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映画『デンジャラス・ラン』あらすじとネタバレ感想

映画『デンジャラス・ラン』の概要:新米CIAエージェントの元に連行されてきた男は、世界36ヶ国で指名手配されている凶悪犯にして元CIAのエリート捜査官だった。CIAの全てを知り尽くした男と行動を共にする新人捜査官の運命は?

映画『デンジャラス・ラン』 作品情報

デンジャラス・ラン

  • 製作年:2012年
  • 上映時間:113分
  • ジャンル:アクション、サスペンス
  • 監督:ダニエル・エスピノーサ
  • キャスト:デンゼル・ワシントン、ライアン・レイノルズ、ヴェラ・ファーミガ、ブレンダン・グリーソン etc

映画『デンジャラス・ラン』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

[miho21]

映画『デンジャラス・ラン』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『デンジャラス・ラン』のあらすじを紹介します。

CIAが容疑者や、重要人物を連行する『隠れ家』は世界中にある。南アフリカのCIAの隠れ家・セーフ・ハウスの管理人マット(ライアン・レイノルズ)は通称・客室係(ハウス・キーパー)。隠れ家の管理人として退屈な日々を送っていた。憧れの工作員としての昇進願いは出せども届かず、恋人にも職業を偽り続ける日々を送っている。

そんな彼の退屈な日々は一変する。CIA史上最凶の犯罪者が護送されてきたからだ。彼の名はトビン・フロスト(デンゼル・ワシントン)。元CIAエリートだったが、10年前に訣別。現在は国家機密を密売する犯罪者として世界各国から指名手配されていた。

フロストが護送されてきた事は、序の口だった。機密に守られていたはずのセーフハウスが何者かの襲撃を受けたのだ。味方が次々と壊滅状態に陥る中、フロストはマットに謎めいた言葉を投げかける。
『何故セーフハウスがバレたと思う?』
尋問のプロと言われ、現在のCIAの尋問のルールを作ったと言われるフロストの言動にマットは翻弄される。

CIA本部と連絡をとったマットは上司のバーロー(ブレンダン・グリーソン)からサッカー・スタジアムに行き、GPSで新たなセーフハウスを確認後、フロストを連行せよと指示を受ける。最初はバーローの指示通りに事は運ぶかに見えたが、途中でフロストが逃走を図り警備員に化けて逃げた為、逆に警察から追われる身となってしまう。

作戦の失敗を本部に報告したマットは、支局長のキャサリン(ヴェラ・ファーミガ)から任務解除を命じられ、長官のホイットフォード(サム・シェパード)からは
『よくやった、後は任せろ』と言われ、ふと我にかえる。

そういえばフロストはセーフハウスが襲われた時に、マットにこういった。
作戦終了の折に本部は『よくやった、後はまかせろ』というはずだが、それは全て罠なのだと・・・。

マットはフロストの真意を確かめるべく、自分の手でフロストを追う事にする・・・

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映画『デンジャラス・ラン』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『デンジャラス・ラン』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

何故フロストは逮捕されたのか?

フロストの設定は世界36ヶ国から指名手配を受け、逃げおおせている犯罪者である。何故彼が逮捕されたのか。その答えは映画の冒頭部分にある。

映画の冒頭でフロストがMI6長官ウェイド(リアム・カミングハム)から入手したマイクロチップには、世界中の諜報機関に在籍している汚職職員のリストがあったからだ。
ウェイドは、フロストにリストを渡した直後に狙撃犯に射殺されフロストは、大使館に逃げ込んだ為、逮捕、セーフハウスに護送されてきたというのが本当の理由だった。

フロストの持っている情報は世界中の諜報機関が狙うものである事は間違いない。そこからフロストを追う真犯人も察しがつく。

フロストを追う黒幕は?

マットは、CIAの追跡網から離れ、ケープタウン郊外に住むパスポート偽造のスペシャリスト・カルロス(ルーベン・ブラデス)の元に向かう。もしもフロストが逃亡し向かう先があるとすれば、ここだと踏んだからだ。
案の定フロストはカルロスの元にいたが、そこに現れたのはCIAが派遣した武装部隊。何故ここがばれたのか。

敵の黒幕はCIA内部の人間。『後はまかせろ』の意味は作戦に関わったマットの様な人間に全ての罪を被せること。かつてフロストも同じ目に遭った。だからこそCIAと訣別したという事実。
かつては任務と国家に忠誠を誓っていた諜報員としての誇りがあったからこそ、汚職諜報員は許せないフロスト。

そんな彼の意思が判っていながらマットはセーフハウスにフロストを護送するが、セーフハウスの客室係・ケラー(ジョエル・キナハン)はマットとフロストを殺して手柄を立てようとする。

彼はCIAに『よくやった、後は任せろ』と本部長に告げられる前に、マットとフロストにより殺されてしまう。
フロストはマットの目の前で息絶えるが、彼は、こういい残す。
『お前は俺よりも優秀だ。そして優秀でい続けろ。約束しろ』と。

フロストがマットに言いたかったのは、俺の様に組織にも利用されない、罪も被せられない、組織も利用しようとは思わない諜報員になれるだろうという事ではないだろうか。

トビン・フロストのモデルは数人居る?

トビン・フロストのモデルは数人居るといわれているが、8年に渡りソ連とロシアに2億円の報酬と引き換えにCIAの機密を売り続けていた諜報員が、一番近いといわれている。

またデンゼルはサイコパスな主人公を演じるにあたり、『良心を持たない人たち~25人に1人の恐怖~』という本を参考にして役作りをし、黒とも白ともつかないグレーな役を演じ続けた。昼間に人殺しをしても夜にはフルコースのディナーを食べる事が出来る人間像を作り上げていったというわけである。

そんなデンゼルの周りを固める若手の演技も見ごたえがある、ライアン・レイノルズは硬軟あわせた演技力と主役を引き立てつつ主張をさりげなく通す所が見どころである。
ラスト近くに出てきたジョエル・キナハンは、監督ダニエル・エスピノーザお抱えの俳優で、この映画出演後リブート版『ロボコップ』の主演に抜擢されている程である。


ただの逃走劇ではなく、何が真実で誰を信じれば良いのか分からない心理戦が楽しめる作品だった。言葉の端々からフロストが頭のキレる人物だということは読み取れるので、彼の言葉を信頼しても良いのか、主人公のマットと同じように混乱させられた。
黒幕はあまり予想外の人物ではなかったので、あまり驚きは感じなかった。マットとフロストのやり取りの方がハラハラしておもしろかった。
フロストの最期はとても悲しかった。今まで孤独の中で戦い続けてきたのだろうと思う。(女性 30代)

映画『デンジャラス・ラン』 まとめ

単なるスパイアクション映画というだけでなく、愛着のある組織や会社に裏切られた有能な社員の行く末を具現化している様な映画である。
マットは言うなれば、会社や組織の闇を知らずに、表面上の憧れだけで配属されてきた部下でありフロストは組織や会社の表も裏も知り尽くした人生の先輩だ。

そんなフロストがマットに社会で生き抜く術を教えていく映画だと思えば、単なるスパイアクションという以上の醍醐味があると思う。

みんなの感想・レビュー

  1. 影山 美穂 より:

    ご指摘ありがとうございます。
    該当部分、修正致しました。

  2. 匿名 より:

    フロストは、マットの目の前で息絶えるが、彼は、こういい残す。
    『俺はお前より優秀だ』と。

    ↑ここ間違えてると思います…
    死ぬ間際に自分の方が優れてるアピールはしないかと。