛々しくも美しく、社会風刺と個人の孤独が同時に味わえる名作。
キャロル(原題:Carol)
この映画を一言で表すと?
時代に抗う静かな愛――繊細な感情の機微を美しく描いたラブストーリー。
どんな話?
1950年代のニューヨーク。裕福な既婚女性キャロルと、百貨店で働く若い女性テレーズが恋に落ちるが、時代と立場が2人の関係に影を落としていく。抑制された感情のぶつかり合いが胸を打つ。
ここがおすすめ!
愛を貫くことの難しさ、社会との葛藤が強く描かれており、静かに心を揺さぶられる。『レボリューショナリー・ロード』のような、感情の奥深さを味わいたい人におすすめの、映像美も光る名作。
遠い空の向こうに(原題:October Sky)
この映画を一言で表すと?
閉ざされた町で“夢”を追い続けた少年の、静かな革命の物語。
どんな話?
炭鉱の町に暮らす少年が、人工衛星に感化されてロケット作りに挑戦する姿を描く実話ベースのドラマ。父との対立や社会的制限を乗り越え、自らの人生を切り開いていく過程が感動を呼ぶ。
ここがおすすめ!
『レボリューショナリー・ロード』で描かれた“閉塞感”や“諦め”に対して、こちらは“突破”と“希望”を与えてくれる作品。心を挫かれた後に観ると、前に進む勇気をくれる対照的な一作です。
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