この記事では、映画『ラン・オールナイト』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ラン・オールナイト』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ラン・オールナイト』の作品情報
上映時間:115分
ジャンル:アクション、サスペンス、ヒューマンドラマ
監督:ジャウマ・コレット=セラ
キャスト:リーアム・ニーソン、ジョエル・キナマン、ヴィンセント・ドノフリオ、ニック・ノルティ etc
映画『ラン・オールナイト』の登場人物(キャスト)
- ジミー・コンロン(リーアム・ニーソン)
- マフィアの殺し屋だった男。今は過去に殺した人々への罪悪感に苛まれながら、酒に溺れる毎日。マフィアのボス・ショーンとは若い頃からの付き合いで、今でも親友として世話になっている。殺し屋家業のせいで、息子からは絶縁されている。
- マイク・コンロン(ジョエル・キナマン)
- ジミーの息子。リムジンの運転手をしながら、父親のいない子供にボクシングをコーチする慈善活動を行っている。人を殺めてきた父を心底嫌っている。妊娠中の妻と2人の娘がいるが、娘たちにはジミーの存在すら話したことが無い。
- ショーン・マグワイア(エド・ハリス)
- 街を牛耳るマフィアのボス。長年ジミーのボスであり親友でもある。警察にもその影響力は及んでおり、意のままに操っている。友人が麻薬中毒になった経験から、麻薬がらみの仕事からは手を引いている。息子のダニーが間違った方向に成長してしまったことを悔やんでおり、ダニーを殺したジミーとマイクに報復しようとする。
- ダニー・マグワイア(ボイド・ホルブルック)
- ショーンの息子。マフィアのボスである父の権力を当てにしてアルバニア・マフィアとの仕事を取り付けるが、父に断られ金銭トラブルとなる。アルバニア・マフィア殺害をマイクに目撃され、殺そうとしてジミーに射殺された。
- ハーディング刑事(ヴィンセント・ドノフリオ)
- 街の刑事。ショーンの言いなりになっていない数少ない刑事の一人。長年ジミーを追っており、今も彼が過去に犯した殺人に執着している。今回の事件を調べる内に、真相に気付き始める。
- プライス(コモン)
- ショーンに雇われた殺し屋。ジミーとマイクの命を狙い、後を追っている。
- エディ(ニック・ノルティ)
- ジミーの兄。ショーンの命令で自分の従兄弟まで殺したジミーを嫌っている。
映画『ラン・オールナイト』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ラン・オールナイト』のあらすじ【起】
森の中、撃たれて横たわるジミー・コンロンと、「逃げろ」と叫ぶ息子のマイクの姿があった。ジミーは自分の人生を後悔していた。事の発端は16時間前に遡る……。
マフィアに長年雇われていた元殺し屋・ジミーは、今では酒に溺れる自堕落な生活を送っている。マフィアのボスで長年の親友でもあるショーン・マグワイアの息子・ダニーに金を借りねばならぬほどの困窮ぶりだ。夜にはかつて殺した人々が夢に現れ、眠れぬ日々を過ごしていた。警察にはジミーを長年追っている刑事・ハーディングがいた。彼はジミーが殺した人の名を知りたがっていた。
父ショーンの威光で不自由ない生活を送っているダニーは、父の特権を使ってアルバニア・マフィアとのヘロイン輸送の話を取り持とうとしていた。しかしショーンにこれを断られてしまい、アルバニア・マフィアから紹介料を返すよう脅されてしまう。
ジミーの息子・マイクは、ボランティアで父親のいない少年マックスにボクシングを教えていた。妊娠中の妻と2人の娘と共に暮らしているが、父とは絶縁状態。娘達は祖父の存在すら知らなかった。マイクはリムジンの運転手として働いているが、偶然アルバニア・マフィアをダニーの家まで乗せていく仕事に当たってしまう。アルバニア・マフィアがダニーの家に入り、それを待っている間に、マックスがダニーを見つけてリムジンに乗り込んできた。動画を撮り始めたマックスだったが、突然銃声が響き、2人はダニーがアルバニア・マフィアを殺すのを目撃してしまう。マイクはダニーに見つかり、命からがら逃げる。マックスはばれずにこっそり逃げ出した。

