映画『竜二』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「竜二」のネタバレあらすじ結末と感想

竜二の概要:金子正次が脚本と主演を務めた、派手な抗争シーンのないヤクザ映画。妻と娘との生活のために、ヤクザ稼業から足を洗うことにした竜二の姿を描く。金子は自主制作で映画を完成させたが、封切り後、癌のため他界した。

竜二の作品情報

竜二

製作年:1983年
上映時間:92分
ジャンル:ヒューマンドラマ、フィルムノワール
監督:川島透
キャスト:金子正次、永島暎子、北公次、佐藤金造 etc

竜二の登場人物(キャスト)

竜二(金子正次)
三東会のヤクザ。新宿をシマとしている。ルーレット賭博でかなりのシノギを上げており、羽振りが良い。普段はもの静かだが、キレると人が変わったように激昂する一面も持つ。妻のまり子、娘のあやと暮らすためヤクザ稼業から足を洗う。
まり子(永島暎子)
竜二の妻。暴力事件で収監された竜二の保釈金を、竜二と別れることを条件に自分の親に工面してもらう。九州で娘と生活をしていたが、竜二がヤクザ稼業から足を洗ったことで、親子3人の生活を取り戻す。
ひろし(北公次)
竜二の舎弟の一人。掃除などの家事を淡々とこなす、あまりヤクザらしくない一面がある。竜二が組を去った後、出世をする。カタギになった竜二の元に、舎弟を連れ、高価なスーツを着て訪れる。
直(佐藤金造)
竜二の舎弟の一人。新宿の賭場でルーレットのメインディーラーをやっている。ひろしには強がってみせるが、竜二には全く頭が上がらない。竜二が組を去った後は、ひろしとは対照的に落ちぶれていく。
カズ(菊池健二)
竜二の兄弟分。竜二が組にいる頃からシャブ中の情婦を連れていたが、その情婦と共にシャブに溺れてしまい、カタギになった竜二に金をせびりにくる。その後に死んでしまう。
関谷(岩尾正隆)
竜二のかつての兄貴分。足を洗い、小料理屋を営んでいる。羽振りの良くなった竜二がヤクザ稼業を続ける虚しさを告げると、自分もそうだったと語る。竜二が足を洗った後、カタギの仕事を紹介する。

竜二のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『竜二』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

竜二のあらすじ【起】

三東会の竜二といえば誰もが一目置く存在だった。新宿でルーレット賭博場を開き、その仕切りを舎弟の直とひろしに任せていた。そのシノギで女も金も、十分すぎるほど竜二の周りには集まってきていた。

ある日、舎弟の直が調子に乗って兄弟分のカズに喧嘩を吹っかけてしまう。それを知った竜二は、直を呼び出し、怒鳴り、殴る、蹴る。直はケジメを付けようと、包丁を取り出し小指を落とそうとするが、余りの痛さに泣き叫んでしまう。そんな直の姿を見て、竜二は「30過ぎてエンコ落とす奴はバカだ」と言い放ち、病院へ連れて行く。しかし、病院からの帰り道、そんな直を優しく気づかう竜二の姿があった。

一方、三東会の組事務所では、あるビルの権利関係で銀行と揉めていた。「ヤクザが銀行に脅されてノコノコ帰ってくるとは情けない」と兄貴分は言う。しかし、言われた三東会組員は「最近じゃあ、どっちがヤクザか分かんないよ」と竜二に愚痴をこぼしていた。そんな愚痴を竜二は優しく受け止めていた。

同じ日の夜、直は賭場の仕事へ向かうため、身支度を整えていた。買い物から帰ってきたひろしは直に新しい上着を見せる。バーゲンで安かったことを話すと、直はひろしを怒鳴りつける。「ヤクザがバーゲンでモノ買うのか?ヤクザとしての意地はないのか?だったら辞めてしまえ!」と。ショボくれるひろしに直は、「昔そんな風に竜二さんに言われたことがある」と、「俺だから良いけど、竜二さんに知れるとただじゃすまないよ」と伝えるのだった。

