この記事では、映画『ロードキラー』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ロードキラー』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ロードキラー』の作品情報
上映時間:97分
ジャンル:サスペンス、ホラー
監督:ジョン・ダール
キャスト:ポール・ウォーカー、スティーヴ・ザーン、リーリー・ソビエスキー、ジム・ビーヴァー etc
映画『ロードキラー』の登場人物(キャスト)
- ルイス・トーマス(ポール・ウォーカー)
- バークレー大学の学生。幼馴染のヴェナのことが好きだが、思いを伝えられずにいる。
- フラー・トーマス(スティーヴ・ザーン)
- ルイスの兄。破天荒な性格で、酔っ払って逮捕されていた。ルイスとは5年ぶりに再会する。
- ヴェナ(リーリー・ソビエスキー)
- コロラド大学の学生。恋人とは別れたばかり。ルイスに車で送ってもらい、帰省する予定。
- ラスティ・ネイル(役:マシュー・キンブロー / 声:テッド・レヴィン)
- トラック運転手。ラスティ・ネイルは本名ではなく、CB無線用のハンドル名。ルイス達にからかわれたことに激しい怒りを見せ、執拗に追いかけ回す。
映画『ロードキラー』のネタバレあらす(起承転結)
映画『ロードキラー』のあらすじ【起】
ヴェナは恋人と別れたばかりで傷心中だった。幼馴染のルイスは車で旅行に行きたいと言ったヴェナの願いを叶えるため、車を購入した。そして、コロラドでヴェナを拾い、ネブラスカへ帰省することにした。
ルイスの兄のフラーが、ソルトレークシティで酔っ払って逮捕された。父は怒っていて迎えに行く様子はなく、母は困っていた。ルイスはヴェナを拾う前に、フラーの保釈金を払いに行くことにした。フラーを好きな場所で降ろしてヴェナを迎えに行こうとするが、フラーは一緒に行くことを望んだ。
フラーは無線を使い、女性の声色を真似て他の車の運転手をからかうようルイスに頼んだ。始めは嫌がっていたルイスだったが、ラスティ・ネイルと名乗る運転手が引っ掛かったことでノリノリになって騙すのを楽しみ始めた。だが、話している途中で無線が切れてしまう。
フラー達がモーテルに行くと、店員を怒鳴りつけている男(エリングハウス)がいた。フラーはエリングハウスを無視して受付に話しかけ口論になってしまう。エリングハウスは話し終えると、フラーを押しのけて部屋に向かった。その時、車の無線が入り、ラスティ・ネイルが話しかけてきた。フラーは押しのけられたことに腹を立てていたため、エリングハウスが泊まっている17号室にラスティ・ネイルを向かわせることにした。ルイスはフラーに言われるまま、女性の声色を真似てラスティ・ネイルに話しかけた。

映画『ロードキラー』のあらすじ【承】
フラー達はラスティ・ネイルが来たことに気づき、壁越しに会話を聞いた。ラスティ・ネイルはエリングハウスと揉めていた。だが、途中から様子がおかしくなる。ルイスは受付に電話をかけ、隣の部屋から大きな物音が聞こえてきたことを伝えた。受付が確認するが、異常は見当たらなかった。
エリングハウスは高速の中央分離帯で倒れていたところを発見された。死んではいなかったが、意識不明の重体だった。保安官はモーテルで聞き込み調査を行った。フラーは物音が聞こえたことを話すが、ラスティ・ネイルのことは明かさなかった。
フラーはエリングハウスと揉めていたところが目撃されていた。そのため、保安官は何か情報が出るかも知れないと思い、2人を病院に連れて行くことにした。エリングハウスは顎を切り取られ、酷い状態で発見されていた。
リッター保安官は悪戯でエリングハウスが酷い目に遭ったことを知り、フラー達を怒鳴りつけた。分かっているのは、CB無線のハンドル名とトラック運転手ということだけだった。ルイスは自分達のせいだと落ち込んでいたが、フラーは関係ないと言って気にも留めていなかった。ルイスはそんな兄に失望し、デンバーで降ろすことを伝えた。
映画『ロードキラー』のあらすじ【転】
