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映画『ロジャー&ミー』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ロジャー&ミー』の概要:マイケル・ムーア監督の初監督ドキュメンタリー映画。自分の故郷であるフリント市が、GMの大規模なリストラにより、犯罪が行き交うようなゴーストタウンとなってしまう。その様子を、街の人やGM社の人に直接インタビューを通して、本当の姿をマイケル・ムーア監督らしく追いかけたドキュメンタリー作品。

映画『ロジャー&ミー』の作品情報

ロジャー&ミー

製作年:1989年
上映時間:90分
ジャンル:ドキュメンタリー
監督:マイケル・ムーア
キャスト:マイケル・ムーア、ロジャー・スミス、トム・ケイ etc

映画『ロジャー&ミー』の登場人物(キャスト)

マイケル・ムーア
このドキュメンタリー映画の監督、製作、脚本を手がける。故郷のフリント市が、GMのリストラにより荒廃していることを知り、その現場をカメラで追いかける。
ロジャー・スミス
GMの会長。企業の発展のため、大幅なリストラを計り、創業地であるフリント市を荒廃させた。
トム・ケイ
GMの役員。ロジャー・スミスの代わりに、マイケル・ムーアと会って話をする。

映画『ロジャー&ミー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ロジャー&ミー』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ロジャー&ミー』のあらすじ【起】

1989年ミシガン州フリント市。マイケル・ムーアが育ったその街は、GMの創業地であり、GMのおかげで活気に満ちていた。フリント市のほとんどの人がGMに関わる仕事をしており、マイケル・ムーアの家族も彼以外全員がGM社や関連会社で働いていた。マイケル・ムーア自身は、地元を捨て街に出てスターとなった人々に憧れており、GM社で働くことを選ばずにいたところ、彼にサンフランシスコでゴシップ誌を担当しないかと話がくる。面白そうだと飛びついた彼は、早速サンフランシスコへと飛び立つのであった。そこで地元のフリント市のことを書こうと思っていたマイケル・ムーアであったが、思っていたものとは違い、「ハーブティー」について書くこととなってしまう。期待していたものとは違ったため、面白おかしく膨らませた内容を提出したところ、すぐに首となってしまい、地元フリント市へと戻る羽目になる。

マイケル・ムーアが地元へ帰ると、大事件が起きるのであった。GM社が、大幅なリストラを行うという。

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映画『ロジャー&ミー』のあらすじ【承】

GM社の大幅なリストラで、フリント市では3万人が働く工場が閉鎖された。それを知ったマイケル・ムーアは、そのGM社の工場に潜入し、リストラを言い渡された人々に取材をする。みんな口を揃えたように「ロジャー・スミス会長が引退しろ」と言う。リストラによって、3万人のフリント市民が生活に困るようになった。

マイケル・ムーアは、直接ロジャー・スミス会長に話を聞きに行こうと、GM本社まで押しかける。そこで、アポイントを取ろうとするが、受付や警備員に追い出されてしまう。手紙やファックスで何度も会いたいとメッセージを送るが、返事は来ないままであった。

マイケル・ムーアの熱烈なアプローチを受け、GM社の役員トム・ケイが取材に応じることとなる。トム・ケイは、今回の大規模なリストラは、企業の発展のためにはやむを得ないことだと言う。

フリント市はさらに悪化し、借金を抱え、家から立退きを宣告される人で溢れるようになる。人よりもネズミの方が多いと報道されるほど劣悪な環境下の街となってしまうのであった。

映画『ロジャー&ミー』のあらすじ【転】

フリント市の保安官は、毎日何軒も家へ行き、立退きを命ずるが、すぐには出ていけないと言い、止まろうとする人々ばかりで苦戦する日々を送る。

マイケル・ムーアは、GM社に足繁く通うが、一向にロジャー・スミスに会えずにいる。そこで、ロジャー・スミスが出入りしているというヨット場へ向かうこととする。しかし、ロジャー・スミスのいるヨット場と場所が違ったため、またしても会うことができずに終わるのであった。

マイケル・ムーアは、州知事やミス・ミシガンにも取材し、フリント市の現状やGM社のやり方について意見を伺う。

GM社がスターシアターをフリント市に設立する。美しい劇場でブロードウェイを上映するなど、市民の慰めの場となる。マイケル・ムーアは、この劇場の設立は、フリント市にとっての唯一良かったところだと言う。

失業したフリント市民は、それぞれ新たに仕事を始めるが、なかなか上手く行かず苦戦する。新たに自己流でカラー診断士になったり、タコベルの販売員として働いたりと、失敗しつつも生きる道を探す市民であった。

映画『ロジャー&ミー』の結末・ラスト(ネタバレ)

フリント市では、犯罪が多く発生するようになる。市民は皆、護身用に拳銃を持参し街を歩くようになる。犯罪者が多すぎて、刑務所の部屋も空きがなくなってしまう。

そんなフリント市とは裏腹に、GM社の役員やその家族、親戚達は優雅にホームパーティーやゴルフをして楽しむ。そこをマイケル・ムーアが取材すると、「GM社のリストラは、産業革命のような芸術に似ている」と述べる者もいるほど、フリント市民のことを考えていない発言が相次ぐのであった。

マイケル・ムーアは、またロジャー・スミス会長にアポイントなしで突撃取材を試みる。会長の部屋まで行こうとするが、またまた追い出されてしまうのであった。

フリント市を盛り上げようと、「オートワールド」という自動車をモチーフにしたテーマパークが作られる。また、ラグジュアリーな雰囲気の高級ホテルも作られる。昔のフリント市のような活気があり、人が集まる街づくりを目指すが、開業半年でパークとホテルは潰れてしまうのであった。

GM社の株主総会が開かれる。マイケル・ムーアは、ロジャー・スミスに直接質問できるチャンスだと期待する。しかし、マイケル・ムーアが質問をしようとした途端に、マイクの電源が落とされ、質問できずに終わってしまうのであった。

クリスマス当日、GM社のパーティーが行われた。そこへマイケル・ムーアは潜入し、スピーチ終わりのロジャー・スミス会長に直接話しかけることに成功する。「フリント市へは既に訪ねた。気の毒だが、私には関係のないことだ。」というロジャー・スミス会長の意見を得る。

その後、トム・ケイにも再度取材し、「企業は従業員に対して、生涯保証しなければならないのか?自由競争の社会では無理だ。」という意見を得ることに成功するマイケル・ムーア。皮肉にも、トム・ケイはその後リストラされる。

映画『ロジャー&ミー』の感想・評価・レビュー

GM社が経営破綻したことは知っていたが、その背景にこのような社会問題が関わっていたとは知らなかった。マイケル・ムーア監督の現状を追い求める緻密な取材力を元に作られたこの映画で、当時のフリント市民の苦しみや環境悪化の様子が詳しく分かった気がする。この映画のその後の、GM社が経営破綻したところまで観てみたいと思った。また、市民側ばかり描かれていたので、GM社側の考えや状況も合わせて詳しく知りたいと感じた。(MIHOシネマ編集部)


搾取する一部の人間と、搾取される大勢という構図が良く分かります。どの時代も社会とはこういうものです。マイケル・ムーア監督の体当たり取材は、本当にリアルを映しているように感じます。”街の映画を撮影している”と言い、身分問わずグイグイ取材をするスタイルは狂気的です。「あなたの街の現状は良い教訓になるので記録させてください。」ということなのでしょうか。僕が街の人間ならそう捉えてしまいます。観る人によって感想が様々で、議論が弾む非常に勉強になる作品だと思います。(男性 20代)

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