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映画『ローズの秘密の頁』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ローズの秘密の頁』の概要:精神病の施設に40年のあいだ入院しているローズ。施設が取り壊されることになり、医師のグリーンは彼女の症状の再調査を依頼される。ローズには自分が産んだばかりの赤ん坊を殺したという容疑がかけられていたのだが……。

映画『ローズの秘密の頁』の作品情報

ローズの秘密の頁

製作年:2016年
上映時間:108分
ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ
監督:ジム・シェリダン
キャスト:ルーニー・マーラ、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、ジャック・レイナー、テオ・ジェームズ etc

映画『ローズの秘密の頁』の登場人物(キャスト)

ローズ・クリア(ルーニー・マーラ / ヴァネッサ・レッドグレイヴ)
40年も精神病棟に暮らす女性。非人道的な治療を受けたせいで記憶が混濁し、妄想も強い。我が子を殺した疑いを掛けられているが、本人は否定している。マイケル・マクナルティと結婚していると本人は言っているが、その記録は残っていない。
グリーン(エリック・バナ)
ローズの精神病の再調査を依頼された医師。ローズと対話し過去を調べていくうちに、ある事実に辿り着く。
マイケル・マクナルティ(ジャック・レイナー)
ローズの夫。田舎で酒屋を経営していた。人のいい性格のため相手を選ばずに商売するが、敵国を相手に商売することを快く思わない者も多い。戦地ではパイロットとして活躍し、勲章も授与される。
ゴーント(テオ・ジェームズ)
神父。ローズと出会い、その魅力に惹かれていく。

映画『ローズの秘密の頁』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ローズの秘密の頁』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ローズの秘密の頁』のあらすじ【起】

若き医師のグリーンは、ある女性の精神鑑定の再調査をお願いされる。その相手とは、40年以上も前から精神科の施設に入院し続けているローズ・クリアだった。彼女には我が子を出産後に惨殺したという容疑がかけられていた。

今の施設は取り壊され、ホテルとスパになる予定だった。他の患者たちは別の施設へと移送していったが、ローズだけはここに居座ると言って聞かない。移送させるためにも再調査は必要不可欠だった。

グリーンがローズに名前を尋ねると、自分はクリアではなくマイケル・マクナルティの妻のローズ・マクナルティだと発言し、息子もいると答えた。

彼女に頭を悩ませる院長は強制的にローズの持ち物を廃棄してしまった。勝手に私物を捨てられたローズは取り乱し始める。彼女は日記替わりにしている聖書を持っていたが、それも捨てられていた。グリーンはローズの聖書や私物を取り返したが、彼女が最も大切にしているという十字架だけは見つけられなかった。善意ある行動が吉と出たのか、彼女は自分の過去について話を始めた。

ヒトラーが台頭し始めた頃、ローズは危険な都会から生まれ育った田舎へと戻ってきた。叔母が営むホテルで働きだしたローズは、町で酒屋を経営するマイケル・マクナルティに出会う。彼はローズに好意的で、彼女もその気持ちを嬉しく思っていた。暫くして、彼は村を離れてパイロットとして戦地へと行ってしまった。

ある時、泳ぎに行ったローズは一人の男と遭遇する。人気のない草原で異性と二人きり。男は怖くないのかと問いかけてきたが、ローズは臆することなく気丈な態度をとる。それを気に入ったのか、男はローズを車で村へと運んでくれた。後日、その男は神父のゴーントだということをローズは知る。

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映画『ローズの秘密の頁』のあらすじ【承】

ローズに興味を持ったゴーントは事あるごとに彼女の前に姿を現した。小さい村では噂はあっという間に広まる。アイルランド人のプロテスタントであるローズが神父のゴーントと一緒にいるところを目撃した人々は、二人の関係に興味津々だった。

ローズはゴーントへの気持ちは全く無かったのだが、彼女には悪意なく男を惹きつける魔性の魅力が備わっていた。そのせいで村の男の中には本気でローズを愛する者まで現れる。求愛する男を制したゴーントは、その男と殴り合いになってしまった。

客商売に悪い噂はご法度だ。このままローズを置いていては商売に影響が出ると悟った叔母は、彼女を森の中の小さな家へと追いやった。ローズはそこで独りぼっちで暮らしていたが、ある日、戦闘機が森の中に墜落する。それに乗っていたのはあのマイケルだった。

マイケルを助け出したローズは家にかくまうと、何も知らない顔をして追手を追い払った。マイケルは英国側のパイロットとなっており、ドイツから町を守った英雄として勲章も授与されていた。

戦地に戻りたいマイケルは、納屋で見つけた古いオートバイを修理し始める。そこへ何も知らないゴーントが顔を出した。彼は隔離されるローズの現状を嘆き、家政婦として自宅で養うと申し出る。マイケルの存在を知られたくないローズは、それを了承してゴーントを早々に立ち去らせた。