映画『ラン・オールナイト』のあらすじ【承】
ジミーにショーンから電話がかかってきた。ダニーとアルバニア・マフィア、そしてマイクとの一件がショーンに伝わったのだ。ジミーは銃を手に家を出る。ショーンは問題を起こしたダニーに謹慎を言い渡していたが、ダニーはそれを守らず、マイクの家に向かっていた。
ジミーはマイクを守ろうと彼の家にやってきた。マイクの妻子は、妻の兄の家におり留守だ。しかしジミーを嫌っているマイクは、彼をすげなく追い返してしまう。そこにダニーが忍び込んできた。ダニーはマイクに銃を向けるが、銃声で倒れたのはダニーだった。ジミーがダニーを射殺したのだ。
ジミーはショーンに電話し、ありのままを話す。ダニーは厄介な男だったが、ショーンにとってはそれでも愛する息子だった。ショーンはジミーとマイクに報復が為されることを告げ、電話を切った。マイクはジミーの忠告に耳を貸さず、彼を追い出し警察に電話してしまう。やってきた警察にはショーンの息がかかっており、マイクはアルバニア・マフィア殺害の罪まで着せられ拘束されてしまった。
ジミーはパトカーを追いかけ、マイクを救い出す。ジミーはマイクを守るため、今晩だけ行動を共にしてほしいと頼んだ。マイクは単身妻子の元へ向かう。ジミーはショーンの息がかかっていないハーディング刑事に連絡を取り、殺した者全員の名と引き換えに息子を助けてくれるよう頼む。ハーディング刑事も事件を調べる内、マイク犯人説に疑問を持ちはじめていた。
映画『ラン・オールナイト』のあらすじ【転】
マイクは妻の兄の家で家族と再会する。追手はここにもやってきたが、見つからずに済んだ。一方ジミーはショーンに話をつけに行くが、交渉は決裂した。ジミーはマイクと合流し、マイクの家族を山小屋へ逃がす。マイクはジミーと留まり、目撃者であるマックスを探すことにした。ショーンは殺し屋のプライスにジミー・マイクの殺害を依頼する。
ジミー達はマックスのアパートにやってくるが、他の住人に通報されてしまう。警察と殺し屋がアパートにやってきた。殺し屋は警察官も射殺しながらジミー達を追ってくる。現場に到着したハーディング刑事も、殺し屋が2人を追っていることを知る。ジミーとマイクはマックスに会うことができなかった。
ジミーの傷を手当するため、2人はジミーの兄・エディの元へ身を隠す。しかしそこでマイクは、ジミーが実の従兄弟を殺したことを知ってしまった。マイクはその場を飛び出してしまう。マイクに去られたジミーは、病院で眠る母を訪ねた。そこで彼はリストを書き始める。
ジミーはショーンとの一騎打ちを決意する。2人は線路で撃ち合い、ジミーがショーンを射殺した。一方警察署では、マックスがハーディング刑事にマイクの無実を訴えていた。マックスは動画にアルバニア・マフィア殺害の様子を収めていたのだ。
映画『ラン・オールナイト』の結末・ラスト(ネタバレ)
森の山小屋で妻子と再会したマイクは、ハーディング刑事に電話し、出頭の意思を伝える。ハーディング刑事がこちらに来ることになった。ジミーはマイクの元へ向かい、罪は全て自分が被るつもりであることを伝えた。妻に促され、マイクは娘達に「祖父」としてジミーを紹介した。マイクはジミーの逮捕を娘たちに見せぬため、コテージの外に出る。
ジミーは窓からマイク達の姿を見ながら微笑んだ。マイクは自分のためにも、ジミーの元へもう一度戻ろうとする。しかし突然銃声が響き、ジミーは撃たれてしまう。殺し屋プライスが追ってきたのだ。ジミーは森に飛び出した。プライスに狙いを定めるが、撃たれて倒れてしまう。プライスはマイクの娘の声を聞きつけ、娘の方へ向かっていく。マイクがプライスに発砲し、注意を逸らした。しかしマイクの銃はもう弾切れだ。ジミーは最後の力を振り絞り、プライスを射殺した。
マイクはジミーの元へ駆け寄ったが、ジミーは事切れた。ハーディング刑事が到着し、ジミーの手の中に1枚のメモを見つける。それはジミーがこれまでに殺した人物のリストだった。
マイクの元には平和な生活が再び訪れた。喪服に着替えマイクは部屋を出る。その部屋には、今まで封印してきた、幼い頃の父との写真が飾られていた。
