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映画『ロゼッタ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ロゼッタ』の概要:ロゼッタはアルコール依存症の母とキャンプ場のトレーラーハウスで暮らしている。ある日、真面目に働いていたにも関わらず突然職場を解雇されてしまう。今の生活から抜け出すため、ロゼッタは懸命に新しい仕事を探すが…。

映画『ロゼッタ』の作品情報

ロゼッタ

製作年:1999年
上映時間:93分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:リュック=ピエール・ダルデンヌ、ジャン=ピエール・ダルデンヌ
キャスト:エミリー・ドゥケンヌ、アンヌ・イェルノー、ファブリッツィオ・ロンギーヌ、オリヴィエ・グルメ etc

映画『ロゼッタ』の登場人物(キャスト)

ロゼッタ(エミリー・ドゥケンヌ)
キャンプ場のトレーラーハウスで母親と暮らす少女。腹痛持ち。現在の生活から抜け出したいという思いを胸に、気丈に日々を過ごしている。
リケ(ファブリッツィオ・・ロンギーヌ)
ワッフルスタンドで働く青年。ワッフル屋の欠員をロゼッタに知らせたことから交流が始まる。その後も何かとロゼッタの力になっていたが…。

映画『ロゼッタ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ロゼッタ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ロゼッタ』のあらすじ【起】

ロゼッタはアルコール依存症の母親とともにキャンプ場のトレーラーハウスで暮らしている。ロゼッタが働いて得た給料と、母親が縫製した古着を売った金で日々を過ごしていた。ロゼッタは出入り口からではなく、森の中の金網をくぐり抜けてキャンプ場を出入りしていた。森には靴を隠していて、外出するときには長靴から履き替えた。池には自分で作った罠を仕掛け、魚が獲れれば食料の足しにした。ロゼッタは時折やってくる腹部の痛みに悩まされており、そんなときはドライヤーの風を腹に当ててじっと耐えるのだった。

ある日、真面目に働いていたのにも関わらず、ロゼッタは突然職場を解雇される。前職の期間が短すぎたため、求職申請は通らなかった。生活保護を申請するよう言われるが、ロゼッタはきちんと働いてまともな生活ができるようになりたいと思っているのだった。

酒が原因で一度入院した母は現在断酒中の身だったが、ロゼッタに隠れて男に体を売っては酒をもらっていた。ロゼッタが外で張り込みをして、男がトレーラーハウスに入ったところへ乗り込み、酒を取り上げて男を追い出すこともあった。

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映画『ロゼッタ』のあらすじ【承】

ロゼッタがよく訪れるワッフル店では、新顔のリケという青年が働き始めていた。ロゼッタは社長に仕事がないかと尋ねたが、今はないという答えだった。その様子を見ていたリケは、店に欠員が出たことをロゼッタに知らせにきてくれた。ロゼッタはすぐに店で働き始め、ワッフルの生地作りを担当した。

ロゼッタは酒をやめる気配がない母を病院に連れて行くことにした。泣きながら抵抗する母に、入院しなければ治らないと言い聞かせる。一緒に歩き始めたが、母は再び抵抗を始め、ロゼッタは池に突き落とされてしまう。泥に足をとられて動けず溺れかけるも、なんとか這い上がった。

リケを訪ねたロゼッタは、リケのアパートで空いている部屋を紹介してもらった。その後リケの部屋へ行くと、リケは酒や食事を用意してロゼッタをもてなす。ワッフルの焼き型を見つけたロゼッタがワッフルの数を誤魔化しているのかと尋ねると、リケは認めた。バンドでドラムをやっているというリケは、その音源を流し、ダンスを踊ろうとロゼッタを誘った。ロゼッタはぎこちないながらも踊り始めるが、腹痛に襲われ部屋を飛び出してしまう。程なくして戻り、その晩はリケの部屋に泊まった。

翌日ロゼッタが店に出勤すると、代わりに息子を雇うことにしたと社長に告げられた。ロゼッタは引き下がらず、小麦粉の袋を抱え込んで抗うが、希望が聞き届けられることはなかった。再び仕事探しの日々が始まる。様々な店へ行き働き口を探したが、どこも人手は足りているようだった。

映画『ロゼッタ』のあらすじ【転】

キャンプ場に戻り、ロゼッタは池に向かった。金網を抜けたところを監視人に見られてしまい、咎められる。監視人が去ったのを確認し、仕掛けていた罠を見ると珍しく鱒がかかっていた。バイクの音が聞こえてきて、監視人が戻ってきたと思ったロゼッタは鱒を池に投げてしまう。しかし、やってきたのはリケだった。せっかくの鱒を逃したくないロゼッタのためにリケが掬い上げようとするが、足を滑らせて池に落ちる。助けを求めるリケの声を聞きながら、このままリケが死んでしまえば仕事が手に入るという考えがロゼッタの頭をよぎった。だが結局見捨てることはできず、リケを助け出した。

翌日、ロゼッタは気まずさからリケに声をかけずワッフルスタンドを通り過ぎようとしたが、見つかって呼び止められた。そしてリケは、自分と一緒にワッフルをこっそり売ってはどうかと持ちかける。しかし、ロゼッタはきちんとした仕事を探すと言って断った。

その後社長のもとを訪れたロゼッタは、リケが自宅で焼いた分のワッフルもスタンドで売っていることを告げ口する。社長はロゼッタを連れてすぐにスタンドへ向かった。リケが隠していたワッフルを確認した社長は激怒し、その場でリケにクビを言い渡した。リケは裏切ったロゼッタのことを睨みつけていた。

映画『ロゼッタ』の結末・ラスト(ネタバレ)

ロゼッタはその日からリケの代わりに雇われることになった。帰り道、バイクに乗ったリケがしつこく付け回してきた。ロゼッタは懸命に逃げるが追いつかれ、なぜこんなことをしたのかと責められる。ロゼッタは仕事のためだと答えた。その剣幕に押されたリケはそれ以上何も言わなかった。

次の日ロゼッタが仕事を終えて帰宅すると、酒に酔った母が外で座り込んでいた。ロゼッタは母を担いでトレーラーハウスまで連れ帰り、ベッドに寝かせた。それから社長に電話を掛け、仕事を辞めるとだけ伝えて切った。部屋に戻ったロゼッタはガスの栓をひねり、ゆで卵を1つ食べながらベッドに横たわった。心中を図ったのだ。しかし、ガスがなくなっていたため未遂に終わる。ロゼッタは監視人のもとへ行き、新しいガスボンベを受け取った。

重いガスボンベを持ち帰っていると、バイクに乗ったリケがやってきた。ロゼッタの周りをバイクで回りながらついてきて、追い払ってもやめようとしない。ロゼッタはガスボンベごと地面に倒れ込んでしまい、そのまま泣き出した。するとリケはバイクから降り、ロゼッタを助け起こした。ロゼッタは何も言わず、涙を流しながらリケを見つめていた。

映画『ロゼッタ』の感想・評価・レビュー

「施しは受けたくない」と言ってもらった食べ物を捨てる、職がない状態でも生活保護は受けない、きちんとした仕事しかしないなど、自分のプライドを守り通すロゼッタに強さを感じた。そこを曲げればもう少し楽に生きられるのかもしれないが、それはロゼッタの目指す「まともな生活」ではないのだ。親切にしてくれたリケを裏切ったのはショックだったが、それも生きていくための行動であり、責められることではないと思った。(MIHOシネマ編集部)

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