二人きりで過ごすうちに、ローズとマイケルの距離はみるみる縮まっていった。だが、オートバイの修理が終わり、マイケルは戦地へ向かおうと準備を始める。去り際、彼は十字の形をした勲章をローズに渡した。たまらなくなったローズは、行かないでほしいと自分の気持ちを告げ、二人は心のままに関係を結んだ。

翌朝、迎えに来たゴーントの前にマイケルが姿を見せ、彼を追い払った。マイケルに求婚されたローズはそれを受け、二人は教会に行き、牧師の前で夫婦の契りを交わした。

映画『ローズの秘密の頁』のあらすじ【転】

家に戻ってきたローズは家の中で追手が待ち構えていることに気がついた。ローズはマイケルに逃げるように言い、いつか自分を迎えに来てくれと叫んだ。オートバイに跨ったマイケルは追手から逃げ、遠くへと消えていった。

マイケルとローズの関係に感情的になったゴーントは、ローズに色情症の疑いがあるという診断書を作成する。診断書を読んだ叔母はローズを恥じ、精神病院へ入院させる書類にサインした。やがてローズの元に警官が現れ、強制的に入院させられてしまう。彼女はそのまま40年後の現在まで、そこに囚われることとなったのだ。

施設での扱いは酷いものだった。ゴーントはローズに自分との結婚を仄めかすが、そんなゴーントにローズは自分が妊娠していることを告げる。彼女は妊婦用の施設に移動となったが、産まれた子供は里親に引き渡されるか、一生この施設で暮らすという選択しかなかった。

ある日、施設を脱走したローズは、追いかけてくる警察とゴーントを振り切って海へと泳ぎだす。岩場の洞窟に泳ぎ着いたローズはそこで男児を出産。彼女は石を手にしてへその緒を切断したのだが、遠目からその姿を見た警察は赤ん坊を叩き殺していると思い込んでしまった。駆けつけたゴーントの腕の中でローズは意識を失う。

気がつくと、ローズはいつもの施設に戻ってきていた。息子に会いたいと言う彼女に看護師は冷たく、息子は死んでしまったと答えた。赤ん坊は海に流されたと説明される。ローズには電気ショックによる治療が施されるようになり、彼女は次第に記憶が混濁し、妄想も強くなっていった。

ゴーントがやってきてマイケルが追手に捕まり殺されたことを告げた。だが、ローズの頭の中はすでにぐちゃぐちゃになっており、目の前のゴーントをマイケルと間違うような有り様だった。錯乱したローズはゴーントに向かって、あなたがマイケルを殺したのだと叫ぶばかりだった。

映画『ローズの秘密の頁』の結末・ラスト(ネタバレ)

ローズの移送が翌日に迫ってきた。グリーンはローズの入院記録や聖書の日記を丹念に見直してみる。赤ん坊がいたと証明するためには、明確にいつごろ産んだのかが分からなければならなかったが、日記には曖昧な表現でしか記載されていなかった。

しかし、施設の資料の中に5月1日に脱走して出産したという記録を見つける。実は、グリーンも同じ日に生まれていた。気になった彼は実家に戻り、思い出の詰まった古い箱を開けてみた。箱の中にはグリーンを養子として引き取ってくれた継父の手紙が入っており、グリーンの本当の両親はローズとマイケルだということが書かれていた。その証拠として、手紙にはマイケルが授与し、ローズに渡した勲章が同封されていたのである。その勲章こそ、ローズがよく口にしていた十字架のことだった。

ローズの再調査は大司教直々の依頼だったが、実は大司教はゴーントだった。彼はあの日、洞窟で赤ん坊と勲章を手に静かにその場を去り、里親に引き渡していたのだ。今回の一件はローズと実の息子であるグリーンを引き合わせようとしたゴーントの計らいによるものだったのだ。

グリーンはローズの元へと行き、手紙と共に真実を告げる。そして、勲章を母親へと渡した。40年の時を越えて母子は再会し、二人はそれを心から喜んだ。ローズはグリーンの家で共に家族として暮らすことになった。

映画『ローズの秘密の頁』の感想・評価・レビュー

ハッピーエンドで終わるのは良いと思うのだが、グリーンがローズの息子だと気づく後半は、かなり強引で唐突だ。それにグリーンが息子であるということは、彼が名指しで依頼されたと作中で語られた時点で鋭い人なら分かってしまう。前半でのキャラクターたちの感情表現が乏しいのが少しもったいない。男を惹きつける魅力という設定も、あまり活かされておらず、お膳立てするために付け加えられた要素だけなような気がする。(MIHOシネマ編集部)

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