映画『ラン・オールナイト』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
とにかくリーアム・ニーソン演じるジミーがかっこいい。そしてジョエル・キナマン演じるマイクがイケメン。この二人の不器用な親子愛が見所な一方、エド・ハリス演じるマフィアのボス、ショーンと殺し屋ジミーの言葉では言い表せない複雑な関係性が更に魅力的で、疾走感のあるストーリーにより深みを与えている。
息子を失い、長年の友情に牙をむくショーンの静かな怒りと狂気に満ちた瞬間が素晴らしかった。(女性 30代)
リーアム・ニーソンが演じる元殺し屋の父親が、疎遠だった息子を守るために一夜限りの死闘を繰り広げるというストーリー。アクション満載でテンポも良く、最初から最後まで一気に観られました。特に、親子の絆が徐々に修復されていく過程がよく描かれていて、単なる銃撃戦にとどまらない人間ドラマが胸に響きました。ラストでのジミーの自己犠牲にはグッときました。(20代 男性)
ハードボイルドな雰囲気と、リーアム・ニーソンの貫禄ある演技がとてもマッチしていました。物語はシンプルながらも、親子の過去や、裏社会との因縁などが絡み合っていて深みがあります。息子のマイクとの間にあったわだかまりが、逃避行の中で徐々に解けていく描写が丁寧で感情移入しやすかったです。派手な爆発はないけれど、リアルな緊張感が光る映画でした。(30代 女性)
ストリートのリアルさと元殺し屋の哀愁が絶妙に融合した作品でした。リーアム・ニーソンは年齢を感じさせないアクションで、重みのある父親像をしっかり演じ切っています。息子に過去を告白し、信頼を取り戻そうとする姿が印象的。個人的に好きだったのは、追跡の合間に見せるジミーの静かな表情。人間の複雑さが垣間見えて良かったです。(40代 男性)
スリルと感動のバランスがちょうどよく取れたアクション映画でした。序盤から緊張感があり、一夜の出来事としてテンポよく展開されていきます。元同僚との対決や、腐敗した警察の描写など、社会の暗部にも切り込んでいて見応えがありました。ジミーの最後が悲しいけど、息子の未来のために全てを賭けた選択に心を打たれました。(50代 女性)
リーアム・ニーソン主演作品にハズレなしと思ってますが、今作も例に漏れず見応えありました。特にジミーが息子を守るために、かつての雇い主と敵対する決意をするシーンは熱かった。息子との関係を修復しながらも、自分の償いを果たすという筋書きにぐっときます。アクションも無駄がなく、重厚感のある演出で大満足でした。(30代 男性)
リアルで泥臭いアクションが魅力の一本。正義と罪、家族と贖罪というテーマが終始描かれていて、ただのアクション映画では終わらない深さがありました。息子と逃げ続ける中で、少しずつ信頼が芽生えるのが良い。ラストでジミーが自ら警察を呼び、最後に息子にだけ心を許す姿が切なくも美しい終わり方でした。(60代 女性)
どちらかというと感情ドラマ寄りのアクションで、ただの“逃げる映画”じゃないところが良かった。リーアム・ニーソンの不器用な父親像がリアルで、息子とのすれ違いが痛々しくもあって心に残る。中盤の電車のシーンや森での対決など、緊張感の高い場面も多くて飽きさせない。タイトル通り「走り続ける」夜が描かれていた。(40代 女性)
親子の再生劇としても、暗殺者の引退物語としても完成度が高い作品。夜の街を舞台にした映像がとても印象的で、全体を包むダークな雰囲気が物語の重さを引き立てていました。ジミーが自分の過去の罪と向き合い、最終的に命をかけて償おうとする姿に涙。リーアム・ニーソンの代表作の一つと言っていいかもしれません。(50代 男性)
アクション映画としてしっかり楽しめた上に、父と息子のドラマが厚く描かれていた点がよかったです。ジミーがかつての罪を抱えながらも、息子のために立ち上がる姿に男として共感しました。家族を守るというシンプルなテーマながら、非常に力強く、観終わった後に考えさせられる作品でした。ラストの静けさがまた印象的でした。(20代 男性)
映画『ラン・オールナイト』を見た人におすすめの映画5選
ザ・イコライザー(The Equalizer, 2014)
この映画を一言で表すと?