ラスティ・ネイルが再び無線を使って話しかけてきた。ルイスは真実を明かし、騙していたことを伝えた。すると、ラスティ・ネイルが謝罪を要求してきた。ルイスは謝罪しようとするが、フラーが怒りを煽るような暴言を吐いてしまう。フラーは見つからないと思っていたのだが、ラスティ・ネイルはルイス達の車のテールライトが壊れていることを言い当てた。後ろを振り向くと、ラスティ・ネイルが乗っているかは不明だがトラックが走っていた。
ルイス達は恐怖を抱きながらトラックとは別の道に行き、ガソリンスタンドに車を止めた。フラーがガソリンを入れている間、ルイスがリッター保安官に電話をかけることになった。だが、電話で話す前に、長い棒を持った怪しい男が「ICE」と書かれたトラックから降りて店に入ってきた。ルイス達は急いでその場を逃げ出した。すると、先程の男が追いかけてきて、ルイス達は追い詰められてしまう。絶望したルイス達だったが、先程の男はクレジットカードを忘れたルイスを追いかけてきただけだった。ルイス達は安堵した。
大型トラックが、クレジットカードを届けに来た男のトラックを壊しながらやって来た。ルイス達はラスティ・ネイルが追いかけてきたことを悟り、急いでその場を逃げ出した。しかし、木にぶつかり追い詰められてしまう。ラスティ・ネイルはトラックを押し当て、ルイス達の車を潰そうとした。フラーは無線を使い、謝罪した。すると、ラスティ・ネイルは2人を見逃し、去っていった。
ルイスは落ち込んだフラーも連れて実家に帰ることにした。フラーは無線機を車の外に投げ捨てた。ヴェナを迎えに行くが、怖がらせたくなかったためラスティ・ネイルのことは話さなかった。
ルイス達はバーに行くが、ヴェナが男性に絡まれてしまう。フラーは恋人の振りをしてヴェナを救った。フラーはヴェナに惹かれつつあった。ルイスが眠った後、ヴェナの部屋を訪ねた。ルイスは電話が鳴る音で目を覚ました。電話の相手はラスティ・ネイルで、フラーがヴェナと一緒にいることを知っていた。
映画『ロードキラー』の結末・ラスト(ネタバレ)
ルイスはヴェナの部屋に行き、フラーに事情を説明した。すると、部屋の電話が鳴った。ルイス達は困惑しているヴェナを連れて急いで逃げ出した。すると、案内板にスプレーで「トランクの中を見ろ」と書いてあった。車を止めて確認すると、捨てたはずの無線機が入っていた。
ラスティ・ネイルはヴェナの友人のシャーロットを人質に取っており、警察に連絡するなと脅しをかけてきた。さらに、フラーとルイスは裸で飲食店の中に入り、商品を注文するよう指示される。ラスティ・ネイルは笑い者にされたことを怒っていた。ヴェナは店に行った2人の代わりに謝罪するが、ラスティ・ネイルの怒りは収まらなかった。
夜、3人は車から降りて指示された場所に向かった。すると、トラックが猛スピードで追いかけてきた。3人は身を隠しながら必死に逃げた。ルイスとフラーは無事だったが、ヴェナが捕まってしまう。ラスティ・ネイルはルイス達の車は燃やし、メドフォードのモーテルの17号室に夜の12時までに来るよう指示をした。
ルイス達は車を盗み、メドフォードに向かった。だが、そこにはたくさんのモーテルがあった。ルイス達はモーテルの17号室を確認して回った。その頃、ラスティ・ネイルはヴェナを椅子に括りつけてドアが開いた瞬間銃で撃たれるよう細工を施し、警察に「死体を見つけた」と電話をかけていた。
ルイス達は鍵が開いている部屋を見つける。すると、ラスティ・ネイルから電話がかかってきた。ラスティ・ネイルは隣の部屋にいる様子だった。ルイスは電話で話している間に、隣の様子を見るようフラーに頼んだ。しかし、フラーは物音を立ててしまい、ラスティ・ネイルに見つかってしまう。ルイスは物音を聞きつけ、隣の部屋に行こうとした。フラーはラスティ・ネイルの拘束を解くと、ドアを開けないよう叫んだ。
フラーはパイプを足に刺された状態で柵に引っ掛けられた。トラックが向かって来ようとしたため、ルイスは助け出そうと奮闘した。その間に、警察がモーテルに駆けつけ、遺体が発見される。警官達は各部屋を開けていき、不審な点はないか確認した。ヴェナはドアを開けられると撃たれるため、拘束を解こうと奮闘した。
ルイスは警察の声を聞き、ヴェナの椅子を倒して救出した。そして、フラーを救出しに戻った。保安官が銃で撃つが、トラックは止まらなかった。トラックはモーテルに突っ込んで停止した。ルイス達も無事でシャーロットも発見されるが、運転手は亡くなっていた。運転手はジョージという名前で、氷を運んでいた男だった。ルイス達が「氷(ICE)」という言葉に引っ掛かりを感じたとき、救急車の無線機からラスティ・ネイルの声が聞こえてきた。