竜二のあらすじ【承】

ある日の午後、ひろしは洗濯、掃除と家事をこなしていた。掃除の最中、襖を開けた途端に、中から子供のおもちゃが転がり落ちてくる。そのおもちゃを見たひろしは、数年前のことを思い出すのだった。

まり子との間に娘あやが産まれた頃、竜二はイキがっていた。舎弟の二人を連れ、タクシーで夜の街に繰り出し、やりたい放題だった。金はなかったが「俺は三東会の竜二だ」と凄めば、どうにかなっていた。しかし、カタギへの暴力事件で起訴され収監されてしまう。保釈金のために奔走する直とひろしだったが、なかなか金は工面できなかった。兄貴分に頼むことを、ひろしは直に提案するが、竜二に金がないことがバレてしまうことを恐れ、それもできずにいた。そうする中、まり子は保釈金を準備して、竜二を塀の中から出す。シャバに戻ったことを喜び合う竜二たちだった。しかし、保釈金の出所がまり子の父親で、手切れ金代わりということを知った竜二は激昂する。自分のしたことは間違いだったと謝るまり子に、竜二は娘はいらない、九州へ帰れと告げる。竜二は、「やっぱヤクザは金がないとダメだ」とつぶやくのだった。

竜二のあらすじ【転】

過去の一件から、ヤクザ稼業で誰にも負けないくらいのシノギをあげている竜二だったが、不安を感じていた。争いごとも嫌になり、金にも興味がなくなっていた。そんな不安を竜二はかつての兄貴分で、今はカタギになった関谷に告げる。関谷は「俺も不安だった」と、「そんな時は子どもの寝顔に助けられたもんだ。竜二、娘に会いたいだろう」と言う。そして、竜二に足を洗うことを勧めるのだった。

竜二は兄貴分から、例のビルの利権関係で銀行と揉めている案件の交渉を頼まれる。三東会の名刺をひろしから受け取り、一人交渉場所の喫茶店に向かう竜二。交渉の席に着くやいなや「あんた誰?誰が来てもダメなもんはダメだ」と銀行マンに言われる竜二。しかし、用意した名刺を取り出そうと、ゆっくり胸ポケットに手を入れた途端、そのオーラにビビった銀行マンはその場で小切手を切り、竜二に渡す。小切手を片手に喫茶店を出た竜二は、その場で三東会の名刺を投げ捨て、足を洗うことを決意するのだった。

ヤクザ稼業から足を洗った竜二は九州に、まり子とあやを迎えに行き、関谷から紹介された酒の配送の仕事にも就き、新たな生活を始めるのだった。

竜二の結末・ラスト(ネタバレ)

竜二の生活は順調だった。給料日、関谷の店に寄った竜二はささやかな幸せを語る。その関谷の店からの帰り道、竜二はカズと出会う。カズはシャブを止められず、竜二に金を無心する。竜二は給料袋に手をかけるが思い留まり、「何にもしてやれない」と財布の中のはした金を置いて立ち去るのだった。しかし数日後、竜二のもとにカズの訃報が届く。

カズの訃報から、少しずつカタギの生活に違和感を感じ始めた竜二だった。家でも大声をあげ、仕事もサボりがちになっていく。そんなある日、舎弟を引き連れ出世したひろしが訪ねてくる。今の自分との違いを感じる竜二。それはまり子も同じように感じていた。過去のカッコ良かった竜二も、今の家庭的な竜二も、まり子は愛していた。「竜ちゃん」と身体を竜二に預け、愛し合う二人。その竜二の背中には龍の入墨がくっきりと残っているのだった。

竜二は限界だった。仕事中に同僚から自分も昔は相当悪だったと聞かされた瞬間、その男の手にタバコを押し付け、それがどうしたとキレる。その日の帰り道、竜二は特売の列に並ぶまり子を見つける。そして、何も言わず立ち去る。その姿を見たまり子は、娘あやに「おばあちゃんの所に帰ろうか」と話すのだった。

この記事をシェアする