静かなる男が悪を裁く、孤高のバイオレンス・ジャスティス。
どんな話?
過去を捨て平穏な生活を送っていた元CIA工作員ロバート・マッコール。だが、知り合った少女がロシアンマフィアに囚われたことをきっかけに、再び“処刑人”としての顔を取り戻す。冷静沈着な彼が悪を次々に裁いていくスリリングな物語。
ここがおすすめ!
『ラン・オールナイト』と同じく、過去を背負った男が誰かのために命を懸ける姿が描かれています。デンゼル・ワシントンのクールな佇まいと、緻密で容赦ない戦い方が魅力。内に秘めた怒りが爆発する瞬間のカタルシスがたまりません。
96時間(Taken, 2008)
この映画を一言で表すと?
娘を救うため、元CIAの父親が怒涛の大暴走!
どんな話?
ヨーロッパ旅行中に誘拐された娘を救うべく、元CIAの父ブライアンが単身で人身売買組織に立ち向かうアクションスリラー。限られた時間の中で、執念とスキルを武器に犯人を追い詰めていくスピード感が見どころ。
ここがおすすめ!
『ラン・オールナイト』の主演でもあるリーアム・ニーソンが、父親としての愛と執念を全力で見せる名作。緊迫感のある展開と一切のムダがないアクションは圧巻。親子の絆や守るために戦うテーマが好きな方には必ず刺さります。
ザ・タウン(The Town, 2010)
この映画を一言で表すと?
罪から逃れられない男の、最後の選択。
どんな話?
銀行強盗団のリーダーであるダグは、ある事件をきっかけに自分の生き方に疑問を持ち始める。愛する女性との出会いが転機となり、過去から抜け出そうとするが、仲間やFBIとの関係が彼を追い詰めていく…切なさを含んだクライムドラマ。
ここがおすすめ!
『ラン・オールナイト』と同じく、裏社会に生きる男の“贖罪”と“家族”を描いた作品。ベン・アフレック主演・監督作で、重厚な人間ドラマと緊張感あるアクションが融合しています。犯罪から抜け出したいという男の苦悩が心に刺さります。
ヒート(Heat, 1995)
この映画を一言で表すと?
善と悪、プロフェッショナル同士の極限バトル。
どんな話?
完璧な犯罪を追求するプロの強盗ニールと、執念深い刑事ハンナ。立場は違えど似た者同士の二人が、ロサンゼルスの夜を舞台に死闘を繰り広げる。壮大な犯罪劇と静かなる心理戦が魅力のクライムアクションの金字塔。
ここがおすすめ!
『ラン・オールナイト』にあった男同士の対立と尊敬の構図が、さらに濃密に描かれているのが本作。ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノという名優の競演は、映画史に残る名シーン連発。人間ドラマの深さとアクションの迫力を両立した傑作。
ア・ヒストリー・オブ・バイオレンス(A History of Violence, 2005)
この映画を一言で表すと?
平穏な男に迫る、過去という名の悪夢。
どんな話?
田舎町で家族と穏やかに暮らす男トム。ある日、強盗を撃退し英雄となるが、それをきっかけに謎の男たちが現れ、彼の過去が暴かれていく…。静かに張り詰めた空気と、暴力の連鎖がじわじわと展開するサスペンスドラマ。
ここがおすすめ!
『ラン・オールナイト』同様、「過去を清算できない男」のテーマが中心。暴力から距離を置こうとする男が、再びその世界に引きずり込まれていく姿が哀しくも美しい。暴力描写も生々しく、静と動のコントラストが秀逸です。
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