映画『ロードキラー』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
ラスティ・ネイルの顔がはっきりとは映し出されないため、それがさらに怖さを倍増させていた。ラスティ・ネイルの異常性としつこさは不気味だったが、ルイスとフラー兄弟の性格が最悪であまり同情できなかった。一番可哀想なのは、2人のせいで巻き込まれたヴェナとシャーロットである。ルイスも一見優しくて真面な性格なのかと思いきや、最後にはフラーと一緒になってからかって遊んでいたのでなかなか酷い男だと思う。(MIHOシネマ編集部)
兄弟のちょっとしたイタズラがここまで恐ろしい展開になるとは思わず、序盤は軽い気持ちで観ていた分、後半のサスペンスフルな展開に圧倒されました。無線を使って“ラストガムシロップ”という偽の女性を作り出す遊び心が、復讐心に燃えるトラック運転手を呼び込んでしまうのが皮肉。最後のホテルでのシーンは息が詰まる緊張感でした。(20代 男性)
物語が進むにつれて「見えない恐怖」がどんどん増していくのが魅力でした。犯人のトラック運転手の顔は最後まで明かされず、無線の声と巨大なトレーラーだけで観客を恐怖に引きずり込む演出が秀逸です。ラストで生き延びるものの、まだ彼はどこかで見ているかもしれないという余韻が残り、背筋が寒くなりました。(30代 女性)
一番印象に残ったのは、普通の兄弟の軽いジョークが大惨事を引き起こすという教訓的な部分でした。ちょっとした悪ふざけが、命を賭けたサバイバルに変わってしまう展開はリアリティがあり、ゾッとします。最後に“ラストガムシロップ”の声が再び無線に流れた瞬間、救いのない恐怖が一層強まりました。スリラーとして完成度が高い作品です。(40代 男性)
恋愛と友情の三角関係にサスペンスが絡む展開が面白かったです。ポール・ウォーカーの爽やかさが物語の緊張感をさらに引き立て、兄弟の絆と葛藤も描かれていて深みがありました。ホテルで友人が人質に取られる場面は心臓が止まりそうなほど緊迫しており、兄弟が必死で助ける姿に手に汗握りました。青春と恐怖が同居する作品でした。(20代 女性)
犯人の姿をほとんど見せないことで、観客の想像力を刺激するのが巧い映画だと思いました。巨大トラックの威圧感と、無線から聞こえる低い声だけで十分恐ろしい。特に最後、犯人がまだどこかで生きている可能性を残したまま終わるのは、ハリウッドらしいシリーズ化を意識した終わり方で好きでした。(50代 男性)
ポール・ウォーカーとスティーブ・ザーンの兄弟コンビの掛け合いが自然で、最初は軽快に楽しめました。しかし一転、犯人が執拗に追い詰めてくる展開になると、一気に空気が張り詰めます。彼らの軽率な行動がどれだけ取り返しのつかないことを招くかを見せつけられ、教訓的でもありました。結末は不安を残す形で終わり、余韻が強烈でした。(30代 男性)
女性を絡めた兄弟の関係性にリアリティがあり、ただのスリラーではなく青春ドラマ的な側面も楽しめました。友情や恋心が複雑に絡む中、無線の向こうの殺人鬼が彼らの世界を一変させる展開は強烈です。最後の緊張感は『激突!』を彷彿とさせ、トラック映画の醍醐味を存分に味わえました。サスペンスファンにはおすすめです。(40代 女性)
ホラー要素よりも心理的な恐怖が中心で、観ていてジワジワと追い詰められる感覚を味わいました。特に「声だけの存在」という設定が秀逸で、犯人の顔が見えない分、余計に不安が募ります。人質シーンでは「本当に助かるのか」と最後まで気が抜けず、解放された後も安心できない終わり方が印象的でした。(20代 男性)
ラジオや無線といった日常的なツールを恐怖の道具に変えてしまうアイデアが面白かったです。犯人の姿は見えないのに、彼がどこかで聞いている、見ているという設定がとても怖い。兄弟の軽率さに苛立ちを覚えつつも、追い詰められていく姿には同情してしまいました。見えない敵が迫ってくる恐怖がリアルに伝わってきました。(50代 女性)
映画『ロードキラー』を見た人におすすめの映画5選
激突!(DUEL)
この映画を一言で表すと?
