映画『六月の蛇』の概要:2002年の日本のスリラー映画です。本作は塚本晋也監督が撮ったエロティックな映画です。鉄男とは雰囲気が全く違い、アクション風味の映画では無くヒューマンドラマ調のスリラー映画になってます。海外でも高い評価を受けており、様々な賞を受賞しています。
映画『六月の蛇』の作品情報
上映時間:77分
ジャンル:ミステリー、ヒューマンドラマ
監督:塚本晋也
キャスト:黒沢あすか、神足裕司、塚本晋也、寺島進 etc
映画『六月の蛇』の登場人物(キャスト)
- 辰巳りん子(黒沢あすか)
- 本作の主人公でショートカットの綺麗な女性です。胸に乳癌を抱えており、胸の手術をしようかどうか悩んでいます。
- 辰巳重彦(神足裕司)
- りん子の夫で小太りの冴えない男です。昔は勢いがあったみたいですが、今は気力も何も無い潔癖症の気持ちの悪い男です。
- 飴口道郎(塚本晋也)
- りん子のカウンセリングを受けてから彼女に憧れており、執拗に付け狙います。しかし飴口自身はりん子の為だと勘違いしています。乳癌に気付いた最初の男です。
映画『六月の蛇』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『六月の蛇』のあらすじ【起】
辰巳りん子は悩んでいました。その悩みとは、自分の中に眠る欲望についてです。りん子には何か底知れぬ欲望があり、渇きが心の中で日々増殖していました。その渇きとは、普通の日常では絶対に得られない特別な何かです。しかしその欲望が何かも分からずに、りん子は毎日悶々と暮らしていました。何か分からぬ物に飢えているりん子は、毎日自殺したい程の虚無感に脅えていました。その自殺したい心を抑えての生活は、日々りん子の心を擦り減らしていきました。
りん子はそんなある日、一人の男と電話しました。りん子は結婚していますが見知らぬ男と電話していました。りん子の仕事はお悩み相談のカウンセラーだったのです。それも電話で何件も仕事を受け付けて、不特定多数の悩みを抱えた大勢の人と電話する仕事でした。そして今日もりん子はその仕事をしており、一人のお客さんと話していました。そのお客さんは悩みを抱えており、その悩みは分かりやすく誰にでもある様な悩み事でした。しかし、そんな悩みにもりん子は優しく接していました。
映画『六月の蛇』のあらすじ【承】
その男の悩みは簡単な物でした。日々の暮らしが楽しくなく、何か足りない物を感じると言う物でした。りん子はそんなしょうも無い質問にも優しく答えてあげました。人生は一度きりしかない事を男に教え、好きな事をすればいい事を教えてあげました。男は道が開けたらしく急に明るくなり、りん子に礼を何度もしました。そしてりん子に感謝の言葉を満足するまで伝えた男は、一方的に電話を切りました。電話を切った男の顔はさぞ嬉しそうな顔をしていました。
りん子はまた一つ悩みを解消し、一つの仕事を終えた事に安堵しました。そして電源を切り、ヘッドフォンを外しました。流石にりん子も疲れたらしく、一休憩取るみたいです。男にアドバイスしながら自分にも言い聞かせてたりん子は、何か遠い目をしていました。自分に言わなければならない筈の事を客にアドバイスし、自分は悩みを抱えたままな事にりん子はイラついていました。しかしそれもいつもの事なので、りん子はまた仕事に戻りました。
映画『六月の蛇』のあらすじ【転】
そんなある日、りん子の元に電話がかかってきました。その電話の主は見知らぬ男でした。男は電話越しにりん子に愛の告白をすると、りん子にも自分を持つ事を薦めました。自分はりん子のおかげで自分を持つ事が出来たので、りん子にもそんな自分の気持ちを経験して欲しく電話したのでした。男はりん子がカウンセラーをしているにも関わらず、りん子自身が悩みを抱えている事に気が付いていたのでした。りん子はそんな図星を言われた事に恥ずかしくなり、電話を切りました。
後日男からまた電話がかかってきました。その内容はりん子の裸体を写真に収めたいという内容でした。りん子は赤面し電話を切ろうとしましたが、男に止められ受話器を持ってるその手を止めました。男の言う事に少し興味を持ったりん子は、その内容に承諾しました。もしかしたら自分の内なる欲望はそういう恥ずかしい事なのではないかと、りん子は考えたのです。早速りん子は男の指定した場所に行き、男に裸体を撮影してもらいました。
映画『六月の蛇』の結末・ラスト(ネタバレ)
男はりん子の裸体を撮影すると、その写真をりん子の夫の重彦に見せました。そしてりん子には乳癌がある事をりん子に伝えました。りん子は驚きましたが、まだ乳癌はそこまで進んでおらず、今方乳を切除すれば助かると言う話でした。りん子は夫の重彦にその事を明かしましたが、重彦は手術する事に強く反対しました。
男はその後、重彦を誘拐して軟禁しました。重彦が手術に反対した事に酷く腹を立てたのです。重彦が手術にイエスと言うまでは、軟禁を続けるつもりでした。そして男は仲間に重彦の拷問を任せてりん子と電話を始めました。重彦は男の仲間に拷問にかけられ、水の中に沈められていました。しかし重彦はりん子の事を思い、力を振り絞り水の中から脱出すると、交番で警官から銃を奪い、一目散にりん子の元へ向かいました。
重彦はりん子の元に辿り着くと、りん子の持つ電話の受話器を拳銃で撃ちました。びっくりしたりん子でしたが、重彦の行動に喜び、重彦に抱き着きました。そのまま二人は性交渉を始め、熱く愛し合いました。そして電話口の男、道郎は自殺しました。
映画『六月の蛇』の感想・評価・レビュー
上映時に話題になったので劇場で見たが、20歳そこそこの私には大人の話だなというだけで全く伝わるものがなかった。そしてそれから20年近くたった今でもこんな人もいるのかな。程度の感想しかなく自分の能天気さが恨めしくなる。じめじめした質感と人間の裏側の狂気的な破滅願望、性的欲求に縁がないまま生きてきたようだ。もしかしたらそんな自分にも突如破滅の鐘が鳴り響くような天気が訪れるのかもしれないが、その時にはこの映画を再鑑賞しよう。(男性 30代)
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