巨大トラックに命を狙われる、スティーヴン・スピルバーグの伝説的サスペンス。
どんな話?
セールスマンが出張の途中、無作為に出会ったトラックに執拗に追い回される恐怖を描いた作品。相手の素性も目的も分からないまま、高速道路での命懸けの攻防が続き、日常が一気に悪夢へと変貌していく。シンプルながら圧倒的にスリリングな物語。
ここがおすすめ!
顔の見えない敵と孤独な戦いを強いられる緊張感が最高。『ロードキラー』に通じる「トラック×恐怖」の原点とも言える作品で、スピルバーグの演出の冴えを体感できる。シンプルながら迫力満点で、最後まで息を呑む展開が続く傑作。
ヒッチャー(The Hitcher)
この映画を一言で表すと?
偶然拾ったヒッチハイカーが悪夢へと変わる、衝撃のサイコスリラー。
どんな話?
青年が道中でヒッチハイカーを車に乗せてしまったことから、想像を絶する恐怖が始まる。殺人鬼の正体は不明ながら、常に主人公の前に現れ、精神的にも肉体的にも追い詰めていく。誰も信じられない逃走劇が展開される。
ここがおすすめ!
ロードムービー的な舞台とスリラーが融合し、観客に「次はどこで襲ってくるのか」という恐怖を与える。『ロードキラー』と同じく“偶然の出会いが地獄に変わる”恐ろしさを描いており、トラウマ級の緊迫感を味わえる作品。
ザ・ストレンジャーズ/戦慄の訪問者
この映画を一言で表すと?
正体不明の侵入者に襲われる、一夜限りの極限サバイバルホラー。
どんな話?
人里離れた家で一夜を過ごそうとしたカップルが、突如として現れた覆面の3人組に襲われる物語。理由も分からず狙われ続け、逃げ場のない恐怖に支配されていく。日常が一瞬で非日常へと崩壊するスリラー。
ここがおすすめ!
犯人の動機が最後まで明かされないことで、恐怖が倍増。『ロードキラー』同様、顔の見えない敵に追われる絶望感を体感できる。シンプルな構造ながら緊迫感は最高潮で、観客の神経を徹底的に削り取るホラーの名作。
ブラック・クリスマス(1974)
この映画を一言で表すと?
「見えない恐怖」の原点を築いた、伝説的スラッシャー映画。
どんな話?
大学の女子寮に謎の電話が頻繁にかかってくる中、住人が次々と姿を消していく。犯人は誰なのか、そして何故狙われているのか。電話という日常的な存在が恐怖に変わり、観客を不安に陥れるサスペンスホラー。
ここがおすすめ!
電話越しの不気味な声や、犯人の姿を見せない演出が『ロードキラー』の無線の恐怖と重なる。古典的ながら現代ホラーの礎を築いた名作で、「声だけの恐怖」を堪能したい人に強くおすすめ。
バニシング・ポイント(Vanishing Point)
この映画を一言で表すと?
疾走する車と孤独な男の逃走劇を描いた、伝説的ロードムービー。
どんな話?
車を運転する主人公コワルスキーが、理由を持たずにただ突き進む中で警察に追われ続ける物語。広大なアメリカの風景をバックに、スピードと自由、そして孤独が交錯する。カーチェイス映画の金字塔とも言える存在。
ここがおすすめ!
『ロードキラー』が持つ“ロード上の逃走と恐怖”を、よりスタイリッシュかつ哲学的に描いた作品。疾走感あふれるカーアクションと孤独な主人公の姿が観る者に強烈な印象を残す。スリルと自由を同時に味わえる一作。
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